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きっかけは、「たった十時間の命」でした。一昨年にオマージュを書かせていただいて、その中で、一応、チャオの死に対する考え方を示そうとしたんですが、あとから読み返してみると、どうにもうまくできたとは言い難くて、それがずっと心残りでした。
それと、ふうりんというキャラクター。彼女が千晶に飼われるまでの話は、設定の中だけにおおざっぱに書いてあったのですが、文章化されてない。
だから、今作では、そういう過去の遺物を払拭したかったという思いがあります。ふうりんの設定の穴をきちんと埋めて、チャオの生と死に関するところを、ちゃんと決着をつけてやるぞと。
チャオ11周年ゆえの話であるというところは、自分も同意します。このステーションスクエアを舞台にした世界観も、ずっと前からこれがあったからこそ、チャオと人間というテーマを、無理なく書くことができたと思っています。
これは本当に、自分の力ではどうにもならなかったところです。過去のあれこれに、感謝しています。
構成について。これ、ものすごく悩みました。特に今回は序盤で伏線を張っておかないと、中後半の展開がくるしかったので、「8. 誕生日」ではふうりんが、ありえない名文を書いてきてしまったので、それが生きるように、四苦八苦しながら前半を組み立てました。
その辺の苦労は、予告編とのあべこべ具合を見ていただければ、よくわかると思います。募集編で出したかった人って、結局誰だったんでしょう?(A:ケーマくんに役を奪われました)
このあたりについては、未だに心残りがあります。もっとも、これ以上悩んでいたからといって、そんなに良くなったとは思えませんが……
なんだかたくさんほめられちゃって恐縮です。でも、あんまり褒められると、来年のハードルがぐんぐん上がってしまいます。ネタなんて全然ないのに……ちくしょう、こんな感想をよくも書きやがったな!!
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