●週刊チャオ サークル掲示板
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おやすみ、君が泣かないうちに。 08/12/30(火) 4:21
おやすみ、君が泣かないうちに。 08/12/30(火) 4:29
後書き。(感想ありゃここからどうぞ。) 08/12/30(火) 4:31
感想ですー。 ダーク 09/1/1(木) 23:11
変身 09/1/3(土) 1:31
感想ですー。Part2 ダーク 09/1/2(金) 10:14
blindness chao life 09/1/2(金) 1:46
blindness chao life 09/1/2(金) 3:18
後書き。(感想は上の後書きに。) 09/1/2(金) 3:23
ブラックジョークなショートショート集 09/1/2(金) 4:24
後書き(感想は上の上の後書きに。) 09/1/2(金) 4:26
新新チャオの超スパルタクルな親バカ一代の冒険。 09/1/3(土) 18:33
後書き(感想は上の上の上の後書きに) 09/1/3(土) 18:37

おやすみ、君が泣かないうちに。
   - 08/12/30(火) 4:21 -
  
ある日の夕方。多分時刻は5時頃だろう。


いつものように茶色いドアが、
汚いアパートの壁にくっつくように存在していた。
ここは俺の家じゃない、俺の恋人の家。
明日には“元”恋人になる、人の、家。


俺はドアノブに手を引っかける。


がちゃりと音がした瞬間、彼女は俺の所へと飛び込んできた。
不審者だったらどうするんだ?という俺の疑問をよそに、
彼女はすぐに俺をグチと笑い話の中に引き込んでくる。


…最近は、がちゃり、と言うドアの開け方で俺だと分かる。
なんか、そんなことを言っていたので、俺はあえて何も言わず、
流されるがまま、彼女の話を聞いてあげることにした。


彼女の名前は薫と言った。最初その名前故に、男か女かさえも知らなかったが、
今は正真正銘の女だと言うことを知っている。…当たり前か。
彼女は、俺が言うのも何だが、かわいい奴だった。すごくモテた。
どうしてこんなロン毛で顔が見えない俺に惹かれたのかが未だによく分からなかった。


彼女は俺に抱きついたままソファーまで移動させる。
今から、ソファーで隣同士でグチを言い合う(いつも聞くだけだけど、)
そんな時間を過ごすこととなっていた。


「ねぇ、聞いてよ本ちゃん、…。」


彼女の開口一番はいつもそのフレーズだった。
彼女の話は面白い要素がぎっしり詰まった話ばっかりだった。
それが例えグチだったとしても、
俺にはその内容がツボにはまって何度も笑っていた。
薫もそんな態度にぼやきつつも、つられて笑い返していた。
ホント、面白いことばかり考えているようなヤツだった。


その一方で、俺はちょくちょく、“今日する大切な話”の内容を頭で巡らせていた。
そして、それを考えるたび、無意識のうちに、
俺は向こうにあるマイクスタンドに目が付いていたのだ。


「ねぇ、聞いてよ本ちゃん、…。」


またいつものフレーズ。
話題がどうやら変わったらしい。
…でも、その話題は俺の頭を駆け抜けて通り過ぎ去るだけだった。
俺の焦点は、確実にマイクスタンドの方へと当てられていたからである。


そして、耳からは一つの雑音もかき消えた。





この部屋でバンドの練習をし始めたのは5年前だった。
彼女はまだ高校生だった。俺もまだ大学生の最初だった。
たまたま知り合って、意気投合して、いつからか知らないけれども、
二人でバンドをしようと言うことになっていた。
俺はギター。彼女はボーカル。
5年間、色々なところで演奏をしていった。


…でも、ほとんどがダメだった。


路上ライブ…、立ち止まった人は大きくため息をついて、
まるで時間のムダと言うかのようにその場を立ち去っていった。


前座ライブ、ケータイをいじる。化粧をする。座り込む。雑談する。
ブーイングさえもない。誰も聞いていない。…。
さすがにその時は俺は彼女をフォローすることも忘れてへこんでいて、
先に気を取り直した彼女になぐさめられる始末だった。


それでも、俺と彼女は離れなかった。


いつから二人が恋人同士という扱いになったのかは知らないけれども、
そういう何か証拠が無くても、俺と彼女は恋人であって、
「売れないバンド」のパートナーであった。


…でも、「売れないバンド」というレッテルは、
ある日の夕方、急にはがされることとなった。
いつものようにわずかな人の数の変動で俺たちは一喜一憂し、
ちょうど自分たちのそれぞれの器具を片づけているところだった。


『今日はお客さん何人いた?あたし、歌うのに夢中でさ。』
『んー…6人だったっけな。』
『わぁ、すごーい!前は0人だったのにね!』
『あぁ、そだな。…。…ごめんな。』
『え?どうして、謝るの?』『俺ミスしてばっかりでさ…。』
『そ、そんな、私もそうなんだよ!
仕方ないよ、本ちゃんは大学行っていて忙しいんだから。
 バイトしないと、お金はいってこないし、
 私みたいに暇人なニートじゃ無いんだから!』
『…。』


俺たちはしばらくの沈黙を続けていた、その時、
空気を読んでか読まないでか、1人の太った男が俺たちに近づいてきた。
見た目では誰だかさっぱり分からなかったけれども、
名刺を出した瞬間、あぁ、そうだなと思った。
その名刺の会社名は、某有名音楽事務所だったからである。


もちろん内容は、来ないか?と言う話だった。
そう、あれだけ売れなかった俺たちが、急に誘われたのである。
周りで冷めた目をしていた人間が俺たちを見だした。
さっきまであんなに冷たかったのに…俺は少しイライラを感じていた。


