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とある少女〜はちょっと長いので後日にまわすことにして、ひとまず「構想」の感想をば。
チャットルームでどなたかが仰っていましたが、風景の描写がとても繊細で綺麗だなあ、と感じました。
岩壁を削り取って出来たような階段、という表現があったと思いますが、すぐイメージになって、頭の中に形作られていくような、そんな感覚があります。
実際に行って来たと言う事で、なるほどと納得。
構想だということで、テーマやメッセージみたいなものはたぶん無いと思うのでそこは割愛します。
文章がキーワードのようになっていて、擬音語がストンとはまります。
リズム感がよく、スムーズに読み進められました。
ただ、風景は明確に浮かびますが、それだけで、会話の内容や心情、どういう理由で少女は少年に付いて行ったのか、が、よく分からなかったのです。
僕の読解力がないせいかもしれませんね……。
初めて読んだときの「神秘的」というイメージはそのままで、僕はどこまでも続く波打ち際というか、海岸を想像しました。
ひょっとしたら陽炎もみえたのでしょう。と、思っていたら、やっぱりそういう描写が後半部分にちょこっとありましたです。
少年の視点で進められているせいか、少女の謎が深まるばかりでした。
句読点信仰の自分としては「これは小説っぽくないなあ」という印象で、逆にそれを度外視、除外すればただただ綺麗な、神秘な、あるいは空想的、終始きらきらした音と空気が僕には伝わってきましたねー。
あと少年が何を考えているのか、いまいち分からなく、感情移入もしづらかったです。
少女を助けようとしているんだなー、くらいしか分かりませんでした。素直で純真なイメージはありますが、この文章から伝わるのはイメージで、具体性がなかった、ともいえます。
そうですね、具体性がない、あるいは現実味を帯びていない、と言い換えましょうか……。
個人的にはとても参考になる小説でした。
風景描写は繊細とさきほど言いましたが、本当によく練られていると思います。
暇を見つけてとある少女〜も読み深めていこうと思います。
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