●週刊チャオ サークル掲示板
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〜チャオの奴隷〜 第六話 09/10/18(日) 13:41
〜チャオの奴隷〜 第六話 09/10/18(日) 13:45
〜チャオの奴隷〜 第六話 09/10/18(日) 13:49
〜チャオの奴隷〜 第六話 09/10/18(日) 13:50
〜チャオの奴隷〜 第六話 おまけ 09/10/18(日) 13:54
宏作品への感想はコチラへ 09/10/18(日) 15:05

〜チャオの奴隷〜 第六話
   - 09/10/18(日) 13:41 -
  
 第六話 〜お熱〜


 十月に入り、随分と肌寒くなってきた今日この頃、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
 季節の移り目は寒暖の差が激しいですから、くれぐれも体調など崩されぬよう、お気をつけ下さい。
 僕達チャオも、この時期に体調を崩す者が少なくありません。普段、服など着る必要のない僕達ですが、寒くなってくると、帽子やマフラーを装備しているチャオもよく見かけます。
 まぁ、お洒落のために身に着けている、というのも多分にあるでしょうが。育て主とペアルック、なんてのもたまに見かけます。
 それらは、僕達チャオと人が、お互いの文化を共有し、そしてこの世界で共存している証拠に他なりません。また、チャオと人が共有出来る文化の種類も随分多くなってきたように感じます。
 そして、これからもますます増えていくでしょう。チャオと人が協力し、共存し、共有する文化を発展させていく。なんと素晴らしいことでしょう。
 今後も、末永くチャオと人が友好的な関係でいられることを願わずにはいられませんね。
 そういえば最近、『チャオと人の間で風邪はうつるのか』と言う話題が――。


 ――え?
 お前は誰だ、ですって?
 いつもの語り手役の、ワカバ殿はどうした、ですって?
 これはこれは、申し遅れました。
 僕の名前は『あずき』と申します。
 ワカバ殿の幼馴染である、サナエ殿の元で暮らしております、小豆色の、ダークハシリタイプのチャオで御座います。以後お見知りおきを。
 今回のお話、なんとこの僕が。語り手役という、重大な役目を仰せつかりました。
 主役です。主人公です。
 僕のモノローグが、このお話の構成比率において90%以上を占めること確実なのです。
 そう、つまり、今の僕には強力な主人公補正が付与されているのです。
 こんな機会、滅多にありません。いえ、この先もう二度と訪れない可能性が非常に高いです。
 この機会を生かし、今日こそカトレアさんの心に僕のシルエットを、お饅頭に焼印を押すが如く焼き付け、洋服にアップリケを刺繍するが如く縫い付けるのです。
 それでは『チャオの奴隷』第六話。どうぞ最後までお付き合い頂ければ幸いです。
 
 …

 …

 休日の昼下がり。閑静な住宅街をぽてぽてと歩いていきます。
 僕の首元にかかる、深緑色のマフラーが、爽やかな冷気を纏った風に吹かれて踊っています。
 以前にサナエ殿が贈ってくれた物なのですが、とても気に入っています。秋から冬にかけて外出する際は、必ず身に着けていくほどに。
 マフラーの戯れを微笑ましく感じながら歩いていくと、見慣れた家の前に辿り着きました。
 さて、現在僕がいるこの場所。とある方の家の玄関前なのですが、誰の家の前か、わかりますか。
 そうです、愛しのマイハニー、カトレアさんのお家です。
 何故僕が、カトレアさんの家の前にいるのか。何も、カトレアさんが好きすぎて待ち伏せしているわけではなくてですね。
 ちゃんと、お呼ばれしたが故に、この場所に立っているのです。
 その、お呼ばれした理由と言うのが、『カトレアさんが、僕のことをワカバ殿をはじめご家族の方に紹介し、結婚を前提としたお付き合いに対する認可を得たいがため』と、いうものだったらよかったのですが、残念ながらそうではなくてですね。
 ――おっと、玄関先で突っ立っていても怪しまれるし邪魔なだけです。続きは、お家に上がらせてもらってからにしましょう。
 えいっ、と、力いっぱい跳躍し、羽を羽ばたかせて得た揚力で、呼び鈴の高さまで僕の体を持ち上げます。
 そして呼び鈴を押します。ぽち、っとな。
 そういえば、いつもはサナエ殿がご自分の声でワカバ殿を呼んでしまいますから、呼び鈴を鳴らすのはこれが初めてになりますね。
 ささやかな初体験で得たささやかな感動に酔いしれていると、目の前のドアがゆっくりと開きました。
 開けてくれたのは、案の定ワカバ殿でした。僕達を出迎えてくれたのが、ワカバ殿以外だった例は一度もありません。
 そして、歓迎の意向でなかった例も一度もありません。今回も、勿論そうなのですが……。
「いらっしゃい。待ってたよ、あずき君」
 いつも通りの、穏やかな微笑みでそう仰ってくれたワカバ殿。
 しかし、その微笑みを隠すように、ワカバ殿の顔には、白いマスクがかかっていたのです。


