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自称下僕と地味子さんのまっすぐなチャオライフ
 スマッシュ  - 10/3/5(金) 23:14 -
  
キャラ紹介
下僕………下僕(自称)
ひめ……某憂鬱ったり分裂ったりする冒険なんでしょ感溢れる物語に出てくる名称が複雑すぎて簡潔に宇宙人ってまとめられちゃう元眼鏡の人が眼鏡をかけている時の姿に結構似ているけれど髪の毛は黒いし人間的に普通だから注目されず名前負けをしながら地味な人生をまっしぐらしている女の子

「あー、お腹減ったー」
 私、ひめ。名前を除けば普通の女の子。
 初っ端から腹ペコキャラでもないのになぜかお腹減ったことを明言しなくてはならず、しかも普通の人宣言までしなくてはならない始末(泣)
 そういうことはもっとカワイイ人やモテモテな人がやればいいと思います。
 私なんかはついつい余計な単語を使用して自分の心情を表現したり不意に詩的なことを言ったり比喩によって思考に彩を持たせまくって、わざと無理に長くして読みにくくしていると思われても仕方ないことこの上ない思考回路をしてますのでそもそも携帯電話の小さな画面に表示するにはいささか優しくないというかそもそもほとんどの人間に対して優しくないですねそうですね。
 しかし短く要件を表現する技術も必要であります。
 ここでここまでの文章を短く表現してみることにします。
 私、ひめ。
「五文字で終わってしまいました……」
 ううううう(泣)。
 無駄というものは省こうと思えばいくらでも省けるのですね。それがたとえお金であっても。地味な無個性娘の紹介なんて十バイトあれば十分なんですよ。キロバイトなんて夢のまた夢なのですよ。ある意味私という存在自体省略してしまってもいいのではないのでしょうか。
 まあ、コスト削減はここまでにしておきましょう。
 つまり何を言いたかったかと言うと私は自身が普通よりも劣る地味ガールなことくらい自覚しているので普通だと言わなくてはならなかったことにすら憤りを感じているのです。それを表現するためだけにここまでやるのはやりすぎでしょうか。
 私が普通よりも劣ることは昨今の眼鏡キャラ不遇の流れを見ればわかるでしょう。二次元の女の子ですら眼鏡をかけていると基本的に不人気であるということを挙げれば私が“本当の私デビュー”なるものをしない限り普通の座を獲得することが難しいのは明らかです。
「こんにちはあなたの下僕です」
「……」
 ごめんなさい。私こういう唐突な展開に出くわしたときどういう顔すればいいのかわかりません。
 まあ知らない人ではないので戸惑ったりはしません。こんなのと知り合いなことを恥じることはありますが。
 しかし、こういうのでも自分を慕ってくれる人間(一部の界隈では信者というらしいです)がいるってことは私も捨てたもんではないのかなと思います。もちろんそんなのがいる時点でいろいろな意味でだめであるとも言えるので私の劣等感は改善されません。
「さあ、今日も楽しいチャオライフを送りましょう」
「……」
 私もこれもチャオラーです。
 少年は染めることも伸ばすことも知らない黒い髪で、眼鏡もかけていることもあって地味な印象を受けます。外見だけで判断すれば草食系であり、本当に肉よりも野菜を食べてそうなやせ具合です。私も地味な部類に入るので人のことはあまり言えませんが。
 彼はチャオ好きな私を捕まえて、一緒にチャオを楽しむつもりでいるのです。それを彼はチャオライフなどと称しています。
「最近のブームはほのぼのとしたものみたいです」
「どこのブームですかそれは」
「平和な日常というのはいいものですよね」
「そうですね。平和が一番です」
 私の生活もこれまで通りほんわかとしたものであり続けてほしいと心から願います。できれば隣にいる変な人間を消してほしいですがそれは無茶なのでそこまで欲しがりません。
 そして、日常というのはそう簡単に崩れることのないことだと確信しています。平和なら平和のまま固定されるもの。
 今日の空は青いです。このような雲ひとつない快晴から一瞬にして大雨になることはまずありません。あったとしても、何らかの理由があるわけで。ゲリラ雷雨だってそれ相応の理由があって発生するわけですから、物語も理不尽に進むことなくしっかりきっちり進む必要があるのです。
 物語の進行がそうあるべきだという教訓は街中を歩いているだけで感じ取ることができます。ご利用は計画的に、なんて注意書きがあるくらいです。借りていなければ返済で困るわけがないのと同じで、運命的な出会いを演出したいがために曲がり角で美少女転校生とぶつかったり空から美少女が降ってくるなんて非現実的なシチュエーションを多用してはならないのです。
「しかしたまには緊張感溢れるのも重要です、お嬢様」
「むぐっ!」
 私は口元にハンカチをあてがわれ、意識が薄れていきました。きっとハンカチに何らかの薬をしみこませていたのでしょう。
 まあ、今日の空は青いなんて空を見上げてそれっぽい語りが入った時点でネタ振りだってわかったんですけどね。本当にわかってたんですよ。
 今更告白したところで強がりにしかならない私の鋭い読みは消えていく意識と一緒にデリートしておきます。
 そのうち目覚める展開になることはわかっているので、どんどん真っ暗になる脳の中で親指を立てていずれ戻ってくるのだぜ的セリフを吐きつつどんどん沈んでいきました。