しかし、そんなイライラも、先ほどの言葉も、
全部帳消しにしてしまうような言葉が俺の耳に届いてきた。


『ギターの人は抜きにして、君だけでうちに来ないかい?』


…俺たちが誘われたのではない、薫だけが、誘われた。


俺はそれで愕然としたと言うよりも、
さっきまで客にイライラを感じていたことが恥ずかしくなっていた。
なんだ、結局本当に売れないヤツは売れないヤツなんだな、
と心で感じた。


一方で彼女はずっと首を振っていた。


理由は分かっている。聞こえなくても分かっている。
俺が上手いから?そんなこと有るはずがない。
彼女が下手だから?いや、そんな謙虚になることはあり得ない。


俺が、そこに、いるからだ。


自意識過剰でも何でもなく、俺はそれしか理由が思いつかなかった。
良い意味で、…悪い意味で。


そうして、プロデューサーらしき人は、俺を恨むかのように一瞥すると、
その場をスタスタと歩き去っていった。
俺はその顔に憎しみを覚えるよりも、申し訳ない気持ちが強く響いた。


だってそうだろう?


俺が居なければ、彼は「こんなにも素敵な才能」を拾って、
彼の威信にかけて最高の歌手に育てることができるんだから。
彼女の唄は確かに人を引きつけていた。
引きつけられない原因はどう考えても俺の曲と歌詞にあった。
単に、俺が彼女の才能を見せる能力が無かったからなのだ。


…あの日の夕方から、俺は下手な曲を必死にアレンジした。


でも、うまくいかない。むしろ、うまくいくはずがない。
スランプじゃないと言うことには薄々気付いていた。
よしんば、スランプと言えるならば、それはもうあり地獄のようなスランプなのだ。
一度入ったら、もう“二度と”抜け出せない。
そして、そのあり地獄に、俺は“才能”という名のロープが無かった故に、
引きずられ、そしてもう、登る術もない。


こんな汗が流れても何にも結びつかない生活の中で、
いつしか、俺は山積みになった汚い推敲だらけの楽譜に囲まれながら、
有る一つのこと考えるようになっていた。


俺があり地獄にいる…。
…それならば、ロープがあるのに登れない、
1人の可愛い天使の足を掴むのはもう止めよう。
解き放ってやろう、手を離してやろう、


…そして、…。





「…本ちゃん!聞いてるの!ねー!」
「…!あぁ、悪い…。」
「元気ないよ最近。何かあったの?」
「…マイクスタンド、まだ俺の買った安物使っているのか…?」


「…うん。だって大切だもん。」


「そっか。…。」


明日にでも話せばいいかと一瞬思った。
今のような質問、しなければ良かった。
…でも、もう、俺の行く道は決まっていた。


もう、アクセルを踏んで、
俺はこの坂道を走り抜けていかないといけないのだ。


「ねぇ!練習しようよ!…あれ?ギターは?」


「…あぁ、それは…。」


「…?もう、忘れたの?今日は、いつも練習する日なのに!
じゃあ、一緒に取りに行こうよ!
 近くだったでしょ、あたし、コンビニで欲しい物が…。」


「…なぁ、その前にさ、一つ面白い話があるんだ。」


「…え!面白い話!?本ちゃんがそんな話するんだ!
 で、何なに!何の話!?」


彼女、薫は俺の目をまっすぐに見て、かすかな笑みを浮かべていた。
そこには俺に対しての何の恨みも見えない。
だから、どんどん心が痛む。
心は痛むが、もうこれからどう止めようともできない。
胸が痛い。
ずきずきする。告白した時よりも、痛くて、苦しい。


「俺さ、」


でももう…口を開いた。
唖夢のその目線を少し逸らして、俺は、


適当な口調で、言った。
引用なし
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おやすみ、君が泣かないうちに。
   - 08/12/30(火) 4:29 -
  
適当な口調で、言った。


「ギターさ、朝の粗大ゴミに出しちゃったんだよ!
8時のさ、粗大ゴミに、全部、全部、出しちゃった!!」


「…へ?…えー、何よ、そのジョーク!
やっぱり、本ちゃんには面白い話はできな…。」


「…。」


「………ぇ?ちょっと、待ってよ…。」


「今日は、お別れを言いに来たんだ。」


「…ぇ?」


「分かっちゃったんだよ!俺分かったの!!
 俺才能無いみたい!!
 ハハハっ、メッチャ面白いよな!
 せっかくの5年間を棒に振っちゃった!!!


 …。…だからさ、…。


 …俺、田舎に帰って、仕事でも、するわ…」


「…。…もう、本ちゃんっ、もうそのネタは良いからっ!
 全然面白くないよ!凄く寒いもん!」


「…。…そう、そうなんだよ。
 人生ってのは…全然面白くも何ともない、
 寒いモンなんだよ。


 ハハハ…これ、お前にやるよ。想い出に取っておけ。」


俺は黙って未だに半信半疑な目をしている薫に、
一つの物を渡した。


いつか二人でお金を出し合って買った一本のギター。


それの、“俺によって折られた”ネックの一欠片、
その時薫が出したぶんのお金を、添えて。


「その封筒のお金はもう、返さなくて、良いよ。」


「…。」


「お前がいつか、すんげぇ有名なヤツになってさ、
 テレビにいっぱい出演できるようになったら、返してくれよな。
 …ま、元々お前の金だし、返さなくても良いんだけど。」