「ごめんね、せっかく来てくれたのに、こんな状態で」
 何を仰いますか。僕の急なお願いを快諾してくれたこと、心より感謝しております。
 リビングに通された後、ワカバ殿はマスク装着の理由を話してくれました。まぁ、マスクを装着する理由など必然的に限られてきますが……。
 どうやら、風邪を引かれてしまったそうです。
 幸い、症状は軽いようです。僕との会話に、笑顔を交えている様子からもそれが伺えます。
 こちらこそ、そのような時にお邪魔してしまって、申し訳ありません。
「ううん、気にしないで。今日一日、自分の家だと思ってね」
 ありがとうございます。
 そう仰って頂けるのは嬉しいですが、今日一日はワカバ殿の体に障らないようにしなければいけませんね。
 僕はそう決意しました。手始めに、埃を上げないよう、マフラーを外す手つきに慎重さを含ませます。


 そうそう。そろそろ、僕が今日ここにお呼ばれした理由をお話しておきましょうか。
 先程から、『今日一日〜』と言うワードがちらほら見受けられることから、すでにお察し頂けた方もいらっしゃるかもしれませんが。
 今日、僕はこの家に泊めてもらう予定なのです。何も、サナエ殿に家を追い出されたというわけではなくてですね。
 サナエ殿も、サナエ殿のご両親も、今日は家に帰らないのです。
 ご両親は共に出張で帰らず、サナエ殿は御友人の家にお泊りするのだそうです。
 世間では、今日から三連休でして、それを利用して企画されたお泊り会に、サナエ殿も参加するのだそうです。
 明日には解散で、仲の良い女の子数人が集まるのだそうですが、サナエ殿のことですから、その中でも一際、笑顔を振りまく存在となるのではないでしょうか。
 まぁそんなわけで、このままでは明日まで僕一人となってしまうわけで。
 ならばこの僕が、みなさんが留守の間この家をお守りしましょうと提案したのですが、心優しいサナエ殿は、たとえわずか一日と言えども僕が一人ぼっちになってしまうことを良しとしませんでした。
 いや、決して僕を家に一人で置いておくと危なっかしそうだなどと思われたわけではなくてですね。えぇ、違うはずです。
 初めは、先述のお泊り会に『一緒に行こっか?』とサナエ殿に仰って頂いたのですが、御友人との親交を深める貴重な機会、僕がいてもお邪魔になるだけでしょう、とお断り申し上げました。
 さてじゃあどうしよう、とサナエ殿は少し悩んだ結果……。
 僕にとって、それはとても素晴らしい提案をしてくださったのです。
「そうだ。ワカちゃんの家に、お泊りさせてもらう、っていうのはどう?」
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〜チャオの奴隷〜 第六話
   - 09/10/18(日) 13:45 -
  
