●週刊チャオ サークル掲示板
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週刊チャオ鍛錬室 ろっど 11/4/23(土) 4:16
条件一覧 ろっど 11/4/23(土) 4:23
投稿コーナー ろっど 11/4/23(土) 4:24
探し物 斬守 11/4/28(木) 0:53
『生存報告』 冬木野 11/4/28(木) 3:33
黒いリストバンド スマッシュ 11/5/1(日) 23:26
チャオの実 ダーク 11/5/2(月) 23:11
彼女の病室 ホップスター 11/5/8(日) 3:12
The PERMANENT GARDEN : AM3時のおやつ それがし 11/5/10(火) 12:09
赤いチャオ ろっど 11/5/11(水) 23:36
おかしなはなし 冬木野 12/3/30(金) 22:21
リンゴに響くのは銃の声 ダーク 12/4/14(土) 17:08
チャオおとこ ダーク 12/6/1(金) 21:14
ヘヴンポップ・クリエイト だーく 18/9/27(木) 0:13
感想・批評コーナー ろっど 11/4/23(土) 4:28
斬守さんの「探し物」への感想です 冬木野 11/4/28(木) 3:48
感想ありがとうございます。 斬守 11/4/29(金) 1:05
冬木野さんへ感想です スマッシュ 11/5/3(火) 0:41
わざわざ感想ありがとうございます 冬木野 11/5/3(火) 7:20
冬木野さんへ ダーク 11/5/3(火) 1:14
どうもありがとうございます 冬木野 11/5/3(火) 7:44
冬木野さんの『生存報告』への感想です ろっど 11/5/3(火) 15:18
ろっどさんありがとうございます 冬木野 11/5/3(火) 17:59
スマッシュさんの黒いリストバンドへ感想です ろっど 11/5/3(火) 16:02
感想ありがとうございます スマッシュ 11/5/3(火) 16:46
斬守さんへ感想です スマッシュ 11/5/3(火) 16:19
感想ありがとうございます。 斬守 11/5/4(水) 22:08
斬守さんへ ダーク 11/5/3(火) 17:54
感想ありがとうございます。 斬守 11/5/4(水) 22:10
斬守さんの探し物へ感想です ろっど 11/5/3(火) 22:12
感想ありがとうございます。 斬守 11/5/4(水) 22:22
斬首さんへ それがし 11/5/11(水) 19:58
感想ありがとうございます。 斬守 11/5/15(日) 23:49
冬木野さんへ それがし 11/5/11(水) 20:55
遅ればせながらがら 冬木野 11/5/15(日) 13:59
スマッシュさんへ それがし 11/5/11(水) 21:23
感想ありがとうございます スマッシュ 11/5/11(水) 23:36
ろっどさんへ それがし 11/5/11(水) 23:54
感想ありがとうございます。 ろっど 11/5/12(木) 0:22
ホップスターさんの彼女の病室へ感想です ろっど 11/5/14(土) 18:08
感想ありがとうございます ホップスター 11/5/15(日) 3:04
それがしさんのThe…へ感想です ろっど 11/5/14(土) 18:43
Re(1):それがしさんのThe…へ感想です それがし 11/5/15(日) 1:45
ろっどさんの赤いチャオへ感想です ろっど 11/5/14(土) 19:00
感想ありがとうございます。 ろっど 11/5/14(土) 19:10
ホップスターさんへ それがし 11/5/15(日) 2:31
ありがとうございます ホップスター 11/5/15(日) 3:57
ダークさんへ それがし 11/5/15(日) 3:03
解説 線文字D 11/5/15(日) 23:15
ありがとうございます ダーク 11/5/16(月) 7:14
ダークさんのチャオの実へ感想です ろっど 11/5/18(水) 16:25
ありがとうございます ダーク 11/5/18(水) 18:34
ろっどさんへ ダーク 11/5/18(水) 20:04
感想ありがとうございます。 ろっど 11/5/19(木) 0:55
ほっぷさんへ ダーク 11/5/18(水) 20:29
ありがとうございます ホップスター 11/5/19(木) 17:40
おかしなはなしへ感想です ろっど 12/3/31(土) 16:21
感想ありがとうございます 冬木野 12/4/1(日) 20:08
おかしなはなしへ感想です ダーク 12/4/2(月) 22:32
感想ありがとうございます 冬木野 12/4/4(水) 4:55
ダークさんのリンゴに響くのは銃の声への感想です 冬木野 12/4/24(火) 20:53
ありがとうございます ダーク 12/4/25(水) 20:01
冬きゅんの感想へ返信です ろっど 12/4/26(木) 0:35
ご意見ありがとうございます 冬木野 12/4/26(木) 9:40
だーくさんのヘヴンポップ・クリエイトに感想です スマッシュ 18/9/27(木) 21:43
やりたい放題やりました だーく 18/9/28(金) 22:47
スマッシュきゅんの感想へ返信です ろっど 18/9/29(土) 7:08
感想への返信への返信です スマッシュ 18/9/29(土) 17:24
だーくさんのヘヴン感想 ろっど 18/9/29(土) 7:38
ヘヴンイレヴンいい気分 だーく 18/9/29(土) 12:10

週刊チャオ鍛錬室
 ろっど  - 11/4/23(土) 4:16 -
  
主に条件を指定した小説を書くコーナーです。
限りなく短くても条件にあってさえいればなんでもOKです。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/...@p3026-ipbf2805souka.saitama.ocn.ne.jp>

条件一覧
 ろっど  - 11/4/23(土) 4:23 -
  
(1)最初から最後まで一人称で書くこと
(2)登場人物は2人+チャオ(何匹でもOK)
(3)1ページにまとめること

補足:1ページは30KB(15000文字〜16000文字)まで書けます。
   どんなに短くても条件さえ合っていれば問題なっしんぐです。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/...@p3026-ipbf2805souka.saitama.ocn.ne.jp>

投稿コーナー
 ろっど  - 11/4/23(土) 4:24 -
  
条件つき小説を投稿するコーナーです。特に企画というわけではありませんが、みなさんもどうぞご自由に。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/...@p3026-ipbf2805souka.saitama.ocn.ne.jp>

感想・批評コーナー
 ろっど  - 11/4/23(土) 4:28 -
  
近所の噂話、明日の夕飯から酷評まで、なんでもござれの感想・批評コーナー。
こちらもご自由に。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/...@p3026-ipbf2805souka.saitama.ocn.ne.jp>

探し物
 斬守 WEB  - 11/4/28(木) 0:53 -
  
 枯れ葉がひらひらと舞い散る季節。
 夕陽が空と雲をオレンジ色に染め、とても綺麗だ。

 僕と彼女は、公園の片隅にあるブランコに座っている。
 さっきから彼女はずっと口を閉ざしたまま、眉一つ動かさず、僕についてきていた。
 そんな彼女は、さっきからある生物に視線を向けている。
 それは、チャオと呼ばれる希少動物。
 数年前にこの星で発見され、清らかな自然と外敵の脅威がない環境でしか生きてはいけない生物だ。
 人の手によって、チャオの絶滅は回避され、現在は人間と過ごせるまでに復興を遂げていた。
 彼女が見つめるチャオは、小さなボールを持って、近くにいる少年の元へ走っていく。
 あの少年は、チャオの世話をしているのだろう。彼は近寄ってきたチャオの頭を撫でると、ボールを受け取る。
 そして少年が遠くにボールを投げると、チャオはそれを目で追いかけた。同時に飛んで行った方角へと足を向け、走り出す。
 チャオの走るスピードは、お世辞にも速いものとはいえなかった。亀の歩く速度よりも遅いわけじゃないが、あまり走るのが得意ではないようだ。
 やっと追いつくと、ボールを両手で持ち上げ、少年のいる所まで戻っていくのであった。
 少年もチャオもとても楽しそうだ。さっきから公園でずっとボール遊びをしている。
 まるで本当の親子のように、僕には眩しすぎる光景だった。
「……あの子達。楽しそうだね」
 唐突に彼女が呟いた。鈴虫の音で掻き消されそうな、か細い声で。
 急に話しかけられたから、少し反応が遅れてしまった。
 このまま無視するわけにもいかず、とりあえず「そうだね」っと、返事してみる。
 彼女はまだ、氷のような冷たい瞳で、チャオを観察していた。ピクリとすら動かないから、死んでしまったのではないかと思ってしまう。
 彼女はチャオと少年を見て何を思っているのだろうか。
 でもまぁ、想像していることは見当がついていた。僕も彼女と同じ人間だからだろうか。

 僕と彼女は今日、互いに家出してきたんだ。
 僕の家庭は最悪だった。毎日両親は喧嘩し、僕達を道具のように扱う親。
 何かうまくいかないことがあると、すぐ僕に暴力をふるった。今でも身体に痛々しい痣がいくつも残っている。
 彼女も同じような家庭に生まれていた。聞いた話によると、相当酷い仕打ちをうけていたようだ。
 彼女の全身に残っている傷……そして心の傷が、ただ深く、悲惨だった。
 でも、僕らは親に歯向かう勇気を持ち合わせていない。抵抗した所で、ただ傷が増えるだけだったんだ。
 それが嫌で、互いに相談しあった結果、僕らは家を抜け出すことにした。

「ねぇ」
 さっきよりもハッキリとした声で、僕を呼び掛けてくる彼女。
 それでも、彼女は僕を見ていない。
「幸せの家庭って……どんな感じなんだろうね」
「うん、僕も同じこと考えていた所」
「……何で、あの子はチャオに優しくしているんだろう。何で……何でなんだろうね」
「――それはきっと、僕らには分からない感情だよ。きっと、あれが幸せってやつなんじゃないのかな」
「幸せ……」
 ――幸せ。
 それは僕らの環境からでは、分からない感情。
 独りぼっちで逃げ場のない僕らには、分からないものなのだろう。
 けど、僕達はもう一人じゃない。
 僕は彼女と出会って、初めて心が生まれた気がしたんだ。
 上手くこの心を彼女に伝えられないけど。まだ、幸せってどんなものなのか分からないけど……。
「だからさ、探しに行こうよ。幸せってやつをさ」
 彼女と一緒に、感じとりたいと思ったんだ。幸せってやつを。
 どんなに辛いことだろうが、やって見せるって。そう決意したんだ。
 僕は彼女に手を伸ばして、エスコートしてみせる。
 それに対して、ここに来てから一度も動きを見せなかった彼女が、俯いてしまった。
 それから彼女は、もじもじと身体を動かしたり、スカートの裾を弄ったりしている。
 どうしたのだろう、気分でも損ねてしまったのかな……。
 そんな不安をよそに、彼女はいきなり僕の手を掴んで立ちあがったのであった。
「よ、よろしく……お願いします……」
 そして恥ずかしそうに、やっぱり小さな声で彼女は言う。どうやら気分を悪くしたわけではなかったようだ。
 お互い、気恥ずかしい気持ちを抱いているみたいである。こういうのは少し照れくさい。
「行こうか」
「うん」
 彼女は顔を上げて、はっきりと頷いてみせる。
 先程までの氷のような表情はどこにいったのやら。溶けてしまったのだろうか。
 僕を見る彼女の瞳は、泉のように透き通っていて綺麗だった。
 ――大丈夫、彼女とならやっていける。
 そんな願いを込めて、僕らはここから遥か遠くを目指して、歩き始めた。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2.16) Gecko/20110319 Firef...@203-207-50-170.flets.tribe.ne.jp>

『生存報告』
 冬木野  - 11/4/28(木) 3:33 -
  
 12月30日。
 ようやくホワイトクリスマスを迎えることのできた今年。これはきっと、神様からの餞別なんだろうか。
「……寒いな」
 今日も、雪は降り積もっている。12月に入り始めてからずっと。
 孤独に凍える昼下がり、学校の屋上にて。外の道路を見ると、4匹のチャオが見えた。休日に公園へ遊びにいく子供のようにはしゃいでいる。
「誰だろうな、あれ」
 最近チャオを見る度に思う疑問がこれだ。いつの日か会わなくなったあの人や、昨日まで顔見知りでいたあの人の姿を、見かけるチャオに重ねる。無駄な事だとは、もちろんわかっているつもりで。
 それでも、そうでもしていないと、孤独で凍えてしまいそうになる。

 ふと、屋上のフェンスに体を預けてたそがれている僕のズボンを誰かが引っ張った。
 振り返ってみると、予想通りというかコドモチャオだった。もう見飽きた姿なだけに溜め息ばかりが出てくる。
「なんだい?」
 何気なく声をかけてみても、僕にはわからない言葉と、ジェスチャーが返ってくるだけ。それでもなんとか意味を汲み取ってみる。
 ……下に……誰かが、来ている、かな。
「自分でこっちに来ればいいのに」
 なんとなくそんな愚痴を漏らすと、それに答えるように屋上のドアが開いた。そこには僕の見知った姿があった。
「ゆうき!」
「くるみ、来てたんだ」
 よく知っている幼馴染の顔は、今月に入ってから悲壮感に彩られたような印象が強くなった気がする。ちょっと不謹慎かな。
「ゆうき、私の弟がどこに行ったか知らない? ねえ!」
「起きたらいなくなってたのかい?」
「う、うん……ねえゆうき、一緒に探して。多分まだどこかに」
「ねえ」
 捲し立てるくるみの言葉を遮り、僕はチャオの元へ近寄ってしゃがみ込んだ。目線を大体同じ高さにして話しかける。
「きみ、くるみの弟のこと、何か知らないかな」
 無論、何も喋らない。
 ただチャオは、徐にくるみの顔を見た。その動作だけでこの子が何を言わんとしているか、僕達は理解してしまった。
「……うそ」
 くるみはその場にへたり込んでしまった。チャオはそんなくるみの元へと駆け寄り、身を寄せてきた。くるみはそのチャオの頭を力無く撫でてやる。
「……ゆうき」
「なんだい?」
「ゆうきのご両親は? 今、どこにいるの?」
「さあ。出かける時、庭に2匹のチャオと会ったけど。いやに僕の身嗜みを気にしてたから、ひょっとするね」
「……そっか」
 それだけで意味を察したようで、くるみは口を閉ざした。

 何気なく、遠くを見渡す。一面の銀世界――というよりも、今の僕達には銀よりも灰色に見えるこの世界。ここから見える校庭には、沢山のチャオ達が駆け回っていた。そこに人間の姿はない。
 まるで、世界中に人間は、僕とくるみしかいないように見えた。ひょっとしたら、本当にそうなのかもしれない。


____


 その日の夜。家にいてもやることが無いと思った僕は、日が暮れてからもずっと学校にいた。
 別に学校にいたってやることなんかそうそうないわけだが――なんとなく、コンピュータ室にこもってあるサイトを見ていた。そのサイトの名前は実に単純明快。

『生存報告BBS』

 どういうサイトかは、特に説明するまでもない。呼んで字の如く、生存報告をする為の掲示板だ。僕はそこの掲示板に、前と同じような書き込みを繰り返した。

『○○県の中学生Yです。今日も生き残る事ができました』

 そんな単純な書き込みが、ここを見ているみんなの希望になります。掲示板の説明には、そんな事が書かれていた。だから、この掲示板が作られた時はうんざりするほどの書き込みがあったものだ。
 でも、それから数分経って返ってきた書き込みは、たったの一つだった。

『○○県中学、Kです。弟がチャオになってしまいました。家族内で残っているのは私のみです』

「……くるみ」
 この書き込みは、くるみ以外には考えられなかった。同じ境遇の人物という偶然の可能性すら、僕の中からは消え失せていた。


 今月に入った時、ある胡散臭い雑誌に妙な記事が掲載された。
 どこの誰だかは知らないが、未来予知能力を持っていると言う人物の言葉と、それについて編集部で考察したという記事だ。
 その人は、こんな未来を予知したという。
「聖誕祭から今年の終末にかけて、全人類は新しい生命に成り代わる」
 当時、こんな馬鹿げた予言が本当の事だと誰が想像しただろうか?
 ……聖誕祭の翌日、祖母から電話で連絡があった。祖父が姿を消して、代わりにチャオがいたという。
 新しい生命――即ち、チャオ。1月になるまでに、全人類はチャオに変わってしまうという。
 当然、どこの国の政府も対策なんて立てるわけなかったし、立てることもできなかった。ありえないのと、わからないという、実に簡単で絶対的な壁があったから。
 聖誕祭の12月23日から7日経った今日、少なくともこの町では僕とくるみ以外の人間は見かけなくなった。掲示板の生存報告だけではわからないが、少なくともこの国の8割以上の人間はチャオになってしまったのではないか……と、強ち否定できない予想を打ち立てていた。


「…………」
 もうそろそろ、今年も終わりが近い。
『Kさん、明日学校で会えないでしょうか?』
 画面の向こう側のKさんがくるみであると決め付けて、話を持ちかけてみた。ここはひとつ、別人であってほしいものだが……。
『わかりました。何時に会いましょうか?』
 ……どうやら淡い期待だったようだ。向こうも僕の事を知り合いだと思って話している。
『今、学校のコンピュータ室にいます。好きな時間に来てください』
『すぐに行きます』
「えっ」
 こんな真夜中に?
『今から?』
 ……返事は無かった。もう、パソコンから離れてしまったのだろう。
「やれやれ」
 何か言われそうだなと、くるみの来訪に些かの不安を覚えた。


____


「ゆうき!」
「あ、くるみ」
「なんで学校にいるの!」
「別に、大した理由はないけど」
「じゃあ大人しく家にっ」
「家にいる理由もないし」
「だからって……あーっ!」
 もう反論の言葉が無くなってしまったらしい。女の子の身分で頭をガリガリと掻き始めてしまった。髪は大切にするものだろう。
 と、くるみの後ろにコドモチャオが一匹いるのに気付いた。
「くるみ、その子は?」
「え? ああ、屋上のあの子。弟……だと思う」
 やっぱり。あのまま連れて帰っていたようだ。
「お姉ちゃんが、自分の弟の事がわからないなんてね」
「だって、しょうがないじゃ――」
 言い返そうとしたその言葉の勢いは、呆気なく失われてしまう。見るとくるみは俯いて溜め息を吐いている。
「……ほんとだよね」
「くるみ?」
「自分の弟がチャオになったってだけなのに、この子が弟なのかどうかわかんないだなんて。姉として情けないと思う」
 ……冗談が過ぎたみたいだ。ここまで落ち込ませてしまうだなんて。状況が状況なのに、軽率な発言をしてしまった。
「じゃあ、なんでその子と一緒にいるの?」
「この子が自分の弟であってほしいってだけ。もし違ってたら笑えないんだけどね」
「信じてあげようよ。お姉ちゃんなんだろ?」
「うん。ありがと」


 それから僕達は、晩御飯と称してコンビニのパンやおにぎりを食べ始めた。店員のいない店から適当に見繕ってきたものだ。そんな僕達の不正を止める店員や警察は、もちろんいない。
「……で、どうするの?」
「ん、何が?」
 突然に話を切り出したくるみ。言葉の意味がよくわからないままに聞き返してみると、くるみは呆れたような顔をした。
「何がって……ゆうきが私を呼んだんじゃない。何か用があったんじゃないの?」
「ああ、忘れてた」
「忘れ……もう、本当にゆうきって考え無しね」
 よく言われる台詞だ。そこまで天然なつもりはないんだけど。
「でも、今さらする事なんてないんだよね。やり残した事とか、そうそう思いつくもんじゃないし」
 いわゆる、明日世界が滅亡するのならという奴だ。曰く、おいしいものを食べまくる、遠いところへ旅行しにいく、エトセトラ。普段ならできない事を、我を忘れてやる。
 ……それなら、僕達もそうしてみようか?
「どこか、でかけてみないか?」
「でかけるって、どこに?」
「普段の僕達には行けない所だよ。どこかの施設に無断で入るとかさ」
「…………」
 睨まれてしまった。
「えっと、本音は人間探しだよ。遠いところまで行ってみれば、ひょっとして誰か見つかるんじゃないかって。それに」
「それに?」
「気になるんだ。人間がどうしてチャオになってしまったのか。例の預言者の住んでいた場所に行って手掛かりを見つけてみたいし」
 うーん、我ながらよくできた言い訳だ。全部その場凌ぎの建前である。本音は勿論、好奇心を満たす為でしかない。
「その預言者って、どこに住んでるのかわかるの?」
「ちゃんと調べたよ。東京にいたみたいだね」
「東京って……12月は明日でもう終わりだよ? たった1日でどうやって」
「車やバイクでも使えばいいじゃないか」
「運転できるの?」
「将来免許を取ろうと思って、運転の仕方だけは自分で勉強したから。交通法までは覚えきってないけど、今は問題ないでしょ」
 流石に呆れを通り越したか、くるみは何故かうんうんと頷きだした。どういった意味で受け取ればいいのかよくわからないけど、オッケーってことでいいのかな。
「じゃあ、車にしよ。この子も一緒に連れて行きたいから」
 そう言ってくるみは隣でやきそばパンを頬張っていたチャオを抱き上げた。条件反射なのか、ポヨをハートマークにして喜んでいる。
「わかった。車は僕の父さんのを使おう。出発は明日起きてすぐで」
「ガソリンは大丈夫?」
「ちゃんと入ってるはずだよ。足りなくなったら現地調達」
「犯罪者」
「法を振りかざしても、今は裁く人がいないよ」
「私がそのうち裁いてやる」
「おお、怖い怖い」

 そのまま他愛のない会話で眠気を誘い、僕達はそのまま学校で眠ることにした。


____


「……ゆうき」
「なんだい?」
「学校って、居眠りのホットスポットだけどさ」
「そうだね」
「就寝するのには全然向かないね」
「基本、布団なんかないからね」
「……本当にどうして学校にいたの?」
「さあね」
 朝っぱらからくるみに恨めしい視線をもらうことと相成ってしまった。おかげさまで体の節々が痛い。
 そういうわけで、12月31日。宿題を終わらせていない夏休みの終わりに似た緊張感も皆無な僕達の終末の日を迎えた。今日も雪だ。
 学校から帰る途中で寄ったコンビニで必要な食料を調達し、僕の家へ。父さんの部屋から車のキーを失敬し、僕達は車に乗り込んだ。運転席に僕、助手席にくるみ、後部座席にチャオ。僕の親らしきチャオの姿は家にはなかった。どこへ行ってしまったのか。
「それにしても、ゆうきのお父さんって凄い車持ってるんだね。スポーツカーって奴?」
「ラリーカーだよ。母さんにはお金の無駄遣いだって怒られてたけどね」
 キーを差し込んで捻り、甲高いエンジン音を響かせる。ギアはまだニュートラルにしたままアクセルを踏んでみると、その分の強さで車が唸る。これは病みつきになりそうだ。
「……親子」
「え?」
「顔に出てるよ。楽しいって」
「あはは」
 僕は苦笑いをしながら、クラッチペダルを踏んでギアを一速に入れた。サイドブレーキを下ろし、ゆっくりとアクセルを踏み込む。壁にぶつからないように細心の注意を払いながらハンドルを回す。一足先に心臓の鼓動が加速している。
 そうやってなんとか車庫から道路へと車を出して、一旦ブレーキを踏んで一息ついた。
「運転って楽じゃないね」
「言い出しっぺなんだから、ちゃんと頑張ってよね」
 当のくるみはと言うと、備え付けのカーナビを慣れた手つきでいじっていた。
「何してるの?」
「東京行くんでしょ? ちょっと設定をね……はい、できた」
「ありがと」
 ナビに表示された道順を横目で見ながら、僕は再びアクセルをゆっくりと踏み込んだ。


____


 それからどれくらいか経ってなんとか高速道路までやってきた僕は、直線的な道路を目の当たりにしてようやく肩肘を張っていた感覚から抜け出せた。
「やっとまっすぐな道路だ……」
「ゆうき、大丈夫?」
「なんとかね。まさか初ドライブが雪掻きもしていない道路の上になるとは思ってなかったけど。前もってタイヤを履き替えてくれててよかったよ」
 もしこれで他の車も走っていたとしたら、間違いなく高速道路に来る前に警察か病院に御厄介になってたろう。
 料金所を当たり前のように通り過ぎて、広くて緩やかにしか曲がらない高速道路に僕の心も幾分か開放感に包まれた感覚を覚える。
「今日の高速道路はUターンだってできるぞ」
「スリップの間違いじゃないの、それ」
 的確な注意を受け、改めてハンドルを握り直す。と言っても、今の高速道路に障害物なんか毛ほども――と、そう思った矢先だった。
「あれ……」
 高速道路の上に、僕達の乗っているもの以外の車を見つけた。と言っても、走っているわけではない。……見かけるほぼ全ての車が、ガードレールに突っ込んでいた。
「きっと、運転中にチャオになっちゃったんだな」
「お気の毒……」
 そう言ってくるみは一人黙祷を捧げ始めた。ふとバックミラーで後部座席を見ると、チャオが興味深そうに窓の外を流れる景色を眺めてはきゃっきゃとはしゃいでいた。この差と来たら……思わず溜め息が漏れた。

「それにしても、さ」
「ん?」
 さっきから窓の外――というよりも、ガードレールばかりを眺めているくるみが何気なく口を開いた。
「いないね、人間」
「高速に乗る前なら、道端にチャオはいたんだけどね。ここには流石にいないみたいだ」
 おかげさまで、必要以上に神経をすり減らしながら運転するハメになったんだけど。
「やっぱり、もういないのかなぁ。私達以外の人間」
「この世界には、僕達二人しかいないってことだね」
「うん……」
 そして、最後の僕達ですら消えてしまうのだろう。この世から人類は消え去り、全ては新生命に成り代わる。
 ――どうしてそうなってしまうのだろう? 僕達にはその理由を知る事はできるのだろうか? 今はまだ、何もわからないけど。
「って、バカぁっ!」
「えっ?」
 突然、くるみが凄い剣幕でこっちを向いた。一瞬スリップしてしまいそうになるのをなんとか堪える。
「ゆうきったら、なんてとんでもないこと言ってるの!?」
「え? え? 僕、何かおかしなこと言った?」
「言った!」
「な、なんて?」
「なんてって……い、言えるわけないじゃないっ」
「はあ?」
「もうっ、この考え無し! いいから運転! 事故るでしょ!」
 事故るも何も、いきなり怒鳴られるのが事故の元になりそうだったんだけど。
 結局、それっきりくるみはずっとそっぽを向いたままだった。顔が赤いのが少し気になったが、理由は聞けそうにない。