「ん……」
 目覚めたので、私の名前が外見に合わずにプリンセスな名前であることのようにたまにはそういう不条理なことも起こり、とんでもない出会いが起こってしまうこともあるのだとフォローしておきます。
 目覚めた次の瞬間に敵を作らぬようフォローを入れる私も私ですが、このように本来すぐ考えるべきことを考えないあたりを寝ぼけているのだなと認識していただけると紳士淑女の皆様には違和感なく楽しんでいただけると思います。
「おはようございます、お嬢様」
「はあ……どうも」
 目に映るのは自称下僕の怪しい少年と、白くてそして濁った部屋。
 部屋の方ですが、どうしても人間的にあり得ない髪の色や目の大きさをした人を描いた絵のポスターや動かない小さな人間さんたちが目に入ります。その数は多く部屋の大部分のスペースを占領して大衆の皆さんはおそらく引くであろう惨状となっていたので私も引きました。その状況を元は真っ白な部屋であったであろう僅かな白いスペースを受けて濁った部屋と表現することにしました。ここまで説明した上で白くて濁った部屋と表現すればその禍々しさはしっかりと伝わるものだと思います。
 机に置かれたパソコンがその中に三大欲求の名に恥じることのない膨大な量のとんでもないデータを蓄えていることだって想像に難くありません。
 ところで私は現在、若い男女が1つ屋根の下な状況のわけです。
 私は彼の部屋にいるというのは明らかなる事実で、そういうものに興味を持ち始める年代な私たちにとってこのシチュエーションはそんなことが起きてしまいそうな期待と不安を感じさせます。
「それ以前に監禁ですからこれー!」
 体が覚えていたのか自然に出たつっこみによって私の脳は覚醒します。
 中高生の甘酸っぱい思い出とかそんなんじゃねーですからこれ。これはデンジャラスなシチュエーションです。
 きっとこれがアダルティなゲームであれば白っぽい箱ではなく黒っぽい箱になっているでしょうし、きっとこれから私は人格が崩壊しちゃったりしてそれによって萌えられるのです。本当にそのうち“悔しいでも”な思考になってしまうのかと不安が高まります。
「そういうわけでやっていきましょう」
 ぽちりと箱型の何かのボタンを彼は押します。
 その箱からはコードが出ていました。それらのコードはそれぞれが様々な方向へ向かっている。うち1本は自称下僕の彼の手元へ。
「今時ゲームキューブですか。Wiiでもゲームキューブのソフト遊べますよ」
「Wiiでは駄目なのです」
「……なぜですか?」
 なるべくレトロな物の方がいいとかいう発想なのでしょうか。そういうのをよしとするグループがあることは知っていますが、ゲームキューブはレトロに含むのかどうか疑問でもあります。
 それならばドリームキャストでプレイした方が喜ばれるとも思います。
「なるべくつっこみ所が多い方が多くの人に受けるんです」
「ならファミコンにソニアド2のディスク挿して、『あれ、全然読み込まない、おかしいな?どうしてー?』とかそういうことをやればいいじゃないですか!」
 我ながら長くて回りくどいつっこみになってしまいました。
 ほのぼのとしたものがブームってこういうことだったんですね。
 こうなった以上、つっこみを頑張らなければいけないなと思いました。できればこのままぼけてつっこみをしてのループで乗り切りたいのです。突っ込まれるのは勘弁ですからね。
「チャオは育てる人によってヒーローチャオになったりダークチャオになったりするんですよね」
「ええ、そうですね」
「もし現実にチャオがいれば天使のようなあなたが育てたチャオは天使のようなヒーローチャオになるのでしょうね」
「もし現実にチャオがいれば汚れた思考を持っているあなたがチャオに触れることは法的に許されないことでしょう」
「ダークチャオになる以前の問題ですか」
「触ったらチャオが腐るのでやめてくださいね」
「ははは、そうですね」
 毒を吐いたら笑われました。このタイプの人間はひどいことを言えば言うほどむしろ喜ぶ傾向があるのでほどほどにした方がいいと判断します。多少言う分にはこちらのストレス解消になるのでいいのですけれど。
「私は美しいものが好きなんですよ」
「……はい?」
「チャオのこの純粋な部分は素晴らしいと思います。一言で言えば癒されます」
「そう、ですね」
 意見には同意したいですが、この人の意見には同意したくないという葛藤が肯定の言葉がすらすら出なかったところに顕著に現れました。
「ツンデレというのもまた美しいですね」
「……はあ?」
「そして我がコレクションの造形美もまた中々のものです。特にこの大きいのなんて素晴らしいでしょう」
「えい」
 金髪の少女のフィギュアを私は叩き落としました。
「あ」
「チャオと関係ねーからそれ!」
 机を落書きをした上で上から落とすような過激ないじめっ子ばりの啖呵を切りました。
 チャオと関係ない話題を出すなんて愚かなのです。自分は全然触れてませんけどそこは棚に置いておきます。どれくらい愚かなのかといえば、イケメンが「ろっきゅん=イケメン説は現在否定されつつありますよ!スマッシュさん=イケメン説やダークさん=イケメン説が最近では有力です」とデマを言うくらい愚かなことなのです。
 流石に美しいと思っているフィギュアを叩き落とされれば精神的ダメージも大きいでしょう。ある意味こちらがピンチになるフラグでもありますが、逆にこの状況から開放されることを期待します。
 金髪少女を拾い上げて、彼はこちらを向きました。そこに怒りの表情はありませんでした。
「でも、私はあなたも美しいと思ったのです」
 私は携帯電話を取り出し、変身ヒーローのごとく素早く三つの数字を押します。もっとも、次に触れるのは通話ボタンではありますが。
「もしもし、今ちょっと監禁されていまして……」
 通報してオチになるって便利だなあと思いました。
引用なし
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自称下僕と地味子さんのまっすぐなチャオライフ スマッシュ 10/3/5(金) 23:14
こちら、スマッシュ。感想ある人、いますか? スマッシュ 10/3/5(金) 23:24

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