 急なお願いにも関わらず、二つ返事で快諾してくださったワカバ殿はじめご家族の方々には多大な感謝を気持ちを捧げると共に、今日一日、カトレアさんと一つ屋根の下で暮らせると言う事実は僕の心に満点の幸福感を与えてくれること請け合いなのです。
 そのカトレアさんはというと、先程からファッション雑誌か何かに読みふけっていて、まるで僕など存在しないかのごとく動かざること山の如し、ソファの上にてなんとも愛らしい置物と化しています。素敵です。
 僕としては、明日までこのままカトレアさんを眺めていられるだけでも十二分に満足なのですが、今日はこの僕、主役なのです。主人公補正掛かりまくりなのです。
 貴重な機会なのですから、もう少し踏み込んでいきたいところ。積極的にアタックを仕掛けていきたいところです。
 しかし、あまり無茶を敢行しようとしては、ワカバ殿にご迷惑をお掛けしてしまうかもしれませんし……。
 さて、どうしたものでしょう。体調の芳しくないワカバ殿に気を遣わせず、尚且つカトレアさんとお近づきになれるようなシチュエーションを作り出せないものでしょうか。
 ポヨをクエスチョンマークにして考えていると、ある考えが浮かびました。
 ワカバ殿、お話が。
「ん、なに?」
 どうでしょう、風邪を早く治すためには十分な睡眠が不可欠です。ここはひとつ、お休みを取られてはいかがですか?
「うーん……でも、大丈夫だよ? そんなに酷くないし」
 いけません。その油断が、命取りになるのです。風邪は万病の元と言います。打てる手は打っておかなければ。
「う、うん。それは確かにそうだね」
 カトレアさんのことでしたら、ご心配なく。ワカバ殿がお休みになられている間、僕がしっかりお守りいたします。
 僕がそう言った瞬間、カトレアさんは『はぁ!?』と素っ頓狂な声を上げて、ファッション雑誌からその凛々しいお顔を覗かせてくれました。怒気に満ちているような気がしますが、気のせいでしょう。
 さて、ワカバ殿は僕の提案を受け入れてくれるのでしょうか。ワカバ殿の顔色を伺う……つもりが、何故か逆に、ワカバ殿にじっと顔を覗き込まれています。
 その裏表のない水晶のように透き通った瞳で見つめられると、心の中を見透かされているようで若干居心地が悪いです。
 もっとも、居心地悪く感じると言うことは、僕自身にやましい部分がある証拠に他ならないのですが。
「……あぁ、そういうことか。じゃあ、お言葉に甘えて休んでようかな」
 ワカバ殿がそう言った瞬間、カトレアさんは『んが!?』と素っ頓狂な声を上げて、ファッション雑誌から覗くお顔を驚嘆の表情に変化させました。
 そして、頭上のポヨを台風のようにして、台風のようにファッション雑誌を放り出し、台風のようにワカバ殿に食って掛かります。
「なんで! たいしたことないなら、ここに居ればいいだろ!」
「んー、僕がいると、お邪魔みたいだから」
「邪魔なのは、コイツのほうだろ! この黒いの!」
「あずき君は、カトレアにお熱なんだよ」
「熱出してるのはお前だろ! バカワカバ!」
 お熱、とは、ワカバ殿もなかなかお洒落な言葉をご存知ですな。
 カトレアさんは言葉の意味を汲み取れなかったようですが、むしろそのおかげで素晴らしい突っ込みが生まれましたから、結果オーライでしょう。
 そしてどうやら、僕の『ワカバ殿にお休みになって頂いて、その間にカトレアさんと二人きりになる』という魂胆は、ワカバ殿に早々に見抜かれてしまっていたようです。その上で、僕の望むシチュエーションに移行させてくれようとしているのです。
 お断り申し上げておきますが、ワカバ殿に早く良くなって頂きたい、という気持ちは本心なのですよ。当然です。
 ただ、ここでワカバ殿にお休みになって頂ければ、ワカバ殿に気を遣わせることもなく尚且つカトレアさんとお近づきになれるという、非常に合理的なな状況を思いついたが故に提案させてもらったまでなのです。
 ほら、そんなことを考えている間に、ワカバ殿とカトレアさんの話し合いもそろそろ終わるようです。
「うーん、そんなにうるさくされると風邪が悪化しそう……」
「ぐっ!」」
「ちょっと寝たらよくなると思うからさ、ね」
「……わかった」
「じゃあ、ちょっと休んでくるね。何かあったら呼んでね」
 わかりました。ゆっくり休んでください。
 ワカバ殿はそう言い残して、二階へ上がっていきました。


 まったく、ワカバ殿にはかないません。落ち着き払っていて、常に周囲に気を配っていて。サナエ殿とはまるで違います。
 いや何も、サナエ殿は落ち着きがないとか、気配りが出来てないなどと言っているのではなくてですね。
 同じ学年でも、性格はまるで違う、ということを言いたいのです。
 サナエ殿のあの笑顔と、それを周囲に振りまく様子。ワカバ殿の落ち着きっぷりと、周囲への気配り。
 サナエ殿もワカバ殿も、素晴らしい魅力に溢れる方です。先程から言い訳がましいことばかり言っている気がしますが、気のせいでしょう。
 さて、なにはともあれ、カトレアさんと二人きりです。
 何度も言いますが、僕はこの機会に、カトレアさんとの距離をつくばエクスプレス開業後の秋葉原〜つくば間の如く縮めたいと考えています。
 そのためには、積極的にアプローチを仕掛けていくことが第一と考えます。
 カトレアさん、僕とお話しませんか。
「……」
 いつの間にか、先程放り出したファッション雑誌を再び手に持ち、ソファの上で熟読中のカトレアさん。
 その可憐なお顔を雑誌で懸命に覆い隠しています。まったく、シャイなお方です。
 照れる必要など、どこにもありませんよ。
「……」
 ワカバ殿がお休みになられている間、この僕がしっかりカトレアさんをお守りいたします。
「……」
 最近、肌寒くなってまいりました。カトレアさんも、風邪など引かぬようお気をつけ下さい。
「……」
 否、カトレアさんを脅かそうとする病原菌など、この僕が片っ端から退治します。
「……」
 否、病原菌に限らず、カトレアさんを脅かすもの全て、この僕が撃退して見せましょう。
「……」
 ひとたび、僕の名を呼んで頂ければ、たとえ火の中水の中草の中森の中土の中雲の中あの子のスカートの中、むしろあなたのスカートの中、いつどこであろうと必ずやあなたをお守りするナイトとして馳せ参じ、剣を振るいましょう。
「……」
 あなたの笑顔を守れるのなら、僕の命など喜んで溶岩の海にでも投げ入れましょう。ですから、あなたの輝く笑顔を、どうかこの僕に振りまいてはくれませんか。
「……」
 どのような言葉を投げかけても、カトレアさんはそのお顔を覆い隠したままです。これは――。
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〜チャオの奴隷〜 第六話
   - 09/10/18(日) 13:49 -
  