____


 高速道路を抜けた後、それなりに広い首都圏の道路を闊歩して見つけたのは、ある商店街の一角だった。空模様のせいかもしれないが、心なしか暗い印象がある。
「……家なんてどこにもないよ?」
 くるみの言うとおり、ここは少なくとも住宅街でないことは確かだ。しかし……。
「アパートもマンションもないんなら、家代わりにするところは沢山あるんじゃないかな」
 エンジンを止めてキーを抜き、運転席を降りた。くるみも車を降り、後部座席のチャオを抱えて僕の後につく。
「ねぇ、そもそもどうやって預言者さんの住所を調べたの?」
「件の預言者は過去に本を出版したみたいなんだ。委託出版にしようとしたんだけど、どこの出版社も首を横に振ったから自費出版にしたらしいけど。それで奇跡的にそこそこ名が売れたみたい」
「それで?」
「ホームページを作ってメールアドレスや住所、郵便番号を公開して、お便りを募ったりしたってわけ」
「その住所がここの事?」
「ううん、住所は別の所なんだ」
「ええ?」
 くるみが首を傾げる。それを見たチャオが、くるみと同じように首を傾げてポヨを疑問符に変えた。僕の言ってる言葉の意味がわかっているのか、それともただの真似っこか。
「郵便番号で住所検索をかけてみると、何故かこの辺りがヒットするんだ」
「どうして?」
「さあね。それをこれから調べるんだ」
 とは言ったものの、僕が知ってるのは大まかな位置だけだ。この辺り一帯を虱潰しに探すのは少し骨が折れそうだ。
 ……と、周囲の建物を見回しているとくるみがポカンとした表情で僕を見つめているのに気付いた。
「どうかした?」
「……あ、その。ゆうきって凄いなぁって」
「凄いって、何が?」
「だって、まるで探偵みたいなんだもん。そんな事を調べてるなんて」
「ああ、それなら僕が調べたわけじゃないよ。預言者の事をネットで調べたら、とっくにどこかの掲示板でその事に気付いた人が書き込みしてたんだ。その人も真相を暴く前にチャオになっちゃったんだろうけど」
「あ、なんだぁ。そうだよね、ゆうきみたいなのがそんな事に気付くわけないよね」
「……僕だって一応傷付くからね」
「あっ、ごめん。そういうつもりじゃ……ちょっとゆうき、待ってよ!」
 くるみの制止の声も無視して、僕はさっさと歩き出した。……さっき訳もわからずに怒鳴りつけたお返しなのはバレてないだろうな。


 その後、僕達がやってきたのはとある本屋さん――と、酒場。その間の路地裏。
「……なんでここなの?」
「勘」
「はあ?」
「自分の本が出されているであろう場所と、誰かと話す為の場がある都合の良い場所。路地裏なのは、人目を気にして隠れてるとか」
「預言者さん、怪しい人前提なんだね」
「これで怪しくなかったら、正真正銘の預言者でしかないからね」
 果たして、僕達はあたりかはずれか酒場に面した側の方の建物に扉を見つけた。それは地下への階段の場所に。
「如何にも、って感じ」
「ははあ、まさか本当にあるとは」
「え、何? あてずっぽう?」
「うん」
「……考え無し」
 考えも何も、普通あるわけないじゃないか。ご都合主義の領域だぞ。

 中に入ってみると、そこは1LDKの小さな部屋だった。安いアパートのようなもので、電気は点けておらずに真っ暗だ。というより……。
「電気そのものがない、か」
 天井を見上げてみると、不思議な事にそもそもの照明器具が無かった。わざわざ取り外しているとは、いったいどういう事だろう?
 ただ、唯一明かりを点けていたものが一つあった。
「……パソコンだね」
「うん」
 極普通のノートパソコンだ。部屋の中央のちゃぶ台に置きっ放しにしてあり、画面は光を放っている。
 調べてみようと足を一歩踏み出した時、何かを踏んだ。気になって調べてみると、それは一冊の本だった。
「なにそれ?」
「暗くてよく見えないけど、えーと……フウライボウと、不思議な……」
「あ、それ知ってる! 有名だよね!」
「うん、僕も知ってるよ。チャオ関係の本、か」
 他にも本がないか、手探りで床を探す。するとちゃぶ台の下に積み上げてある本が崩れているのに気付く。
 そのいくつかを手に取ってみると、同じようにチャオに関係する本ばかりだった。
「全部チャオ関係なのかな」
「かもね」
 一応、背表紙に書かれた作者の名前もチェックする。さっきの本の作者に加え、どれも最近知られた人や、昔からいる有名な作家ばかり。それも、全員チャオに関する本を書いている人だ。
「預言者さん、チャオ好きだったのかな」
「さあ?」
 少なくとも、チャオという生命体との関係が密である事は確かだろう。
 ノートパソコンの方を見てみる。画面に映っていたのはあるメールサイトだ。しかも、恐らく僕達にとっては喜ばしくない画面だった。
「削除しました……だって」
 削除画面。僕はちゃぶ台の上にあるマウスを手に取り、ログインしたままのアドレスに関するメールを漁った。送受信問わず。……が、見事に何もなかった。
「……あーあ」
 途端にバカらしくなって、僕は床に寝転がった。
 探偵ごっこもここで終わりだ。無計画に探し、見つけたと思った真実は既に電波の海の藻屑だった。自己満足という欲求すら満たされないまま、全てが水の泡。
 それでもくるみは諦めきれないのか、僕の手放したマウスを手に取って何かを探し始めた。それにも興味が湧かない僕は、床に降ろされていたチャオが目についたので手を伸ばしてみる。チャオは「おいで」と解釈したか、僕のところへと駆け寄ってきた。そして何故か、僕の頭を撫でる。
「あはは、慰めかい?」
 チャオは心の鏡っていうけど、僕達みたいな一般人からすれば『心の安らぎ』みたいなものだ。一緒にいると、なんとなく落ち着く。それが、チャオって奴だと思う。……なんて、今はあんまり関係のない事をふと思ってみたり。
「……ねえ、おかしいよ」
「え?」
 そこへ急にくるみが怪訝な顔をして僕の頭をポンポンと叩いた。撫でられている最中に実に失礼だと思うのだが、特に何も文句を言わずに体を起こす。
 くるみがいじっていたのは、どうやらコントロールパネルのようだ。電源設定の画面だが……。
「これが、どうかしたの?」
「バカ、よく見て」
 言われるがまま、画面を見てみる。


「ディスプレイを暗くする:5分
 ディスプレイの電源を切る:10分
 コンピューターをスリープ状態にする:30分」


「へえ、割と早いなぁ」
「そういう事じゃなくて!」
「どういう事?」
「……ゆうき、わざと?」
 そうは言われても、何が何やら。肩を竦めてみせると、くるみが見るからに「だめだ」といった顔で首を振った。
「私達がこの部屋に入った時、このノートパソコンはどうなってた?」
「どうって、点けっぱなしで放置――あっ!」
「そう、スリープどころかスクリーンセーバーだって表示されてなかった。つまり、私達が来る前の5分の間、誰かがここにいたの」
「なるほど……凄いやくるみ、まるで探偵みたいだ」
「凄くない凄くない。むしろこんな簡単な事に気付けないゆうきが凄い」
 感心して褒めたつもりなのに、くるみはさっきと同じような顔でまた首を振った。僕ってそんなに鈍いかな。
「じゃあ、メールを消したのも?」
「多分、私達より先にここへ来た人。預言者さんか、それとも別の人」
「くるみ、まだ近くにいると思う?」
「……どうだろう。私はいない気がする」
「僕もだ」
 ここへの入り口は、僕達が入ってきたあの扉だけだ。路地裏は僕達が入ってきた側と反対側からしか入れなかったし、もし近くにいるなら鉢合わせくらいはしたかもしれない。だが5分という時間があれば、歩きでだって遠いところへ行けるだろう。仮にほとんどすれ違いも同然で、まだ遠くには行っていないのだとしても、僕達がここで潰した時間で十分離れられる。加えてここは広い都会、しかも今は雪の降る真っ只中。
「……探すのは難しいね」
「そっか、残念」
 お互いに笑いが込み上げてきた。喜ばしい笑いではないのは勿論だったのだが、不思議と嫌な笑いでもなかった。そんな僕達を見て、チャオはわけがわからなさそうに首を傾げ、ポヨを疑問符に変えていた。


____


 車に戻った僕達は、行きと同じ座席に座った。車のキーを差し込んで捻り、エンジンを再び起こす。それから――それから特に行き先もなくなってしまった事を再確認して、くるみの方を見た。
「どうしよっか」
「さあね」
 返ってきたのはメロンパンだった。もうご飯時だっけ。
「ご飯時どころじゃないでしょ」
 そう言ってくるみはフロントガラスの向こう側に映る空を見た。僕も同じ方向を見ると、なるほど確かにご飯時どころじゃないくらい暗くなろうとしていた。もうそんなに時間が経っていたわけか。
「……ねえ、ゆうき」
「なんだい?」
「仮にさ――仮にだよ? 今、本当に私達二人が最後の人間だとして」
「うん」
 なんとなく、言わんとしている事がわかってしまう。僕も同じように、不安がある。
「これから、どうしよう?」
「…………」
 これから、どうするか?
 そもそも僕達に『これから』はあるのだろうか? 別に死ぬわけではないから、きっと『これから』はあるのだろう。それがどんな形であれ。
 ……そう、どんな形であれ。しかしそれは、裏を返せば僕達にどうこうできる形のものではない。明日にでもなれば、僕達に待ち受ける『これから』は選択権の無いものとしてやってくる。今の僕達はその圧力に押し潰されそうになって、今の自由をどう使うべきかもわからない。
 恐らく、この先に自由はない。僕達は流されるままに生きる事になるのだろう。
「くるみは、行きたい場所はない?」
「え……」
 もう、僕のしたい事は無くなってしまった。だから僕は、選択権をくるみに譲った。当のくるみもなんと答えればいいのかわからずに視線を彷徨わせてしまうのだが――その視線は、一点に留まった。
「あれって、もうどれくらい完成してるんだっけ?」
「あれ?」
 僕の聞き返す『あれ』をくるみは指差す。それは運転席側の窓からもよく見える『あれ』だった。
「来年には開業予定だって聞いてたから、もうほとんど出来上がってるんじゃないかな」
「じゃあ、行ってみない? 私達が最初の入場客になれるよ」
 そして最後の――なんて事がないといいんだけど。
 くるみの提案を呑み、僕はサイドブレーキに手をかけ、


 そして、ある事を思い出した。それは、恐らく今を生きる僕達自体には生涯関係のない事だろうと思っていた知識。

「くるみ、ちょっとだけ待っててくれないかな」
「え? どうしたの?」
「大丈夫、すぐ戻るよ」
 エンジンをつけたまま車を降り、僕はさっきの部屋へと急いで戻った。
 必要な『文章』は、不思議な事にスラスラと思いついていた。


____


「ここのエレベーター、普通のより早い……」
 どことなく身を強張らせているように見えるくるみが、体の上昇している感覚を訴えてきた。
「さっきのが分速600mで、これが240mだったかな」
「基準がよくわかんないよ……」
「分速600mは時速で言えば34km、240mはおよそ14kmってとこだね。さっきのは普通に走っている車よりやや遅めだし、こっちはそれ以上に遅いよ」
「それでも十分早いってば……」
 どうもさっきから元気がない気がする。というより、やけにそわそわしている。後ろでぼーっと座っているチャオも、くるみのそんな様子が気になっているようだ。いったいどうしたんだろうかと考えてみて、くるみの苦手なものを一つ思い出す。
「ところでくるみ、知ってる?」
「な、なに?」
「これから行くところ、窓ガラスで覆われた空中回廊なんだって。まるで空中を散歩しているようとかなんとか」
「いやぁぁ、無理無理! ゆうき、やっぱり戻ろうよ!」
「なはは、自分で来たいって言ったんじゃんか」
「でも、空中回廊とかいうのは聞いてない!」
「そうじゃなかったら大丈夫だったの?」
「だって……下、見えないなら平気だろうし……」
 まぁ、尤もではあるが。下を見て落ちる事を想像するから怖いんだろう。
 というわけで、くるみは高所恐怖症であった。
「まあまあ大丈夫だって、落ちない落ちない」
「でもここ未完成なんでしょ? もし壊れたらどうするの?」
「確か高さは634mだったな……」
「ゆうきぃぃ!」
「あ、ごめん間違えた。展望台のとこまでは450mだった」
「それでも高いー! 死ぬー!」
 もはや泣きそうな顔になっているくるみがおかしくて、反対に笑いを堪えきれなくなってきた。
「うわあぁ、私もう死ぬんだぁ」
「はいはい、その時は僕も一緒だからね」
「なんの解決にもなってない!」
 なんてことを話している間にエレベーターが止まった。どうやら目的の階に着いたらしい。
「着いたよ、天国」
「バカ、変なこと――ぁわ、わわわ」
「あ、ちょっと」
 ドアが開き切る前に、くるみが急に腕に抱きついてきた。突然の事に僕も戸惑ってしまう。
 その横を通り抜け、チャオが一足先にエレベーターの外に出てしまう。僕達も急いでエレベーターから出て。
 そして、とてつもないものを見た。

「……なんだ、これ」
 僕達がやってきたのは、確かに『空の木』と呼ぶに相応しい場所――だったのかもしれない。
 でも今の『空の木』は、僕が想像したものとは遥かに違った様相だった。空の上にいるというよりも、曇った鏡の中にいるみたいだ。
「くるみ、見てみなよ」
「やだ、怖い」
「そうじゃないって。ほら」
「やだってば! ……あれ?」
 いやいやと首を振ったくるみが、偶然に床を目線に映した。どうやらくるみも気付いたようだ。
「え……ゆうき、なにこれ?」
「雪だよ」
「雪?」
 くるみがゆっくりと顔を上げる。そして普通とは違った窓ガラスを見て、その顔は驚きに染まった。
「す、凄い……」
 ――この塔の名前は、東京スカイツリー。デジタル放送用に作られた世界最『高』の電波塔。
 だが僕達には、この塔はもっと別のものに見えた。冬色に染め上げられた雪の木。東京スノウツリー、はたまたクリスマスツリーか。
「どうしてこんな風になってるの?」
「12月からずっと雪が降ってたからね。ガラスの周りが凍ったんじゃないかな」
 おかげさまでガラスの向こう側はやや見づらいものとなってしまっている。が、これはこれでかなり風情があるんじゃなかろうか。少なくとも僕の美的センスはこの光景を綺麗だと言っている。
「くるみ、どう?」
「…………」
 返事が無い。
 試しに僕の事をさっきまでガッシリと掴んでいたくるみの二の腕を引き剥がしてみた。するとくるみは慌て出す。
「わ、わわ、ちょっと!」
「うわっ」
 すぐさま僕の腕にまた抱きついてくる。
「は、離さないでよ!」
「離さないでって……困るんだけど」
「困るのは私よ!」
 それは怖いの間違いだろう。
「でも、恥ずかしいし」
「あっ……」
 それを指摘した途端、くるみの顔がみるみるうちに赤くなっていった。ひょっとして、それに気付かないで抱きついてきたのか? 高所恐怖症の身分でここに来た事といい、くるみも考え無しじゃないか。
 しかし、くるみも恥ずかしくなって僕の腕を離してくれるかと思ったら、そんな事はなかった。むしろさっきよりも腕に力が入る。
「く、くるみ?」
「いいよ。他に誰もいないし」
「い、いるよ。ほら、あそこに」
 空いた手で綺麗な光景を目の当たりにしてはしゃいでいるチャオを指差すが、くるみはお構いなしにこう言った。
「いいの。あんなのノーカン」
「おいおい、弟だろ」
「それでもいいの!」
 ……なんてこった。なんだか肩の辺りに頭まで寄せてきたし。何故か笑ってるし。
「あー、来て良かった」
 恐怖症はどこに行ってしまったんですか、くるみさん。


 いつの間にか僕達はガラス張りの床に腰を降ろして、一人でうろうろと歩いているチャオを眺めていた。
 もう真夜中ですっかり暗くなってしまった。床も雪のせいなのか冷たく、上着を座布団代わりにしている。そうすると今度は体の方が冷えてきてしまうのだが、そこはくるみが抱きついているせいかそれほど気にはならなかった。
「今年も終わりだね」
「うん」
「あけましておめでとうって、言えるかな」
「言えるんじゃないかな。チャオの姿かもしれないけど」
「そうだね」
 悲壮感こそは感じていたが、別に死ぬわけじゃないのでお互いそれほど思い詰めているわけではなかった。それでも、終わりというものを肌で感じている事に変わりはないのだが。
「くるみはやり残した事はない?」
「わかんない。もしあったら、チャオになってからやろうかな」
「僕はもうやり終えたけど」
「それって、ひょっとしてここに来る前の?」
「うん」
 そう、ここに来る前に必要な事は終えてきたつもりだ。
「ねえ、何してきたの?」
「そうだね……」
 一応、一から教えてあげる必要があるだろう。そう思った僕は、まず一つの問題を投げかけた。
「もし地球から人類がいなくなった時にずっと残り続けると言われている、人類の生きていた証。それがなんだかわかるかい?」
「人類の生きていた証? えっと、石碑とか?」
「残念。確かに大昔の石碑が見つかって博物館に展示される事はあるけど、それでも何億年も経ったりすればなくなってしまうよ」
「えー。じゃあいったい何?」
「電波さ」
「電波?」
「そう。人類がいなくなると、地球上は永い年月を経て大自然を取り戻す。そこに人間の痕跡は全くと言っていいほどなくなってしまうけど、人類が発した電波は宇宙をも彷徨い続けるって言われてるんだ」
「へえ、どうでもいいこと知ってるね」
「う」
 ……痛いところを突いてくるな。
「まあ、僕もどうでもいいことだとは思ってたんだけどね……。くるみがスカイツリーに行きたいって言った時にそれを思い出したんだ」
「あ、わかった。あの部屋に戻って、掲示板に何か書き残してきたんでしょ」
「正解」
 我ながら、雀の涙ほどの事をしたとは思っている。
 だけど、もしどこかの誰かがその電波を拾ってくれたら――なんて、自己満足にしかならない希望を乗せて、僕は電波を発した。それはIfに頼る人間の性に過ぎないのかもしれないけど。
 そんな僕の話を聞いたくるみは、何故か溜め息を漏らした。
「そっかぁ。人類の証って、電波にしか残らないんだ」
「くるみも何か残したかった?」
「うん。とっても大事なこと」
「僕がその電波を受信してあげるよ」
「本当? じゃあ、言うね」
「うん」


 耳を澄ませた。
 木の外では吹雪く程ではないが、雪が降っている音がする。そこには幻聴のようにベルや鈴に似た音、ソリを引っ張るような音も聞こえる。
 ひょっとしたら、これは電波なのかもしれない。
 ベルや鈴に似た音は、微かに聞こえるクリスマスソング。
 クリスマスも終わり、何処へと帰るサンタ。ソリを引っ張るトナカイの足音。
 どこかの国の時計塔が時間を刻んだ。鐘の音は鳴り響き、子供達の安らかな寝息、少年少女の願い、年老いた者達の平和を願う声が広がる。
 世界中の声が、世界最高のクリスマスツリーとすれ違う。その喧騒の中、僕は最も近しい場所にいる女の子と電波を交わした。

「ゆうき」
「くるみ」

「好きだよ」


____


 どこかにいる、誰かへ。
 僕達はアダムとイブの最後の子孫です。
 いよいよ人類は終末を迎え、その命は新しい生命へ転生するでしょう。
 願わくば、この声が誰かに届かん事を。
 これは、僕達がヒトとして生きた証を残したものです。
 今はきっと、僕達に自由はないのでしょうけど。
 叶うのならば、僕達に自由をお与えください。
 その自由をもって、僕達は再びの繁栄をお礼として送る事でしょう。
 そして、いつかお互いに手を取り合える日を迎えましょう。

 僕達はこの地球で生きた人間です。
 誰か、僕達の声が聞こえませんか?
引用なし
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斬守さんの「探し物」への感想です
 冬木野  - 11/4/28(木) 3:48 -
  
やっぱり登場人物に人間二人とか言われちゃうと、何故か男女になっちゃいますよねー。
・・・というのはさておいて。

うわぁ、迫害を受けた家出っ子かー。重いなー。嫌だなー。
とか思いながらふつふつと読んでいたのですが、お互いに「幸せを探しに行こう」と決心し合ってからの二人が気に入りました。
今まで感情を知らなかった風の二人が恥ずかしがっている様を見て、そのピュアな二人の姿はチャオに通ずるものがあるなと感じました。・・・え?気のせいですか?ははは、いやだなぁもう。
何はともあれ、この後の二人がどうなったかのか、なんとなく気になってしまう作品です。続きがあれば是非読んでみたいなーと思いますぞ。

では短いですが、こんなもんでこれにて。
引用なし
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感想ありがとうございます。
 斬守 WEB  - 11/4/29(金) 1:05 -
  
冬木野さん、感想ありがとうございます。
そういや、ここに投稿するのも久しぶりなのかな。詩の分も合わせて。

>やっぱり登場人物に人間二人とか言われちゃうと、何故か男女になっちゃいますよねー。

そうですねー。男同士にしようかと思ったのですが。
名前を無しで、彼と彼女と表現してみることにしました。
女の子を書くのって難しいですね。くそう。

>今まで感情を知らなかった風の二人が恥ずかしがっている様を見て、そのピュアな二人の姿はチャオに通ずるものがあるなと感じました。・・・え?気のせいですか?ははは、いやだなぁもう。

確かに共通している・・・けど、そこまで考えは至っていなかったたたた。

>何はともあれ、この後の二人がどうなったかのか、なんとなく気になってしまう作品です。続きがあれば是非読んでみたいなーと思いますぞ。
>
>では短いですが、こんなもんでこれにて。

今回は、私がどんなものを書きたいのかっていうのを目指した作品でしたね。
原点回帰を目指して、ちょっとシンプルで丁寧なものにしようと考えてました。
続きは・・・今の所は無いかな・・・orz
しかし、読んでみたいといってもらえて光栄です。
引用なし
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黒いリストバンド
 スマッシュ WEB  - 11/5/1(日) 23:26 -
  
 チャオはまるで人の心をトレースして生きているようだ。
 ヒーローチャオ。優しいチャオ。
 それを飼っている人も、それが攻撃のように見えるほど優しい。
 ダークチャオ。いたずら好きなチャオ。
 悪意でやっているのか。それともただそれが楽しいのか。
 わからない。だから怖い。そんな飼い主。
 ヒーローかダークかはその人が善人かどうか判断するものではない。
 非道な犯罪者の飼っていたヒーローチャオが無邪気に遊んでいるのが報道されると、首を傾げる人がいるが。
 人に優しく、とかそういう善意に縛られていて歪んでしまったと考えれば、そういうものなのかもな、と納得できる。
 ただチャオをよく見れば飼い主の中身が見えるのは確かだった。

 チャオガーデンで見る人の顔は、どれも明るかった、と思う。
 無邪気な振る舞い。子どもがその動きを真似て楽しんだり、大人が微笑んで見つめたり。
 そういう顔ばかりを脳が選んでいたのかもしれない。
 しかしチャオガーデンはいつも愉快な声に包まれていて。
 どうしてチャオを飼っている人たちはあんなに幸せそうなのだろうと考えたことがある。
 チャオと一緒にいるから幸せなのか。それとも、幸せだからチャオと一緒にいるのか。
 幸せが先に決まっていた。
 そうでなければチャオなんかで楽しい生活を過ごせるはずがないのだ。
 チャオは有益な他人の代わりでしかないように思う。
 だから時間さえかければ、いつか彼女のような人に会えるとわかっていた。

 初めて見つけた時、黒いリストバンドの彼女はチャオに餌をやっていた。
 チャオは淡々と食べる。
 それを眺める少女は監視者のよう。肩まで届く墨色の川は止まったまま。目を離さないが何かを感じている風でもない。
 チャオの口を使って、木の実を減らす作業をしているように見えた。
 「何か違う」光景。釘付けになる。どんな微かな変化も見逃すまいと。
 食べ終わったチャオは置物のようになる。
 座ったまま空を見る、遠くを見る。目が合う。しかしこちらに関心があるように見えない。
 がらんどうの目。感情を表す球体も丸いまま漂っていて、動きものろい。
 空白のチャオ。
 主人もまた無表情でチャオを見ているだけ。
 何もない人間だからチャオも、と思うのだが違和感があった。
 そうではないように感じた。
 感情もないように振舞って、何かを隠しているような。
 光に晒されないように、頑丈な箱の中に入れて。
 それは飼っているチャオにすら気取られないほどに徹底しているのだ。
 きっとそうだと思った。

 右手首のリストバンドは目印のようなものだった。いつ見ても着けている。
 夏なのに露出しているのは首と腕くらいなもので、小ぢんまりとしたシルエット。
 ファッションのアクセントとして、綿のそれが手首にあるとは思えなかった。
 むしろそこだけが浮いているように見えるくらいで。
 じゃあどうして彼女はそれをいつも着けているのか。
 目星は簡単について、後はうまくやるだけだった。
「こんにちは」
 開かれた目。初めての表情。
 そこから言葉が返ってくるまでの秒数が長く感じられた。
 彼女は何を思って、どう考えて、五秒をどれくらいに感じたのだろうか。
「こん、に、ちは」
 尻すぼみ。いい子だ。
「不思議なチャオだね。何もしない」
「え……まあ」
「キャプチャ能力って知ってるでしょ?小動物を取り込んで、っていうやつ。まあそんな酷いことをさせる人はあんまいないけどさ。でも俺はチャオはいつだってキャプチャ能力を使っていると思ってる」
 目が合う。向こうが逸らす。無言だがこちらの話を遮ってはこない。続きを話してもいい、ということだろう。
「人の心をさ。食べ物にしているってわけじゃないけど。なんて言えばいいかな。えと、ああ、共有。うん、共有って感じでね」
 そこまで話して、どういう方向に話を持っていこうか悩む。
 どうにか彼女の抱えているものを吐露させたい。
 しかし初めて話した日にそこまでいくのは難しいだろう。
 時間をかけなければならない。
 ただ踏み込もうとする姿勢を維持するのは悪くない。
 話題の不足をそんな理屈で誤魔化して続けた。
「君のチャオは空っぽに見える。それは君の何もないというところを共有したわけじゃなくて、君がこのチャオに何も共有させなかったからなんじゃないかって思うんだ」
 眉が寄った。初対面の人間に変なことを言われれば当然こうなる。
 接近するのはここまでか。
 警戒を解かなくてはならない。
 相手の傷を見るために、自分の傷を見せなくてはならない。
 呼び水のように。
「俺のチャオも似たような感じだったよ。その後すぐ死んだけど」
 少しずつ。
 似た者同士のように演出していく。

 黒いリストバンドの彼女を見かける度に俺は話しかけた。
 踏み込むのは少しだけ。
 最近どう、なんて問いかけもほどほどにひたすら自分語りだ。
 不幸な少年なんです、と言わんばかりの独白を続けていたら、二週間も経たないうちに彼女は自分が不幸な少女であることを話し始めた。
 私、虐待されていて。
 実は親から。それも両方からで。
 学校でも一人で。
 服で隠れているけど、体中痣だらけ。本当に。
 じゃあ、ほら、脚のとこ見ていいよ。
 時間さえ惜しまなければ、いくらでも芋づる式に引き出せた。
 チャオが暗に示していた通りに、少女は傷を内面に隠していたのだ。
 まるで飼い主を暴くピッキングツール。
 口元が上がるのを抑えられなくなるのだった。

