●週刊チャオ サークル掲示板
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☆★☆週刊チャオ チャオ生誕10周年記念特別号☆★... チャピル 08/12/23(火) 0:00

【REMEMBER!![リメンバー!!]】 ホップスター 08/12/23(火) 0:04
:【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.1 鳴動 ホップスター 08/12/23(火) 0:04
【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.2 胎動 ホップスター 08/12/23(火) 0:06
【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.3 始動 ホップスター 08/12/23(火) 0:07
【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.4 反動 ホップスター 08/12/23(火) 0:07
【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.5 煽動 ホップスター 08/12/23(火) 0:08
【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.6 脈動 ホップスター 08/12/23(火) 0:09
【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.7 躍動 ホップスター 08/12/23(火) 0:10
【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.8 衝動 ホップスター 08/12/23(火) 0:10
【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.9 激動 ホップスター 08/12/23(火) 0:11
【REMEMBER!![リメンバー!!]】Final.Act 不動 ホップスター 08/12/23(火) 0:12
オマケ:戯言 ホップスター 08/12/23(火) 0:20

【REMEMBER!![リメンバー!!]】
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:04 -
  
※最初に注意
このお話は、かなり早い段階で構想及び執筆に取り掛かっており、
「チャオBの終わらないメンテ」及び「週チャオの休刊」が全く想定に入っていません。
一応全力で修正して現状と矛盾点のないように仕上げましたが、ひょっとしたら修正しきれてないかもしれません。予めご了承ください。
(字数制限もチャオBを想定しているため、無駄に発言数が多いです…)
引用なし
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:【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.1 鳴動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:04 -
  
どこかから、声が聞こえる―――

『・・・い・・・せ・・・』

最初は不明瞭ではあるが、徐々に大きく、そしてはっきりと―――

『・・・おもい・・だせ・・・』

声の質からして、どうやら若い女性のものらしいが―――

『思い出せ・・・!!』

その声の持ち主の姿が見えそうになったその瞬間―――

目が覚めた。


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act1.鳴動


「・・・夢、か・・・」
それにしても妙な夢だとは思う。
普通、夢なんて朝起きて昼には忘れているものだが、午後の授業になっても頭にしがみついて離れない。
いやとんでもない内容の夢ならば覚えているかも知れないが、こんな不明瞭な夢を覚えているなど普通はありえない。

・・・彼の名は神凪誠一[かみなぎ・せいいち]、17歳。高校2年生。

【先生】「神凪!何ボーっとしてんだ!」
そこに先生からの怒鳴り声が飛ぶ。現代国語の名物教師、怒らせたら大変だ。
【神凪】「す、すいません・・・」
ここは平謝りするしかない。

その日の帰りも、彼はそのことばかりを考えていた。
【神凪】「思い出せって・・・何を・・・」

「おい、お前今日どうしたんだよ?」
と声をかけるのは、彼の友人、森下と富永の2人。
【富永】「あの現国の授業でボケっとするなんて、富士の樹海で飛び降りるのと一緒だぞ。」
【森下】「おい、富士の樹海でどうやって飛び降りるっつーんだよ。あそこ崖じゃねぇぞ。」
【富永】「あれ、そうだっけ?」

余談ではあるが富士の樹海は深い森だからこそ自殺者が絶えないのである。崖はない。

【神凪】「わ、悪ぃな・・・ちょっと色々あって。スマン、今日は先帰るわ。」
【森下】「お、おう。何か知らんが、気をつけろよ!」
【神凪】「ああ!じゃあな!」
そう言うと、神凪は逃げるようにして友達のところから離れた。
・・・友達と一緒に帰るとか、そういう気分ではなかった。

12月もいよいよ差し迫ったこんな日は、走ると冷たい風が当たって余計寒い。
神凪は唇を噛みながら、自分の家へ駆け込んだ。
【神凪】(こんな日は部屋でゴロゴロするに限る・・・!)