 ――よほど照れていらっしゃるのでしょうね。えぇ、わかります。
 純情なカトレアさんは、狭い空間で僕と二人っきりという事実に、戸惑いを隠せないのです、そうに違いありません。そこがまたカトレアさんの魅力なのです。
 しかし、このままではお近づきになれません。少し、別方向からアプローチを掛けることにしましょう。そうですね、例えば……。
 カトレアさん、先程から熱心にファッション雑誌を読まれていますが、気になるアイテムでも見つけられたのでしょうか。
「……お前には関係ない」
 初めて反応がありました。心の奥底に染み渡る、とても冷徹で刺々しいトーンでした。さすがですカトレアさん。
 さて、巡ってきたチャンス、ふいにするわけにはいきません。どうやらファッションの話題が脈ありのようですので、どんどん攻めて行きましょう。
 カトレアさん、なにか欲しいものでもあるのですか。
「うるさい」
 コーディネートでお悩み、とか。
「だまれ」
 僕も、サナエ殿と一緒に暮らしていますから。そこらのチャオよりは身だしなみに気を遣えると自負しております。
「……」
 きっと、ご相談に乗って差し上げることが出来るはずです。
「……」
 さぁ、僕にあなたの胸の内をお聞かせプリーズ。
「……これ」
 僕の熱意に負けたのか、カトレアさんは手に持っていた雑誌を、読んでいたページを開いたまま、ばさっ、とテーブルの上に置きました。
 僕は身を乗り出して、テーブルの上の雑誌を見ます。そこには、可愛らしい人間の女の子が、お洒落な洋服を着こなした写真が載っています。
 カトレアさんには、いかにも僕がファッションに精通しているように思わせることに成功しましたが、実際の所さっぱりです。
 ここから先は、僕の卓越した話術の出番です。嘘も方便と言います。カトレアさんとお近づきになれるのなら、僕は手段を選びません。
 さぁ、どんな内容のご相談もどんと来いです。ついでにカトレアさん自身も僕の胸にどんと来いです。
「……おかしいと思うか?」
 申し訳ありませんが、主語が不在ゆえに仰りたい意味がわかりません。カトレアさん、主語を連れて来てからもう一度お願いします。
「だから、その……。ぺ、ぺあるっく、って、おかしいと思うか?」
 カトレアさんが床に視線を落としてもじもじしながら振り絞った言葉。それは、なんとも可愛らしい響きの言葉でした。
 ペアルック。主に、恋人同士なんかがお互いお揃いの服を着たりする、アレですね。
 僕に言わせれば、おかしい所など何一つありません。それこそまさに、どんと来いであります。
 なるほど、カトレアさんは、『どなたか』とペアルックをしたかったんですね。
「ち、違うぞ! 私がしたいんじゃなくてだな!」
 カトレアさんの、元々鮮やかな桃色の頬に、ほんの少し赤みが差しているように見えます。必死で否定する様もなんと愛らしいことか。
 わかりますわかります、確かにペアルックはなかなか勇気がいるものです。恥ずかしがらずともよろしいですよ。
 家の中で着てるだけならまだしも、外出するとなると否が応でも注目されますからね。それも、あまり好意的ではない視線の割合の方が多い場合がほとんどでしょう。
 ですが僕に言わせれば、その程度の障害など障害にあらず。嫉妬だか羨望だか殺意の波動だか知りませんが、愛する二人の空間を邪魔立てしようなどとは笑止千万。
 路傍に捨て置かれた空き缶を蹴り飛ばすが如く、周囲からの好奇の視線も笑い飛ばしてやればよいのです。まぁ、空き缶はきちんとくずかごへ捨てなければなりませんが。
 なので、僕はちっともおかしくなんか無いと思いますよ、カトレアさん。
「……ほんとに?」
 勿論ですとも。
「……そう」
 そう言って、再び雑誌に視線を落とすカトレアさん。
 今はテーブルの上に開かれていますから、僕も一緒に覗き込むことが出来ます。
 なるほど、ここに載ってる服装を、『どなたか』とお揃いで着てみたい、と。
「別に服とかはどうでもいいけど、その」
 はい。
「……帽子が、可愛いから」
 この、クリーム色の帽子のことですね。
 雑誌上でポーズをとる女の子の頭部を示しながら僕がそう訊くと、カトレアさんは、こくり、と頷きました。
 淡い色使いで、天辺に小さなぽんぽんがついている、なんとも可愛らしいニット帽です。
 この帽子を、『どなたか』とお揃いで被りたいわけですね、カトレアさんは。
 帽子だけではペアルックと呼ぶには若干の力不足を感じますが、さり気なさの演出という面では、全身を同じ服装にしてしまうより高いといえるでしょう。
 とにかく、カトレアさんは『どなたか』と一緒に、この帽子を被りたいようです。その『どなたか』は、大変な果報者と言えるでしょう。
 問題は、その『どなたか』の部分に当てはまる人物なのですが……。
 えぇ、勿論。僕にはすでにわかっています。
 わからないわけがないじゃないですか。先程までのカトレアさんの態度を見れば一目瞭然です。
 『どなたか』の部分に当てはまる人物。それは――。