 両親は頼れない。学校では一人ぼっち。
 だけどチャオガーデンには友人がいる。
 たった一人だけの友達。
 それもお仲間で、さらに異性。
 そうなってしまえばもう意識されない理由はない。
 現実はそのように物事を運んだ。
 けどそれは恋愛という甘い蜜で偽装された依存だってことに、彼女は気づいていない。
 だから俺は黒いリストバンドの彼女に近づき続けた。
 食べ頃になるまで。
「ねえ、それってリスカだよね」
 彼女が自分から言わなければ、攻略の最後の鍵にすると決めていた。
 似合わないリストバンドの下。
 そこで自分を傷つけているに決まっていた。
「うん、そう」
 肯定。「見る?」と聞いてくる。
 心に触れるのだ。見ないわけがない。
 細い腕には縦に流れる血管が浮き出ていた。それに対してみみず腫れが横に線を引く。
「辛いから?」
「うん」
「チャオを飼っても、救われない?」
「そうだね。チャオを飼っても、駄目だったね」
 苦笑いしながらリストバンドを定位置に戻した。
「そう。チャオを飼っても駄目なんだよ。君も、俺も」
 チャオは人の心を映す鏡だ。
 ならばチャオとの触れ合いは、人とのそれの反復でしかない。
 いくらチャオと触れたところで幸せが生まれるはずがないのだ。
 人から得るのを諦めて、チャオから得ようとしたところで、無理が生じる。
「人じゃないと駄目なんだ。けれど、それにふさわしい相手がいない。だからこうなってしまう」
 手首の傷だって同じで。
 その傷は自分以外の誰かに付けてほしかったはずだ。
 言い争い。ちょっとした喧嘩。
 そういう明らかな行為だけでなく、日常の中に溢れる、互いに認めた上で作る心の軽傷を。
 だから彼女は傾く。今だって飢えているのだから。
「でも二人なら大丈夫だと思わない?」
「二人」
「そう、二人。ずっと一緒にいたいんだ」
 その告白に頷くのにそれほど時間はかからなかった。
「じゃあ行こうか」
「どこに?」
「どこにでも。二人で、ね」
 チャオを連れて行こうとした視線に言う。
「チャオはいらないよ。救ってくれない。必要なのは二人」
「ん」
 置き去りにして、チャオガーデンから去る。
 幸せそうな空気。
 でも事態は何も好転していないことにいつか気づくだろう。
 心の支えができたわけでなく、自分を食い物にする人間が増えただけ。
 お互いに依存をしようというつもりならいいけれど。
 そうでないなら、優しさを見失った者同士の関係にハッピーエンドはない。
 弱い方が酷い傷を負って終わる。あるいは両方の心にそれが残る。
 そうなった後、彼女はまだ依存するのか。それとも何もかも拒絶するのか。
 どちらに転んでも、嬉しい。
 黒いリストバンドの彼女はもっと歪んで美になるのだから。
 俺は満たされるだろう。
 一瞬後ろを振り返ると、彼女のチャオが白い繭に包まれつつあるように見えた。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; en-US) AppleWebKit/534.16 (KHTML, lik...@p045.net059084198.tokai.or.jp>

チャオの実
 ダーク  - 11/5/2(月) 23:11 -
  
「わかるか。なくなるんだ」
 中年の男が言う。
「わかるさ。何も残らない」
 俺はグレープジュースを飲む。
「お前は何もわかっていない」
 中年の男は自らの腕を切り落とした。
「こういうことだ」
 中年の男の腕は床の上に横たわっている。
「お前はまだ何もわかっていないようだ」
 俺のチャオが灰色の繭に包まれた瞬間が思い出される。
「こういうことではない」
 俺の口に入っているグレープジュースの味がなくなった。
「そういうことだ」
 俺はグレープジュースを飲み込み、首を上げて中年の男の顔を見る。
「お前は何もわかっていない」
 俺の言葉に、中年の男の顔は紅潮した。
「実は取れたんだ」
「死ね」
 中年の男の言葉の後、俺はなくなった。
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; GTB6.6; SLCC1;...@253.net119083032.t-com.ne.jp>

冬木野さんへ感想です
 スマッシュ WEB  - 11/5/3(火) 0:41 -
  
人がチャオになる、という終末ネタに「そういうアプローチできたか」と驚きました。
人がいなくなっている。けれどチャオとしてまだ「いる」。
その感じが面白かったです。

元人間のチャオの仕草を描いていくのがこの作品の面白いところだと思います。
なので、預言者さんを探したり、預言者さんのパソコンをいじって色々考えるよりも、
「元々人間だったことを考えると、このチャオの仕草ってもしかして……」というようなことをやっていった方がよかったのでは。

それから、この小説の舞台は「スカイツリーが来年開業」とあるので2011年だとわかりますが、
せっかくの終末ネタなので「2012年人類滅亡説」と絡めた方が雰囲気が出たと思います。
Wikipediaさんによると「12月21日から12月23日頃に一つの区切りを迎える」ということらしいので、丁度いいと思います。
これに「チャオ聖誕祭」という設定を入れるとさらにチャオと終末が絡んでいい感じです。

条件に沿って書いた小説としては、
人間をチャオに変えてしまうことで登場人物の制限を綺麗にうやむやにできていてとても上手いと思いました。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; en-US) AppleWebKit/534.16 (KHTML, lik...@p146.net059084173.tokai.or.jp>

冬木野さんへ
 ダーク  - 11/5/3(火) 1:14 -
  
中身はこれで完成しているとして、
部分的に突っ込ませていただきます。

まず、この作品は会話の中で間を作って、リズムができています。
それを説明文部分の"―"や"…"で崩してしまっているように感じます。
会話が少ない部分では気になりませんが、
会話が続いている中に説明文の間があると、少し読みにくく感じます。

あと、会話が多いので、説明文を会話調にするとくどい感じがします。
例えば、
> ……なんてこった。なんだか肩の辺りに頭まで寄せてきたし。何故か笑ってるし。
の部分は、
笑いながら肩の辺りに頭を寄せてきた。
くらいでもいいと思います。
> 恐怖症はどこに行ってしまったんですか、くるみさん。
の部分は消すと、セリフで段落が終わるのでセリフが活きると思います。

それと、少し無駄な表現が多いかな、と思いました。
例えば、
> もう反論の言葉が無くなってしまったらしい。女の子の身分で頭をガリガリと掻き始めてしまった。髪は大切にするものだろう。
の部分では、女の子の身分という言葉が入っているので、髪は〜の文はいらないんじゃないかな、と思いました。

口出しばかりしてるけど、俺はこの作品好きです。
世界観も発想も良いし、一貫して冬を感じます。冬木野さんはこの部分が強みですね。
楽しませていただきました。ありがとうございます。応援しています。
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; GTB6.6; SLCC1;...@253.net119083032.t-com.ne.jp>

わざわざ感想ありがとうございます
 冬木野  - 11/5/3(火) 7:20 -
  
ここ最近は感想とは無縁かなと思って執筆していたものですから・・・なにはともあれありがとうございます><

>人がチャオになる、という終末ネタに「そういうアプローチできたか」と驚きました。
>人がいなくなっている。けれどチャオとしてまだ「いる」。
>その感じが面白かったです。

今回ろっどさんの提示した条件である「人間二人+チャオ」を見た時にふっと思いついたのが今回の構図、いわゆる「人間以外にはチャオしかいない」という世界観でした。それに似た作品をいくつか見かけたことがあるのと、ここ最近主人公とヒロインの二人だけで行動するサウンドノベルを遊んでいた影響です。この機会に生きてよかったです。


>元人間のチャオの仕草を描いていくのがこの作品の面白いところだと思います。
>なので、預言者さんを探したり、預言者さんのパソコンをいじって色々考えるよりも、
>「元々人間だったことを考えると、このチャオの仕草ってもしかして……」というようなことをやっていった方がよかったのでは。

まあなんというか言い訳っぽくなってしまうんですががが。実はこの作品、単体で書くつもりで執筆していませんでした☆ミ
というのも、今メインで書いてる小説事務所に関わりがあるんですな。あの話の続きもモリモリ書いてるわけなんですが、今回書いた作品はそれのIfになるんですよ。どうIfになってるかは自分でもわかりませんが。
はっきり言って預言者さんのパソコンなんか弄らせる意味なんて毛頭なかったんですが、そういったこだわりを断ち切れなかったことと、他に東京に行く動機が用意できなかったので「もういいや投稿しちゃえ、ポチっとな」ということに。
・・・まあそもそも二人を東京スカイツリーに行かせる予定なんて当初はなかったんですけどもういいやアフターカーニバル。


>それから、この小説の舞台は「スカイツリーが来年開業」とあるので2011年だとわかりますが、
>せっかくの終末ネタなので「2012年人類滅亡説」と絡めた方が雰囲気が出たと思います。

前述の通り、話の中にスカイツリーが出てきたのは(執筆当初では)全くの偶然でした。そもそも東京なんて場所よりどっか適当な海(極寒の冬)にでも行かせて愛でも囁かせようかとか画策してたんです。
それがいつの間にかスカイツリーにやってきたわけですが、「そういやスカイツリーの建つ年って人類滅亡の年だったな」と気付いたのは投稿した次の日に小説を見直してた時なんですな。
「まあそういうネタが匂ってるくらいがちょうどいいや」とポジティブに考えておしまい。僕も主人公よろしく結構な考え無しです。
それにあの話ったら長くなっちゃってしょうがないから、あんまり話を広げられなかったんです許して><

※ちなみに『生存報告』は29KBです。


さて、長々と書くのもなんなんでこの辺りで。ご感想ありがとうございました。
引用なし
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<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; GTB6.4; SLCC2;...@p3168-ipbf1506souka.saitama.ocn.ne.jp>

どうもありがとうございます
 冬木野  - 11/5/3(火) 7:44 -
  
二つ・・・だと・・・?
予想外の展開にぼくびっくりです。感謝感激です。

>まず、この作品は会話の中で間を作って、リズムができています。
>それを説明文部分の"―"や"…"で崩してしまっているように感じます。
>会話が少ない部分では気になりませんが、
>会話が続いている中に説明文の間があると、少し読みにくく感じます。

>あと、会話が多いので、説明文を会話調にするとくどい感じがします。
>例えば、
>> ……なんてこった。なんだか肩の辺りに頭まで寄せてきたし。何故か笑ってるし。
>の部分は、
>笑いながら肩の辺りに頭を寄せてきた。
>くらいでもいいと思います。
>> 恐怖症はどこに行ってしまったんですか、くるみさん。
>の部分は消すと、セリフで段落が終わるのでセリフが活きると思います。

なるほどなるほど、ピンポイントな指摘凄くありがとうございます。
実は僕、地の文を延々と書くのには慣れているというか好きというか小説書いてるなーとか思っているんですが、途端にキャラに喋らせると手が止まってしまうんです。
というのも、多分地の文ばかり得意になっちゃってるせいなのかなぁとか。それで会話を続かせると、どうしても地の文を挟みたがるという厄介な性分でして。おかげさまで会話の持ち味を自分で消してしまうという大変な事態になることもしばしば。
このアドバイスを元に、もっとうまく書けるように頑張らせていただきます。


>それと、少し無駄な表現が多いかな、と思いました。
>例えば、
>> もう反論の言葉が無くなってしまったらしい。女の子の身分で頭をガリガリと掻き始めてしまった。髪は大切にするものだろう。
>の部分では、女の子の身分という言葉が入っているので、髪は〜の文はいらないんじゃないかな、と思いました。

割と細かいところも突かれてしまった・・・っ!
そうですか、無駄ですか・・・僕は逆に必要だと思ってわざわざ追記してしまいました。勉強になります。え、勉強するまでもないって? そいつはまいったなぁ、HAHAHA。


>口出しばかりしてるけど、俺はこの作品好きです。
>世界観も発想も良いし、一貫して冬を感じます。冬木野さんはこの部分が強みですね。
>楽しませていただきました。ありがとうございます。応援しています。

勿体無いお言葉、誠にありがとうございます!
今回のダークさんの指摘でいろいろと学ばせていただきました。機会があればいくらでも口出ししてください。今後の執筆の糧にさせてもらおうと思います。

それではこの辺で。感想ありがとうございました。
引用なし
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<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; GTB6.4; SLCC2;...@p3168-ipbf1506souka.saitama.ocn.ne.jp>

冬木野さんの『生存報告』への感想です
 ろっど  - 11/5/3(火) 15:18 -
  
生存報告BBSの扱いがもったいないと思いました。
できそうなことは多いのに、素材だけ出して味付けが微妙って感じです。

預言者のくだりがストーリーの中で浮いている気がします。
自然な流れでからめて欲しかったです。

あと弟さんがいまいち活躍しなかったのが残念です。
ひとつひとつの要素がそれぞれの場所でしか使われていないので、ストーリーとして弱く見えました。

一人称の文体というより、サウンドノベル的な印象を受けました。
ちょっとリズムが悪かったです。最もその指摘は既に他の方がしているので省略させていただきます。

口出しばかりしていますけど、ぼくはこの作品わりと好きです。
すごいもったいない感じがするなあ、というのがぼくの感想でした。
もうちょっと要素をしぼってうまく料理して欲しかったなあ、が本音です。
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/...@p1205-ipbf2601souka.saitama.ocn.ne.jp>

スマッシュさんの黒いリストバンドへ感想です
 ろっど  - 11/5/3(火) 16:02 -
  
まず一番好きな一文をあげます。
>「チャオは有益な他人の代わりでしかない」
この一文のインパクトが強かったです。黒いリストバンドを象徴する一文に推したいところです。

必死に粗探しをしましたが、やはり手を抜いている、という一点に尽きるかと思います。
スマッシュさんのチャオのあねで光っていた表現が濁っていたのを見たときは思わず握りこぶしでした。
スマッシュさんの書きたい要素が詰め込まれた作品で、オマージュものとしてなかなかの完成度を誇っているだけにそこが非常に残念です。

強いて言うならば時間の概念が欲しかったですね。
彼女以外の描写がほとんどない分、条件を満たしやすく誤魔化しやすいのですが、チャオガーデンにたくさん人がいるような描写がなされているので、逆に不自然だと感じました。
「静まり返った深夜のチャオガーデンにぽつんと独り」
もしくは
「愉快な声に包まれた昼間のチャオガーデンで一人だけ浮いている」
では随分印象が変わると思います。

ただ、実際には時間の描写も風景の描写も不要かもしれませんね。
基本的には女の子がメインなので、必要最低限取り揃えられたシンプルかつリス力の高い作品です。


>「人に優しく、とかそういう善意に縛られていて歪んでしまった」
この文章もなかなか面白いですよね。
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/...@p1205-ipbf2601souka.saitama.ocn.ne.jp>

斬守さんへ感想です
 スマッシュ WEB  - 11/5/3(火) 16:19 -
  
「チャオ小説なんだからもっとチャオを出せ!」というのとは違いますが、
チャオをもっと前面に出すといい味が出たかなと思います。

チャオについて「絶滅が回避されて〜」とあるので、
もっとチャオを「不幸→幸福」の象徴としたら面白くなりそうです。

「絶滅しかけたけど今は人と楽しく暮らすチャオ」と
「虐待されているけどこれから二人で幸せを探す少年少女」を対比させていく。
そうすると、チャオの様子がそのまま二人の将来の暗示になっていい感じです。

「幸せ」というものが、幸せという言葉でしか表現されていないのも単調かつ不鮮明で気になりました。
そこでもチャオを利用して、チャオの楽しそうな様子などを入れていけば、
それが二人にとって一つの理想になったりして深みが生まれるんじゃないかなあ、などと思いました。
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; en-US) AppleWebKit/534.16 (KHTML, lik...@p057.net059084246.tokai.or.jp>

感想ありがとうございます
 スマッシュ WEB  - 11/5/3(火) 16:46 -
  
>まず一番好きな一文をあげます。
>>「チャオは有益な他人の代わりでしかない」
>この一文のインパクトが強かったです。黒いリストバンドを象徴する一文に推したいところです。

これはかなり最初の方に思いついたフレーズで、最後までそのまま残りました。
作品の暗い部分を覗かせながら、その後の展開へ繋げるのに役立っていて、いい一文ですよね。


>必死に粗探しをしましたが、やはり手を抜いている、という一点に尽きるかと思います。
>スマッシュさんのチャオのあねで光っていた表現が濁っていたのを見たときは思わず握りこぶしでした。
>スマッシュさんの書きたい要素が詰め込まれた作品で、オマージュものとしてなかなかの完成度を誇っているだけにそこが非常に残念です。

手を抜きました!
時間をかけていい文章を作るぞ、と気合を入れて書くか、
あるいはすらすらと湯水のようにいい文章が出るようにするしかないですね。こういうのは。
今回は「時間をかけないぞ」と気合を入れながらも所々頑張ったのでご容赦いただきたいです。


>強いて言うならば時間の概念が欲しかったですね。
>彼女以外の描写がほとんどない分、条件を満たしやすく誤魔化しやすいのですが、チャオガーデンにたくさん人がいるような描写がなされているので、逆に不自然だと感じました。
>「静まり返った深夜のチャオガーデンにぽつんと独り」
>もしくは
>「愉快な声に包まれた昼間のチャオガーデンで一人だけ浮いている」
>では随分印象が変わると思います。

時間の概念がいるとしたら、少女の印象よりも「彼女と会ってからどれくらい経ったか」を表す文章でしょうかね。
少女の印象については、チャオの行動が代わりになってくれているので別にいいかな、と思っています。
チャオガーデンにいるたくさんの人は、不幸せそうな少女を導くための存在なので少女が出た後は眼中になかったです。

>ただ、実際には時間の描写も風景の描写も不要かもしれませんね。
>基本的には女の子がメインなので、必要最低限取り揃えられたシンプルかつリス力の高い作品です。

少女がどれくらい熟練したリストカッターなのかもう少し描写してもよかったかもです。
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; en-US) AppleWebKit/534.16 (KHTML, lik...@p057.net059084246.tokai.or.jp>

斬守さんへ
 ダーク  - 11/5/3(火) 17:54 -
  
第一印象としては、強い主張が見当たらないというところです。
関連して、意味づけが弱い。
どうしてその文章にしたのか。文の中に主張が感じられませんでした。
前半部分は、ただ説明しているだけ、と感じました。せっかく周りの描写があるので、それを心情と結びつけて描くといいと思います。
また、うまく省略すれば読者の想像力をかきたてることもできます。
無個性で内容がない、という印象も受けました。
もっと具体的に掘り下げていけたらよかったんじゃないかな、と思います。

同じく、主張に関連した部分で、
説明文を口語形にしている部分がいくつかありますが、
どうして口語形にしたのか、という意味づけが弱いように感じます。
例えば、
> 僕と彼女は今日、互いに家出してきたんだ。
の部分はなぜ口語形なのか。
その後に続く文章は文語形なので、ここだけ浮いて見えます。
文語形と口語形の文章の使い分けは、もう少し慎重に行ったほうが良いと思います。

表現に関する部分ですと、
> 先程までの氷のような表情はどこにいったのやら。溶けてしまったのだろうか。
の部分は、
先程までの氷のような表情は溶けてしまったのだろうか。
と省略した方が読みやすくなるように感じます。
ですが、表現の仕方は綺麗で良いと思いました。

今は試行錯誤で大変かもしれません。
でも、部分的に改善は見られます。読みやすくなりました。
今後、もっと変化できるよう、応援しています。
引用なし
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<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; GTB6.6; SLCC1;...@253.net119083032.t-com.ne.jp>

ろっどさんありがとうございます
 冬木野  - 11/5/3(火) 17:59 -
  
とうとう週チャオ鍛錬室の総師範からの喝が飛んできましたね。ドキドキが止まらないっ。


>生存報告BBSの扱いがもったいないと思いました。
>できそうなことは多いのに、素材だけ出して味付けが微妙って感じです。

そういえば序盤と終盤にしか出番のなかった掲示板でしたね。自分の中ではとうに忘れていた存在でした。確かにそこにストーリーがあってもよかったかも。


>預言者のくだりがストーリーの中で浮いている気がします。
>自然な流れでからめて欲しかったです。

スマさんにも指摘されましたなぁ。我ながら蛇足極まりないと、作者自身も思っていた次第です。
そもそも単体の作品として成り立たせないといけないというのに、ぼくなにしてるんだろうね。


>あと弟さんがいまいち活躍しなかったのが残念です。
>ひとつひとつの要素がそれぞれの場所でしか使われていないので、ストーリーとして弱く見えました。

そういや弟(?)くんのことなんか、終盤じゃお姉ちゃんが見て見ぬフリという酷い扱いですね。
ぶっちゃけた話、そもそも弟くんの存在をなかったことにしちまえばよかったかもしれませんなぁ。チャオなら見かけるモブキャラでも事足りたでしょうし、車ではなくバイクってことで丸く収まって、もっと二人の距離も縮まったに違いないだろうに。これは誠に遺憾なミスでした。弟くんには悪いけど(ボソッ


>口出しばかりしていますけど、ぼくはこの作品わりと好きです。
>すごいもったいない感じがするなあ、というのがぼくの感想でした。
>もうちょっと要素をしぼってうまく料理して欲しかったなあ、が本音です。

確かに、感想をくださった皆さんからは一応高評価を貰えてとても嬉しくおもうのですが、やはり「ここが悪かった」という意見を見るたび、そして改めて自分で読みかえすたび、もっと考え直すべき作品だった・・・。
大したお題目も掲げず、ただただ「他の作品もあるから、さっさと終わらそう」としか思っていませんでした。まさかこうも良い評価を貰えるものができあがるとは欠片も思っておらず・・・自分自身でももったいないマネをしたと後悔しています。でも書き直しなんて野暮ったいことはしませんよ。暇じゃないし(キリッ


なにはともあれ、この辺で。またこのような機会があればよろしくおねがいしますね。
引用なし
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斬守さんの探し物へ感想です
 ろっど  - 11/5/3(火) 22:12 -
  
スクランブルの死線と比べると、随分良くなったのではないでしょうか。
ぼくはそう思います。
スクランブルの死線でずっとやっていた、無理やりな感じの一人称から極一般的な一人称になったところは評価したいです。
女の子の描写もスクランブルの頃と比べてだいぶ良くなっています。
表現も力を入れていますね。乱雑した思い付きだけの文章からひとつランクアップしたようです。

もちろんちゃんと成長できていますが、ただ、冒頭で設定を羅列する癖があるようですね。
小説のはじめの方で設定を延々書くと読む人は飽きてしまいます。
あと、照れる女の子に描写の比重が偏っています。読む人を感動させる素晴らしい表現ができるならそれでも良いと思いますが、ありきたりな表現で照れる女の子を表現されてもしらけてしまいます。

やはり書きたいものを見つけることから始めた方がいいようですね。
その書きたいもの、伝えたいことをどうすればより上手く読者に魅せられるかを考えると近道だと思います。

総じてスクランブルの死線よりは良くなっています。
もっと自信を持ちましょう。
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/...@p1205-ipbf2601souka.saitama.ocn.ne.jp>

感想ありがとうございます。
 斬守 WEB  - 11/5/4(水) 22:08 -
  
スマッシュさん感想・批評ありがとうございます。

チャオの設定で、純粋な所を利用しようと考えていたのですが、アイデアが思い浮かばずに没となってしまいました。
確かにこのままだとチャオとの絡みがほぼ皆無ですものね・・・。

幸せに関する概念を具体的に表現できなかったのも、反省点の一つです。
もっと無駄で浮いた文章を無くせるように努力していきたいと思います。
本当にありがとうございます。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.17) Gecko/20110420 Firef...@softbank220020034218.bbtec.net>

感想ありがとうございます。
 斬守 WEB  - 11/5/4(水) 22:10 -
  
ダークさん、感想・批評ありがとうございます。

>第一印象としては、強い主張が見当たらないというところです。
>関連して、意味づけが弱い。
>どうしてその文章にしたのか。文の中に主張が感じられませんでした。
>前半部分は、ただ説明しているだけ、と感じました。せっかく周りの描写があるので、それを心情と結びつけて描くといいと思います。
>また、うまく省略すれば読者の想像力をかきたてることもできます。
>無個性で内容がない、という印象も受けました。
>もっと具体的に掘り下げていけたらよかったんじゃないかな、と思います。

今回の考えたテーマとして、ありきたりであまり変な表現を使わない丁寧なSSにしてみようというのが、仇に出てしまったような気がします。
私は進行と同時に徐々に説明する部分を表現するのが苦手みたいです。
というか、ぶっちゃけ地の文章が苦手ってのがあります。本当に初期の小説とかは、会話分しか無い状態だった人なので。
・・・といっても、だからといって会話文が上手いって訳でもなく、ただ地の文章よりは書きやすいかなっていう印象がありますね。

>同じく、主張に関連した部分で、
>説明文を口語形にしている部分がいくつかありますが、
>どうして口語形にしたのか、という意味づけが弱いように感じます。
>例えば、
>> 僕と彼女は今日、互いに家出してきたんだ。
>の部分はなぜ口語形なのか。
>その後に続く文章は文語形なので、ここだけ浮いて見えます。
>文語形と口語形の文章の使い分けは、もう少し慎重に行ったほうが良いと思います。

そこは・・・うん。勉強不足と言わざるえない・・・。
文語形と口語形を学んで、使い方を理解していきたいと思います。
やはり、浮いている文章が所々にあるのが問題かな・・・。

>表現に関する部分ですと、
>> 先程までの氷のような表情はどこにいったのやら。溶けてしまったのだろうか。
>の部分は、
>先程までの氷のような表情は溶けてしまったのだろうか。
>と省略した方が読みやすくなるように感じます。
>ですが、表現の仕方は綺麗で良いと思いました。
>
>今は試行錯誤で大変かもしれません。
>でも、部分的に改善は見られます。読みやすくなりました。
>今後、もっと変化できるよう、応援しています。

分かりやすい感想ありがとうございます。
今後も実力を向上するために、頑張っていきたいと思います。
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.17) Gecko/20110420 Firef...@softbank220020034218.bbtec.net>

感想ありがとうございます。
 斬守 WEB  - 11/5/4(水) 22:22 -
  
>スクランブルの死線と比べると、随分良くなったのではないでしょうか。
>ぼくはそう思います。
>スクランブルの死線でずっとやっていた、無理やりな感じの一人称から極一般的な一人称になったところは評価したいです。
>女の子の描写もスクランブルの頃と比べてだいぶ良くなっています。
>表現も力を入れていますね。乱雑した思い付きだけの文章からひとつランクアップしたようです。

スクランブルって何でしたっけ・・・^^;
嘘です。はい。今回は変に飾らない文章をしようと決めて書きました。
後は、女の子の服装を描くとそっちばっかりに表現がいくのでかくことを止めました。
成長したかどうかと言われると、個人的には微妙ですが・・・。ありがとうございます。

>もちろんちゃんと成長できていますが、ただ、冒頭で設定を羅列する癖があるようですね。
>小説のはじめの方で設定を延々書くと読む人は飽きてしまいます。
>あと、照れる女の子に描写の比重が偏っています。読む人を感動させる素晴らしい表現ができるならそれでも良いと思いますが、ありきたりな表現で照れる女の子を表現されてもしらけてしまいます。