「…。」


「楽しかったよ。5年間。棒に振ったけど、“棒に振らせた”けど、
 もう、お前はそんな売れない人間で居る必要はないんだ。
 じゃあな、例の音楽事務所にでも連絡してみろ。
 あのプロデューサーの顔、マジだったしな。」


「…。」


「あぁ、そうだ、このぶっ壊したギター、前お前が触っただけで怒ったよな。
 今更だけど、謝るよ。
 あぁ、そうだ、後は…。」


「ふざけんな!!!!!」


薫は乱暴に叫んで俺の方を見た。


封筒とギターの欠片を思い切り壁に投げつける。
行く先知らず、二つは壁に向かって突進していった。
でも、撃沈し、その下へとぼとっと落下する。
壁は少しへこみ、ギターの欠片はベッドの上に転がった。


薫は怒っているような顔をしていた。
それがどんな怒りかは、俺には分からなかった。


でも、その目からは大量に涙がこぼれ落ちていた。


声を出したいのに、声が出せそうにないように。
それでも、振り絞った声が俺の耳に届いてきた。


「あた、しは…本ちゃんに、憧れ、ていたんだ、よ…?
 毎日、高校の机、に突っ伏して、頭と、身体と、時間を費やして…。
 何にも、何にも!楽しいこ、となんて、無かったんだよ?
 でも、初めて会ったときの本ちゃんは違ったの!
 毎日、汗水流して、バイトして、それでもギター買えなくて、
 だから、もっとバ、イトして、過労で、倒れ、て、
 本当に、死にか、けて、でもそれでも、ギターの、ために、
 汗水流、して…。
 ギター、買ってはしゃい、で、私の髪を、撫でてくれ、て…。」


「…。」


「ちっちゃ、い部屋で、ギターの、機械、に、囲まれて、
 あたしを座らせて、良く聞かして、くれて、
 面白いことも、言って…なんか…すっごく、格好良かったじゃ、ない…


 …やめちゃったら、何にも、ならない、じゃな、い…」


「…。」


「…ねぇ、そうだ!
 あたしの口座からさ生活費出せるから、これからも一緒に住もうよ!
 あたしが1人でプロになるから、お金かせいで、本ちゃんと一緒になって、
 全部、あたしの建てた家を本ちゃんが使えばいいからさ!
 それで、もっと上手くなったら私と一緒にプロに来ればいいからさ!


 だから…」


「…。」


「だから、さよならなんて言うなぁ!!!」


「…薫…。」


「行くなんて言うなぁ!!!消えるなんて言うなぁ!!!


 壊したギターなら、あたし、がまた、全部買ってあげる、から…


 あたし、1人で、一体これから、どうしろっていうの?」


薫は傍にあったマイクを握りしめてうつむいた。
俺は泣きそうになった。
恋人と別れるときは、こんなにも、泣くことはないだろう。
もっと辛い、例えばそう、死に別れのような、そんな感じだった。


でも俺は、虚勢を張った。


「…ありがとう。俺を止めてくれたのはお前だけだよ。
 何かお別れの品でも俺にくれないか?
 あ、そうだ、この花瓶!前俺が割っちゃったのを、
 10時間かけて接着剤で治したヤツ!これくれよ!
 家で花を育てるのに使うからさ!
 …あ!でも、これ治したヤツだから、すぐに空中分解するよな!
 これをさ、俺の弟にあげたらビックリするぞ!
 ベッドの上に置いておいたら、次の日顔がびしょぬれだったりしてな!」


「…。……へへ。」


「へへ…。本ちゃん、面白い…。」


「…。…笑ってくれた。そ、お前はそうやって、笑顔で人を幸せにする、
 そんな才能を持って生まれてきたんだ。
 そうやって、笑ってさ、これから生きていけば、
 もっと素敵な事に会えるし、もっと素敵な人に出会える。
 俺はお前に気付かないように、ずっと応援しているからな。」


「…。」


「俺は田舎でガキに野球でも教えるよ。
 俺のいる小学校の野球クラブの人が、推薦しているんだ。
 …楽しくやっていくつもりだよ。…これ、住所。
 忙しくなるだろうけど、もし機会があれば、また来てくれよな。
 …。
 …面白かったよ。決して、棒に振った5年間じゃなかったよ。
 ありがとう。…バイバイ。」


俺は手ぶらで薫の部屋を出ようとする。
薫は俺の手を一瞬掴んだ。
…でも、俺が目配せすると、すぐに、そっと、はずした。


がちゃりと音がする。
このドアノブで、この音を出せるのはもう、このときが最後だろう。
俺はかすかに無機質な、サビたドアノブに微笑んだ。


ドアを開けると、闇色の空が広がり、
気にするなと言わんばかりに俺の髪を風が通り抜けた。
もう、夜になっている。
そして、ここからの景色を見ることはもう、ない。


…5年間、俺が薫とここに泊まったときは、
薫は何かの拍子にこの夜空を見ながら、
急に泣いてしまったことがよくあった。理由は分からない。


でも、俺はその時、
いつも優しくある言葉を投げかけて、髪を撫でていた。


俺はアパートの廊下を歩きながら、
もう一度薫の部屋の前のを見つめた。


昔の、夢を追っていたある恋人達が、
あの場所から星空を眺めて、白い息を吐いていた。
男はそれを見ながら、優しく、女の髪の毛を撫でながら何かを呟く、
そんな幻想であった。


そして、ゆっくりと深呼吸をして、
その幻想の中で言った言葉と同じフレーズを、静かに、呟いた。


―おやすみ、…君が泣かないうちに。     Fin
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後書き。(感想ありゃここからどうぞ。)
   - 08/12/30(火) 4:31 -
  
まぁ、後書きはこの一言につきますね。


チャオを出せ!
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感想ですー。
 ダーク  - 09/1/1(木) 23:11 -
  
とりあえず、あけましておめでとうございますw

第一印象。
やっぱり某さんらしい小説ですね。
そりゃ、某さんが書いてるんだから当たり前なんだけどw

全体的に人間らしさが描かれていると感じました。
テーマを尋ねても良いですか?