 ――僕しかいないじゃないですか。
 えぇ、そうですとも。きっとカトレアさんは、僕がこの部屋にやってきたときからずっと、いつ帽子の件を切り出そうか考えていたに違いありません。
 最初、僕など存在しないかのように振舞っていたのも、照れ隠しだったのです。
 僕と二人きりになったあとの、中田英寿のスルーパスを髣髴とさせるスルーっぷりも、勿論照れ隠しです。本当にシャイなお方です。
 僕としては今すぐにでも『カトレアさん、僕とお揃いの帽子を買いにいきましょう』と、カトレアさんの手を取って盗んだバイクで走り出したい所なのですが、今回はあえて自重してみます。
 カトレアさんの奥ゆかしい部分は、カトレアさんの魅力を構成する上での重要な要素の一つであり、そこを尊重するために、僕はあえて一歩引いた態度で挑みたいと思います。
 つまり、カトレアさんのほうから、お誘いして頂けるのを待つ、ということですね。
 カトレアさん、僕はいつまでも待っていますよ。
「……は?」
 あなたの口から本心が聞けるまで、ずっと待っていますよ。
「……何が?」
 あぁ、でも、これから寒くなりますし、なるべくなら早い方がいいかもしれません。冬を過ぎてしまうと、あの暖かそうな帽子は出番も少なくなってしまうでしょうし。
「……ぜんっぜん、意味が分からない」
 恥ずかしがらずともよろしいのに。でも、そこがカトレアさんの魅力なのです。
 大丈夫、僕にはすでに見えています。
 凍えるほどの寒さをものともせずに、お揃いのクリーム色の帽子を被った僕とカトレアさんが、ぴったり寄り添って歩いている姿が――。


 ――楽しい時間は、瞬く間に過ぎていきました。
 夕方頃に二階から降りてきたワカバ殿を交えて三人でTVゲームに興じたり、その後は、ワカバ殿のお母様の手料理に舌鼓を打ったり。
 もっとも、ワカバ殿は体調を考慮して喉を通りやすいお粥を食していまして、そのお姿を見ていると、充実したおもてなしを受けている自分に多少の後ろめたさを感じずに入られませんでしたが、遠慮なく食べてくれというありがたい言葉も頂戴し、食卓に談笑の花が咲いたこともあって、夕食が終わる頃には、僕のお腹は満腹感と満足感で一杯でした。せめてものお礼に、食器洗いの方を手伝わせていただきました。
 あぁ、僕達チャオは木の実しか食べない、と思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、実はそうでもなくてですね。
 ご飯でもお味噌汁でも、おいしく頂きますよ。木の実は、そうですね。おやつのような感覚で食べるチャオが多いと聞きます。
 ただ、木の実には僕たちの身体能力に即時に影響を及ぼす場合があるという、チャオ用ならではの側面を持ち合わせているのですが……まぁ、この話はまたの機会でいいでしょう。
 さて、夕食の後は、入浴タイムです。カトレアさんに『入浴の方、お供しましょうか』とお尋ねした時に飛んできたぐるぐるパンチは、夕食の際に頂いた炊き込みご飯に勝るとも劣らない味わいでした。
 結局カトレアさんが最初に入浴を済ませ、そのあと僕が入浴し、最後にワカバ殿が入浴を済ませることになりました。
 あぁ、風邪を引いている時は入浴してはいけない、とはよく聞きますが、実はそうでもなくてですね。
 体力を消耗しないように入浴時間を短時間に抑える、入浴後に湯冷めしないようにする、等のポイントに気をつければ、風邪を引いている時の入浴は問題ないそうです。勿論、症状の程度や本人の気分などにもよると思いますが。
 幸いワカバ殿の症状は軽いものですし、ご本人も汗を流してさっぱりしたいとのことだったので、風邪を引いた時の入浴法として、僕の知る限りでの注意すべき事を助言し、実践して頂きました。
 シャワーでさっと汗を流し、湯船に浸かる時間も短めにし、湯冷めしないように入浴後にすぐに布団に入ることです。
 なので、ワカバ殿が入浴を済ませている間に、僕とカトレアさんで二階のワカバさんの部屋に布団を出しておきます。
 その際、カトレアさんに『よろしければ添い寝しましょうか』とお尋ねした時に飛んできた回し蹴りは、夕食の際の頂いた茄子の味噌炒めに勝るとも劣らない味わいでした。
 そんなわけで、ばっちり準備OKの布団に入浴を済ませたパジャマ姿のワカバ殿を迎え入れ、その両脇に僕とカトレアさんが入り込み、三人仲良く夢の世界へ旅立っていきます。
 おやすみなさい、ワカバ殿。カトレアさん――。
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〜チャオの奴隷〜 第六話
   - 09/10/18(日) 13:50 -
  