・・・が、運命はそうはさせてくれなかった。というより、ここから彼の運命は大きく狂った。

家へ駆け込みただいまの挨拶も軽く済ませ階段を駆け上がり自分の部屋に飛び込む・・・ここまでは良かったが。
次の瞬間、自分の部屋の入り口で彼は呆然と立ち止まった。
そこで見たのは、おおよそあり得ない光景である。


・・・見たこともない少女が、自分の部屋を漁っている。

本棚を片っ端から覗いた後、TVラックの下に目を移し、そこに右手を伸ばそうとする。
思わず、神凪は声をあげた。

【神凪】「・・・は?」
するとその少女はこちらに気づき、クルリを向きを変えた。そして。
【少女】「・・・あ゛。」

どうやら自分でもマズイ事をしているということは自覚しているらしい。
次の瞬間、左手に持っていた本をサッと捨ててその場を立ち上がり、逃げようとした・・・が、神凪が捕まえる方が早かった。
【神凪】「悪いけど今日の俺は黙って見過ごす気分じゃねぇんだよ・・・」


【神凪】「・・・まぁ色々言いたいことはあるが・・・単刀直入に目的は何だ?」
するとその少女は、悪びれた様子もなく。
【少女】「あ、事情聴取?てっきり襲うのかと。
     ・・・んー、信じてくれんのかなー。まー信じちゃくれないだろうからコソコソやってたんだけど。」
【神凪】「いや、見知らぬ人がこの部屋にいる時点で信じられねぇから。」
神凪の母親は特にパート等をしている訳ではないので基本的に平日の昼間は家にいる。不審者云々が騒がしいこのご時世、誰かが無断侵入して気づかないはずがない。

【少女】「んー、そうか。」
彼女は諦めたように、まずブッ飛んだ一言。
【少女】「・・・こう見えてもあたし、一応神様なのよねぇ。」
【神凪】「・・・はい?」

少しの沈黙の後、
【神凪】「神様って・・・神様仏様の神様?」
【少女】「うん。だからこーいうとこにも入り放題。
     ・・・だから言ったでしょ?信じちゃくれないだろうって。」
そう言って怪訝そうな目つきで神凪を見る。
【神凪】「あー分かったよ、神様なんだろ神様!で、その神様が俺の部屋に何の用?
     あれか?俺の名字が『神凪』だから神様の親戚だとかそーいう類か?あ?」
既に神凪は半分ヤケクソだ。どんどんまくし立てる。
【神凪】「んでベタな漫画だとその後俺のおかんが『実はウチは・・・』とか言い出して俺が世直しの旅に出るか訳分かんねぇ敵と激烈バトルを繰り広げるかどっちかだがどっちだ!?」

・・・数秒沈黙。その後。
【少女】「んー、100点満点の30点。」
【神凪】「なんだよ30点って。」
【少女】「ぶっちゃけると、悪い敵と戦ってくれる勇者様捜してます、って感じ?別にアンタじゃなくてもいいんだけどね。候補者探しみたいな?」
【神凪】「は、はぁ・・・」

そこで神凪は少し考えた後、
【神凪】「分かった、とりあえず話だけは聞いてやるから話せ。」
【少女】「あいよー。」

<続く>
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【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.2 胎動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:06 -
  
『神様』を名乗る少女が突然神凪の部屋に現れた。
彼女は、その『理由』を説明しだす。


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act2.胎動


【神凪】「・・・『チャオ』?」
【少女】「そ。あたしはそのチャオってイキモノがいる世界の神様なんだけど、その世界がピーンチ!なのよ。」
【神凪】「で、この人間世界とやらで勇者様探しってワケか。」
【少女】「そゆコト。」

・・・しかし、最大の疑問はなお残る。
【神凪】「・・・で、その勇者様探しに何で部屋のガサ入れが必要なんだ?」
すると彼女は笑顔がひきつる。
【少女】「そ、それは・・・その、なんというか・・・ごめんなさい。」
神様、あっさり謝った。どうやら無関係らしい。

【神凪】「・・・何も盗ってないよな?」
【少女】「何か盗るつもりで入ったワケじゃないし。まぁちょっとこっちの世界の調べ物よ。」
【神凪】「ふーん・・・まぁいいや。」

・・・で、一番重要な話。
【少女】「で、勇者様にはなってくれるの?」
【神凪】「やだ。」
即答。

【少女】「・・・」
【神凪】「んな面倒なコトするかっての。ミスったら死ぬだろ?」
【少女】「まぁザックリといくわね。」
【神凪】「ザックリ・・・まぁそういう訳で、悪いが他をあたってくれ!」
と、言い切った。