俺は一通り読んだだけなので、
飲み込みきれてないところがあるかと思いますが、
それでも「忘れないだろう」と思える小説でした。

それと、2ページ目の終盤にある
> もう一度薫の部屋の前のを見つめた。
ですが、コレは部屋の前にある何かのモノを見つめたのでしょうか。
それとも実はタイプミスで「部屋の前を見つめた」でしょうか。

とにかく、印象に残る小説でした。某さんスゴいね。
引用なし
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blindness chao life
   - 09/1/2(金) 1:46 -
  
きよしこの夜が、また、どこかから聞こえてきた。
クリスマスという日を過ごすのはこれで25回目になる。


―どういう想い出があっただろう?


―どういう辛い日々があっただろう?


今となってはもう昔の話で、ほとんど何も覚えてはいないけど、
何か楽しい夢を毎年見ていたような気がしていた。


俺は今年、結婚することにしている。
相手の親も、俺の親も、賛成してくれた。
…ただ、俺の婚約者は俺の親の顔を知らない。
「声」は知っている。「顔」は、知らない。


彼女は俺の今の顔さえも、知らない。何も、見えない。


こんなに綺麗な顔をしているのに、彼女は自分を見れない。
頑張って整えている俺の髪型も、彼女は知らない。
彼女は俺の声だけをしている。
声という名前の世界の中で、生きている。
俺にはとても想像できるような世界ではなかった。
想像できて、本当に満足がいく、納得のいく世界かさえ知らなかった。


でも、俺には一つだけ分かっていることがある。
彼女を俺が裏切ったら、彼女は俺の姿を見なくとも、
その空気だけで絶望感に陥ってしまうこと。


二人がまだ小さいとき、俺と彼女はお互いを見ていた。
「結婚しよう」なんて約束して、
やっとそれが本当の夢になると思ったとき、
彼女は既に6年前、突然の病気で光を失っていた。


でも、3年前、彼女は笑って俺の声を、俺の事を思い出してくれた。
そして、こうやってつき合っているのだ。
そんなかすかな幼いときの想い出を覚えている人が、
俺のささいな裏切りなんてすぐに分かると言うことは、
明白かもしれない。


俺は事業が成功し、マンションの一角に引っ越して、
彼女も呼んで二人で暮らしていた。
今日はクリスマス。
彼女はソファーに座ってそわそわと俺の方を向いていた。
さすがに目と目を合わせられはしないが、
俺という存在がどの方向にいるかは「二耳」瞭然だった。


「ねぇ、今年は何くれるの…?」
「…んー、何あげよう?」
「何かちょうだい!」
「…なら、クッションとか?」「あ、それ良い!柔らかくて大きいの!」
「わかった。じゃ、それ買ってくるわ。」
「はーい。」


俺は丈の長いコートを着て外へと出た。
たった今、オーダーが入った。
クッションを買ってこい。でかくて、柔らかいヤツを。
俺はガキっぽいなと、ちょっと思ったが、
それが彼女なんだと思うと少し可笑しくなった。
彼女バカなのかな?
どうなんだろうな。


…。…もしかしたら、
心のどこかで“罪の償い”が有るのかも、しれない、な…。


…。


…ちょうど15年前。


ガキの頃の俺は、この場所を別の物を買おうと疾走していた。
その商品名は、「チャオ」といった。
黄色と白と水色のタマゴがペットショップで10万円で売っている。


「転生もするし、その値段は見ため以上に高くはないんだ。」


そう家族を説得して、
クリスマスの夜、発売が開始されたチャオをあわてて買いに行っていた。
そして結局、超長い行列に並んだ末、俺は一つのタマゴを手に入れた。


俺はそれをマニュアル通りに優しく孵した。
パカンと割れて生まれて出てきたのは、やはり普通のチャオで、
なんの変哲もないチャオであった。…「その時」は。
…それでも俺はやはり何も気付かずに、嬉々と名前を付けた。
「ダブル」だったような気がする。


その当時はチャオレースが熱狂的に受け入れられていた。
主役はいつでも子供だった。


どこかの小学生が、レースで優勝していた。
どこかの幼稚園児が、驚くような強いチャオを持っていた。
どこかのお姉さんが、可愛いチャオの服のデザインをしていた。
どこかのお兄さんが、最強のチャオや透明のチャオを作っていた。
どこかの…。


…そう、俺は憧れていた。


俺が買った理由は、チャオが可愛いとか、そう言う理由じゃなくて、
単に、名声と賞賛の声を聞きたかっただけなのだった。
友達から、先生から、ちょっぴり好きだった女の子から、
凄いとか、格好いいとか、そんな言葉を手に入れたかったのだ。


でも、それが上手くいくことはなかった。


「失明ですね。レースは諦めましょう」


………は?