 ――次の日の朝。
 ワカバ殿の部屋で迎える朝は、それはそれは新鮮味に溢れる目覚めとなりました。
 なんだか、旅行先で宿泊した旅館で目覚めたような、なんとも言えぬ感じです。
 おはようございます、ワカバ殿。
「おはよう、あずき君」
 僕より早く起床していたのでしょう、ワカバ殿はすでに着替えを済ませていました。
 体調のほうは、どうですか。
「うん、もうすっかり治ったよ。あずき君のおかげだね」
 僕は、お礼を言われるようなことは何もしていません。むしろ、ワカバ殿にはいくらお礼を言っても足りません。昨日は本当に楽しい一日でした。
 ところで、カトレアさんはどこに行かれたのでしょう。
「ここだよ」
 そう言って、ワカバ殿は布団を、ぺろり、と捲ります。
 就寝時は、顔が隠れない程度に掛かっていたはずの掛け布団ですが、寝ている間に、もぞもぞとモグラのように潜っていったのでしょうか。
 布団の真ん中ぐらいの位置で、穏やかな寝息を立てているカトレアさんがいました。その寝顔の愛らしさに、僕は天使を見た気がしました。
「起こさない方がいいよ。ご機嫌斜めのカトレアに怒鳴られたくなければね」
 起こしませんとも。この愛らしい寝顔を見つめ続けていられるのであれば。
 ワカバ殿が部屋を出て行き、起床したカトレアさんの右ストレートが僕の顔面に炸裂するまでの数分間、僕は幸せを満喫していました。


 現在の時刻は、午後五時十分。
 昨日に引き続き三人で楽しく過ごしてまいりましたが、そろそろタイムリミットです。
 予定では、そろそろサナエ殿が迎えに来てくれるはずです。リビングにてサナエ殿を待つ間に、改めてお礼を言っておかなければ。
 ワカバ殿、カトレアさん。本当に楽しいひと時でした。どうもありがとうございます。
「うん、僕たちも楽しかったよ。また遊びにきてね」
「二度と来るな」
 カトレアさんの言葉の一つ一つが、僕の心に、忍びの放つクナイの如く突き刺さります。
 昨日と今日で、僕の心に突き刺さったクナイの数は数え切れぬほど。その一つ一つが、僕にとって大切な思い出となっていくのです。
 今回、僕はカトレアさんとの距離をぐっと縮めることができたと確信しております。次に会う時は、お互いの家族に紹介しあって、結婚を前提としたお付き合いに対する認可を頂いて、それから……。
「わーかーばー、あーけーてー」
 おっと、お迎えが来たようです。案の定、呼び鈴は不使用でしたね。
 ぱたぱたと、リビングから玄関へ移動するワカバ殿。その後を、僕とカトレアさんがぽてぽてとついていきます。
 ワカバ殿が、ゆっくりとドアを開けました。僕を迎え入れてくれた時と同じように。
「おっすワカちゃん。あ、あず君。元気だったー?」
 扉の向こうにいたのは勿論、いつもと同じ快晴降雨率0%の輝く笑顔を浮かべた、サナエ殿です。
 ワカバ殿への挨拶もそこそこに、ワカバ殿の足元にいた僕を、サナエ殿が、ひょい、と抱き上げます。
 僕は、とっても元気ですよ。
「元気なのはいいけど、迷惑かけなかった?」
 失敬な。品行方正なチャオであると自負しております。
「迷惑なんて、全然。カトレアとも仲良くしてくれてたし」
 ワカバ殿がそう言った瞬間、ワカバ殿の足元にいたカトレアさんは『あぁ!?』と素っ頓狂な声を上げて、昨日のように台風の如き勢いで食って掛かります。
「私がいつ! コイツと仲良くした! そんな瞬間、無い!」
「二人で本読んでたじゃない」
「み、見てたのか!」
「ちょっと、ね」
 恐らく、ペアルックや帽子のことなどを、カトレアさんとお話していた時のことでしょう。でしょう。二階に上がった振りをして、または忍びの如く物音立てずに二階から降りてきて、こっそり覗いていたのでしょう。
 恐るべし、ワカバ殿。
 覗かれていたと知ったカトレアさんは、その勢力をますます拡大して、ワカバ殿の足をぽてぽて殴り続けています。
「ごめん、ごめん」
 そこまで怒られると思っていなかったのか、ワカバ殿は苦笑を浮かべて、カトレアさんを、ひょい、と抱き上げます。そして、両手を伸ばしてカトレアさんとの距離を開けます。
 振り回される手足がワカバ殿に届くことはありませんが、それでもカトレアさんは、ワカバ殿の手の中でぷんぷんと暴れ続けます。怒っている姿も素敵です。
「ま、まぁとにかく、あずき君のことはしっかり預かっておいたから……。ね、あずき君」
 えぇ、それはもう。
 とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。
「うん、ホントにありがとね。あと、何があったか知らないけど、女の子怒らせるようなことしちゃ駄目だよ」
 そう言ったサナエ殿の視線の先には、動き疲れて息を切らせたカトレアさんの姿があります。
 ワカバ殿はばつの悪そうな顔で、
「う、うん……」
 と、呟くのが精一杯のようでした。


