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詩織「じゃあ前回と前々回の小説ではどういうふうに流れを作ろうとしたか、説明していくよ」
翔斗「はい」
詩織「まず異世界に飛ばされるところ。ここでは主人公がお笑い芸人であることを強調するために、車に乗せて番組の収録と勘違いさせたよ」
翔斗「しかもそこから色んな描写につながっていったね」
詩織「その中で、カメラマンが隠れてはいないかと、森の静けさに意識が向いたよね。これは、後の展開を意識したものでもあるんだ」
翔斗「あ、ドラゴンが森の中にいるから?」
詩織「そう。静かな森だと思ったけど実はドラゴンがいた。大した展開ではないけれど、こうやって小さなストーリーを無数に用意するようにすると、話に起伏がたくさん生まれて飽きさせにくい小説にできるよ」
翔斗「小さなストーリーをたくさん作る、か。なるほど」
詩織「話の流れを作る材料は色々あるけれど、最終的な目標は、小説の味付けになったらいいなあってことだよ」
翔斗「なったらいいなあ?」
詩織「考え過ぎないで、そのくらいのノリで書いても大丈夫ってことだよ。慣れてくると割とうまくいくようになると思うし」
翔斗「なんかこの講座、全体的にアドバイスがゆるいんだよなあ」
詩織「そういうコンセプトだからね」
翔斗「それで、小さなストーリーを作るコツってないの?」
詩織「そうだね、材料がどんなところにあるか、いくつか紹介しよう」
キャラクターが喋る
詩織「これは、物語に直接は関係のない話題でもオッケー。喋っているキャラクターがどんな人なのか、理解を深めるきっかけにできるよ。意外な一面が見えたりね」
描写する
詩織「人の外見や動作とか、風景とかのことを書くと、その人や場所の印象が伝わるよ。重要な人や場所は丁寧に描写しよう。後々話が盛り上がりやすくなったり,ここで書いたことから新しいアイデアが生まれたりするよ」
一風変わったことが起こる
詩織「おかしな人や出来事は、話を唐突に大きく動かすよ。そこからさらに新しい材料を見つけよう。主役級のキャラがこれをする作品もよくあるよ。変でなくても、突然なにかが起きて話が動くということも」
思い出す
詩織「大事なことだったり、そうでもなかったり、雑学だったり、パターンは様々。会話の途中で昔話になることもあるよね」
詩織「こんな感じで小さなストーリーを作ったら、その話を広げることを意識していけば、次のアイデアが浮かびやすいよ。それと、ずっと後になって再利用できることもあるから気の利いたオチがなくてもいいよ」
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