設定を冒頭に書くのはいけないってのは、随分昔から学んでいましたが、まるで活かせてないですね。すみません・・・。
女の子の描き方とかは、本当に分からない・・・。男子って、どんな女の子だったらウケがいいのかとか、そんなの一切分からないですね・・・。いやもう、本当に男だけど分からない・・・。
それでまぁ、このままで地味かなって思ったのでちょっと表現したのですが・・・大げさでしたか・・・分からないなぁ・・・。勉強不足ですね・・・。
そこら辺は色んな人の意見を聞いたりして、勉強しておきたいと思います。

>やはり書きたいものを見つけることから始めた方がいいようですね。
>その書きたいもの、伝えたいことをどうすればより上手く読者に魅せられるかを考えると近道だと思います。
>
>総じてスクランブルの死線よりは良くなっています。
>もっと自信を持ちましょう。

目標はあるけど、自分自身の書きたいのは纏まって無い感じです。
書くのも大事ですが、書こうにも書けないので色々模索してみます。
感想、本当にありがとうございました。
引用なし
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彼女の病室
 ホップスター WEB  - 11/5/8(日) 3:12 -
  
…そういえばあれ、今度はいつにするかな。
学校の帰り道、僕はそんなことを考えながら坂道を下る。

「あれ」とは、お見舞い、である。
誰のお見舞いかといえば、知り合いの女の子。いわゆる幼馴染、というやつに近い。
周囲からは「病弱の幼馴染とか最高のシチュじゃねぇか」とよくからかわれるが、断じてその気はない。断じて。

彼女は、7歳の時に大病を患い、以降入退院を繰り返している。
入院する度に僕がお見舞いに行くのが恒例で、基本的に週1回。
一時は「なんで僕が行かなきゃいけないのさ」と拒否したこともあったが、どうも彼女が大泣きしたらしく、それ以来大きな用事がない限り欠かしたことはない。

結局のところ、彼女は「トモダチ」が欲しかったのだろう。
病気になって既に10年。当時の友人関係は既にバラけてしまい、残ってるのは僕ぐらいなものだから。
ずっと入院していた訳ではないのでたまに学校にも行ってたけど、入退院を繰り返す状況で友人を作るのも難しかったようだった。

そうそう。
「トモダチ」が欲しかった彼女は、5年ぐらい前からチャオを飼っている。
基本的に清潔な環境でしか住めないチャオは、普通の動物と違って病院へ連れて行くことも特別に許可されている。
彼女がペットとしてチャオを選んだのは、それが大きいらしい。
ただ、入院してるとずっと一緒、というのは無理なので、普段は彼女の家族が世話をしてるそうだ。

…とか何とか、読者さんに向けたテンプレ説明文章を考えながら、僕はやっぱり坂道を下る。


…決めた。
水曜の夕方にしよう。


「という訳で、現在時刻は水曜の午後4時半、ここは彼女の病室…」
「はいはい、厨二病も大概にね?」
…どうやら読者さんに向けた説明文が口をついて出てしまったらしい。彼女に厨二病だと笑われる。
正直、ちょっとどころかかなり恥ずかしいが、まぁいいか。娯楽が少ない病室って場所だし、笑ってもらうのが一番だろうしね。

で、どんな話題をするのか…といっても、他愛のない話題である。
病室にテレビはあるのでテレビの話、学校の話、あとは…そう、チャオの話。

「そういえば、あの子を飼い始めて、もう5年かぁ…あの子はあんなに成長したのに、私はずっと病院だよ」
「いや、なんだかんだで半分ぐらいは退院してるだろ?」
「そうだっけ?」
もちろん僕も正確な日数を数えている訳じゃないけども、およそ半分ぐらいのはずである。
ただ彼女にとって、その「半分」はどれだけ長くて、大きいのだろうか。それを考えると、少し胸が痛い。

彼女はベッドから出るのは難しいが、自分で食事をしたりするぐらいのことはできる。話すことも問題ない。
側にいたチャオを彼女は抱え上げ、よしよし、と頭をなでた。ポヨがハートマークになって、チャオが喜んでるのが分かる。

そこで僕は、あることに気がついた。
「そういえばさ」
「うん?」
「飼い始めて5年ってことは、そろそろ転生するんじゃない?」
「あ、そっか!」
「今度はどうするの?今はオヨギタイプだから、今度はヒコウとか?」
「そうね…ま、ゆっくり考えることにする」
そう言って、彼女はニコリと笑った。なんだかんだで、その笑顔は癒される。

「あ、そうだ」
今度は彼女が僕に話しかけてきた。
「ん?」
「退院、って訳じゃないんだけど、木曜の夜に家に一泊できることになったの」
「おー、おめでとう!」
「ありがと。この調子でいけば退院できるかもってお医者さんも言ってたし、頑張らないと」
「でも、無理はするなよ」
「うん」
そう軽く頷くと、また彼女は少し笑った。


(そういえば彼女、今は家なのかな?いやもう病院に戻ったか?)
金曜の放課後、やっぱり坂道を下りながら僕は考える。一泊だけだから、少なくとも今夜には病院に戻らなければいけないはずだ。
そんなことを考えていたら、突如携帯が震えた。着信元は…母親か。
「もしもし?」


…それから何時間が経っただろうか。既に深夜と呼べる時間。僕はまた、彼女の病室にいた。
でも、そこで寝ている彼女は目を閉じて、喋らない。呼吸器が繋がれ、電子音が響く。

母親の話をまとめるとこうだ。
今日の昼すぎ、彼女のチャオが繭に包まれた。
しかし、その繭からは、何も出てこなかった―――どうやら転生しなかったようなのだ。

冷静に考えれば当然である。入退院を繰り返す彼女に、チャオの世話が満足にできるはずがない。
彼女の家族が世話をするには限界があったのだろう。

…で、彼女は錯乱して、包丁を自らの胸に…そして、今に至る。
奇跡的に急所から外れたため、一命は取り留めたそうだが…それでも、彼女のこんな姿を見るのは辛い。


君が側にいてあげることが、彼女にとって何よりだから、と彼女の家族に言われ、僕は深夜の静かな病室で、喋らない彼女と2人きりの夜を過ごす。
一昨日はあんなに楽しそうに話してたのに、こんな…こんな…
僕の頭の中で、様々な思考がぐるぐると渦を巻いて、安定しない。

「こんなのって、ないよ」
つい、口から言葉が出てしまった。

僕は心の中で(やってしまった)と思いつつ、無意識に彼女の手に触れた。その時だった。
「…こん…な…の…?」
僕の声じゃない。別の声。彼女の声。そしてその瞬間、僕の左手に触れていた彼女の右手が、動いた。
驚いて言葉が出ない。彼女が、喋った。喋った!!

少し経って、やっと冷静になった僕は彼女の顔を覗くと、彼女はしっかり目を開けていた。
彼女も自分の顔を覗いてきた僕に気がついたらしく、小声でこう話しかけた。
「ごめんね…私が死んだら…悲しむ人が…また増えるのに…」

あぁそうだ。チャオが死んで彼女が悲しむように、彼女が死ねば僕は悲しむ。そうやって世界は繋がっている!
…死に掛けたとはいえ、ギリギリの所で彼女はそれに気がつくことが出来たんだから、きっとマシな方なんだろう。

僕はそっと、彼女の右手を握った。彼女も静かに、強く握り返した。


「…そういえばそんなこともあったねー。さすがにあれは三途の川が見えた。知ってる?あれってマジであるんだよ?3回ぐらい渡りかけた私が言うんだから間違いないって話よ!」

…あれから何年経ったろうか。とにかく、今は彼女も元気に暮らしている。

「おいおい、そんな話茶化していいのかよ」
と僕は苦笑いしながら返すが、彼女は笑いながらこう言い返した。
「過去にどんな不幸なことがあっても、それをネタにして笑って話せる…それが幸せってことでしょ?」

                        おしまい。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

どうも。
小説掲載は1年3ヶ月振りでしょうか。
はじめましてな人ははじめまして、お久しぶりの人はお久しぶり。ほっぷすたあです。
むかーしむかし週チャオの編集長なるものをやっていたような気がしますが、気のせいということにしておいてください。

以下、あとがきというか余談的なものになりますので、飛ばして頂いて結構です。


とりあえず、このお話を書くキッカケについて。

PSUでの友人だったとある姉妹がいたのですが、先日、2人とも亡くなったと知らされました。
元々病気がちだった妹が病死、そのわずか20分後に姉が作中の彼女と同じ形で後を追ったそうです。
後を追った、と聞いて納得してしまうぐらい本当に仲の良かった姉妹でした。
そういえば最近見ないなとは思っていましたが…正直、相当なショックを受けました。


このお話は、その悲しみという感情だけで一気に書き上げました。
文章としては間違いなく稚拙だと思います。ほとんど推敲してません。
読者の皆さんは「で、だから何だ」と思うかも知れません。

でも、(自分でこういうのを言うのもアレですけども)こういう純粋な感情こそが、小説を書くエネルギーになり、また作品を名作たらしめる要因だと思います。私が悲しみをキッカケに1年3ヶ月振りにキーボードを叩いたように。

つまるところ、長い前置きですが、「滅茶苦茶だけど勘弁してね」ってことを言いたいだけ、ということで。

それでは、またの機会に会いましょう。感想などなど、お待ちしています。
引用なし
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The PERMANENT GARDEN : AM3時のおやつ
 それがし  - 11/5/10(火) 12:09 -
  
:AM3時のおやつ

「兄ぃ、おでん食べたい」
眠たい目をこすり、ブルブルと震えるケータイを開けて、俺の耳に届いた第一声はそんな内容だった。
内心で『またか』と思いつつ、俺はケータイ片手にベッドに突っ伏す。
「良く聞き取れなかった、もう一度言ってくれ」
「おでん食べたい」
「おでん?」
「そ。おでんとかラーメンの屋台って4時までやってるって、兄ぃが前言ってたじゃん」
「……あぁ、屋台ね。確かに、以前、そんな事言ったな。――で、何?」
「なに、って……車で連れてってよ」
「……今から?」
「うん。だからさ、迎えに来てよー」
意味不明かつ破天荒、そして何の脈略もないワガママな要求。
なのに、いらついた感情が立ち消えになってしまう、どこか気が抜けた口調。
彼女――真花(マナカ)からの電話はいつもそんな感じである。
「……真花。今何時だと思う?」
「んぅ、3時ちょうどー」
「おめでとう、正解だ。けど、3時は3時でも〈おやつの時間〉じゃあないな。分かるか? カーテン開いてみろ、外は真っ暗だ」
「うん、暗いよ。夜中だもん」
「そうか。だったら、俺がすげぇ眠いことも分かるよな、おやすみ」
電話を切って、再び布団にもぐりこむ。
が、俺が枕に顔をうずめ目を閉じようとした瞬間、再びベッド上のケータイのバイブレーションが鳴り、布団越しに俺の頭を振動させる。
「……」
このまま無視してしまおうかとも思ったが。
(少なくとも数週間は機嫌を直さないのが目に見える……)
俺は、黙ってケータイを開き、耳元に当てる。
「兄ぃ、おでん食べたい。真夜中のおでん。屋台のおでん。味が染みたおでん。とにかくおでん。兄ぃ、おでん食べたい。真夜中の――」
「あぁもう、分かった分かった!」
どこか不満そうな態度を言葉にすることなく、さっきの欲求を呪詛のごとくエンドレスで言って押し切ろうとするあたり、俺の性格をよく知っているのかもしれない。
「今、着替えてそっちに行く。お前も外着に着替えておけよ」
「んぅ? もう着替えてるよー」
「……」
普通に遊びに行くときには色々と時間をかけて俺を待ちぼうけにするくせに、こういう時だけは腹が立つほどに用意周到である。
「ったく、夜中にお前みたいなちっこい奴が街中に出歩こうなんて、危ないとは思わないのか?」
「そこは兄ぃの出番だよー」
「あ?」
「怖い人から、あたしが身ぐるみはがされないように兄ぃがきちんとエスコートしてよね」
「……」
「結構、お高い服を着ちゃいましたのでー」
「ハァ、そうでいらっしゃいますか。後でお迎えに参上しますよッ」
ケータイを切って、横たえた身体に力を込めて、ベッドから上半身を起こす。
こういうのは勢いでやらないとすぐに夢へと引き戻されてしまうものだ。
「大学の課題がたまっているって言うのに、あいつは――」
寝がえりですっかり皺くちゃになった寝巻を床に投げ捨てる。昼の用事に着る予定だった私服を取り出し、身に纏う。
真夜中に外着への着替えをすると、何とも身体に違和感を感じるものだ。
「さむっ」
ドアを開けた瞬間、吹いてきた肌寒い風に思わず身を縮ませてしまう。
電気が全て消えていることを目で確認し、真っ暗になった部屋に背を向け、壁にかかった車のキーを手に取る。
やはり、空は『おやつの3時』とは程遠いくらい、闇色に染まっていた。

   *   *   *

「今日改めて思ったことは――」
「んぅ?」
「――俺はお前に対しては徹底的に甘いってことだ」
「んー……」
俺の言葉にいまいち理解が出来なかったのか、それとも食いっ気に毒され人の話なんぞハナから聞く気がないのか、真花はあいまいな返事だけをよこしてきた。
ま、どうせ後者だ。証拠に、その目はすっかりおでんの煮え立つ鍋の方へと向けられていた。
「午前3時35分、か」
「おやつの時間、遅刻しちゃったね」
「バカ。遅刻どころか、11時間25分のフライングだ」
「……人、結構いるんだね」
真夜中に出歩くのは初めてなのか、そんな事を俺に聞いてくる。
「あぁ。けれど、――いつもに比べりゃ、そうでもないがな」
話す人の声が聞こえないこともないが、もう流石に飲み会の締めの時刻も過ぎたのだろう、他の屋台にいる人の数もまばらである。休日から休日ということもあるのかもしれない。
実際、今、俺たちが居る屋台も二人だけの貸し切り状態だ。
「……」
おでん屋の店主と思われる親父さんが、隅からのそっと出てきて、使い古した細長い菜箸と金属製のお玉を、俺たちの真ん中に置く。
「ありがとーございます」
「……」
俺と真花の声に、彼は返答することなく、すぐに奥の方へ戻ってしまう。
おでんの数はだいぶ少なくなってきており、減った分もきちんと覚えられるのだろう。
当然、俺は変な小細工して代金を少なく支払おうとは思わない。
こんな真夜中におでん屋を営む人間に目などつけられたくないし、下手なことして関わり合いになるのも嫌である。
「(――ねぇ、あの人、無愛想)」
「(だな。お前の気持ちは分かるが、真夜中の屋台なんざそんなものだろう)」
「(そうなの?)」
「(俺も詳しくは知らん)」
親父さんは俺たちに接客する気はないのか、屋台の奥のベンチに腰かけ、ドラム缶で火を焚きながら、道を通るタクシーをじっと目で追いかけていた。
「むぅ……」
「まあまあ、そんな気にするな。で、真花、どれにするんだ?」
鍋の横に置かれた菜箸を手に取り、俺は真花の方に顔を向ける。
ほんの少しだけムスッとしていた彼女も、さらなる食いっ気に押されたのか、すぐに顔をほころばせて好物の入った鍋を探し始めた。
「決まったか」
「うん、そこの残っているロールキャベツ全部と、そこの卵と大根」
「あいよ」
彼女の要求通りのタネを鍋からつまみ出し、深皿に取って渡す。
「ありがとー」
ギシギシときしむ木の椅子に座りながら、湯気に包まれたおでんの皿を片手に真花は無邪気な笑顔を浮かべる。
上半身もリズムをとるみたく、等速で軽やかに揺れているのが分かる。
「すぐに機嫌良くなるのな」
「うん。あたしの取り柄」
「そうか、それは良い性格だ」
真夜中に無理矢理叩き起こされて目にくまも出来ているだろう俺とは対照的に、真花の目はぱっちりと開いて、髪もふんわりと整えられている。
ちなみに、俺はあまり食べる気もないし、お金もないので、一番安い大根だけを少しだけつまんでいる。
「からしはどうする?」
「ちょーだい」
「ん。……――ふわぁ。ところで、おまえまた生活リズム逆転したのか?」
欠伸を何度となく手で押さえながら、真花の方を見る。
「うぅん。今日はたまたま、夜更かしがしたい気分だっただけ」
「たまたまねぇ。そんなんで人を巻き込むか、普通」
「でも、兄ぃは付き合ってくれる」
「あのなぁ。そんな風に付き合わせるのは、俺だけにしとけよ?」
「んぅ、それって告白?」
「違う逆だ。おまえが彼氏にすぐ愛想尽かされないようにわざわざ忠告してやってんだ」
「でもそれって、お気に入りの女を『そくばく』したいってことじゃないのー?」
「いい加減にしろ、バカ」
彼女の頭にポンと左手を置いて、くしゃくしゃっと撫でる。
髪型が崩れる、と文句を言いつつも、軒先にいる三毛猫のごとく身体を揺らす所を見ると、撫でられること自体は彼女にとって心地の良いものらしい。
色素が少し抜けた、茶色の柔らかい髪の毛は、小さいときからずっと触り心地が良い。
俺も、何かと撫でる機会があればそれに便乗してしまう。
近所の老若男女から常に『変人』呼ばわりされ続けてきた俺の幼馴染の、数少ない美点でもある。
「……んぅ、もう、だめー」
「俺をこんな真夜中に引っ張ってきたんだ、もう少し撫でさせろ」
「むぅ、今食べてるの、終わりっ。次は、そこのちくわぶとハンペンでっ」
「……?」
「早くとってよっ」
「はいはい、ごめん」
赤い提灯が冷たい風に揺らされ、大通りをタクシーが規定速度以上のスピードで走り去っていく。
おでん屋の親父さんが、何とも言えない表情でこっちの方を見ている。
彼からしてみれば、それこそ真花の言うとおり、我儘な彼女と巻き込まれる彼氏というカップリングの新参客が真夜中にずかずか乗り込んできてやがる、と辟易しているのかもしれない。
時計を確認すると、4時を少し過ぎていた。もしかすると、4時で閉店なのだろうか。
「……」
俺はジェスチャーで『お金は少し多めで払う』と伝えるも、やっぱりこちらに何を考えているのか一切伝えずに、俺たちの方から目を反らした。
とりあえず、もう少しだけはここにいてもよさそうである。
「んぅ? なんか気になることでもあったのー?」
「いや、別に何でもない」
場の空気を基本的に読まない彼女は、くいっと首をかしげつつも、いつの間にか新たに皿の中に追加されたタネをどんどん消化していく。
「ああ。一つだけ気になることといえば」
「え? 何?」
「おでん代は誰が払うんだ」
「……んぅ」
「何だよその視線」
「あたし、お財布持って来ていない」
折角大根だけで済ませようと思ったのに、思わぬ出費がかさむことになった。
オゴリとは奢る側の行為であって、奢る側の義務ではない、と声高々に言いたい気分だ。
「――あぁ、もう」
ただ、一番俺が憎々しく思うことは、そんな事になるのを見越して財布に多めのお金を持って来ていた俺自身なのだが。
「兄ぃは人にお金貸したり、連帯保証人にはなったらだめだよー。あと、怪しい勧誘には絶対に乗っちゃだめだからねー」
「それを他ならぬお前が言うのか」
「兄ぃの妹分ですから」
「はいはい、わざわざ妹分のお前から心配されて、兄ぃは幸せですよ」
そうして、俺は自分の分で取った大根を全て腹の中に入れる。真花の方はまだもう少し時間がかかりそうだ。
「……」
暇を持て余し、おでん屋の店主が見ていたように、大通りの続く方をじっと見つめてみる。
等距離に植えられた人工の灯りに照らされ、灰色の道は人々の大半が眠るこの時間でもどこか排気ガス臭い。
速度違反など考えもしていないバイクやタクシーがたまに空気を引き裂きながら過ぎ去っていくことに、チリチリとした恐怖が脳裏をよぎる。
多種多様な人々が行きかい、喜怒哀楽を置き土産にして歩き続ける世界。
多種多様な人々が、喜怒哀楽を拾って自らの糧にする世界、とも言えるかもしれない。
それゆえに、この場所は多くの人をひきつけてやまないのか。
低い建物、高い建物。人がその場により長くとどまろうとする一手段。
ホテル、マンション、オフィスビル、商業ビル――
一見すると、何とも寒々しい無機質の塊。
しかし、そこから白やオレンジの光が漏れだし、そこにあたたかな人間の営みがあるのを確認させるや否や、人々はその塊に共感し、言いようもない親近感が湧いてくる。
あぁ、私は生きている。私は人間だ。この世界に存在する人間だ、と。
(――だが)
最近は、本当にそれは事実なのだろうか、とも思ってしまうのだ。
そこにいるのは――ここにいるのは、まぎれもない何千億という何かによって形作られた人間という生物なのだろうか、と。
もし、人間と全く同一の姿かたちなのに、人間でない〈何か〉が居るなら――
その存在は人にとって無害ということないだろう、人はそれぞれ色々なことを考えるものだ。
それが有益か。それとも有害か。または一生その存在に気が付くことがないか。
その3つに分かれるに違いない。
あの窓の向こうにいるであろう人々や〈何かたち〉は――
俺にとって、その存在は――

一体、どのように受け止められるものなのだろうか?

(――いや、もう、止めよう)

首を振り、現実に戻ろうと、目線を屋台の方へ戻す。
「お」
彼女の皿の上も、ようやくロールキャベツが残り二つのところまで到達していた。
その横にもっさり積んである何か――おそらく〈ロールキャベツを巻く白い帯〉だろう――がやけに存在感を示している。
(いち、に、……。おい、ロールキャベツだけで12個かよ)
彼女の皿に積まれたその数に驚愕しつつも、後で支払う金額を思うと湿ったため息が出てしまう。
「――ん?」
と、いつからこっちの方を見ていたのか、彼女が俺の顔をじっと見ながら、ツンツンと自分の皿を箸で指し示していた。
「なに?」
「……いっこ、食べる?」
「満腹なのか」
「んぅ、そゆことじゃない」
「……」
彼女なりの俺に対するお礼なのだろうか。
帯の取れたロールキャベツを一個、箸で器用に持ち上げてこちらに移そうとしてくれる。
「いや、いい」
「え?」
「お前が食べたければ、俺はいい」
「いらないの?」
「あぁ」
「そ。……――あぁ、そだ」
自分の皿に戻したそれを半分に割りながら、ふと何かを思い出したかのように真花は口を開いた。
「兄ぃ、また明日――じゃないや。今日もまた〈ガーデン〉に来るの?」
〈ガーデン〉と聞いて、一瞬何を聞こうとしているのか分からなかったが、今日が日曜日だったことを思いだす。
「多分行く」
「そ。ごめんだけど、明日は30分遅れてスタートするから」
「何かあったのか?」
「予約がね、入ったの」
「予約?」
「んまー、色々あるの。兄ぃは幼馴染割引きで料金安いんだから、それくらい我慢してよね」
「別に悪くはない。了解した」
「んぅ。――でも、あんな場所をデートの待ち合わせ場所にするなんて、兄ぃもモノ好きねぇ。いや、〈ブリーダー〉のあたしが言うのもなんだけどさー」
「俺が、というよりは、〈アイツ〉が、だけどな」
「兄ぃは嫌い?」
「……アレはアレで愛嬌がある、と思えるようになってきた」
「最初会った時は、へんてこなかたちー、とかバカにしていたくせに。……やっぱり、その〈アイツ〉効果?」
「そうかもな」
「ふうん、妬けちゃうねー」
「妬くな。ただの性格悪いクソガキだ」
俺の返答に、真花は軽く笑みを浮かべると、さっきのロールキャベツを自分の口の中に放り込む。そうして、ようやく右手に持ち続けていた箸を皿の上に置いた。
「ごちそうさまー」
「ん」
俺は財布から貴重な紙のお金を二枚と、硬貨をジャラジャラと出して、少し脂が染みたカウンターの上に置く。
さっきまで不機嫌な態度を示していた真花も腹が膨れて満足したのか、最初来た時のような調子で屋台の親父さんに声をかける。
「お金、置いておきますよー!」
「……」
返答こそなかったが、親父さんはその片手をぶっきらぼうに上げた。
「なんなんだろうねー」
そんなコトを言いつつも反応を得られたことが嬉しかったのか、俺の方を見た真花はクスクスと笑った。

『The PERMANENT GARDEN』

(あとがき)

続きは、次の鍛錬室の課題に従って書き進めていくつもりです。
『チャオ』は出ているかって? ……えぇ、出ていますよ、しっかりとね。そこらへんの話は後からのお楽しみです。
引用なし
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斬首さんへ
 それがし  - 11/5/11(水) 19:58 -
  
以前の死線のなんちゃらよりは読める小説になったと思います。
俺が言うのもなんですが、まずは、どんなに短くても完結した小説を沢山書くことです。
それこそ、俺が反面教師になりますが、中途半端にただ想った事を書きなぐりしていても、絶対に上手くはなりません。言いたいことを頭から変に詰めすぎて、起承転結を書くのが逆に下手くそになってしまいます。

この鍛錬コーナーは、斬首さんにとって「感想がもらえる」+「批評される」+「書ける場所が設けられる」+「話を完結させられる」という4つのメリットがあります。
こんな端の端にある小さな掲示板での些細なスレッドですが、なんやかんやで活字中毒の方々が約3名ほどいらっしゃるので、どうぞふるってご活用ください。

では、俺は慣用句・語法という視点から少し気になった点を。

*   *   *

さっきから彼女はずっと口を閉ざしたまま、眉一つ動かさず、僕についてきていた。

彼女は無表情のまま口一つ聞かず、ずっと僕に付いてきていた。

【眉一つ動かさず】
→「眉一つ動かさず」は、確かに無表情という意味ですが、割と「物事に全く動じない、ゆえに」という意味合いが強いです。今回は、彼女もその周りの雰囲気もそういう堅くどっしりした状態では無いので「表情を変えないまま」「無表情のまま」という簡易な表現が妥当だと思います。

*   *   *

人の手によって、チャオの絶滅は回避され、現在は人間と過ごせるまでに復興を遂げていた。

現在、人の手によりチャオの生態系は回復し、また決して綺麗とは言えない人間社会の中でも生きていくことができるようになった。

【復興を遂げていた】
→普通、生物に対してこう言う使い方をするなら「生態系が回復」という言葉を使います。
→「絶滅回避」と「生態系回復」は結論は同じですので、くどいです。
→あと、人間と過ごすことと、生態系が回復することは無関係ですよね。

*   *   *

今回はこの二つでしょうか。
日本語が正しい文章は、文章自体も読みやすく、状況説明もより正確に表すことができます。
俺自身は、小説のシナリオや表現で突っ込み入れられるほど出来た人間では無いので、これくらいで失礼します。

皆さんの批評の方がより色々と重要な点がありますので、ぜひご参考にしてください。
引用なし
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冬木野さんへ
 それがし  - 11/5/11(水) 20:55 -
  