「じゃ、ワカちゃんもカトちゃんも、ホントにありがとね。おばさんにも、ありがとうございましたって言っといてねー」
 本当にありがとうございました。カトレアさん、またお会いしましょう。
 サナエ殿の歩みに合わせて、僕の視界は揺れ、背中越しに感じるワカバ殿とカトレアさんの視線が、徐々に弱くなっていきます。
 曲がるべき曲がり角に差し掛かると、サナエ殿は振り返り、玄関前で僕たちを見送り続けているワカバ殿に向かって手を振りました。
 僕も、サナエ殿の腕の中で小さく手を振ると、ワカバ殿も手を振り返してくれました。早苗殿が再び歩き始めると、その姿は見えなくなりました。
 今回の出来事で、僕のカトレアさんに対する想いは、さらに大きく燃え上がるものとなりました。
 熱く、さらに熱く。愛の炎は僕の心でバックドラフト現象を引き起こし続けているのです。
 しかし、ほどほどにしておかないと、カトレアさんに恋焦がれるがあまり、己の身をも焦がしてしまうかもしれませんね。
 ほら、さっきからなんだか頭がぼーっと……。

 …

 …

「……カトレア、まだ怒ってる?」
「……」
「その、悪気はなかったんだ。ただ、二人で何してるのかな、って、ちょっと気になっちゃって」
「……」
「ごめんね。お詫びするから。……何か欲しいものとか、ある?」
「……」
「カトレア?」
「……じゃあ……その……」
「うん」
「の、覗いた罰として、その、連れてけ!」
「連れてくって、何処に?」
「……帽子、売ってるトコ」

 …

 …

 ――早苗に抱きかかえられたあずき君を見送った、次の日。
「何で私まで! ワカバだけで行けばいいだろ!」
「カトレアも来た方が、絶対喜ぶって。あずき君、お熱だから。……その、カトレアにも、病状的にも」
 あずき君を、無事に早苗に元に送り返して、めでたしめでたし――とは、いかなかった。
 今日の朝、早苗から電話があった。『あずき君が風邪で寝込んでる』と。
 それを聞いた瞬間、僕の背筋は凍りつき、得体の知れない悪寒に打ち震えた。
 風邪は完治したのにも拘らず、である。否、この悪寒は風邪が完治したが故のものなのだろう。
 ……ぼ、僕の風邪がうつっちゃったのかな……。
 人とチャオの間で風邪などうつったりするのだろうか、などという疑問も浮かんだが、何せ、昨日の今日である。
 とにかく、お見舞いに行こう。カトレアも連れて行けば、きっと喜ぶだろう。
 そう思ったのだが、カトレアがお見舞い同行に難色を示していて、今こうして玄関で靴紐を結び直しながら交渉中、というわけだ。
「ね、一緒に行こう。ほら」
 そう言って、あるものを差し出す。
 受け取ったカトレアは、『うぅ〜』と受け取ったものを抱きかかえて唸っていたが、僕の執拗なお願いにとうとう根負けしたようだ。
「行けばいいんだろ、行けば!」
 そう言って、抱きかかえていたものを乱暴に頭に装着する。
 ちょっと無理矢理な気がしないでも無いけど、とりあえずカトレアも連れて行くことに成功したようだ。
「ありがとう。きっと喜ぶよ」
 靴紐を結び終えた僕は、自分の膝の上に置いておいた物を両手で持ち上げ、カトレアと同じように頭に装着した。
「じゃ、行こっか」
 カトレアを抱き上げ、玄関のドアを開けて外に出る。そして、早苗の家を目指して、歩き始める。
 頭には、早苗とあずき君を見送った後に二人で買いに行った、カトレアとお揃いの帽子を被って。
引用なし
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〜チャオの奴隷〜 第六話 おまけ
   - 09/10/18(日) 13:54 -
  
