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人の構成を真似る技術だけは培ってきただけあってめざましいですね。
ですができることならば自分ですべて練って欲しかったです。
ところで彼女の表情の描写がまるでないのは、主人公が彼女の顔を見ていないからでしょうか。
そうであるならば構わないのですが、そうでなかった場合、彼女はのっぺらぼうということになってしまいます。
彼女の服装に関しても違和感がありました。年頃の女の子が毎日同じ服装というのはどうなのでしょう。
とはいえこれも「そういう設定だ」と言われてしまえばそれまでですね。
>彼女はぼくを使って話す練習をしているのか。⇒そんなふうに彼女が自分の話をするだけの日々が続いて、しばらく経ったある日。
ここのつなぎ方は最悪です。
まず口語体の一人称語りから突然時間を飛ばすのはありえません。せめてあと二文は足りない。これでは「そんなふう」の関連性が非常に弱くなってしまいます。
もう少し「そんなふう」とあわせる文章を加えた方がよいでしょう。
あと、主人公に自身の「他人と関わりたい」という欲求を自覚させるだけのプロセスが省かれているのも気になりました。
ろっどさんはその部分が最も重要なのに、その部分を省いてしまっては展開に起伏がうまれず、四段落目の「自身への問いかけ」に盛り上がりが欠け、ぜんぜん熱くありません。
チャオと見つめ合う=自分自身と見つめ合うという最大の点が、この一点によって話がとんでしまうために文章として際立たないんですよね。
どうせならば最初からもう少し自分にスポットを当てた方が良かったのではないでしょうか。
本の存在も生かし方がもっとあったのに、要素として死んでいます。冬木野さんに指摘したことと同じ過ちを犯していませんか?
やはり最大の問題点は主人公にもっとスポットを浴びせるべきだった、という一点に尽きると思います。
彼女の話と絡められる部分もたくさんあります。できるのにやらない、これが一番ダメです。
この小説で及第点をあげられるのは五段落目だけでした。
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