久々に『終末』系のお話を読みました。
変異する世界、そして、人間がいる世界の終焉の中で、たった二人の男女に話が収束する、というこの感じは何度読んでもいいものです。
それこそが『終末』独特のノスタルジーというものでしょうしね。

文章的には、よくまとめてあるなぁという印象です。
特に「ん?」と止まってしまう個所も無いですし、正直、文章力は俺よりもあなたの方が上ですので、何とも言えません(笑)

とはいえ、少々気になった部分がありますので、簡単な修正をば。

*   *   *

ようやくホワイトクリスマスを迎えることのできた今年。
これはきっと、神様からの餞別なんだろうか。

この文章だと読者的には「神様からの餞別」=「ホワイトクリスマス」という認識になりますが、もしそうならば時系列をきちんと整理させましょう。
あと「きっと」と「〜だろうか」は若干意味も違い、表現が狂います。

ようやくホワイトクリスマスを迎えることのできた今年。
今考えると、あれは、神様からの選別だったのだろうか。

*   *   *

ふと、屋上のフェンスに体を預けてたそがれている僕のズボンを誰かが引っ張った。

このままの文章だと、前文、後文と比べて少しずれが生じます。
たそがれている、だけだと何も考えずに傍観しているイメージですし、
引っ張る正体の正解が〈人間でない〉と分かっているなら「誰か」は不適格です。

ふと、黄昏気分で屋上から街を見下ろしていた僕のズボンを、〈何か〉が引っ張った。

*   *   *

よく知っている幼馴染の顔は、今月に入ってから悲壮感に彩られたような印象が強くなった気がする。ちょっと不謹慎かな。

不謹慎、と言うのとは全くかけ離れた言葉ですので、要りません。

よく知っている幼馴染の顔は、今月に入ってから悲壮感に彩られたような印象が強くなった気がする。

*   *   *

少なくともこの国の8割以上の人間はチャオになってしまったのではないか……と、強ち否定できない予想を打ち立てていた。

あちらこちらで「主人公とヒロインだけ」という考えが主人公の頭をよぎっているんだな、と想わせる文章がある中、この文章だけがやけに浮いている感じがしました。生存掲示板にしたって、返信はヒロインだけだったのですし。

聖誕祭の12月23日から7日経った今日、この国にまだ人間がどれくらいいるかは分からない。
分かっていることは、少なくともこの町では僕とくるみ以外の人間は見かけないこと、そして、掲示板への返信は〈K〉ただ一人だけ……ということだけだった。

*   *   *

「お姉ちゃんが、自分の弟の事がわからないなんてね」
「だって、しょうがないじゃ――」

主人公の皮肉さを浮かばせたかったのでしょうが、くるみの弟に対する行動を鑑みるに、この言葉はいくらなんでもあまりに辛辣な意味にしか取れないと思います。
皮肉ならば皮肉らしく、くるみのことを考えて、決して彼女にとっての暴言にはならないようにしましょう。

(セリフはそちらがご自由にお考えください)

*   *   *

そして最後の――なんて事がないといいんだけど。

主人公の諦念がこの文章以前の地の文にあらわれているので、もう少し、その諦念を押し出すような感じが良いかもしれません。

そして最後の――という言葉が喉まで押しあがって来たが、もう言わないことにした。

*   *   *

こんな感じですかね。
個人的にはすごく好きな題材でしたので、読むのが楽しかったです。
またの鍛錬室へのご参加を心よりお待ちしております。
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スマッシュさんへ
 それがし  - 11/5/11(水) 21:23 -
  
正義と悪は様々な哲学者により様々な解釈がなされてきました。
ある人間は、メジャリティとマイノリティ。
ある人間は、他人を満たす自己実現欲求と自分を満たす自己実現欲求。
結論としては「愛とは何か」という話と同じで、こういうことに一つの正解はないんでしょうが、その意見一つ一つは読むたびに「あぁ、面白いなぁ」とも感じるのです。
今回のスマsの小説もそんな感じで読み進めていました。
文章としては特に狂ったところも無く、読み進める分において文自体の違和感はなかったと思います。

今作の主人公は、正直よくわかりませんが、
「彼は、身一つ失踪しても誰からも問題にされない異性を探している」
→「そういう異性に近づき、その心を完全に支配する」
→「自らの快楽を満たす道具にするか」「彼女を売りとばすか、殺すか」
と、言う感じの男と言う印象です。
まぁ、肉体系では決してない、どこか暗さが垣間見えるクレバーな人間。

彼を正しい人間か、非道な人間かと論ずるのは、この小説においては許されるようなことでなさそうなので避けます。

が、ただ一つだけ言いたいことが。

……俺の経験則ですが、独白を繰り返す人間が人の心を開くことはできません。
相手の言葉を引き出そうと、半ば質問攻めで構って構って構いまくる、と言うのが基本的な人間の心を開く方法です。
もちろん、実際はそう単純では無いですが、つまりは「相手を知りたい」という感情を言葉の端にくくりつけることが重要なのは確かですし、必要不可欠な要素であります。
「閉じこもっている人間は、つまり誰かに感情を吐露したい、その人と感情を共有したい(それがたとえば「愛」とか置き換わるのかもしれないですが)」という前提があってこそ、主人公と少女の関係が成立するんですから。

今回の会話を追っていると、闇に染まったクレバーな男であるはずの主人公が「どこかコミュニケーション障害を持った、同性異性ともに何か気持ち悪い印象を持ってしまうヤツ」にしか思えなかったので、そこが一つ残念な点だったでしょうか。
これでは例え傷がついた少女であっても、会話に応じるとは、俺は思うことができませんでした。
その点で、俺は文章中少し戸惑っってしまったことを記しておきます。

まぁ、ろっどsもおっしゃっていますが、書き込みの問題も多分にあるでしょう。
中間の文章量を増やせば、より魅力的な小説になるとおもいます。
引用なし
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赤いチャオ
 ろっど  - 11/5/11(水) 23:36 -
  
 今日も雨だ。
 そういう時期だから仕方がない。だからといって出かける気にもならないし、ぼくの家をたずねる誰かもいないから、やはり今日もまた誰とも会わない。
 本を読む。目と頭がよくはたらく。体は椅子に固定されている。
 ヒロインが死ぬ。一貫して共感のできないヒロインだった。主人公が好きなのに主人公とは話さず、最後主人公に告白してひっそりと死んでいった。
 そういう人は世の中によくいるように思える。
 他人と関わりたい。けど怖い。距離を置く。壁を作る。
 たぶんそういう人は肝心なときにしか動けないのだ。このヒロインも。そして肝心なときにはいつも手遅れになっている。
 もしかしたら、チャオも人と同じなのかもしれない。
 ぼくのチャオは、いつも遠くからぼくを見てじっとしている。
 ぼくは自分のチャオとも会っていない。
 同じ場所にいるだけだった。
 インターホンが鳴る。
 ぼくは専用の受話器を取ったが、故障しているようだった。しばらくの間、対応すべきかそうでないか迷って、やや緊張しながら玄関に向かった。
 ドアはぼくが玄関に着くと同時に開いた。赤いチャオが立っていた。
 チャオが開けたのか。そういえばドアにチャオ用のノブがついているのをすっかり忘れていた。『チャオでも開けられるくらいの軽さ』をセールスされたことを思い出す。
「隣の部屋に引っ越してきました」
 細い声。チャオの後ろに女の子。
「これ、つまらないものですが」
 丁寧に包装された箱。
 少し間が空いた。
「どうも」
 また間が空く。
「じゃあ、すいません」
 ぼくの声は遠く感じた。
 こてん。音がする。ぼくの後ろでチャオが転げている。
「チャオ、飼ってるんですね」
 それが彼女とのファーストコンタクトだった。


 あたたかそうな桃色のシャツ。白いロングスカート。赤いチャオ。
 何度か顔を合わせるうちに、ぼくの中での彼女の印象はそれになっていた。
 引越しの挨拶以降、彼女は頻繁にぼくと話している。
 やってくる時間はきまって夕方だった。

 わたし、引っ越してきたばかりだからまわりに知り合いがいないんですよ。
 わたし、目をあわせてしゃべるのが苦手で。
 わたし、ほんとは男の人と話すの苦手なんですけど。

 彼女はずっと自分の話をしていた。だけどぼくがよくおぼえているのは、いつも赤いチャオだった。
 赤いチャオは笑わず、しゃべらず、ぼくから常に距離を置いている。まるでぼくのチャオのようだと思った。
 毎日、玄関での会話、十分。
 彼女は何か明確な目的をもって話をしているように感じた。
 会話ではなかった。一方的にぼくが話を聞いているだけだ。非常につまらないものであるはずだった。
 しかし彼女は飽きずに毎日やってきた。

 わたし、父親の都合で引っ越してきたんです。
 わたし、チャオが好きなんですよ。
 わたし、実は自傷癖があって。

 ぼくは淡々と相槌をうち続けた。
 さしずめ彼女の話を聞くためのロボットだ。
 そうなのかもしれない。
 彼女はぼくを使って話す練習をしているのか。
 そんなふうに彼女が自分の話をするだけの日々が続いて、しばらく経ったある日。
 彼女の話が変わった。


「わたし、学校でも友達がいなくて」
 彼女は最初のころの細い声がうそのようにはきはきと喋っていた。
「何を話したらいいかわからないんです」
 話の流れが変わったことに、ぼくはすぐ気がつけなかった。
「どうしたらいいと思いますか?」
 気軽に返答はできなかった。内容が内容であったし、ぼくも話が上手な方ではなかったからだ。
「よくわからない」
 正直な答えだった。
 ぼくは彼女の後ろ姿を黙って見つづけた。
 彼女もまた、あのヒロインと、ぼくたちのチャオと同じだった。
 そしてそれはぼくも同じだ。
 これだけ話されていながら、ぼくは彼女の心に踏み入れないでいる。他人と関わりたいと思っていながら恐怖が勝っている。
 その恐怖を乗り越えるのは『肝心なとき』になるのか。
 恐怖を乗り越えた先にあるものは何か。
 よくわからなかった。
 翌日から彼女は姿を見せなくなった。


 ぼくは彼女の話を聞いている中で、他人と関わりたいと思っている自分を自覚した。
 しかし恐怖を乗り越えるものが、もうひとつ足りないのだ。
 ぼくのチャオは未だにぼくから離れている。
 互いに同じ場所を共有しながら、一緒にいない。
 それでいいのか、と思う。
 壁を作るのが癖になっている。人と壁越しでしか関係できない。彼女は自分を変えようとしていた。それではぼくは?
 変えるべきなのか、そうでないのか。いや、そうではない。
 変えたいと思っているのか。
 ぼくのチャオがじっとぼくを見つめていた。


 夕方になった。
 ぼくは玄関へ向かう。しばらく歩いていなかったような感覚。
 ぼくはドアを開けた。
 赤いチャオが立っている。
 赤いチャオはぼくを一べつして隣の部屋へ向かって行った。
 彼女の部屋だ。
 ぼくの中で湧き上がるこれは緊張か、恐怖か。しかし今はそれがぼくに力を与えてくれているように感じた。
 インターホンを押す。
 応答はない。
 赤いチャオはドアの横でじっと立ってぼくを見ていた。
 もう一度インターホンを押す。
 応答はない。
 赤いチャオがぼくをじっと見る。
 この時間帯に彼女がいないのはおかしい、と思ったが、勝手に開けるのは気が引けた。
 でも、あえて開けてみるのもおもしろいかもしれない。
 いつものぼくなら開けないだろう。
 赤いチャオはぼくを見ている。
 ぼくはドアノブに手をかけた。
 
引用なし
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感想ありがとうございます
 スマッシュ WEB  - 11/5/11(水) 23:36 -
  
>正義と悪は様々な哲学者により様々な解釈がなされてきました。
>ある人間は、メジャリティとマイノリティ。
>ある人間は、他人を満たす自己実現欲求と自分を満たす自己実現欲求。
>結論としては「愛とは何か」という話と同じで、こういうことに一つの正解はないんでしょうが、その意見一つ一つは読むたびに「あぁ、面白いなぁ」とも感じるのです。
>今回のスマsの小説もそんな感じで読み進めていました。
>文章としては特に狂ったところも無く、読み進める分において文自体の違和感はなかったと思います。

すみません正義と悪は全然意識していませんでした。

最初、チャオがダークチャオになったりヒーローチャオになったりするのを「正義と悪」以外の表現に使いたいなあ、と思っていました。
その結果、人の性格によってチャオの属性や性格が変わる、という設定を思いついたのです。

つまり結論の時点でヒーローとかダークとかはどうでもよかったのですが、名残として冒頭に残ってしまいました。
いっそヒーローやダークに触れない方が誤解もなくすっきりしたように思います。
反省点です。


>今作の主人公は、正直よくわかりませんが、
>「彼は、身一つ失踪しても誰からも問題にされない異性を探している」
>→「そういう異性に近づき、その心を完全に支配する」
>→「自らの快楽を満たす道具にするか」「彼女を売りとばすか、殺すか」
>と、言う感じの男と言う印象です。
>まぁ、肉体系では決してない、どこか暗さが垣間見えるクレバーな人間。

そうですね。そんな感じです。
食い物にできる人間を探してるようなやつです。


>……俺の経験則ですが、独白を繰り返す人間が人の心を開くことはできません。
>相手の言葉を引き出そうと、半ば質問攻めで構って構って構いまくる、と言うのが基本的な人間の心を開く方法です。
>もちろん、実際はそう単純では無いですが、つまりは「相手を知りたい」という感情を言葉の端にくくりつけることが重要なのは確かですし、必要不可欠な要素であります。
>「閉じこもっている人間は、つまり誰かに感情を吐露したい、その人と感情を共有したい(それがたとえば「愛」とか置き換わるのかもしれないですが)」という前提があってこそ、主人公と少女の関係が成立するんですから。

全くですね。
本当は、少女に独白させるための呼び水として、男の独白があって、
それでもってお仲間であることをアピールして会話を成立させるつもりだったのですが
なぜか男にしつこく独白させてしまいました。
もうちょっと絡み方を変えるべきでした。
「教科書が汚水につけられたりするの?」とかどうですかね。


>今回の会話を追っていると、闇に染まったクレバーな男であるはずの主人公が「どこかコミュニケーション障害を持った、同性異性ともに何か気持ち悪い印象を持ってしまうヤツ」にしか思えなかったので、そこが一つ残念な点だったでしょうか。
>これでは例え傷がついた少女であっても、会話に応じるとは、俺は思うことができませんでした。
>その点で、俺は文章中少し戸惑っってしまったことを記しておきます。

その通りで主人公はコミュニケーションに危うさがあって、気持ち悪いなどと感じさせるような怖い部分のあるヤツです。
会話に応じそうに見えないのは先のミスのせいでしょう。すみません。

>まぁ、ろっどsもおっしゃっていますが、書き込みの問題も多分にあるでしょう。
>中間の文章量を増やせば、より魅力的な小説になるとおもいます。

確かにもうちょっと必要な文章があったのかも、と感じております。
引用なし
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ろっどさんへ
 それがし  - 11/5/11(水) 23:54 -
  
テンポが良くて読みやすい小説でした。
何とも人間臭い、そして、人間臭いゆえの出遅れ感と失敗が見えてきますね。

自傷をする人間は、多分、傷つけるより、傷つく方がいいって感じている人が多いと思います。そうして、この中に居る少女もまた、結局自分だけを傷つけることを選んでしまったのかもしれません。
でも、傷つける自分を助けてほしかったという気持ちも垣間見えました。

チャオっていうのは、少女と少年の距離を示すインディケーター(指標)なのかなぁと思いました。
それも、本心の。少年は動きたい、少女も動きたい、と思いながらチャオ(本能)は「怖い、動きたくない」という想いがあったのだと思いました。
でも「赤い」ってことは、つまり「危険」ということも示すのでしょうか。
そう考えると、「赤いチャオ」っていうのは、
「自分を失ってしまう(危険)という恐怖と、動きたくない、慣れ合いたくないという恐怖の二つが混ざった、何とも言えない距離感」を意図しているのかなぁと。

傷つくコトを止めてほしいと思いながら、結局死に辿り着いた少女の、あまりに遅い救済を求める行動。
何かがおかしいと思っていた少年の、あまりに遅かった差し伸べるべき手。
二人ともども足踏みしてしまって、二人の関係は破綻してしまった。
本当に、リアリティあふれるバッドエンドで、読んでいて面白かったです。

でも、だからと言って、一歩踏み出せばそれが成功につながるか、っていうのはまた不明確な話なんですよねぇ。
なかなか、こういう話を見ると現実社会のやりきれなさが切実に分かります。

文章はとびとびですが、まぁ、軽く読み流す程度では特にアラは見つかりませんでした。まぁ、一部ざっぱでしたが、こんなものだと思います。
では、短編、ご苦労様でした。また鍛錬室に投稿していただくことを思い起こさせていただきます。
引用なし
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感想ありがとうございます。
 ろっど  - 11/5/12(木) 0:22 -
  
>テンポが良くて読みやすい小説でした。
>何とも人間臭い、そして、人間臭いゆえの出遅れ感と失敗が見えてきますね。

動こうとしたときに手遅れ。ありがちだと思います。
テンポが良かったのは短かったから、一人称だから、というのもあるんでしょうか。たぶんぼくの力ではないです。

>自傷をする人間は、多分、傷つけるより、傷つく方がいいって感じている人が多いと思います。そうして、この中に居る少女もまた、結局自分だけを傷つけることを選んでしまったのかもしれません。
>でも、傷つける自分を助けてほしかったという気持ちも垣間見えました。

自分を傷つける人は、だいたい自分でどうにかしようと思ってはいない、と思います。
自分を助けて欲しい、見て欲しい、そういう面が強かったのでしょうね、彼女は。

>チャオっていうのは、少女と少年の距離を示すインディケーター(指標)なのかなぁと思いました。
>それも、本心の。少年は動きたい、少女も動きたい、と思いながらチャオ(本能)は「怖い、動きたくない」という想いがあったのだと思いました。

インディケーター! かっこいいですね。これから使います。
チャオは人と非常に似ていて、たぶんその心理的なイメージは「追従する」という感じだと思うんですよね。
スマッシュさんはチャオを鏡にしましたが、ぼくは少し変わってチャオを完全なトレースというよりは、あとから同じ道をついてくる、みたいな。

>でも「赤い」ってことは、つまり「危険」ということも示すのでしょうか。
>そう考えると、「赤いチャオ」っていうのは、

赤が好きなだけです!

>傷つくコトを止めてほしいと思いながら、結局死に辿り着いた少女の、あまりに遅い救済を求める行動。
>何かがおかしいと思っていた少年の、あまりに遅かった差し伸べるべき手。
>二人ともども足踏みしてしまって、二人の関係は破綻してしまった。
>本当に、リアリティあふれるバッドエンドで、読んでいて面白かったです。

リアリティあふれているのかはぼくも自信があるところではありません。
結果的にうまいことごまかして収束させられたかな、というのが本音ですね。

>でも、だからと言って、一歩踏み出せばそれが成功につながるか、っていうのはまた不明確な話なんですよねぇ。
>なかなか、こういう話を見ると現実社会のやりきれなさが切実に分かります。

早ければ成功か、遅ければ失敗か。単純化できないのはすごいつらいです。
要はタイミングなんでしょうけど、それがわかれば苦労はしませんね。

>文章はとびとびですが、まぁ、軽く読み流す程度では特にアラは見つかりませんでした。まぁ、一部ざっぱでしたが、こんなものだと思います。
>では、短編、ご苦労様でした。また鍛錬室に投稿していただくことを思い起こさせていただきます。

感想ありがとうございます。
探せばたくさんアラはあると思いますが、一時間ほどででっちあげたにしてはなかなかアラが多くなくてよかったです。
それではインディケーター!
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ホップスターさんの彼女の病室へ感想です
 ろっど  - 11/5/14(土) 18:08 -
  
しっかり読み込んで評価するぞ、と意気込んでいたらあとがきで同時にショックを受けました。
この設定だけでかなり書けそうです。ドラマチックですね。いるところにはいるんだなあ。

ネットというものの都合上、死んでしまったとしても本人の所在がまったく掴めないのが辛いところですよね。
死んだあとに「ぼく、死んじゃったからヨロシク」とかチャットにうちこめたらいいんでしょうけど、たぶん無理でしょうし。
仲の良い友だちが死んだらちゃんと悲しみたいですからね。いつの間にかいなくなっていた、が一番嫌です。

感情の整理をするときが最も創作の原動力がたまりやすいと思います。
何かに疑問をもったり、納得できなかったり、怒りを覚えたり、そういうものを作品にぶつけることが最短ルートなんですよね。

この鍛錬室、チャオBにあったみんな仲良し! 作品に対してはとりあえず面白いって言っておけばいい! みたいな雰囲気を壊したいというのが主に感想を書く原動力の一つだった気がします。
チャオB時代には必要な円滑剤でしたが、こうまで極少人数サークルになるとあんまり意味のない雰囲気です。
小説を通して関係性を持てる。すばらしいと思います。だからこそ死によって関係性を断たれればショックでしょうね。それが自主的な死ならなおさら。
これからのネット時代、自分は死んでいないよ、と表明できる何かが必要になってくるのかもしれないですね。
生命ログインシステムとかどうでしょう。冗談です。

勘弁しろと言われたので作品に対しては完全にスルーしました。
ホップさんの本気の小説を見たことがないというのもスルー理由のひとつです。

しかし関係性がある以上、人はなかなか死ねない構造になっているはずなんですけどね。
友だちが自殺したときの一番悲しい理由は、やっぱり自分では彼女の死に干渉できない無力感でしょうか。
そういう感情のひとつひとつが、また自分のエネルギーとなって、自分を成長させる要因となるのでしょうね。

……という感じでオチをつけましたが作品に関して総スルーって感想としてどうなんだ、と思ったのでひとつだけ。
ゲームだと無限抱っことか撫でたり木の実をあげたりでわりと懐きますが、現実だとそう構ってもいられないのかもしれませんね。
仕事もあります。学校もあります。その中でチャオを構って愛するのは意外とかなり難しいことなのかもしれません。
だから実際にはチャオの死亡率は高くなる、のかな。あるいはチャオの死を回避するための方法を編み出す必要がありますね。
そのあたりを非常に考えさせられました。それでは、また。←この言い回し久しぶりに使いました。
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それがしさんのThe…へ感想です
 ろっど  - 11/5/14(土) 18:43 -
  
>オゴリとは奢る側の行為であって、奢る側の義務ではない、と声高々に言いたい気分だ。

これでも日本語として間違ってはいませんが、文脈的には「奢る側の好意」ではありませんか?
これでは行為と義務が対比になっていないと思います。

前半部分は一人称の小説というより、2chでよく見るSSという印象を受けました。
説明文がおまけみたいなものなので、台詞だけでもほぼ成り立つんですよね。
あるいはむしろそれを狙った作品であるとも見受けました。前半部分で長々しい説明が入ると白ける場合が多いですからね。

一見すると登場人物が3人いるような気がしますが、おそらく店主がチャオなのでしょう。
と仮定すると、

>おでん屋の店主と思われる親父さん

この表現はチャオ的にどうなのか、と思います。チャオに対して「親父」とは呼ばないのではないでしょうか。
いや、確かにこの指摘は正しいですが、さらに深読みしてみるとこの親父さんは「チャオ」であって「人間」であるのかもしれません。なかなか面白いことになっているように感じます。

ですが一個の小説として完結していないので評価できません。
ぼくの予測が正しいのなら面白いは面白いのですが、あくまでひとつの作品として見るならば決定的な文章が足りず、風呂敷を広げすぎている感じがあります。

総評として。
店主がチャオなのではないか、と思わせる構成力は目をみはるものがあると思いました。このあたりはさすがですね。
しかしながら完結していないため本来評価できる部分がただ余分なだけになってしまっていて残念です。
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ろっどさんの赤いチャオへ感想です
 ろっど  - 11/5/14(土) 19:00 -
  
人の構成を真似る技術だけは培ってきただけあってめざましいですね。
ですができることならば自分ですべて練って欲しかったです。

ところで彼女の表情の描写がまるでないのは、主人公が彼女の顔を見ていないからでしょうか。
そうであるならば構わないのですが、そうでなかった場合、彼女はのっぺらぼうということになってしまいます。

彼女の服装に関しても違和感がありました。年頃の女の子が毎日同じ服装というのはどうなのでしょう。
とはいえこれも「そういう設定だ」と言われてしまえばそれまでですね。

>彼女はぼくを使って話す練習をしているのか。⇒そんなふうに彼女が自分の話をするだけの日々が続いて、しばらく経ったある日。

ここのつなぎ方は最悪です。
まず口語体の一人称語りから突然時間を飛ばすのはありえません。せめてあと二文は足りない。これでは「そんなふう」の関連性が非常に弱くなってしまいます。
もう少し「そんなふう」とあわせる文章を加えた方がよいでしょう。

あと、主人公に自身の「他人と関わりたい」という欲求を自覚させるだけのプロセスが省かれているのも気になりました。
ろっどさんはその部分が最も重要なのに、その部分を省いてしまっては展開に起伏がうまれず、四段落目の「自身への問いかけ」に盛り上がりが欠け、ぜんぜん熱くありません。
チャオと見つめ合う=自分自身と見つめ合うという最大の点が、この一点によって話がとんでしまうために文章として際立たないんですよね。
どうせならば最初からもう少し自分にスポットを当てた方が良かったのではないでしょうか。
本の存在も生かし方がもっとあったのに、要素として死んでいます。冬木野さんに指摘したことと同じ過ちを犯していませんか?