彼女はその様子をみて、これ以上説得するのを諦めた。そして、急に表情を変えた。
【少女】「んじゃそうする。・・・だけど、最後に1つ忠告しとくわ。
     危機に陥ってるのはチャオ世界だけど、その影響はこちらにも及んでる・・・」
【神凪】「・・・!」
思い当たるフシがあった。ここ数日、マスコミを賑わす謎の失踪事件。
無関係の人が次々と行方不明になり、もう既に30人を越えている。
【少女】「無理に勇者様になれとは言わないわ。でもせめて、被害者にならないようにはすべきね。
     ・・・それじゃ!」
すると彼女は部屋を出ようとした。が、神凪は右手を伸ばして彼女の肩を掴み、それを止めた。
【神凪】「折角の縁だ、最後に名前だけ聞いておこうか・・・最も神様に名前があるのかどうか俺は知らないけど。」
【少女】「そうね。『アリサ』よ。まぁ、仮名みたいなもんだけど。
     ・・・それじゃ、今度こそ、いいかしら?」
【神凪】「ああ。」

すると彼女はタン、と軽くジャンプする仕草をすると、空へと舞い上がり、部屋の天井をすり抜けて、消えた。

【神凪】「神様、か・・・」

・・・その瞬間、思い出した。
【神凪】「まさか!!」

昨夜見た、『悪夢』。
『思い出せ』、と叫ぶその声は、今立ち去った『神様』と同じ声だった―――

【神凪】「何を思い出せってんだ・・・」
だが、そもそも忘れているから思い出せと言われている訳で、何を思い出せばいいのか分かるはずがない。


その夜、彼は夢を見なかった。見た記憶が、無かった。


【森下】「おい、本当にどうしたんだ?この前から・・・」
【富永】「今日もボケっとして怒鳴られてたよな。」
【神凪】「何でもないっつってんだろ・・・」
その数日後の日曜日、3人で遊びに行った帰り、数日前と同じような会話を繰り返す。ある意味、それは日常でもある。

・・・が、その日常は、あっけなく崩壊した。

帰り道にある交差点、森下と富永は脇道へ曲がり、神凪は直進する。そこまでは普段通り。
神凪が2人に対し言い忘れがあった事に気づき、クルリと回り、戻って2人の曲がったほうを見た。その時―――


2人が、消えた。


神凪が見た瞬間には、まだ2人の姿があった。が、刹那、2人の姿が消えた。
【神凪】「・・・!?」
声も出ず、その場で立ち尽くす神凪。何が起こったのか分からない。しばらく、彼の耳にはどんな音も入らなくなった。

【神凪】「森・・・下・・・?富永・・・!?」


そこで、『声』が耳に飛び込んだ。
聞き覚えのある声。これは―――昨日の―――そう、『神様』、アリサ。

【アリサ】「あっちゃー、まさかこんなに深刻だとはねぇ・・・。」

神凪はその声のする方、右後ろを振り向き、突然胸倉を掴む。
【神凪】「おい・・・どういう事だよ・・・まさか・・・」
【アリサ】「ちょ、いきなりオンナノコの胸倉掴むって何よ!?」
その一言で神凪はその手を緩め、離す。アリサは苦しそうに右手を自らの喉に当てた。
【アリサ】「はー、はー・・・まぁそういう行動に出たくもなるわよね・・・
      確認するけど、今の2人は・・・オトモダチ?」
【神凪】「ああ・・・」
ゆっくりと頷く神凪。

少しの間を置いて、アリサは話す。
【アリサ】「『闇の侵食』よ・・・昨日言ったチャオ世界ってところで『闇』が広がって、その闇がこの世界にも侵食し始めた・・・」
【神凪】「どうやったら止められるんだ?あいつらは戻ってくるのか!?」
【アリサ】「これは推測でしかないけど・・・『闇』を操っている者がどこかにいる。そいつを止めれば侵食は止まる。
      そして『闇』を完全に消せば、消えた人はみんな戻ってくる・・・」
【神凪】「分かった・・・昨日は断ったが、事情が変わった。俺がその勇者様とやらをやるよ・・・!」

<続く>
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【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.3 始動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:07 -
  
決めた神凪。受けたアリサ。するとアリサは右手をサッと振ると、光の剣を作った。

【アリサ】「とはいえ、フツーの人間をいきなり戦場に放り込むワケにもいかないし。
      かといってのんびり鍛えてる暇も無さそうだし・・・この手でいくわ。ちょっとコレ持って。」
するとその光の剣を神凪に渡す。受け取る神凪。
【神凪】「な、何を・・・」