俺の一番最初の反応はそんな感じだった。
何かが変だと思い始めてきたのは、買ってから3ヶ月後の時。
いつまでたっても俺の居る場所に来ない。
口笛を吹いても、ハートを出して走ろうとするが、
どこか変な方向に駆けていき、壁にぶつかり、泣き出す。
そう、それは、まるで俺が見えていないかのように。


でも、医者の言葉を聞いた瞬間、それは「まるで」でなく「本当に」だった。
そして、次の言葉が一番辛かった。


「レースは諦めましょう」


…。その日から、俺のチャオに対する反応は変わった。
俺はまるで動くサンドバックかのようにチャオを何度も蹴りつけ、
壁にたたきつけた。
チャオは泣こうとするが、それだと母親にばれるので、
泣くなと思い切り口を塞いで、そして、殴った。殴った。殴った。


「糞チャオめ!死んでしまえ!」


そんなことも、言ったような気がする。
ひどい話。
自分の都合の悪いことが見つかった瞬間、それをすぐに裏切る。
子供が残酷と言われる所以は、そこにあるのかもしれない。


そうして、最後には…捨てた。


さすがに心配したので、段ボール箱に入れて、人気の多い道においていったが…
でも、あのチャオは目が見えない。
多分、段ボールから出て、どこか飛ぼうとして、そして、ぶつかり、
川に落ちて溺れて、そして、おそらくは…。


…。


俺はそれ以来そのチャオと会っていない。
今は多分死んでいるだろう。人の愛を受けられなかったために。


流行は怖い。
もしも、チャオレースなんて、競う物がなければ、
俺はあんなにもチャオをいじめたりはしないだろうし、
そもそも買わなかったのかもしれない。


でも、…それでも、俺がやったことは罪なのだ。
何かのハンディを自分の都合に合わないと拒否したという、重い罪だ。
そして、今も俺はあのチャオのことを、後悔、している。


ガーッと自動ドアが開き、
一面クリスマス一色のデパートのにぎやかさが俺を受け入れる。
ふと左の方向を見ると、チャオのコーナーがあった。


そして、そのはじっこに、白い小さなチャオが居た。


俺はどうしたんですか?と店員に聞く。
彼によると、羽が折れているからと男から返品交換を要求されたという。
男はレースに役に立たないからと、投げ捨てるようにこのチャオを連れてきた。
と言うことだ。
普通ならひどい話になるところだが、俺は思わずシンパシーを感じていた。
そうだ、そういう気持ちだ、と心で強く感じた。


…昔の俺の買ったチャオの姿が思い浮かんだ。


…俺はこのチャオを買わなきゃいけないのか…?


償いのために。そして、言い訳のために…。


俺はそのチャオに手を伸ばそうとした…瞬間。
「ねぇママ!あのチャオが欲しい!!」と、
1人の少女がたたたたっと俺の見ていたチャオの所に近づいてきた。
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blindness chao life
   - 09/1/2(金) 3:18 -
  
その母親が近づいてくると、彼女は、
子供に諭すかのように言う。


「ダメよ。羽が折れてるじゃない。」


でも、子供は言った。


「だって可愛いもん!飛べなくても良いもん!買って!!」


「うーん…。…店員さん、何円ですか?」
『3万円です。』
「…?あら、安い。じゃ、買ってあげようかな。」
「ホント?やったあ!」


俺が目の前でそれを見ているうちに、
その白いチャオはあっという間に引き取られていった。
店員は笑う。「あぁ、余計なのが消えた。」
母親も笑う。「良かった7割引で。」
娘だけは大喜びでチャオを見る。


いつの間にか涙を流していた。
俺のやろうとしていたことは結局あの大人達程度の事なんだ。
軽いことなんだ。
チャオのこと何てちっとも考えていなかったんだ。
バカだ。
俺はあのチャオから何も学んでいなかったんだ…。


…俺は涙を拭くと、予定通りの品を買って、家を出た。


帰り道。
昔、段ボールにチャオを入れ、置いた道。
俺は複雑な心境でそこを歩いていた。


罪とは結局、困難で踏み込めない領域にあった。


結局、あのチャオに対する罪を何らかの方法で償っても、
彼は戻ってこないし、許しはしないだろう。
…あのチャオは求めていたのだ。
最後の最後まで、俺が最初の時のように、
笑って、笑って頭を撫でてくれることを願っていたのだ。
何万円払って、障害のチャオを助けることでもなく、
今、目の見えない彼女と婚約することに謝罪の意を込めることでもなく、


ただ、ひたすらに、何かに愛されていることを願っていただけなのだ。


…気付いてしまった。
もう、あのチャオに謝罪をすることはできないと。
罪を償うことは、できないということを…。


でも、逆に気付いたことがあったのだ。


俺は決して、今の彼女を罪悪感から好きになったわけではないことを。


こんなにも罪を償うことの不可能を悟ったにもかかわらず、
俺はやっぱり、彼女を好きでいてあげられるのだ。
…こうやっておっきな柔らかいクッションを持って、
歩いている俺が居るのだから。
俺は結局15年前にここでバッドエンドを与えたチャオから、
ハッピーエンドへとつながるものを与えられてしまったのである。


…ゴメンな。でも、もうお別れだ。


ありがとう、チャオ。


もうすぐ忘れるだろうけど、絶対忘れないからな。


俺は道を抜け、いつもの小道へとはいる。
もうすぐ、マンションにつく。
俺は彼女を待たしているだろうナァと言うことに気付き、
少し駆け足で、マンションに駆けていった。


それは口笛に反応してすぐに駆けた、
あのときのチャオのように…。       fin
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後書き。(感想は上の後書きに。)
   - 09/1/2(金) 3:23 -
  
チャオを出してみた。
深いねぇ。自分で書いた小説にいうのも何だけど。


ずっと古い小説の話をリメイクしようと思っていたんですが、
あまりにクソだったので、タイトルと主題だけ残して、
後は全部書き換えてしまいました。


どうでしょう?皆さんは罪を償うとはなんだと思いますか?