やはり最大の問題点は主人公にもっとスポットを浴びせるべきだった、という一点に尽きると思います。
彼女の話と絡められる部分もたくさんあります。できるのにやらない、これが一番ダメです。
この小説で及第点をあげられるのは五段落目だけでした。
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感想ありがとうございます。
 ろっど  - 11/5/14(土) 19:10 -
  
>人の構成を真似る技術だけは培ってきただけあってめざましいですね。
>ですができることならば自分ですべて練って欲しかったです。

仰るとおりです。あまり時間をかけたくなくて手を抜きました。
言い訳になりますがパソコンのハードディスクがぶっとんだのでやさぐれていた、というのもあります。

>ところで彼女の表情の描写がまるでないのは、主人公が彼女の顔を見ていないからでしょうか。
>そうであるならば構わないのですが、そうでなかった場合、彼女はのっぺらぼうということになってしまいます。

主人公は彼女と目はおろか顔すらあわせていません。そこはしっかり表現できていると思います。
ちなみにこの「あわせていない」は冒頭「会っていない」とかけています。
顔もあわせていない相手と「会っている」というのも不思議な話です。

>彼女の服装に関しても違和感がありました。年頃の女の子が毎日同じ服装というのはどうなのでしょう。
>とはいえこれも「そういう設定だ」と言われてしまえばそれまでですね。

そういう設定です(迫真)
理由付けはあったはずですが、忘れました。

>まず口語体の一人称語りから突然時間を飛ばすのはありえません。せめてあと二文は足りない。これでは「そんなふう」の関連性が非常に弱くなってしまいます。
>もう少し「そんなふう」とあわせる文章を加えた方がよいでしょう。

仰るとおりです。
「そんなふう」が死んでいましたね。気をつけます。

>あと、主人公に自身の「他人と関わりたい」という欲求を自覚させるだけの〜

仰るとおりです。彼女と会話している自分を自覚することで自身の欲求を間接的に自覚させようとしましたがあまりにも足りなさすぎましたね。
自覚させる要因は「彼女との会話」が重要なところです。「彼女の内面を考える」という行為によって「自身の内面との対話」を図りましたが、うまく行かなかったようです。
恐怖を乗り越える、という最大の燃えポイントがかすんで見えますね。申し訳ありませんでした。
弁明させてもらいますと、話の流れ的にバッドエンドしか見えなかったのでモチベーションが。


>やはり最大の問題点は主人公にもっとスポットを浴びせるべきだった、という一点に尽きると思います。
>彼女の話と絡められる部分もたくさんあります。できるのにやらない、これが一番ダメです。
>この小説で及第点をあげられるのは五段落目だけでした。

五段落目は完全にろっどさんのターンでした。
当初彼女が自殺したシーンを挿入しようかどうか迷いましたが、結局省きました。これは冗長になる上、無駄なシーンであったからです。彼女の自殺は以前の文章でほのめかしすぎるほどほのめかしてあるので。
しかし彼女の描写、構成に力を入れるあまり主人公の影が薄くなったのは痛手でした。反省点です。
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Re(1):それがしさんのThe…へ感想です
 それがし  - 11/5/15(日) 1:45 -
  
>オゴリとは奢る側の行為であって、奢る側の義務ではない、と声高々に言いたい気分だ。
>
>これでも日本語として間違ってはいませんが、文脈的には「奢る側の好意」ではありませんか?
>これでは行為と義務が対比になっていないと思います。

ごめんなさい、素直に変換ミスですorz
好意ですのでよろしくお願いします

>前半部分は一人称の小説というより、2chでよく見るSSという印象を受けました。
>説明文がおまけみたいなものなので、台詞だけでもほぼ成り立つんですよね。
>あるいはむしろそれを狙った作品であるとも見受けました。前半部分で長々しい説明が入ると白ける場合が多いですからね。

冒頭から説明ばかりって、俺自身が書くの疲れるというか、嫌になるんですよ。
なので、最初に会話多めにしたのは俺自身が楽しく書き始めようと思ったってこともあります。

>一見すると登場人物が3人いるような気がしますが、おそらく店主がチャオなのでしょう。

さぁ、どうでしょうね。

>と仮定すると、
>
>>おでん屋の店主と思われる親父さん
>
>この表現はチャオ的にどうなのか、と思います。チャオに対して「親父」とは呼ばないのではないでしょうか。
>いや、確かにこの指摘は正しいですが、さらに深読みしてみるとこの親父さんは「チャオ」であって「人間」であるのかもしれません。なかなか面白いことになっているように感じます。

まぁ、それはまだ分かりませんね。

>ですが一個の小説として完結していないので評価できません。
>ぼくの予測が正しいのなら面白いは面白いのですが、あくまでひとつの作品として見るならば決定的な文章が足りず、風呂敷を広げすぎている感じがあります。

風呂敷広げているのは仕様です。
適度に暇があったら書きすすめていこうかなと思います。
大体20話前後くらいで完結できることを目指していきます。

>総評として。
>店主がチャオなのではないか、と思わせる構成力は目をみはるものがあると思いました。このあたりはさすがですね。

それが本当にそうなのかはまだ分かりませんが……

>しかしながら完結していないため本来評価できる部分がただ余分なだけになってしまっていて残念です。

いつかはその部分が本末転倒にならないよう更新します!
……んー、さっさと続きを書く作業を始めることにします(笑)

ではでは、今後もよしなに
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ホップスターさんへ
 それがし  - 11/5/15(日) 2:31 -
  
まぁ、ご勘弁を……と最後におっしゃられているので批評はしないでおこうかと思いましたが、ここは「鍛錬室」と言うことを念頭に置いて色々言うことにします。

一つ目は、なんだか話がフワフワしているような気がしました。
何と言うか……入り込めないんですよね。
「読者さんへの〜」とか「厨二病〜」とかのちょっとおふざけが入る下りで、せっかく小説のビジョンが頭の中で立ち始めたとたんに、バッサリとそれを切られてしまうというか。
つまり、物語の中に入ろうと思ったとたん、ただの一文章になり変り、また物語に入ろうとした瞬間、ただの一文章に再び戻るような、そんなフワフワ感です。
シーン移動も結構不自然に感じられ、結局最後の感想としては、一部一部を客観的な眼で見つめてしまって終わったという想いです。

ホップスターさんの心中を文字面だけの情報しか把握していない俺が察することはできません。空元気が高じてそういう表現に行きついたのかもしれません。
ですが、もうちょっと真面目なテーマなら真面目な感じのまま、きちんと推敲もして文章を書いても良かったような気がします。

二つ目は「…」の使い方です。
これに関しては俺も最初戸惑ったんですが、基本的に三転リーダやダッシュは「……」や「――」と二つ繋げて表現するのが基本ルールとなっているみたいです。
確かに、これを使い始めてみると文章も読みやすくなり、適度に間をとることもできるようになるので、使ってみることをお勧めいたします。

*   *   *

ここからは少しきつめの文章を書いているので飛ばしていただいて結構ですが……

俺は身近な方の死をあまり経験したことがあまりないのでそのような心情に関してはよくわかりません。

ただわかるのは、確かに一つの方向に自らの気持ちが大きく傾くと、何かを創作して堪らないと思うことはよくある、ということです。
実際、怒りが感じられる何らかの事件があると、アーティストはそれを糾弾する歌を書きあげますし、あまりに愛らしい人を見て、キャンパスにその姿を写そうと筆をとる画家もいます。

……ですが、彼らに共通していることは、決してそのこと直接に関しては自らの口を割らないということです。
その想いを何らかの作品にぶつけたのなら、それで自らの感情をすべて語ろう、自分の口でそのこと直接は語らないでおこう、いや語る必要がないだろう、と。

要するに俺が言いたいのは、本当に最後のあとがきは正直蛇足にしか感じられなかったということです。
これは俺の持論ですが、俺の身近な人間が不幸になった場合、俺は絶対にそんな不幸をわざわざ人に言いふらしたりなどしたくないですし、自分の心の中にしまっておきたいなと思います。

作品として書きたくなった、という気持ちはすごくわかります。
ですが、だからこそ、安易にそれを描こうと思った真意を、ましてや他人の死なんていうものを、こんなふうに掲示板に淡々と載せようとは思いません。
「そういうことを、載せて一体読者である俺たちにどういう反応を求めているんですか?」
という気持ちが、今俺には強く残っています。

これは俺だけかもしれませんが、その後書きの内容の心の重さのおかげで、感想や批評をあまり書きたくないなぁ、触れたらいけないなぁと思ってしまいました。
せっかく書いたものなのに、誰もそれに触ってはいけないと手を引っ込める。
それだと、「作品」として本末転倒だ、そう思いませんか?

*   *   *

まぁ、鍛錬室ということで腹を割って話しましたが……俺自身、自分の作品はまだまだだと思っていますし、こんな偉そうにベラベラしゃべってもあまり説得力はないかもしれませんね(笑)

ホップスターさんは、本来こんな俺なんかよりもとても面白い小説をお書きになるのは俺も読者としてよくわかっています。次何かをお書きになる機会があればぜひこのコーナーを活用していただければと思います。

では、次の鍛錬室があったらまた参加していただけますよう、よろしくお願いします。

それがしでした。
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ダークさんへ
 それがし  - 11/5/15(日) 3:03 -
  
全員になるべく返信しようと書いていたんですが……
ダークさん、あなたのだけはやっぱりどうしてもわからないよっ。

というわけで、一応想像に任せて。

この二人はどちらもAIなのかなぁと思いました。

中年が、さも当然そうに腕を切り落す
→痛覚が無い
→だが、腕というものはある
→なので、「中年」は人型をしたAIである?

俺のチャオが転生せずに死んだ
→チャオはチャオを可愛がることはしない。
→また、チャオという生物に自らの感情を移入することが出来なかった。
→「俺」は人間としての感情も無く、またチャオでもない。
→感情のない人間か、AIか?

俺の口に入っているグレープジュースの味がなくなった
→味覚がなくなる
→「俺」はだんだんと身体の機能を失いつつある
→やはり、「俺」は人間に限りなく近いAIである?

「死ね」
中年の男の言葉の後、俺はなくなった。
→死ぬ、という表現ではない
→「俺」という存在は自らがそう位置付けられるものだと認識していない
→つまり、人間では無い、AIであると考えられる?

と、文中からの類推でこんな感じで根拠だててみました。
ここからはただの妄想です。

*   *   *

「俺」は人型の最初から機械として作られた純AI。要はアンドロイド。
「中年」は同じAIでありながら「俺」よりも若干上位存在に居るAIであり、「俺」の持つ感覚を制御できる存在。さらに、元人間であったものを改造されたものだと見られる。要は改造人間。

二人は元はどちらも「純AI」である者同士として交流があった。
彼らは「人造人間」である可能性を否定した。それは、自らがいつかは人間で生きていたことがある、と知ると、自らの機械としての存在があることに気がやんでしまうから。単に、そんなわけがないと理解していただけかもしれない。

しかし、それは「チャオ」というものを育てることで一変する。
「俺」の育てたチャオは、「予定通りに」死ぬ。
んばぜなら、彼には感情というものが無く、それがチャオに伝わることは無かったから。
が、「中年」の育てたちチャオは「予定外に」転生してしまった。
彼は悟ってしまった。
自分はいつか人間として生きていて、何らかの理由で死に、そして、何らかの理由で再び人造人間としてこの世に存在してしまっていることを。

「分かるか。なくなるんだ」

「中年」の言った言葉はいわば「死」という意味である。
しかし、当然「俺」がそれを理解することはできない。

彼は腕を切り落す。
AIは腕が切り落されたからとて痛覚が無いので特に何があるわけでもない。
しかし、「中年」は元人間であることを悟り、それがアブノーマルなこととして感じてしまう自分がいることをアピールする。

当然「俺」はその感情を読み取れない。
「中年」は今度は「俺」の「味覚」を上位存在として取ってしまう。
「俺」はその感覚が消えることを当然だと思うが、やはり「中年」はそのことがアブノーマルなことなのだと意識せざるを得ない。

「中年」は「俺」に対して、自らの存在を嫌でも分からせようとするが出来ず、「俺」が純AIとしてのうのうと生きていることに自分勝手な憤りを感じている。

そうして、「俺」はAIとして当たり前の状態をあたかも疑問であるように思っている「中年」を諭す。

「お前は何も分かっていない」

それは、彼がAIとしての本質を理解していないという意味であり、決して深い意味で言ったわけではない。
だが、その言葉はもろ刃の剣。
逆に、「中年」の気持ちを代弁する結果となり、彼を憤らせる。
しかし、そんなことはつゆ知らず、「俺」は続ける。

「実は取れたんだ」

ここでいう「実」とは「お前は、人間ではなくAIなんだ」ということを如実に示している気がする。
「実」はあまりに抽象的すぎるが、意味付けするなら「生命としての生と死の本質」か。
つまり「俺」は「私たちは、人間じゃないからな」という言葉を言っている。

「死ね」

そうして、結局理解してもらえなかった「中年」は、同胞だと思っていた男に激こうし、手をかける。
その言葉は「死ね」であり、彼が自分は人間であるんだ、それが理解できるんだ、ということをアピールした。
……が叶わず。
「俺」は、最後まで「なくなる」という感覚で、自らの存在の終焉を感じ取っていた。

*   *   *

妄想乙。と言われればそこまでなんですが、なんとなく書きたくなったので。
たまにはこんな謎かけみたいな文章も面白いですね。
引用なし
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感想ありがとうございます
 ホップスター WEB  - 11/5/15(日) 3:04 -
  
ありがとうございます。
一応私はもう大丈夫ですが、PSUの友人の中にはかなり引きずってる人もいて、2人の存在の大きさを実感する日々です。

>この設定だけでかなり書けそうです。ドラマチックですね。いるところにはいるんだなあ。

ちなみにその姉妹、私が聞いた限りでは他にもいくつかネタになりそうな設定があるのですが…まぁあんまりネタにするのも悪いので実際に書くことはないと思いますw

>ネットというものの都合上、死んでしまったとしても本人の所在がまったく掴めないのが辛いところですよね。
>死んだあとに「ぼく、死んじゃったからヨロシク」とかチャットにうちこめたらいいんでしょうけど、たぶん無理でしょうし。
>仲の良い友だちが死んだらちゃんと悲しみたいですからね。いつの間にかいなくなっていた、が一番嫌です。

ネット上での付き合いの一番大きな問題点となりつつありますねぇ、この辺。
実際私も、彼女たちの最期を知れただけでも幸せなんだと思います。

チャオBや週チャオもSA1時代から数えると既に12年以上経過してますし、ひょっとしたらかつて投稿した人の中には既に…なんて人もいるかも知れません。
そう考えるとちょっと恐ろしくもあります。

>この鍛錬室、チャオBにあったみんな仲良し! 作品に対してはとりあえず面白いって言っておけばいい! みたいな雰囲気を壊したいというのが主に感想を書く原動力の一つだった気がします。
>チャオB時代には必要な円滑剤でしたが、こうまで極少人数サークルになるとあんまり意味のない雰囲気です。

なるほど、そういう意図だったのですか。
個人的にはオールフリーでやるより条件を付けられた方が書きやすいので、勝手にそういうことなのかなと思ってましたがw

ちなみに私が編集長をやってた当時は、とにかく「場」の提供に徹するという考えだったので、そういうとこまで正直考えたことがなかったなぁ。
今になって改めて考えると色々思うことがあるのですが、まぁそれはいつか生かせる日が来るのを願いつつ心にしまっておくことにします。

>ゲームだと無限抱っことか撫でたり木の実をあげたりでわりと懐きますが、現実だとそう構ってもいられないのかもしれませんね。
>仕事もあります。学校もあります。その中でチャオを構って愛するのは意外とかなり難しいことなのかもしれません。
>だから実際にはチャオの死亡率は高くなる、のかな。あるいはチャオの死を回避するための方法を編み出す必要がありますね。

ソニック以下、ソニックキャラをよく考えると普段は全員暇そうですからねw
例外は世界征服に忙しいエッグマンですが…あれも自営業みたいなもんだしなぁ。

チャオってプレイヤーがちゃんと育てればかなりの確率で転生しますけど、そうなると個体数が増える一方になってしまいバランスがとれなくなるはずなので、実際の死亡率はかなり高いと思いますよ。


という訳で、感想ありがとうございました。また何か書けるといいなぁ。
引用なし
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ありがとうございます
 ホップスター WEB  - 11/5/15(日) 3:57 -
  
ろっどさんへの返事を考えてたらさらに感想が…ありがたやありがたや。

>「読者さんへの〜」とか「厨二病〜」とかのちょっとおふざけが入る下りで、せっかく小説のビジョンが頭の中で立ち始めたとたんに、バッサリとそれを切られてしまうというか。

それはまぁ、いつもの私の悪い癖ですね。すぐメタギャグに逃げる。反省。
こういう表現は使いようだと思うので、上手いこと使っていかないとダメですね。

>二つ目は「…」の使い方です。
>これに関しては俺も最初戸惑ったんですが、基本的に三転リーダやダッシュは「……」や「――」と二つ繋げて表現するのが基本ルールとなっているみたいです。

これに関しては、あくまで個人的考えだと断った上で思うことを。
基本ルールは私も理解してますが、ここは商業ではありませんし、こういう場ではそこら辺アバウトでいいんじゃないかな、って思ってます。
もちろん読みやすさは配慮されるべきですけどね。
ちなみに「三点リーダは1つ、ダッシュは3つ」というのは、小説に限らず私が何か文章を書く時のローカルルールだったりします。これが一番しっくりくるというか。


ほいでもって後半部分はまとめて。

最初は2人について書くつもりは正直なかったのですが、いきなりこんな暗い話を書いて大丈夫かな、心配されないかな、などと要らぬ心配をしてしまうタチでして。
#過去10年以上色んなお話を書いてますが、基本的に明るい話が多かったというのもあります。
んでそうなると、ちゃんと動機を説明しなきゃマズいよな、ということになり…

…と書くとなんだか言い訳にしか聞こえませんが、ズバリその通り言い訳なので…ちょっと遠回りになりますが、真面目にいきましょう。


人っていうのは、その内容に関わらず、何か出来事があったら誰かに喋りたくなるものなんですよ。
では、喋った人はどうして欲しいかというと、「感情の共有」なんです。
楽しいことがあれば「楽しい」、悲しいことがあれば「悲しい」って、喋った相手にも感じ取って欲しい。
そうすることで、人はコミュニケーションを取るんです。これは本能に近い。

「人の死を安易に書くな」、ごもっとも。そしてそれが実践できる人は、本当に強い人間なのでしょう。
正直、大抵の人間はそうじゃありません。だからこそ、先述のようにコミュニケーションを取って、感情を共有することでそれを和らげるんですね。

まぁつまり、私含め、人間ってそんなに強くないんだよ、っていうことです。
私は今回の出来事で特にそれを実感したクチでもあります。


…とにかく、あぁいう心中で書いた作品なので、こういう「腹を割った」意見は本当にありがたいです。
細かいことは気にしないで、これからもどんどん本音をぶつけてください。少なくとも私はそれが糧になります。

それでは、次回があるかどうかは分かりませんが、また機会があれば。
引用なし
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遅ればせながらがら
 冬木野  - 11/5/15(日) 13:59 -
  
小説を書く傍らゲームしてモチベ下がってゲームしてゲームして寝てモチベ下がっての繰り返しで、ここを覗く暇があまりありませんでした。え?ほとんど遊んでるじゃないかって? アルェードウナンダロォ。


>ようやくホワイトクリスマスを迎えることのできた今年。
>これはきっと、神様からの餞別なんだろうか。
>↓
>ようやくホワイトクリスマスを迎えることのできた今年。
>今考えると、あれは、神様からの選別だったのだろうか。

>ふと、屋上のフェンスに体を預けてたそがれている僕のズボンを誰かが引っ張った。
>↓
>ふと、黄昏気分で屋上から街を見下ろしていた僕のズボンを、〈何か〉が引っ張った。

>よく知っている幼馴染の顔は、今月に入ってから悲壮感に彩られたような印象が強くなった気がする。ちょっと不謹慎かな。
>↓
>よく知っている幼馴染の顔は、今月に入ってから悲壮感に彩られたような印象が強くなった気がする。

>少なくともこの国の8割以上の人間はチャオになってしまったのではないか……と、強ち否定できない予想を打ち立てていた。
>↓
>聖誕祭の12月23日から7日経った今日、この国にまだ人間がどれくらいいるかは分からない。
>分かっていることは、少なくともこの町では僕とくるみ以外の人間は見かけないこと、そして、掲示板への返信は〈K〉ただ一人だけ……ということだけだった。

>「お姉ちゃんが、自分の弟の事がわからないなんてね」
>「だって、しょうがないじゃ――」
>↓
>(セリフはそちらがご自由にお考えください)

>そして最後の――なんて事がないといいんだけど。
>↓
>そして最後の――という言葉が喉まで押しあがって来たが、もう言わないことにした。

>こんな感じですかね。

数々の修正、まっことありがとうございます。
どこもかしこもどんな表現にしたものかなと少しつまづいた箇所ばかりで、指摘がどれもピンポイント……オドロキです。言われてみればこんな単純な表現があったのに、なんで悩んでたんだろう(笑)
ちなみに主人公君の幼馴染に対するキツイ言葉なんですが……ご自由にお考えくださいと言われて何度考え直してもキツイ言葉しか浮かんできませんでした。ゆうきくんってひょっとしてドS?(ボソッ
まぁ、頑張ってマイルドにしてみて「もしそれで知らない子だったら大変だね」ぐらいでした。これで大丈夫かな? かな?

何はともあれ、だいぶ遅れましたがありがとうございました。また次の機会があればよろしくおねがいしますー。


>またの鍛錬室へのご参加を心よりお待ちしております。

・・・というかまた何か投稿してもいいのかしら。
みんなわかりやすくシリアス気なものを投稿していくから、試しにポップなものを書いてみたいなと思ったりしたけど、ここって鍛錬室なわけでして・・・うーむ。
引用なし
パスワード
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解説
 線文字D  - 11/5/15(日) 23:15 -
  
> 「わかるか。なくなるんだ」

無を扱うため、最初に提起する。

>  中年の男が言う。

中年:経験の象徴。熟してはいない。
また、中年の男は俺の内面の一要素である。

> 「わかるさ。何も残らない」
>  俺はグレープジュースを飲む。

俺は、自らのチャオの死、死体すらも残らない無を想像する。

グレープジュース:ぶどう一粒は、自分を構成する一要素。
落ちた粒からジュースが作られる→グレープジュースは自分から落ちた要素
ジュースを口に含む→落ちた要素を味わう→死んだチャオを思い出し悲しむ

> 「お前は何もわかっていない」
>  中年の男は自らの腕を切り落とした。
> 「こういうことだ」

感覚の無を、俺の経験である中年の男が腕を切り落として、俺に伝えようとする。
腕→何かをするときに一番使われる部位。つまり、俺の経験の中で一番行動決定の際に使われていた経験→チャオの死
チャオの死は、客観的な無ではなく、飽くまでチャオにとっての無である、という主張を俺の感覚を使って理解させようとする。

>  中年の男の腕は床の上に横たわっている。

それでも俺は、感覚の無ではなく、飽くまで客観的に落ちた腕を見ている。

> 「お前はまだ何もわかっていないようだ」

俺が感覚の無に注目しなかったことによる発言。

>  俺のチャオが灰色の繭に包まれた瞬間が思い出される。
> 「こういうことではない」
>  俺の口に入っているグレープジュースの味がなくなった。
> 「そういうことだ」

経験である中年の男が、その一部である瞬間を思い出させる。
口の中のグレープジュースの味がなくなる→死んだチャオに心を動かされないようになる→中年の男の腕が落ちたから

>  俺はグレープジュースを飲み込み、

俺は死んだチャオに心を動かされない自分を受け入れている。

> 首を上げて中年の男の顔を見る。

首を上げて→中年の男は無を軽視するようになった俺を見下している。

> 「お前は何もわかっていない」

経験のみで語る中年の男を、経験を踏まえた上で話す俺は見下す。

>  俺の言葉に、中年の男の顔は紅潮した。

自分のほうが優位だと思っていた中年の男は、俺に見下された発言をされ憤る。

> 「実は取れたんだ」

実とは、チャオのこと。
無の経験も、俺の要素でなくなった。
中年の男は経験そのものであるため、経験の無を知らない。

> 「死ね」
>  中年の男の言葉の後、俺はなくなった。

中年の男は自殺する。
経験(すべての記憶)を失った俺は、自我を失う。中年の男による感覚的な無を伝えるための無意味な最終手段。
しかし、俺はもはや違う人間になってしまったので、その面でも無意味に終わる。


全体を通して、強い主張はない。色々ぶちこんだ。ある意味では人間らしい。
ぶっちゃけご想像にお任せ、でいい。
引用なし
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感想ありがとうございます。
 斬守 WEB  - 11/5/15(日) 23:49 -
  
それがしさん、批評・感想ありがとうございます。

>以前の死線のなんちゃらよりは読める小説になったと思います。
>俺が言うのもなんですが、まずは、どんなに短くても完結した小説を沢山書くことです。
>それこそ、俺が反面教師になりますが、中途半端にただ想った事を書きなぐりしていても、絶対に上手くはなりません。言いたいことを頭から変に詰めすぎて、起承転結を書くのが逆に下手くそになってしまいます。

死線のなんちゃらってなんでし(ry
完結シリーズは多いですが、最近終わらせてないのが増えてきているのは事実です。
今後、完結をしっかりさせられるように努力したいと思います。

>この鍛錬コーナーは、斬首さんにとって「感想がもらえる」+「批評される」+「書ける場所が設けられる」+「話を完結させられる」という4つのメリットがあります。
>こんな端の端にある小さな掲示板での些細なスレッドですが、なんやかんやで活字中毒の方々が約3名ほどいらっしゃるので、どうぞふるってご活用ください。
>
>では、俺は慣用句・語法という視点から少し気になった点を。
>
>*   *   *
>
>さっきから彼女はずっと口を閉ざしたまま、眉一つ動かさず、僕についてきていた。
>↓
>彼女は無表情のまま口一つ聞かず、ずっと僕に付いてきていた。
>
>【眉一つ動かさず】
>→「眉一つ動かさず」は、確かに無表情という意味ですが、割と「物事に全く動じない、ゆえに」という意味合いが強いです。今回は、彼女もその周りの雰囲気もそういう堅くどっしりした状態では無いので「表情を変えないまま」「無表情のまま」という簡易な表現が妥当だと思います。
>
>*   *   *
>
>人の手によって、チャオの絶滅は回避され、現在は人間と過ごせるまでに復興を遂げていた。
>↓
>現在、人の手によりチャオの生態系は回復し、また決して綺麗とは言えない人間社会の中でも生きていくことができるようになった。
>
>【復興を遂げていた】
>→普通、生物に対してこう言う使い方をするなら「生態系が回復」という言葉を使います。
>→「絶滅回避」と「生態系回復」は結論は同じですので、くどいです。
>→あと、人間と過ごすことと、生態系が回復することは無関係ですよね。
>
>*   *   *
>
>今回はこの二つでしょうか。
>日本語が正しい文章は、文章自体も読みやすく、状況説明もより正確に表すことができます。
>俺自身は、小説のシナリオや表現で突っ込み入れられるほど出来た人間では無いので、これくらいで失礼します。
>
>皆さんの批評の方がより色々と重要な点がありますので、ぜひご参考にしてください。

文章の指摘、ありがとうございます。
もっと意味を考えていかないといけないですね・・・。
今後も頑張って考えて書いていきたいと思います。
分かりやすい批評、本当にありがとうございました。
引用なし
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ありがとうございます
 ダーク  - 11/5/16(月) 7:14 -
  
想像の余地がある文章、って好きですので、こういう感想はありがたいです。
同じ文章なのに全く違うストーリーが出来上がるなんて、面白いもんです。
ありがとうございました。
引用なし
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ダークさんのチャオの実へ感想です
 ろっど  - 11/5/18(水) 16:25 -
  
>「わかるか。なくなるんだ」
>「わかるさ。何も残らない」

この「なくなる」はチャオのことを示している、と考えました。(チャオ小説なので)
そのあとの文章で中年は俺に「わかっていない」と言っているので、「なくなる」と「何も残らない」には違いがあるのだと考えました。
「なくなる」は失ったもの。失ったものはどこか(自分の記憶、心とか)に残っている。チャオの消滅にこだわる自分を表現しているのではないか?
「何も残らない」は文字通り失って消えたもの。死んだものはすでにないものと変わらない。だから自分はチャオの消滅と関係がない。チャオの消滅は自分に何の影響も与えていない。チャオの記憶はあってもなくても変わらない。