 第六話 おまけ

「あずき君、お熱だから。……その、カトレアにも、病状的にも」
「山田君! 座布団全部取っちゃって!」
「……え?」
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宏作品への感想はコチラへ
   - 09/10/18(日) 15:05 -
  
 没ネタ投稿だったり、聖誕祭への準備だったりで盛り上がっている最中の愚行。空気? 読みません読めません。
 そんなわけで約一年と二ヶ月ぶりのチャオの奴隷。読んでくださった方には多大な感謝の気持ちを贈ります。
 いや、某ゲームをプレイしていたら、久しぶりに書きたくなりまして。書き殴ってみました。
 前々回、前回のお話でワカバ&カトレア分は十分に補給できたと判断し、思い切って彼を話の中心に据えてみました。個人的には、書きたいことは書けた気がするので、まぁ、良し。
 と、言うわけですね。
 感想、苦情、読んだよの一言、死ねばいいのに等ありましたらお気軽に送信してください。私が大変喜びます。
 それでは失礼します……


【スモモ】「って、待て待て待て! 何一人で勝手に終わらそうとしてんだよ!」
【宏】「久しぶりに綺麗に纏めようとしてたのに。邪魔しないでくれたまえ」
【スモモ】「俺の出番は!? 久しぶりの、俺の出番!」
【宏】「なくてもよくね?」
【スモモ】「よくないーい! お前の対談相手としての地位を確立出来ようかとい
      う時に、おまえはさっぱり投稿しなくなっちまうし、お前が久しぶり
      になんか書くっていうから舞台袖(?)でずっと待ってたのに、この
      仕打ちかー!」
【宏】「大丈夫、君の事なんて誰も覚えて無いよ。とっくに居なかった事にされてるんじゃない?」
【スモモ】「!!??」
【宏】「説明しよう。スモモは以前、メモリーカード内のガーデンデータと共に消
    失した、という過去の持ち主で、『消える』とか『リセット』とか、そこ
    らへんにとっても敏感なのだ」
【スモモ】「いいんだいいんだ、どうせ俺なんて、コイツに苦し紛れに作られたゴ
      ミクズキャラクターなんだ」
【宏】「うひゃひゃ」
【スモモ】「うわーん! お前を殺して俺も死ぬ!」
【宏】「冗談冗談、マイケルジョーダン。君はこれからも、私の感想コーナーのレ
    ギュラーだよ」
【スモモ】「ぐすっぐすっ。ほんとに?」
【宏】「ほんとほんと。インディアン嘘つかない」
【スモモ】「べ、別に嬉しくなんかないんだからねっ!」
【宏】「はいはい、ツンデレツンデレ。もっとも、次の感想コーナーがあるかどう
    かわからないけど」
【スモモ】「今なんか言った? すっごく嫌な事のような気がする」
【宏】「言ってない言ってない。インディアン嘘つかない」
【スモモ】「ところで、何で今更、こんなの投稿したんだ? この作品こそ、誰も
      覚えてないしとっくになかったことにされてるだろ」
【宏】「お、いつもの調子に戻ってきたね。今回投稿したのは、上にも書いたが、
    あるゲームをプレイしていて、また書きたくなったからだ」
【スモモ】「何のゲームだ?」
【宏】「ポケモン。一番新しいの」
【スモモ】「ポケモンとこれと、何が関係あるんだ」
【宏】「ほら、今回のポケモンは、手持ちの先頭と一緒に歩くことが出来るんだけ
    どさ」
【スモモ】「うん」
【宏】「『ワカバの後ろを、カトレアがちょこちょこついてきたら面白いかも〜』
     と思って、主人公の名前をワカバにして、エーフィのニックネームをカ
     トレアにしてみました」
【スモモ】「しょーもないことを……」
【宏】「ほら、最初の町の名前もワカバタウンだし」
【スモモ】「関係ねぇ」
【宏】「でも結構面白かったよ。話しかけるたびに、
    『カトレアは きもちよさそうについてきてる!』とか、
    『カトレアは ワカバとあそびたそうだ!』とか、
    『カトレアの ほっぺがあかく なってる!』とか。
【スモモ】「はいはい、デレ期デレ期」
【宏】「まぁ、色々あったけど、一番のヒットはこれかな」


『わ! カトレアがいきなり だきついてきた!』


※宏…消える事に定評あり。
※スモモ…消える事に定評あり。
引用なし
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