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全員になるべく返信しようと書いていたんですが……
ダークさん、あなたのだけはやっぱりどうしてもわからないよっ。
というわけで、一応想像に任せて。
この二人はどちらもAIなのかなぁと思いました。
中年が、さも当然そうに腕を切り落す
→痛覚が無い
→だが、腕というものはある
→なので、「中年」は人型をしたAIである?
俺のチャオが転生せずに死んだ
→チャオはチャオを可愛がることはしない。
→また、チャオという生物に自らの感情を移入することが出来なかった。
→「俺」は人間としての感情も無く、またチャオでもない。
→感情のない人間か、AIか?
俺の口に入っているグレープジュースの味がなくなった
→味覚がなくなる
→「俺」はだんだんと身体の機能を失いつつある
→やはり、「俺」は人間に限りなく近いAIである?
「死ね」
中年の男の言葉の後、俺はなくなった。
→死ぬ、という表現ではない
→「俺」という存在は自らがそう位置付けられるものだと認識していない
→つまり、人間では無い、AIであると考えられる?
と、文中からの類推でこんな感じで根拠だててみました。
ここからはただの妄想です。
* * *
「俺」は人型の最初から機械として作られた純AI。要はアンドロイド。
「中年」は同じAIでありながら「俺」よりも若干上位存在に居るAIであり、「俺」の持つ感覚を制御できる存在。さらに、元人間であったものを改造されたものだと見られる。要は改造人間。
二人は元はどちらも「純AI」である者同士として交流があった。
彼らは「人造人間」である可能性を否定した。それは、自らがいつかは人間で生きていたことがある、と知ると、自らの機械としての存在があることに気がやんでしまうから。単に、そんなわけがないと理解していただけかもしれない。
しかし、それは「チャオ」というものを育てることで一変する。
「俺」の育てたチャオは、「予定通りに」死ぬ。
んばぜなら、彼には感情というものが無く、それがチャオに伝わることは無かったから。
が、「中年」の育てたちチャオは「予定外に」転生してしまった。
彼は悟ってしまった。
自分はいつか人間として生きていて、何らかの理由で死に、そして、何らかの理由で再び人造人間としてこの世に存在してしまっていることを。
「分かるか。なくなるんだ」
「中年」の言った言葉はいわば「死」という意味である。
しかし、当然「俺」がそれを理解することはできない。
彼は腕を切り落す。
AIは腕が切り落されたからとて痛覚が無いので特に何があるわけでもない。
しかし、「中年」は元人間であることを悟り、それがアブノーマルなこととして感じてしまう自分がいることをアピールする。
当然「俺」はその感情を読み取れない。
「中年」は今度は「俺」の「味覚」を上位存在として取ってしまう。
「俺」はその感覚が消えることを当然だと思うが、やはり「中年」はそのことがアブノーマルなことなのだと意識せざるを得ない。
「中年」は「俺」に対して、自らの存在を嫌でも分からせようとするが出来ず、「俺」が純AIとしてのうのうと生きていることに自分勝手な憤りを感じている。
そうして、「俺」はAIとして当たり前の状態をあたかも疑問であるように思っている「中年」を諭す。
「お前は何も分かっていない」
それは、彼がAIとしての本質を理解していないという意味であり、決して深い意味で言ったわけではない。
だが、その言葉はもろ刃の剣。
逆に、「中年」の気持ちを代弁する結果となり、彼を憤らせる。
しかし、そんなことはつゆ知らず、「俺」は続ける。
「実は取れたんだ」
ここでいう「実」とは「お前は、人間ではなくAIなんだ」ということを如実に示している気がする。
「実」はあまりに抽象的すぎるが、意味付けするなら「生命としての生と死の本質」か。
つまり「俺」は「私たちは、人間じゃないからな」という言葉を言っている。
「死ね」
そうして、結局理解してもらえなかった「中年」は、同胞だと思っていた男に激こうし、手をかける。
その言葉は「死ね」であり、彼が自分は人間であるんだ、それが理解できるんだ、ということをアピールした。
……が叶わず。
「俺」は、最後まで「なくなる」という感覚で、自らの存在の終焉を感じ取っていた。
* * *
妄想乙。と言われればそこまでなんですが、なんとなく書きたくなったので。
たまにはこんな謎かけみたいな文章も面白いですね。
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