グレープジュースは「何も残らない」と言って飲み込んでいるので、俺が「チャオの死」を受け入れたことではないか、と考えました。
そうすると俺と中年は対比されているので、俺は受け入れているが中年は受け入れていない、と考えることができます。

>「お前は何もわかっていない」
> 中年の男は自らの腕を切り落とした。
>「こういうことだ」

チャオの死を受け入れることのできない中年はいつまでもチャオの死にこだわり続ける。
反対に俺はチャオの死を受け入れている。次の、

>「お前はまだ何もわかっていないようだ」

という文章があるが、俺は何も喋っていない。つまりどこかで俺の内面を示す表現がある。それは>中年の男の腕は床の上に横たわっている。だと思いました。(一人称なので)
そう考えると、俺はチャオの死を「チャオが死んだ」事実としてとらえているが、中年は自身の痛みとしてとらえている、ということが分かります。

> 俺のチャオが灰色の繭に包まれた瞬間が思い出される。

この一文によっても「腕を切り落とす」と「チャオの死」が関連していることが強調されていますね。

>「こういうことではない」
> 俺の口に入っているグレープジュースの味がなくなった。

あくまで感覚にこだわる中年。グレープジュースの味がなくなる=チャオの死から味がなくなる。「グレープジュース」というと物体を想像しますが、味は感覚。
チャオの死は「チャオの死」という事実ではなく、自分が「チャオを死んだ」と思うこと。その感覚。これが中年の主張ではないかと思いました。

>「そういうことだ」
> 俺はグレープジュースを飲み込み、首を上げて中年の男の顔を見る。

俺はチャオの死を事実としてとらえ続ける。

>「お前は何もわかっていない」
> 俺の言葉に、中年の男の顔は紅潮した。
>「実は取れたんだ」

「実」はグレープと関連があるので、ぶどうの実と考えました。
ぶどうは記憶の繋がりを示していると考えました。実が取れたということは、チャオは自分の記憶から取り除かれた。取り除かれて、グレープジュース=チャオの死という事実と化した。そう推測しました。

>「死ね」
> 中年の男の言葉の後、俺はなくなった。

自分の死さえも事実としてとらえる俺。

総じてチャオの死を事実としてとらえ続ける俺を、あくまで感覚を重要視する中年と対比することで、感覚の大切さを強調した作品であると感じました。
とらえ方が多く、いろいろな解釈ができる作品であります。短いながらに面白い小説ができあがったなあと素直に感動しました。
せっかくの良い作品でありますが、メッセージ性が弱いのが気になりました。こういう路線ならメッセージ性が強い方がなお良いと思います。
しかし読み物として非常に楽しめたので個人的には(鍛錬室で)一番の出来でした。
中年=俺に気づけず、中年を経験の象徴として気づけなかったのは痛かったです。あと細かな読み違いが目立ちました。でも唯一解のある作品ではないので、そこは問題ないのでしょう。
解説と比較することで面白みができますが、やはり解説は不要であるとも思いましたね。そういう作品ではないので。
最初の「なくなる」「グレープジュース」などをどう解釈するかによってこのお話は大きく違ったものになるでしょう。できればいろいろな人の解釈を読んでみたいですね。
グレープジュースのような味わいのある小説でした。楽しかったです。
引用なし
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ありがとうございます
 ダーク  - 11/5/18(水) 18:34 -
  
なるほど。
俺のイメージと遠くない解釈です。
別の解釈の中にも、共通する側面があって面白いです。
その共通する側面は、小説において割と重要なポイントかもしれませんね。

>せっかくの良い作品でありますが、メッセージ性が弱いのが気になりました。こういう路線ならメッセージ性が強い方がなお良いと思います。

結論から言えば、メッセージはほぼ皆無ですね。
そもそも、俺はメッセージ性の強い作品を書くのが苦手なんですよね。
自分も他人も自由にしろ、という俺のモットーが原因かもしれません。
だったらそれをメッセージにした作品を書け、という話ですが、実力と気が向いたら書きます。

この作品に関しては、
想像(解釈)の余地を多く、且つ微妙な感情の葛藤を純粋に描く、というのがこの作品を書くにあたってのポイントでした。
伝える作品ではなく、読み込ませる作品であるという属性が、メッセージを感じさせなかったのかもしれませんね。
今度、頑張って挑戦してみます。

>グレープジュースのような味わいのある小説でした。楽しかったです。

うるさいよ
引用なし
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ろっどさんへ
 ダーク  - 11/5/18(水) 20:04 -
  
赤いチャオ、俺はかなり好きです。
ろっどさんの作品の中では、短かい部類ですね。
短かいもの好きの俺には、気軽に読めるいい作品でした。
加えて、導入が良かったですね。導入が長かったり、設定の羅列だったりすると、それだけで俺はその作品の読み方がかなり雑になります。その点、この作品は一人称を活かせた、良い導入だったと思います。小説にありがちな、設定や主張を表現するのに文章が冗長になる、という点も見当たりませんし、読みやすかったです。
相変わらず小説の構成はうまいですね。短いので、際立っていました。
全体的にはいつものろっどさんよりも、表現が良かったと思います。部分的にはいつものろっどさんでしたけど。

ろっどさんの作品の中では、月と太陽の物語に次ぐくらい好きです。
引用なし
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ほっぷさんへ
 ダーク  - 11/5/18(水) 20:29 -
  
鍛錬室以外の場所で書いてほしかった、という一言に尽きます。
強い純粋な感情を表現するのに、制限はないほうが良かった。

全体的に良い意味で感情的な文章だな、と感じました。
ただ、ネタやメタに走るのは、悪いとはいいませんが、
後半の感情の盛り上がりとギャップがあって世界観から突き出されてる感が否めないです。
それと、一人称という制限と、強い感情を表す小説、ということで、ほっぷさんも仰っているように稚拙な部分があるな、と感じました。
しかし、それでも強い感情を感じる表現がいくつかあって、さすがだな、と思わされました。


姉妹さんについては、よく知らないのであまり無責任なことはいえませんが、
姉妹さんが亡くなったこと自体も、ほっぷさんが悲しみを感じていることも、悲しく感じます。是非、ずっと覚えてあげていてください。
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感想ありがとうございます。
 ろっど  - 11/5/19(木) 0:55 -
  
>赤いチャオ、俺はかなり好きです。

ありがとうございます。赤いチャオ、ぼくはかなり嫌いです。

>ろっどさんの作品の中では、短かい部類ですね。
>短かいもの好きの俺には、気軽に読めるいい作品でした。

短いと読みやすいというすばらしいメリットがありますからね。
時間がかからないっていうのがポイントです。

>加えて、導入が良かったですね。導入が長かったり、設定の羅列だったりすると、それだけで俺はその作品の読み方がかなり雑になります。その点、この作品は一人称を活かせた、良い導入だったと思います。小説にありがちな、設定や主張を表現するのに文章が冗長になる、という点も見当たりませんし、読みやすかったです。

一人称を書くのは苦手です。苦手だからこそ余計な部分が消えて、よくまとまったのかもしれません。
あと、CHAON'Tでの経験が生きました。あれは余計な部分を意識的に付け足しまくった作品なので、その部分が書くときに浮き彫りになっていました。
それから一人称にはこだわりがあります。主人公の語りを意識するので、詩のような「うまい表現」はどうしても違和感があるんですよね。「まるでバラのような」レベルの比喩ならまだしも、「まるで孤島に咲く一輪の花のような」とまで行くと主人公どんだけポエマーなんだよ、ってなります。
だから方向性が定まりやすかったです。

>相変わらず小説の構成はうまいですね。短いので、際立っていました。

構成はいつものろっどさん+黒いリストバンド+探し物です。
そこまで構成力の高さを主張されると、ちょっと本格的にろっどさんの構成力を分析したくなっちゃいますね。

>全体的にはいつものろっどさんよりも、表現が良かったと思います。部分的にはいつものろっどさんでしたけど。

隠しきれなかったみたいですね。どの部分でしょう。
個人的にはその部分を大切にしたいです。ちなみに表現が良かったのは短時間で書き上げたから+一人称だからですね。
というより、ダークさんの好みが一人称の自由な表現に偏っているためかもしれません。

>ろっどさんの作品の中では、月と太陽の物語に次ぐくらい好きです。

そして
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ありがとうございます
 ホップスター WEB  - 11/5/19(木) 17:40 -
  
>鍛錬室以外の場所で書いてほしかった、という一言に尽きます。
>強い純粋な感情を表現するのに、制限はないほうが良かった。

なるほど…
今回に限らず、基本的に私は制限、というかルールをもらったほうが書きやすいので、この鍛錬室は前からネタがあれば挑戦してみたいな、とは思ってたんですよね。
そこに悲しくもあぁいうネタが転がってきてしまった、という感じでしょうか。

今になって考えると「あぁ、そうした方が良かったかな」とも思いますが、ちょっとあれを書いた時はそれを考える余裕はなかったです。

>それと、一人称という制限と、強い感情を表す小説、ということで、ほっぷさんも仰っているように稚拙な部分があるな、と感じました。
>しかし、それでも強い感情を感じる表現がいくつかあって、さすがだな、と思わされました。

改めて見てみると、確かに一人称とこの手のお話はちょっと相性がよくない。
私の記憶の限りでは、一人称の場合割と淡々と話が進むか、感情が強めでもギャグ寄りのお話が多い気がしますし…
ここら辺も反省点ですね。

>姉妹さんについては、よく知らないのであまり無責任なことはいえませんが、
>姉妹さんが亡くなったこと自体も、ほっぷさんが悲しみを感じていることも、悲しく感じます。是非、ずっと覚えてあげていてください。

ありがとうございます。きっと、いや絶対に忘れません。

それでは、感想ありがとうございました。
引用なし
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おかしなはなし
 冬木野  - 12/3/30(金) 22:21 -
  
 おかしな話をしよう。
 それはぼくが世間というものを知って、初めておかしいと思った話だ。


 先ず、ぼくには二人の親がいた。
 一人はお父さん。白衣と眼鏡という、特徴的だけどなんだか無個性な見た目の人だ。話し相手がたくさんいる。棚の本とか、机の上の紙とか。話し相手にはぼくも含まれていたが、返事を返してくるのはぼくだけだ。それでも特に不満はないらしい。
 一人はお母さん。同じく白衣に身を包み、切るのも面倒だと髪を無造作なポニーテールにするくらい大雑把な人だ。よく鼻歌を歌う。聴き手がぼくしかいないのだが、それでも歌うのをやめない。動きの一つ一つも踊っているように見える。でも別に楽しいわけじゃないんだとか。
 二人の仕事は、ぼくを知ることだそうだ。だからぼくもそのお手伝いをする。ぼくはお父さんもお母さんも好きだから、役に立てるのは嬉しかった。

 ぼくのすることは一つ。お父さんとお母さんの質問に答えることだ。
「私が何を考えているか、わかるかい?」
 一つ頷いて、ぼくは答える。
「おたばこ、なくなっちゃったなって」
 お父さんはぼくの頭をぽんぽんと撫でてくれた。正解みたい。
「わたしが何を考えてるか、わかる?」
 二つ頷いて、ぼくは答える。
「おめめ、つかれちゃったなって」
 お母さんはぼくの頭をゆっくりと撫でてくれた。これも正解。
 このやり取りを、思い出した頃に繰り返す。これがぼくたちのお仕事。これを繰り返せば、二人はぼくのことを知ることができるんだそうだ。
 思い返せば、実におかしな話である。

 ある日、お父さんとお母さんが喧嘩していた。
 何があったのがは教えてくれなかったが、話はなんとなく聞き取れた。お母さんが、結婚がどうの、とか言ったらしい。お父さんが、別にそういう関係のつもりはない、とハッキリ言うと、騒がしかったお母さんがぴたりと静かになった。
 そしてお母さんが、こんなことを聞いてくる。
「彼、わたしのことをどう思ってる?」
 ぼくはお父さんの目が泳いでいるのを尻目に見て答えた。
「どうしようっておもってる」
 それを聞いたお母さんは、不思議と悲しそうな素振りもなく立ち去った。お父さんは背を向け、椅子に腰を降ろした。
 相当おかしな話だけど、この時点で気付かなかったぼくも相当におかしかった。

 それが原因なのかはわからないけど、お父さんがある日、ぼくに一人部屋をくれた。
「今日からここがおまえの部屋だ」
 そこはいつも一緒だったお母さんの部屋とどこか似ていて、でもかなり違っていた。まず目についたのが、他の部屋と同じような、棚にみっちり詰まった本。お母さんの部屋のより小さめのベッド。やわらかいボール。積み木。エトセトラ、エトセトラ。
 ぼくは不意に胸が苦しくなったような気がして、お父さんにしがみ付いた。
「お母さんと一緒がいい」
 特におかしなことは言ってなかったつもりだが、お父さんは大層驚いた顔をした。それでもすぐにいつもの表情に戻り、ぼくに言い聞かせた。
「これも仕事だ」
 仕事。これをこなせばお父さんとお母さんが喜んでくれる。そう思うと、ぼくは少し決心が固まった。でも、初めて一人で寝るのは酷く不安だった。
 後に聞いた話なのだが、ぼくがお母さんのことを「お母さん」と呼んだのは、この時が初めてだったそうだ。

 それからも、ぼくはお仕事を続けた。
「私が何を考えているか、わかるかい?」
 ぼくはお父さんをじっくり眺めてから言った。
「……手、汚れちゃったなって」
 意表を突かれたような顔で、お父さんは鉛筆で汚れた手を見た。ぼくを撫でてはくれなかったけど、お父さんはどこか満足気だった。
「わたしが何を考えてるか、わかる?」
 ぼくはお母さんの目をじっと見つめて言った。
「……皺、増えてきたなって」
 後ずさるくらい驚いて、お母さんは顔に手を当てた。凄くショックを受けてたけど、お母さんはそれ以上に興奮していた。

 なにかおかしい。
 そう思ったぼくは、棚にあった本をとにかく読み漁った。人はこれを読んで頭がよくなるそうだから、ぼくもこれを読めば頭がよくなって、なにがおかしいのかわかるかもしれないと思った。
 ぼくが選んだのは、お仕事の本。お店の店員やレストランのコック、医者に警察に消防隊、いろんな仕事がたくさん載っていたけど、お父さんとお母さんがやっている仕事については何も書かれていなかった。わからないことが増えただけだった。
 ぼくはもっとたくさん本を読んだ。知識を蓄える為の本以外に、物語も読んだ。一番印象的だったのが、騎士とお姫様の話だ。お姫様がある日、魔王にさらわれてしまった。騎士は幾多の苦難を乗り越え、魔王を倒し、お姫様を助けた。やがて騎士とお姫様は結婚し、子供を生んだ。騎士とお姫様の家族は幸せな人生を過ごした。めでたしめでたし。
 そこでぼくは気付いた。確かお母さん、結婚がどうのって言ってて、お父さんに断られた風だった。つまり二人はまだ結婚してないんじゃないのか。それなのにぼくは二人の子供なのか。
 わからないことはたくさん増えたけど、お父さんにもお母さんにも聞くことはできなかった。今、ぼくたちは幸せなんだ。それをぼくが壊してしまうんじゃないかって気がして、怖くて聞けなかった。
 今にして思えば、結婚がどうとか、それどころの話ではなかったんだけど。

 そしてある日、ぼくに最後の仕事がやってきた。
「この子が何を考えているか、わかる?」
 そう言ってお父さんとお母さんが連れてきたのは、どういうわけか人形だった。
 なんて言ったらいいか、全然わからない人形だった。特徴というものがない。表情も無いし、派手な服を着ているわけでも無い。無い無い尽くしの無個性な人形だった。
 ぼくは悩んだ。必死に悩んだ。わからないじゃだめだ。何か答えないといけない。これはお仕事なんだ。これができないと、お父さんとお母さんは笑ってくれない。
 ぼくは考えた。必死に考えた。人形が何を考えているのか。ぼくは人形の目をじっと見つめた。人形もぼくの目をじっと見つめてくる。同じことをしてくる。
 悩んだ末、考えた末、出てきたのは今までで一番苦しい答えだった。
「……ぼくが何を考えてるのか、考えてる」
 お父さんは笑ってくれた。お母さんも笑ってくれた。
「ありがとう。お仕事はこれでおしまい」
 それを聞いたぼくは、その場にへたり込んでしまった。
 さっきまで泣きそうなくらい苦しかったのが嘘みたいに、空虚だった。

 ――これがぼくのコドモ時代だ。


 その後、お父さんとお母さんは自分達の研究成果を学会で発表した。
 二人の仕事は、ぼくを知ること。というよりも、チャオを知ることだった。当時、チャオにはキャプチャ能力に加え、心を読む超常的な力があるのではないかと言われていたそうだ。二人はこれを研究する為、生まれたばかりのぼくを引き取った。
 二人が学会でどのように発表したのかは詳しく知らないけど、結論としてチャオに心を読む力はない、人間以上に観察力に長けているだけだということになったそうだ。
 でも、最後の実験であるあの人形の件については、どういう意味があったのかわからなかった。

 で、一番気になっていたことだけど、結局お父さんとお母さんは結婚していなかったんだそうだ。
 今にして思えば、結婚していなくても別になんらおかしいことはなかった。だってお父さんとお母さんは人間で、ぼくはチャオだ。ぼくが二人の子供であるはずがない。それをぼくは勝手に二人の子だと思い込み、結婚していない二人のことで勝手に悩んでいただけだった。
 それを知ったぼくの頭の中はもうぐちゃぐちゃで、本当のお父さんとお母さんの存在を知ってさらに混乱した。結局これからどうすればいいか答えを出せなかったぼくは、お父さん達とお母さん達の折衷案として、みんな一緒に暮らすことにした。
 今、ぼくには二人のお父さんと、二人のお母さんと――一人の兄弟がいる。

「きみは何を考えてるの?」

 人形は何も答えない。
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おかしなはなしへ感想です
 ろっど  - 12/3/31(土) 16:21 -
  
読みやすかったです。
前回の生存報告のときといい、冬木野さんは文章から雰囲気を出すのがうまいなあと思いました。
人形のところは正直よくわかりませんでした。
登場人物がおかしなはなしと言っているだけで、あんまりおかしさは感じませんでした。
余分な部分が多くて、前半部分で出していたまったりとした空気が壊れたり戻ったりして、話の筋が右往左往していたような印象を受けました。
ひとつ強く思ったのが、チャオには優れた観察力がある、とするなら、せっかくの一人称形式ですし、もっとうまい書き方があったんじゃないかな、ということです。
でも、冬木野さんの作品の中では最も受け入れやすい作品でした。
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感想ありがとうございます
 冬木野  - 12/4/1(日) 20:08 -
  
>でも、冬木野さんの作品の中では最も受け入れやすい作品でした。

(´・ω・)つまり他のは受け入れにくいってことか。。。


なにはともあれ、感想ありがとうございます。まさか今の段階で感想を貰えるとは思いませんでしたが。いやまじで。


>人形のところは正直よくわかりませんでした。
わからないんじゃ失敗ですね。自分もわかりづらいだろうな、とは思いつつ、カットする気になれなかったんですが。他人から見たら無駄でしたかね。
特に隠すつもりもないので言ってしまうと、人形はお父さんとお母さんがチャオにあるのは読心術ではなく優れた観察力であると確信するために行った実験です。とにかく無個性極まりない人形を渡して質問する、つまり観察力では答えを出せない状況を作った、ということです。
その結果としてチャオがあの答えを出したわけですが、あれはつまるところ「相手がどう思っているかは、自分の基準でしか判断できない」という意味合いを含んでおり、チャオはあの人形を鏡のように見た、ということなんですが……あの短さで説明もないんじゃ、富野語並みにわけわからんですよね。

>登場人物がおかしなはなしと言っているだけで、あんまりおかしさは感じませんでした。
ぶっちゃけて言ってしまうと、おかしいのは話ではなくあまりにも世間知らずなチャオくんそのものでした。チャオはとてつもなく無知だったわけです。が、読み手が冷静に読んでしまうのでは意味がありませんでした。無念。

>余分な部分が多くて、前半部分で出していたまったりとした空気が壊れたり戻ったりして、話の筋が右往左往していたような印象を受けました。
あえてぶっ壊す方向で行きました。ホントダヨ?
しかしまとまりがないっていうのは、素直に反省すべきかも。

>ひとつ強く思ったのが、チャオには優れた観察力がある、とするなら、せっかくの一人称形式ですし、もっとうまい書き方があったんじゃないかな、ということです。
はて、どうやればうまい書き方ができたであろうと考えること2分、ああもっとお父さんとお母さんの触れ合いを多くして、その都度チャオくんに描写してもらえばよかったんだ、と気付きました。相変わらず勿体無い男です私は。


……言い訳するようですが、執筆時間は20分(体感)です。
そういうわけですので、どうかおゆるしを。感想まっことにありがとうございました。
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おかしなはなしへ感想です
 ダーク  - 12/4/2(月) 22:32 -
  
設定や構成は普通ですが、この作品の注目すべき点はそこではなく、その中で強い表現ができた、という点にあると思います。
最期の段落の、ぼくの頭の中はぐちゃぐちゃで、といった表現よりも、チャオが持つ観察力を通し周囲を描くことで、強い感情を読者に想像させる、といった文章の強さが目立ったように感じました。例えば、お母さんがぴたりと静かになった、や、お父さんの目が泳いでいるのを、とか。これを見た何も知らない"ぼく"が何を感じたのか想像すると、その恐怖感や緊張感が伝わってきます。

この話の「おかしな」というのは、ろっどさんが言うような話自体のおかしさではなく、ぼくがおかしく感じているということが重要なのだと感じました。
冬きゅんが意図したのかどうかはわかりませんが、おかしいおかしいと言っている部分は本当におかしい現在に向かうポイントとしてあるのだと思いました。

この短い中にうまくまとめられていて、とても良いと思います。細かい部分を除けば余分なところは特にないんじゃないかな。
一番気になったのはエトセトラの部分ですね。純粋無垢なチャオの一人称だったのに、突然主人公が冬きゅんになって驚いた。

全体的には、きれいにまとまっていて読みやすかったです。でも、やっぱりそこは大きなポイントではなく、何かを伝えるときに何でも描きがちなところを「描かない描写」で表現できていたというのが、なんてことないテーマを強く強く表した素晴らしいポイントであり、小説のあり方(あるべき姿ではなく)の一つを示すことができた作品ではないかな、と思います。
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感想ありがとうございます
 冬木野  - 12/4/4(水) 4:55 -
  
>一番気になったのはエトセトラの部分ですね。純粋無垢なチャオの一人称だったのに、突然主人公が冬きゅんになって驚いた。
クックッ……バレてしまっては仕方がない。我こそは成人間近なピュア☆ピュア★ボーイ♪ その名もふy(この文章は推敲されました)

しかしこのツリーすげえ! 書くと二人くらいから感想もらえるんだぜ! と驚きと喜びに震えております。感想ありがとうございます。


>冬きゅんが意図したのかどうかはわかりませんが、おかしいおかしいと言っている部分は本当におかしい現在に向かうポイントとしてあるのだと思いました。
さて、体感20分で書いたこの小説にそこまで深みとコクがあったかしらと、ちょいとドキドキものでありましたが、ダークさんのように言ってもらえて良かったなとしみじみ。
書いた本人に深みとコクがなかったわけですが、確かに感覚的には「おかしい」っていう描写をゲージを溜めるが如くに使い、最後の最後に使ってやったぞ、みたいな気持ちはありました。体感ですが。うまくいった……のかな?