この話でのチャオは結局何を求めていたんでしょう?


どうして、この話で男は少女のチャオを買うシーンで泣いたんでしょう?


最後に、バッドエンドにした物が、
ハッピーエンドをくれるとはどういう事でしょう?


国語の問題のようですが、考えてみてください。ではっ。
引用なし
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ブラックジョークなショートショート集
   - 09/1/2(金) 4:24 -
  
・チャオの歴史変換


有る考古学者は地上に居た原生チャオを研究していた。
彼は彼なりに、原生チャオを現代に生かす方法を模索していた。
そして、急に思いつくことがあった。
じゃあ、空中に住んでいた、
つまり、ナックルズ族と共生しているチャオを全部殺せばいい。


その当時はDNAとかがまだ見つかっていない時期で、
そのような方法が出てくるのも当たり前かもしれない。
でも、その研究者は何故かタイムマシンは作成することができて、
彼は早速猟銃を持ってタイムマシンに乗り込んだ。


数時間後、彼は現代に戻ってくる。
すると、ふとテレビ画面に、
「チャオのコハク」が発見されたとテレビに出た。
コハクとは化石の一種。
化石と言うことは…絶滅した、ということだ。…どういう事だ!


研究者はあわててCHAOBBSに問い合わせる。
答えはこうだった。
「原生チャオは人々の戦争で、戦争を知らなかったため、
 爆弾や鋭いナイフなどに触れ、次々に死んでいったそうです。」


…空中に住んでいたチャオは、あの後、
ナックルズ族らの戦闘に巻き込まれることとなる。
…要するに、戦闘慣れすると言うことである。
あぁ、そう言うことか、と納得した研究者は、
またタイムマシンに乗った。


研究者は、少し考えていた。
歴史を戻し、別の方法を探すにはこれしか方法がない…と。
『猟銃を持った以前の自分を、猟銃で、撃ち殺す』


…よし、実行しよう!


そして、それ以後、彼の姿を見た者はいない。


・相反するゲーム


ピクミンのプレイ画面を見ていた泳げないチャオは、
二度と池に近づかないと言う。
試しに近づけてみると、チャオは急にもだえ始め、
「あわわ〜」「あわわ〜」と何かの口まねをして、気絶するのだとか。


・人間に影響を受けやすい。


最近チャオのテレビ番組に、学級崩壊で、
相次ぐ性的な行為の低年齢化と、援助交際が良くあげられる。
チャオもそんな影響を受けるというのか。


ま、今はまだそんな影響はないだろう。
最近はせいぜい、
子供チャオの間で二匹一組でダンスすることが流行っているだけだからな。


・サイボーグ009的な。


たくさん増えすぎたため、最初に飼っていたチャオを離すことにした。


「僕どこに行くチャオ?」
「チャオの森だよ。」
「楽しいところチャオ?」
「うん、とっても楽しいところだってさ。」
「…じゃあ、お別れするチャオ!バイバイチャオ!」


僕はチャオに大切な黒いネックレスを着けてあげた。
僕はそうして、そのチャオを「チャオの森」にへと送った。


翌日、レースの途中で黒いネックレスをしたオモチャオを見つけた。


・チャオ幼稚園園長殺害事件。


「警部!やはりこの部屋は密室です!」
「そうか…。でも、やはりここには何かからくりがある!
 俺たちはそれを必死で見つけ、探さないと行けない。
 よし、まずは聞き取り調査だ!」
「はいっ!」


後ろで石像が一瞬瞬きをした。


・サイボーグたくさん的な


「なぁなぁ、チャオの占いの館のチャオって凄いやり手らしいな。」
「どういうこと?」
「いや、だから、凄くエロイって事だよ!」
「マジで?
 …でも、それってさ、なんの証拠もないんだよな。
 どうやってそんな情報見つけたんだ?」
「週刊ポトスでさ、なんか、あの館で貰える名前って、
 全部昔自分が産んだ子どもに付けた名前らしいよ!」
「じゃあ、その子どもはみんなどこに行ったんだよ!」


翌日、俺はチャオにラーメンという名前を付けて、
レース中、ラーメンと名前を叫ぶと、
俺のチャオとその隣で旗を振るオモチャオが俺の方を向いた。


・強い戦隊


「強いチャオってどんなチャオ?」
「う〜ん、迷うチャオねぇ。」
「でもやっぱり、相手から見えないのが一番じゃない?」
「そうチャオ!じゃあ、そう言う風に変身してしまえば、
 お茶の間も大いに盛り上がるチャオ!」


この戦隊はTVデビューを果たした。
そして、変身した瞬間彼らは身体の色を透明に変えることに成功した!


…衣装を除いて。


・犯人はお前だ。


プルルルル…がちゃ


「何か用事チャオ?今レース中チャオ!」
「いやぁ、なんかニュースで、
 今レース中に逆走しているチャオが居るらしいチャオ!
 ぶつからないように気を付けるチャオ。」
「…何匹チャオ?」
「…え?一匹だけって話チャオよ…?」
「そ、そんなはず無いチャオ!
 だって、7匹も逆走しているチャオがいるチャオよ!」


・なんだこの差は。


「俺さ、6歳の女の子とつき合って居るんだ。」
「はぁ?お前それメッチャロリータじゃん!」


「僕さ、6歳の女の子とつき合っているチャオ。」
「はぁ?お前それメッチャババアチャオ!」


・え?


