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絶望 Mr.S 10/7/16(金) 21:52

隠された魔法探し Mr.S 10/7/16(金) 22:04

隠された魔法探し
 Mr.S  - 10/7/16(金) 22:04 -
  
「実際にあっても使えない……か。どうにかして使えるようになれないかな」
「手探りで見つけるってこと?」
僕は頷く。
利奈は目を大きく開いた。
「そういう手もあるのか……。でもすごく難しいかな、それは」
しかしすぐ渋面になった。
「そうだね。見つける前に死ねるね」
「実際に探すにしてもせめて魔法でどういうことが起こせるか、っていう情報は欲しいよね」
「僕たちがまだ知らない魔法が本当にあるってわかればそれだけで大きな一歩だからね。……うん、そうだな、面白そうだ。それ」
「え?」
「探してみるよ。面白そうだから」
「探すって、どうやって」
「んー適当に。図書館とか探すといいかも。もしかしたらそういうのがあるって示唆する本とかあるかもしれない」
例えば予言だとか伝承だとかの中にはありそうなものである。
それらを根拠にするのはいささか頭が悪そうではあるが、もし隠された魔法があるという前提で調べていくなら、それらから何らかの手がかりを得ようとする行動もあながち間違った行動ではないような気がした。
「私も行く」
「え?」
「私もそれ気になるから」
「まあ、いいけれども」
図書館へ向かった。
どのような本から探していくのかについて、道中で話し合った。
まず除外されたのは魔法をメインに扱った書物だった。
それらで存在を発見できるなら既に噂なんてレベルでは済まないであろうからだ。
そしてそれと同じ理由で、信頼性に欠けるものから探すこととなった。
僕が最初に考えたのと同じ結果だ。
利奈は行動が素早く、何冊かの本に目星をつけるとそれを抱えて机へ向かった。
僕はタイトルと作者の群れをぼうっと眺めるばかりだった。
無数にある列の中で一つに目が留まった。
“デノカシクファウロッセ”
聞いたことも見たこともない単語のタイトルだ。
どこか外国の言語が由来だろうか。
著者は、不明。
その本を手に取り、その一冊だけ持って利奈のいる机へ向かう。
「それは?」
目次を睨んでいた利奈の視線が興味の眼差しになって僕の持ってきた本に向けられる。
机には本が二段になって積まれている。
高さが均等でないが、おそらく目次だけ見て中身を見る必要がないと判断したものが片方の塔なのだろう。
「なんか存在感があったんだよね。この言葉、意味わかる?」
タイトルを見せる。
「……わからない」
「むう。どこの言葉なんだろう」
ともかく、中身を見る。
彼女にならって、目次から見る。
……。
目次はなかった。
「最初から読むしかないか」
僕は“デノカシクファウロッセ”を読み始めた。
引用なし
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