>全体的には、きれいにまとまっていて読みやすかったです。でも、やっぱりそこは大きなポイントではなく、何かを伝えるときに何でも描きがちなところを「描かない描写」で表現できていたというのが、なんてことないテーマを強く強く表した素晴らしいポイントであり、小説のあり方(あるべき姿ではなく)の一つを示すことができた作品ではないかな、と思います。
たぶん、今までもらった中で一番嬉しい感想かも。
私事で恐縮ですが、小説に限らず物語の上で一番好きだと思っているのが、逐一語らずにぼかしたりだとか、何気無い行動が後にもたらした作用だとか、そういうやつなんです。いわゆる伏線ってやつでしょうか。
やっぱり人ってマジックとかピタゴラスイッチとか見ると「おおーっ」ってなるわけじゃないですか。好きじゃないですか。まあ今回自分が書いた作品がそういうのなのかと思うとなんか違う気がしますが、それでも似たようなことは意識したつもりです。あえていろんなことに目を逸らすようにして書きました。
いつかはそういうのが上手になって、「えっそんな前に伏線あったの?」と二つくらい前の作品を見返させるような物を書いてみたいものです。……アマチュアなんですけどね、僕。

今回はこのへんで失礼したいと思います。ありがとうございました。また機会があったらよろしくおねがいします。
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リンゴに響くのは銃の声
 ダーク  - 12/4/14(土) 17:08 -
  
 チャオが外を眺めているのを、僕もまた眺めていた。休日の昼は暇だ。かといって無理に何かをする気も起きず、なんとなく一日を過ごすことがほとんどだ。今日もまた、そんな日だった。
 チャオがこちらを振り向いた。僕と目が合うが、なんとなくこちらを向いただけという風に、また外を向いた。そろそろ買い物にでも出かけようかな、と思った。
 近所のスーパーに出かけ、ピーマンと玉ねぎ、にんじんと豚肉を買い、家に帰る。夕飯の準備をしている間、チャオはまだ外を眺めていた。僕が夕飯を作り終わって、チャオの晩ご飯のリンゴをテーブルに置くと、動き始めた。僕は野菜炒めを食べ、チャオはリンゴを食べた。
 次の日の朝、僕はチャオと買い物に来ていた。チャオを連れてきたのは、チャオの食料が少なくなってきたので食料を選ばせるためだ。だが、実際はあまり意味がない。チャオは何でも食べるからだ。まさに一応連れてきただけなのだ。
 果物売り場で食料を買い物カゴに入れていると、向かいから声を掛けられた。
「お前もチャオのエサを買いに来たのか?」
 友人だった。彼もチャオを連れていた。ヒーローチャオだった。
「まあ」
 彼は僕の買い物カゴを見た。
「そんなに色々食えるのか」
「うん」
「俺のチャオは好き嫌い多くてさ。リンゴとバナナは大好きなんだけど、他のはあんまり食えないんだよ」
 そういって、僕のチャオを見ながらリンゴとバナナを自分の買い物カゴに入れた。少し驚いた顔をしながら、僕にいう。
「そいつ、大人か?」
「うん」
「そうか。そういえば、習い事はさせてるか?俺は自分がドラムやってるからドラムを教えてるんだけど」
「いや、特には」
「なんかやらせたほうがいいんじゃないか?つまんないぜ」
 そんなこといわれても、と思ったが口には出さなかった。僕はリンゴを手に取った。
「あ、ちょっと待て」
 彼は僕のリンゴを取ると、指で弾いた。そのリンゴを戻し、売り場にあるリンゴをいくつか弾いて、そのうちの一つを僕にくれた。
「これがいい。間違いない」
「そうなんだ」
 僕はそのリンゴをカゴに入れ、買い物を終えた。
 その日のチャオの昼ご飯は、彼が選んだリンゴだった。リンゴを食べ終わったのを見届けると、僕も昼ご飯を食べた。
 チャオを見ると、やはり外を眺めていた。
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ダークさんのリンゴに響くのは銃の声への感想です
 冬木野  - 12/4/24(火) 20:53 -
  
まず謝罪から入りますが、三回くらい読み返してもテーマがよくわかりませんでした。ごめんなさい。今回はその辺を度外視して簡単に感想書いてみるですよ。

ざっくばらんに言ってしまうと、なんていうか淡白でした。地の文における表現から色彩が感じ取れない、とでも言いましょうか。厚みがないみたいな。
前述の通りテーマについては置いておくとして、もっと場景を感じることのできる表現が欲しかったところです。知る、ではなく、感じる。
稚拙ながらも自分なりに改変してみますと、こんな風になりました。

>チャオがこちらを振り向いた。僕と目が合うが、なんとなくこちらを向いただけという風に、また外を向いた。
>>ふと、チャオが僕の方を振り向いた。微かにすれ違うように目を合わせ、またすぐに外を向いてしまう。特に用はないらしい。

>チャオを連れてきたのは、チャオの食料が少なくなってきたので食料を選ばせるためだ。だが、実際はあまり意味がない。チャオは何でも食べるからだ。まさに一応連れてきただけなのだ。
>>今日はチャオも一緒だ。というのも、チャオの分の食料が尽きかけなことに気付き、たまには世のお母さんの真似事でもしてみるかと思っただけだ。特別な意向はない。チャオが僕の懐に多大な影響を与えない限りは。

二つ目かなり脚色してる感じが自分でもしますけど、見逃してくださいな。
ですが、折角の一人称ですので、主人公の主観というヤツをもっと意識してみるとしっくりくるものが書けると思います。主人公が見たものだけでなく、思ったこと、感じたことを書いてナンボですから。脚色し過ぎたなと思ったら手直しすりゃいいわけですし。
それとどうしても気になったのが、なんといいますか、文章の不自然な繋がりです。

>なんとなくこちらを向いただけという風に、また外を向いた。そろそろ買い物にでも出かけようかな、と思った。
>チャオの晩ご飯のリンゴをテーブルに置くと、動き始めた。僕は野菜炒めを食べ、チャオはリンゴを食べた。
>リンゴとバナナを自分の買い物カゴに入れた。少し驚いた顔をしながら、僕にいう。

全体的に淡白が過ぎるせいか、読んでて「ん?」と思ってしまう文章がところどころに生まれてしまっている。これはとても見過ごせないポイントだと思います。
複数の出来事は一文にまとめず、間に事と事を繋ぐ文章を書くようにして無くしたほうがいいでしょう。ちゃんと見直して書いていけばこういうのは生まれなくなりますので。

ではこの辺で締めさせていただきます。また次があれば読ませてもらいますね。
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ありがとうございます
 ダーク  - 12/4/25(水) 20:01 -
  
どうも。ちょっと反抗的な返信になるけど許してね。

>ざっくばらんに言ってしまうと、なんていうか淡白でした。地の文における表現から色彩が感じ取れない、とでも言いましょうか。厚みがないみたいな。
>前述の通りテーマについては置いておくとして、もっと場景を感じることのできる表現が欲しかったところです。知る、ではなく、感じる。

寧ろ、この作品はその淡白さこそがテーマに繋がるのですよ。淡白さが伝われば俺としてはいいかな、という感じです。
長編小説でこの手法を使うと、さすがに描写不足になりますが短編ならではということでやりました。
しかし、俺の小説の文章はもともと淡白な文、というよりは淡白に見える文なんですよ。それらの文にはちゃんと意味を持たせてあるつもりです。
また、いくつか自分なりの文に改変して書いてくださったみたいですが、やはり個性レベルの違いでしかない、と思います。現に俺は俺の文章のほうに美しさを感じます。
例えば、冬きゅんが書き出しにつけてくれた「ふと」。これは主人公が瞬間を認識した場合などに俺は使います。この作品中ではそういった場面はなく、主人公はあくまで周りで起きる現象を淡々と認識しているので使いません。また、その後にある「微かに"すれ違うように"目を合わせ、またすぐに外を向いて"しまう"」などといった表現も使いませんでした。
この作品ではあまり強く表れていませんが、表面は淡白でも裏に見える感情の動きなどが繋がっていく様が俺は好きです。「それっぽい」だけの表現が感性的かというと、そうではない、と俺は思うんですよ。その結果表れた形が俺と冬きゅんの感性の差なんじゃないかな、と思います。

>ですが、折角の一人称ですので、主人公の主観というヤツをもっと意識してみるとしっくりくるものが書けると思います。主人公が見たものだけでなく、思ったこと、感じたことを書いてナンボですから。

書いてナンボ、というのはひとつのあり方でしかない、と俺は思います。
一人称の特徴として心情描写がありますが、書きやすいというだけで書かなければいけないわけではありません。また、表面的思考を書くことで裏の感情を表現することもできます。主観は必要になればどういう形でも表せるのです。

>それとどうしても気になったのが、なんといいますか、文章の不自然な繋がりです。
>
>全体的に淡白が過ぎるせいか、読んでて「ん?」と思ってしまう文章がところどころに生まれてしまっている。これはとても見過ごせないポイントだと思います。

これも個性レベルだと思います。
外を向いた〜そろそろ、は意図して書きましたし、こちらのほうが寧ろ感性的で且つ意味も通ると思いました。
カゴに入れた〜少し、も意図しました。こちらは重要な場面なので後ろの文章は強調するように書きました。僕のチャオを見ながら、という文があるため繋がりは不自然ではないと俺は感じます。
晩ご飯の下りは俺も意味がわからない。ごめん。


反抗的な返信になっちゃったけど、鍛錬室だからどんどん意見を言ってもらって構いませんよ。寧ろ、鍛錬を目的とするのならみんなどんどん言い合うべきだと思うんですけどね。あと、自分の作品を解説してもいい人はどんどんしていっても良いと思いますね。作者が意識していることを知るのもいい勉強でしょう。
感想ありがとうございました。
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冬きゅんの感想へ返信です
 ろっど  - 12/4/26(木) 0:35 -
  
>チャオがこちらを振り向いた。僕と目が合うが、なんとなくこちらを向いただけという風に、また外を向いた。
>>ふと、チャオが僕の方を振り向いた。微かにすれ違うように目を合わせ、またすぐに外を向いてしまう。特に用はないらしい。

なぜここを改変したのでしょうか。
ダークさんの文章の方が描写できているとぼくは感じました。
ぼくもテーマはわかりませんでしたが、文章に意味があるのは分かります。
改変したら意味がなくなってしまうのでは?
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ご意見ありがとうございます
 冬木野  - 12/4/26(木) 9:40 -
  
ダークさんから返信がありまして、改めて作品を読み直してきました。それでなんとなくダークさんと自分の違いがわかったような気がします。
どうも自分、事を伝える以外のことを考えながら文章を書く性質のようで、そのせいか文章がふわふわしがち(?)になっているようです。ダークさんの言っていた感性の違いってやつでしょうか。
そのせいか自分なりのフィルターを通して見てしまったのでしょう。よくよく考えたら、ダークさんの文章って別に「わからない」とかいうほど致命的じゃない、というかむしろ事を伝えることに関してはハッキリしていて問題とか別にない。つーか自分の文章の方が底に沈んでて意味わかんないや。という事実に気付きました。今回の自分の感想、ただの指摘というよりも「自分ならこうする」というだけの話でした。

>チャオがこちらを振り向いた。僕と目が合うが、なんとなくこちらを向いただけという風に、また外を向いた。
>>ふと、チャオが僕の方を振り向いた。微かにすれ違うように目を合わせ、またすぐに外を向いてしまう。特に用はないらしい。

その結果がこれでしょう。ろっどさんの言うとおり、元の文章の方がよくわかる。僕の書いた文はわざわざぼかしみたいなのを入れていて掴みにくい。
たった数行分ろっどさんにツッコミをされただけで、すごく勉強になりました。鍛錬室ってすげえですね。
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チャオおとこ
 ダーク  - 12/6/1(金) 21:14 -
  
 聞きなれない音がするので振り返ると、チャオおとこがキキョウの花を吸っていた。
 チャオおとこは、葉から落ちるしずくのような輪郭をしていて、あとは体も手も足も丸い。顔も丸とはいえなくないので、とにかく丸い。そして大きい。二メートルくらいはある。体はほとんど水色で、頭の先や手先、足先が少し黄色い。だが顔は人間のもののように見えた。中年の男の顔だ。
 チャオおとこはストローをいつもくわえている。実際に何かを吸っているところを見たのは初めてだった。キキョウは薄く小さくなっていき、そのうちに消えてしまった。チャオおとこはこちらを見ると、ゆっくりと近づいてきた。のそのそと近づいてきた。
「見られちゃったねぇ」
 ストローの先から聞こえる声はゆっくりとした調子だった。まぶたに響いて眠気が誘われた。なんとか眠らないように目をいっぱいに開いた。けれども目は閉じて、草が生い茂った地面に横たわりたくなって、横たわった。すぐに眠りについたけど、すぐに目も覚めた。深く眠った気もしたし、短い眠りであったような気もした。
 気がつくと隣にも男が倒れていて、その隣には犬もいた。変わらずチャオおとこもそこにいた。犬はひたすらに男の顔をなめていて、男はまったく反応しなかった。男の顔をよく見ると、チャオおとこと瓜二つであった。男の顔を眺めていたが、突然起き上がるような気がしたので、チャオおとこのほうを向いた。チャオおとこは犬にゆっくりと近づき、犬の体にぷすりとストローを刺してすうすうと吸った。犬も薄く小さくなって、消えた。起き上がってチャオおとこの顔を見る。寝ぼけているわけではないかもしれないけど、いつも寝ぼけ眼だ。
「これはねぇ、僕が転生する前の僕だよぉ」
 チャオおとこはストローを倒れている男に刺し、また吸い始めた。吸いながら、吸うと転生できるんだよぉ、と声を出した。男が消えると、ストローを差し出された。転生できるんだよぉ、と繰り返した。これだけそっくりであると、転生したというのも信じられそうだった。だがチャオおとこを見ていると、なんだか釈然としなくて、嘘だよ、見てないもの、と言った。チャオおとこは、本当だよぉ、と言って繭に包まれた。繭が消えると、中には何もいなかった。やっぱり転生なんてできないじゃないか、と口に出したところでいよいよ怖くなって走って逃げ出した。キキョウの匂いがどこまでも伸びていた。
引用なし
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ヘヴンポップ・クリエイト
 だーく  - 18/9/27(木) 0:13 -
  
 真織はカーペンターズの"Top Of The World"を口笛を吹いていたと思ったら、
「口笛みたいな夢を見たいな」
 そんなことを言った。
 突然そんなことを言うような彼女が僕は好きで、そんなことを言えない僕が嫌いだった。
 きっと彼女の言うことは僕にはわからないんだろうな、と思いながらも彼女と話を続けたくて、
「それって寝る方の夢?」と聞くけど、
「どっちでもいいの」と言われて、やっぱりわからなかった。彼女はサビを口笛で吹ききった。高音が掠れた、あんまり上手じゃない口笛だ。
「あのお」と彼女は続けた。
「誰が吹いても大体同じで、声ほど我が強くないっていうか」
 彼女はいつも思いついたことを口に出しては、その後で赤くなって言い訳するように説明する。僕は説明を聞いても全然しっくりこないことの方が多くて、今日も彼女の言いたいことをわかってあげられないんだろうな、と思うんだけど、諦めきれなくて悲しい。
「なのに、自分勝手? っていうのかな。口笛でどもることってないでしょ? 勝手に進んでいくみたいな。でも、確かに自分が吹いてる」
 もしかしたら彼女の言っていることはすごくそのままの言葉で、何も考えずに聞いたらすんと飲み込めてしまうようなことなのかもしれないけど、席替えをしたばかりの高揚感で乱れた教室の光景みたいに、僕は正しく飲み込めないのだった。
 できない返事の代わりに"I Need To Be In Love"を吹くと、真織も合わせて口笛を吹いた。ユニゾンと呼べないくらいに真織の勝手な口笛と僕の恋にまみれた口笛の間には決定的な差があるように思えた。真織は僕の顔を見ながら口笛を吹くけど、僕は真織が口笛を吹いてるときにうっすら浮かぶ首筋の魅力にしか目が行かなくて、それが悟られないようにするのに必死だった。
 サビを吹き終えたところで、
「喋るのとそんな変わらないかも」
 と僕は言った。
「うーん、それは勇気が口笛上手いからだね」
「そうなの?」
「そうなの」
 確かに僕の口笛は高音も掠れないし、細くてよく響く。真織の口笛は高音も掠れるし、たまに裏返ったような音を出す。真織は喋っているときもよく声が裏返るし、真織の口笛こそ喋っているのに近い気がする。
 真織のチャオのポップが、真織のベッドにもたれかかってあぐらをかいている僕のお腹に抱きついてくる。真織の家に初めて来て真織の部屋に入ったときは、まさかチャオがいるなんて思っていなかったから、扉の前まで迎えに来ているポップにすごく驚いたが、その驚いた僕を見てポップもすごく驚いていた。その光景を見て真織は大爆笑をした。笑っている真織を見て、ポップも嬉しそうに真織の足元で跳ねていた。僕だけが苦笑いで取り残されて、ああ、やっぱりヒーローチャオなんだ、とすごく冷静に思ったことが強く印象に残っている。
 夏が終わって涼しくなり始めた時期だったけど、今日は少し暑かった。エアコンはもう今年の夏の役目は終えたみたいでまったく動く気配はないし、窓も最近涼しくなってきたからという言い訳をするみたいに閉じていた。僕はお腹の辺りが少し汗で湿ってきたから、ポップを少しだけずらしてその部分を乾かそうとしたけど、ポップが不満そうな顔をしたので元の位置に戻した。僕は長袖Tシャツの袖を捲ってささやかな抵抗を示したけど、ポップはエアコンや窓と同じくらい頑固だった。
「勇気はどんな夢みたいの?」と真織が言う。
 口笛みたいな、と同じ類の言葉を僕は言えないから正直に、
「アニメみたいな」と言った。「あるいは」
「あるいは?」
「漫画みたいな」
「特撮みたいな、は?」
「あるいは、ね」
 僕はすごいスピードで飛び、地面を殴った衝撃で相手をひっくり返し、腕を突き出した勢いで山をえぐりたい。移動手段に電車が必要ないだとか、重いものも苦もなく持てるだとか、どんな仕事にも引っ張りだことか、そういうのじゃなくて、ただその能力を見せびらかしたい。その行為が僕のステータスとなって、他の人の認識に刷り込まれていくのがゴール。それが決定的に僕を良い方向へと変えてくれそうな気がする。
 でもそんなことができないことはわかっている。すごく残念だけど、僕は空を飛ぶどころか、絶対的にエアコンもつけることができないし、絶対的に窓を開けることもできないし、絶対的にポップをどかすこともできない。お腹の汗のぬるさが夢との隔絶を叫んでいて、現実はベッドに座って僕を見下ろす真織を受け入れていた。
 真織が急に立ち上がった。
「それなら、面白いの見せてあげる。ポップ、ぎゅーして」
 真織がそう言うと、ポップは僕の胸にしがみついて、顔を横に振った。キャプチャの動作だ。
 すると真織は東側の窓を開けて、ポップを手招いた。ポップはふわふわと真織の方へ飛んでいって、窓枠に立った。ポップが窓枠に着いたのを確認すると、今度はベッド側、北側の窓を開けた。
「よーい、どん!」
 と真織が叫ぶと、ポップが窓からすごいスピードで飛び立った。「ええ」と僕は声をあげていた。
 十秒くらいすると、北側の窓枠にポップが着地した。数えて待つ十秒間と同じ、本当の十秒間のようだった。
「世界一周」
 と真織は笑った。
「嘘だろ?」と驚いてみせると、
「うん、ホントは家一周」といたずらな笑顔を見せた。
 僕も諦めて笑う。
 窓枠からベッドに降りてきたポップを、真織が無邪気に抱きしめると、ポップも真織の首にしがみついて、顔を横に振った。
 真織とポップは口笛のユニゾンをしたと思ったら、ポップはふざけてベッドを殴って、ダチョウ倶楽部みたいに真織が跳ねる遊びを始めた。真織が跳ねる瞬間、口笛が裏返って間抜けな音を出すのがまた面白くて、二人ははしゃいでいた。口笛みたいな夢も、アニメみたいな夢も、もしかしたら同じようなものかもしれないと思って、僕は真織に告白しようと思った。
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だーくさんのヘヴンポップ・クリエイトに感想です
 スマッシュ  - 18/9/27(木) 21:43 -
  
まずタイトルが素晴らしいですね。
どこまでもヘルメタル・クラッシュとは逆を行くような感じが遊び心があって面白いです。

タイトルのみならず、全体を通じて遊び心にあふれているのがだーくさんの小説の魅力ですね。
春樹ポイントを稼ぐ会話も笑いを誘っています。

そして、あれだけ書けないと言っていた恋愛ものに着手したことを、素直に称賛したく思います。
素晴らしい。
それも前向きな物語にしているところに、感動しました。
バムガーナーさんに触発されて、大きく前進したのだと感じます。

それから重要なところを、ぼかしたまま進めていくスタイルも健在ですね。
口笛みたいなってなに。
夢って結局どっち。
そこらへんを明確にしないまま終わる。
だけど読んでいけば「なんとなくの答え」というか、イメージは伝わってくる感じ。

このだーくさんのスタイル、今回みたいな前向きな終わり方にすごく向いているんじゃないかと今回感じました。
そういえばトランプの裏側も、明るい雰囲気で終わっていて、気持ちよかったですね。
たぶん明確になってないながらも、提示されていたぼんやりしたものがどうやら明るい未来に向かっているものではあるらしい、と方向づけられるので安心感や気持ちよさがあるのかもしれません。

思い返してみると、ここ数年、物語がポジティブな方向に向いていますね。
その変化は、だーくさんの小説が他人から面白いと言われるためにはよい変化だと私は思いました。


で〜〜すぅ〜〜がぁ〜〜〜〜
はたしてこれは鍛錬していると言えるのでしょうかぁ〜??

(いつものBGM)

親発言では『条件を指定した小説を書くコーナー』となっています。
そしてその条件をこの作品は満たしています。
だから問題ない?
ほんとうでしょうかぁ?

当企画の目的は企画タイトルにあるように鍛錬です。
つまり小説の腕を磨くための企画なのです!
そのために感想コーナーも、思ったことを正直に言おうと方針が定められました。
しかし今は7年前とは環境が違います。
冬木野さんは姿を見せませんし、斬守さんも今更この企画スレに感想を書き込みはしないでしょう。
そもそも彼は感想を書いていません!
書かれる側として参加させたのです、我々が。
もはやこの鍛錬室に人を鍛錬させる力は残っていないのです。
7年という時は残酷ですね〜。
チャオ小説を書いてしまったことそのものがあなたのミスなのです!

あなたに相応しい鍛錬の場はもはやこの鍛錬室ではありません。
外の世界で鍛錬をするべきなのです。
短編小説のためのコンテストは探せばいくらでもあります。
新人賞も、短編部門が設けられているものです。
たとえばカクヨムコンテスト。
こちらは10万文字以上の作品を募集していますが、
このコンテストにも短編部門があるのです。
短編部門では1万文字以下の小説を募集しています。
短編は人によっては書きにくさを覚えるものですが、今回のヘヴンポップ・クリエイトは2483文字。
そしてトランプの裏側は9292文字です。
間違いなく良作が書けることでしょう。

ネットの海の底に沈んだ哀れなアトランティスではなく、
今もなお発展し続ける地上の世界にこそあなたの小説は相応しい。
ヘヴンポップ・クリエイトからチャオを抜き、
一次創作として加筆修正を加えて1万文字に近い作品に仕立て上げ、
その上で改めて小説投稿サイトへ投稿することを要求いたします。
以上。
引用なし
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やりたい放題やりました
 だーく  - 18/9/28(金) 22:47 -
  
>全体を通じて遊び心にあふれている

最近の基本スタイルになりつつありますね。
あと企画作品ばっかり書いていたせいか、今作は自分ルールを設けて書いています。

・ヘルメタの逆を行く
・恋愛を前向きに扱う
・実在する曲名を出す
・文学とチャオB小説の融合
・合いの手:村上春樹

>あれだけ書けないと言っていた恋愛ものに着手
>バムガーナーさんに触発されて

まさにその通りで、彼の影響です。もちろん、彼を超えてやろうだとか、俺にもできるだろ、とかまったくそんな気はありませんでしたが。
作中に女性を登場させる気がまったくなかった頃に、スマさんの影響を受けてコーヒーカップを書いた感覚に近いです。
ただ、視点の移動で恋愛感を出すことしかできないし、恋愛感情ってこんなじゃね?っていう文章を入れ込もうとすると作品の空気にマッチングしなかったりして、かなり難しかったです。

>口笛みたいなってなに。
>夢って結局どっち。
>そこらへんを明確にしないまま終わる。
>だけど読んでいけば「なんとなくの答え」というか、イメージは伝わってくる感じ。

ぼかしたという意図はなく、この作品にとってその答えを描くかどうかは重要じゃないな、と感じています。
後になって考えると、綺麗なオチがつくようなタイプの話にしたくなかったのと、真織を必要以上にキャラ立ちさせたくなかったんだな、と感じていたのだと思います。
文学っぽいことを言う女の子と、素直で文学とは無縁な男の子。この構図が書きたかったのです。

とは言いつつも、基本的には主人公の心情を描いた作品です。
作中におけるある種の答えは登場人物に昇華される、と思いますので、なんとなくの答えが見えるのは、主人公の心情がなんとなく伝わった、のではないかと思います。そうであれば良かったです。


>このだーくさんのスタイル、今回みたいな前向きな終わり方にすごく向いているんじゃないかと今回感じました。
>そういえばトランプの裏側も、明るい雰囲気で終わっていて、気持ちよかったですね。
>たぶん明確になってないながらも、提示されていたぼんやりしたものがどうやら明るい未来に向かっているものではあるらしい、と方向づけられるので安心感や気持ちよさがあるのかもしれません。

トランプの裏側の終わり方と雰囲気似てますよね。
やっぱりハッピーエンドって良いと思います。

>で〜〜すぅ〜〜がぁ〜〜〜〜
>はたしてこれは鍛錬していると言えるのでしょうかぁ〜??
>
>(いつものBGM)

なぜかドリフのテーマが思い浮かんでしまい、いつものBGMが思い出せません。

>もはやこの鍛錬室に人を鍛錬させる力は残っていないのです。

?????????

>ヘヴンポップ・クリエイトからチャオを抜き、

?????????????????????

>一次創作として加筆修正を加えて1万文字に近い作品に仕立て上げ、
>その上で改めて小説投稿サイトへ投稿することを要求いたします。

みんなもチャオ小説を書こう!!
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スマッシュきゅんの感想へ返信です
 ろっど  - 18/9/29(土) 7:08 -
  
>で〜〜すぅ〜〜がぁ〜〜〜〜
>はたしてこれは鍛錬していると言えるのでしょうかぁ〜??
>
>(いつものBGM)

なぜBGMを流したんでしょうか?
笑点のテーマが流れてしまって、それ以降の流れを上手く掴むことが出来ませんでした。
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だーくさんのヘヴン感想
 ろっど  - 18/9/29(土) 7:38 -
  
1回目読んだ時に思ったのはよく分かんないなってことでした。
それから理解しようと思ってもう1周読みました。やっぱりよく分かりませんでした。
理解しようと思って理解できない時は今までも結構あったんですが、システマチックな解釈って小説にはそぐわないんでしょうね。
でも雰囲気はとても綺麗だなと思いました。小説の中で音を表現するのって難しいようで結構簡単なんだなと思いました。音や会話から男女の空気感がふわっと伝わって来て、今までのだーくさんの小説とは違った趣きがあり楽しかったです。
だーくさんの小説ってぬるま湯で煎れたコーヒーみたいな感じですよね。
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ヘヴンイレヴンいい気分
 だーく  - 18/9/29(土) 12:10 -
  
>システマチックな解釈って小説にはそぐわないんでしょうね。

色々と読んだり書いたりしている中で感じたのは、よくわからんと言われるものの中にも文章ごと解読する必要があるものと、文章自体はそれほど解読しなくても良いものがあるということでした。
この作品は後者ですね。例えば、口笛みたいな夢じゃなくて(寝る方の)夢みたいな夢とか下手なギターのような夢とか、何でも良いんですよね。真織も自分の言っていることを確実には掴めていないですし。ただ、口笛にしたら二人のコミュニケーションに繋がってくれたので、たまたま口笛になりました。

>で音や会話から男女の空気感がふわっと伝わって来て、今までのだーくさんの小説とは違った趣きがあり楽しかったです。

男女の空気感ってあんまり書いてこなかったもんね…。
何はともあれ、よかったよかった。

>だーくさんの小説ってぬるま湯で煎れたコーヒーみたいな感じですよね。

よくわかりません。
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感想への返信への返信です
 スマッシュ  - 18/9/29(土) 17:24 -
  
>なぜBGMを流したんでしょうか?
>笑点のテーマが流れてしまって、それ以降の流れを上手く掴むことが出来ませんでした。

(リラクゼーション系のBGM)

一次創作を書けと言ったところで、
だーくさんが(というかチャオラーが)
素直に従う気がしませんでした。

なのでこちらも、
(どうせ書かないだろうけどな)
ってテンションで勧める必要がありました。
そのためにはBGMでも流しておくしかなかったのです。

だからBGMが流れてからの話は、飲み込む必要がありません。


それに私には、
(鍛錬室だから難癖をつけなきゃいけないな)
って使命感がありました。

でも文句を言う部分が特に見つからなかったので、
一次小説書け、とでも言うしかありませんでした。

感想を書く側が難癖をつけにくい作品が、
鍛錬室に投稿されていいのでしょうか?
やはりだーくさんは今更鍛錬室に投稿するべきではなかったと主張します。

(催眠音声)

これからカウントダウンをします。
0に近づいてくるにつれて、段々だーくさんは小説が書きたくなります。

小説を書きたくなるのは仕方ないことです。
だって小説を書くのは気持ちいい。
そうでしょ?
だから快感に身を任せちゃって、いいんですよ。

そして0でだーくさんは小説を書き始めてしまいます。

10,9,8,7……
どんどん書きたくなってくる

6,5,4……
小説を書きたくて書きたくてたまらない
今にも書き始めちゃいそう
でもまだだめ

3,2……
書きたくて書きたくて
頭がおかしくなっちゃいそう
でももうすぐ小説書けるよ
嬉しいね

1,0!
ほら、小説書いちゃう!
ゼロ!ゼロ!ゼロ!
小説書くのが止まらない!
どんどん小説書いちゃう!
ゼロ!ゼロ!ゼロ!!
引用なし
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