「家族計画っていうやつ失敗したチャオ〜。」
「…どうした?何があった?」
「折角二人で子供生んだのに、
 彼女がヒーローに進化してヒーローガーデンに行っちゃったチャオ〜。」
「あぁ、そうか、それは残念…。


 …え?」


fin
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後書き(感想は上の上の後書きに。)
   - 09/1/2(金) 4:26 -
  
なんじゃこりゃ。
まぁ、なかなかきわどいネタも少なからず…。
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感想ですー。Part2
 ダーク  - 09/1/2(金) 10:14 -
  
今度はblindness chao lifeの感想です。

こちらの話は、色々な方に読んでほしくなる小説ですね。
考えてみれば当たり前のことだけど、
それに反することをする人間がいるのも確かです。
進歩のない考え方、もしくは「考えること」をしない生き方をする人間は、俺とは相性が合いません。
いや、そういう人間がいてもおかしくないのですが。

ちょっと話がそれました。ごめんなさい。

「償い」に関して昔考えたことがあるのですが、
「償い」とは飽くまで人間の中にしか存在しないものだと思います。
とりあえず償いに関してはコレだけ書いておきます。
他の質問には答えないでおきます。

俺にも伝えたいことは沢山あるのですが、
こうやって小説の形にして伝えることが出来ないので某さんスゲ。
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変身
   - 09/1/3(土) 1:31 -
  
>とりあえず、あけましておめでとうございますw


おめでとーございまーす


>第一印象。
>やっぱり某さんらしい小説ですね。
>そりゃ、某さんが書いてるんだから当たり前なんだけどw


癖がある小説をモットーにしています。
これぞ俺の小説だと俺も少し思っていましたんで、
こういう感想は何よりも嬉しいです。ありがとうございます。


>全体的に人間らしさが描かれていると感じました。
>テーマを尋ねても良いですか?


テーマとしては「お別れ」ですね。
本気で別れると言うことを書いてみようと思いました。
恋人との別れとか、仲間との別れとか、
そして何よりも、自分の追い求めていた夢との別れを。
文章内容はややヒューマンドラマ仕立てです。


>俺は一通り読んだだけなので、
>飲み込みきれてないところがあるかと思いますが、
>それでも「忘れないだろう」と思える小説でした。


自画自賛になるかもしれませんが、
自分の文章を読んでて泣きそうになったのは初めてです。
なんでしょうね?カタルシス?


まぁ、「忘れない」のは多分人間の心理ですかねぇ…。
悲しいことほど頭に残るし、悪いことほど頭に残る。
だから、占いは悪いことだけが当たっているような気がしてくる…。
そんな感じなんでしょう、この小説も。


>それと、2ページ目の終盤にある
>> もう一度薫の部屋の前のを見つめた。
>ですが、コレは部屋の前にある何かのモノを見つめたのでしょうか。
>それとも実はタイプミスで「部屋の前を見つめた」でしょうか。


タイプミスです。申し訳ない。
ダークさんの訂正でOKですよー。


>とにかく、印象に残る小説でした。某さんスゴいね。


これからも精を出していきます。
読んでくださってありがとうございました。良いお年をー。
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新新チャオの超スパルタクルな親バカ一代の冒険。
   - 09/1/3(土) 18:33 -
  
(以前のバージョンを先に読んでおきましょう)


『チャオの(中略)冒険』


チャオは 勇者 だった。

そして また また 勇者として 生まれ変わった!


最近 また 魔王が でてきた

勇者は また チャオに たくされた!


勇者は みんなの 新たな 声援を 受けて

早速 出発した!


王様「…。」

父「…。」

母「…。」


チャオ「もはや声援してねぇじゃねぇか!!!」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


チャオは 草むらを 走っていた!

ピロピロピロピロ!


チャオ「ったく…そろそろマンネリだろ…」


王 【最終形態】 が現れた!


チャオ「さっきいたwwwwwさっき俺をシカトしてたYO!!」

王「ハハハッ魔王は私が倒した。」

チャオ「ハハハッ、じゃねぇよ!!!
    わざわざ冒険に連れて行かせるなwww」

王「まぁ、成り行きだ。」

チャオ「成り行きとかwwwってか、なんだよ最終形態って!
    お前はポケモンか!?」

王「フフフ、じゃあ、そう言うことにしておくか。」

チャオ「…。………は?…まさか…」


王「…バルス」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


母「こりゃダメだわさ。」

父「氏ね。地下鉄で線路に突き落とされて氏ね。」

チャオ「っ…でもよ!ハナから「バルス」はないだろ!
    つーかポケモンの技使うと見せかけてなんでバルスなのさ!!」

母「知らないわさ。」

チャオ「…。ところで、それなんの方言?」

母「広東語」

チャオ「嘘付けやい!いくら方言とは言っても、日本語圏は超えないだろ!!
    俺もうこの村出て行く!」

母「あ…待って、チャオ!行くならこのおばあちゃんを連れて行って!」

チャオ「…は?(ボケろよ…)」

母「このおばあちゃん、寝たきりで何もできないの。
  あなたが隣町まで彼女を連れて行く!分かった!!」

チャオ「…はあ。」

父「良い経験だ。良いな?お前が死んでもこのおばあちゃんは絶対に、
  連れて行くんだぞ?」

チャオ「…は、はあ。」

父「俺たちが応援している。泥船に乗ったつもりで行くが良い!!!」

チャオ「うん、分かった!!…って、泥船は沈むだろ!!!」

父「…っ」

チャオ「舌打ちするな!!!」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


チャオは 草むらを 走っていた!

ピロピロピロピロ!


チャオ「もう今度はなんだよ…」


魔王 【第一形態】 が現れた!


チャオ「ちょwww以前にも増して退化してるけど!?」

魔王「ふっ、お前のレベルと同程度の力で戦ってみたい。
   だからあえて、こんなにレベルを下げたんだ。」

チャオ「魔王…お前、王様より良い奴だ…。」

魔王「そう言うことだ。フェアに戦うぞ!さぁ…。」


魔王「来い!!!!!!」
魔王「来い!!!!!!」
魔王「来い!!!!!!」
魔王「来い!!!!!!」
魔王「来い!!!!!!」
魔王「来い!!!!!!」
魔王「来い!!!!!!」

チャオ「って何人いるんだよ!!!フェアもクソもねえじゃねぇか!」

魔王「ふっ、掛かってこい!」
魔王「ふっ、掛かってこい!」
魔王「ふっ、掛かってこい!」
魔王「ふっ、掛かってこい!」
魔王「ふっ、掛かってこい!」
魔王「ふっ、掛かってこい!」
魔王「ふっ、掛かってこい!」


チャオ「ちっ、この聖なる剣えを食らえ!」


チャオは 聖なる剣を 振りかざした!

魔王に 20のダメージ!


チャオ「どうだ!」

魔王「くっ…でも、俺の方が強いみたいだな!」
魔王「くっ…でも、俺の方が強いみたいだな!」
魔王「くっ…でも、俺の方が強いみたいだな!」
魔王「くっ…でも、俺の方が強いみたいだな!」
魔王「くっ…でも、俺の方が強いみたいだな!」
魔王「くっ…でも、俺の方が強いみたいだな!」
魔王「くっ…でも、俺の方が強いみたいだな!」

チャオ「何!?」

魔王「食らえ!この強力な魔法をn…」
魔王「食らえ!この強力な魔法をn…」
魔王「食らえ!この強力な魔法をn…」
魔王「食らえ!この強力な魔法をn…」
魔王「食らえ!この強力な魔法をn…」
魔王「食らえ!この強力な魔法をn…」
魔王「食らえ!この強力な魔法をn…」


おばあちゃんは メラゾーマを 唱えた!

魔王に 2300のダメージ!


魔王「ぐああああ!」
魔王「ぐああああ!」
魔王「ぐああああ!」
魔王「ぐああああ!」
魔王「ぐああああ!」
魔王「ぐああああ!」
魔王「ぐああああ!」


チャオ「ちょっwwwwおばあちゃん強すぎwww
    ってかおばあちゃんたってるよ!!!」

おばあちゃん「安心しな。私が居ればこっちの勝ちさ。」


魔王「畜生…。」
魔王「畜生…。」
魔王「畜生…。」
魔王「畜生…。」
魔王「畜生…。」
魔王「畜生…。」
魔王「畜生…。」


チャオ「ふふ…どうやら俺の側の勝ちみたいだな!トドメを食らえ!」


チャオは 聖なる剣を 振りかざした!

魔王に 3000のダメージ!


魔王「ぐ、ぐああああああああ!」
魔王「ぐ、ぐああああああああ!」
魔王「ぐ、ぐああああああああ!」
魔王「ぐ、ぐああああああああ!」
魔王「ぐ、ぐああああああああ!」
魔王「ぐ、ぐああああああああ!」
魔王「ぐ、ぐああああああああ!」
おばあちゃん「ぐ、ぐああああああああああ!」


チャオ「ちょwwwwwババアwwwww
    いつのまに敵方について居るんだよ!!!!!!」

おばあちゃん「くっ、なかなかやるな、でも次は負けない…ぞ…。」


チャオは 魔王と おばあちゃんを 倒した!

チャオは 魔王から 20の経験値を 貰った!

チャオは おばあちゃんから 230405088274の経験値を 貰った!

25565Lvに なった!


チャオ「多いwwwっwおばあちゃんどんだけ経験値持ってんだよ!!!!」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


チャオ「…おばあちゃんのおかげで、
    レベルは10進数の限界まで上がったけど…。
    ま、一応露店に行って何か色々と買わないとな…。」

店員A「いらっしゃいませー。
    何を買いますか?」

チャオ「薬草を一つ。」

店員B「薬草は温めますか?」

チャオ「良いよ!コンビニじゃないんだから!」

店員C「ポイントカードはお持ちですか?」

チャオ「だからここはコンビニじゃねぇだろ!」

店員D「ストローおつけしますか?」

チャオ「薬草は飲まないから!」

店員E「分かりました。お会計200円になります。」

店員F「104円のお返しです。」

店員G「どうも、ありがとうございましたー。」

店員HIJKL「「「「「ありがとうございましたー」」」」」

チャオ「何人店員居るんだよ!!!!!!!!」


あなたと コンビニ ファミリーマート♪


チャオ「何やってんだよ!!!!!!」


(終わり)
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後書き(感想は上の上の上の後書きに)
   - 09/1/3(土) 18:37 -
  
…。

後書きとか…必要あんのか…?

まぁ、とりあえず、完結したのかなぁ。

チャオは結局史上最強になったんですけどね。

あぁ、ついでに聖なる剣はトイザらスで398円で売ってます。

ダメージ3000は誇張表現です。

どうも、ありがとうございましたー。
引用なし
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