すると次の瞬間、アリサの姿までも消えた。


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act3.始動


【神凪】「・・・おい、アリサ!?・・・まさか!?」
アリサすらやられたか。全てを覚悟した瞬間、異変が起こった。

光の剣を持った右手が、勝手に動いたのである。

【神凪】「!?」
すると、彼の脳内に声が響いた。
【アリサ】(いわゆる憑依ってヤツね。あたしが体を動かすから、アンタは感覚を覚えなさい!)
アリサは神凪の体を乗っ取って操り、神凪に無理矢理「戦いの感覚」を覚えさせようという腹積もりである。
【神凪】「えええっ!?ってか、敵なんているのかよ!?」
ごもっとも。剣を持ったところで、敵がいなければ意味は無い。

が、彼女にはアテがあった。
【アリサ】(この感じ・・・学校!)
【神凪】「分かるのかよ!」
【アリサ】(あたしを誰だと思ってるのよ!)
・・・神様です。

という訳で、アリサは神凪を『操って』、学校の方へと駆け出した。

神凪は走らされながら、アリサの話を聞かされる。といっても、自分以外には聞こえるはずもないが。
【アリサ】(あーそうそう。あたしに話しかける時は、念じるだけで大丈夫よ。誰もいないのに喋りまくって頭がおかしい人と思われないことね。)
【神凪】(そう思われたら確実にお前のせいだろ!)
【アリサ】(でも他の人に今のあたしは見えないもーん。)
【神凪】(ち、ちくしょお・・・っ!!)


そうこうしているうちに、毎日通う道を逆戻りして、学校へと到着。神凪は、すぐにその『異変』に気がついた。
【神凪】「おい、ちょっと待てよ・・・日曜でもこの時間なら部活やってる連中とかいるはずなのに・・・人の気配がしねぇ・・・!」
【アリサ】(やっぱり・・・いくわよ!)
アリサは再び神凪を操り、玄関へ飛び込む。

【神凪】(マジで誰もいねぇ・・・)
毎日見ている景色。だが異様な雰囲気に包まれ、人の姿はどこにも無い。

・・・が、次の瞬間、『気配』を感じ取った。
【アリサ】(・・・来る!!)


・・・廊下を曲がって現れたその人の姿に、神凪は驚いた。
【神凪】(が、ガキじゃねぇか・・・!それも女の子・・・!)

現れたのは、10歳ぐらいの女の子。さらに驚くべきことに、彼女の服はいわゆる「ゴスロリ」と呼ばれるものである。
【女の子】「・・・誰? わたしの、邪魔をするのは・・・」
そう、小さくつぶやく。
【神凪】「お前がこの騒ぎの犯人か!?」
【女の子】「犯人・・・そうね・・・わたしは、復讐に来たの・・・夢を忘れた人間に・・・」
【神凪】「だからって・・・こんなことしていい訳ねぇだろ!!」
と、語気を強める。

【アリサ】(おーう、その調子その調子!勇者様っぽくなってきたねーっ!)
【神凪】(そこ、茶化すな!一応こっちもダチが消えて必死なんでな・・・)
【アリサ】(とにかく・・・いくわよ!)
するとアリサは剣を構えさせ、いきなりその女の子に突っ込んだ。


その女の子は、左手をすっと前に出すと、
【女の子】「防御[Guard]。」
一言発する。するとバリアのようなものが張られ、神凪を弾き返す。

【神凪】「っ・・・!」
【アリサ】(どんどんいくわよ!)

二撃、三撃、四撃と、次々と剣を叩き込む神凪。だが彼女はそれを全て弾くと、
【女の子】「攻撃[Attack]。Shift…剣[Sword]。」
そう唱える。すると右手に光が集まり剣が生まれ、今度は彼女が神凪に突っ込んできた。

【神凪】「おわあっ!?」
【アリサ】(落ち着いて!)
そう言いアリサはその子の剣を神凪に受け止めさせる。だがその後も、物凄い速さで剣を打ち込む。まるで、
【神凪】(こいつ・・・本当に人間か!?)
と思わせるぐらいに。

神凪もアリサの憑依により何とかそれを全て弾く。カン、カンと剣のぶつかる音が夕方の無人の校舎に反響する。
【神凪】(くっ…何とかならねぇのかよ!)
【アリサ】(最初はいけると思ったんだけど…予想以上だわ。)

だが、それは向こうも同じだったらしく、
【女の子】「データにない人間が、ここまで対抗するなんて・・・一時、撤退・・・」

すると、その子は突然姿を消した。目の前で、跡形もなく。

【神凪】「消えた!?」
【アリサ】(助かったみたいね・・・)

同時に、異様な雰囲気も消え去り、学校は普段の色を取り戻した。ただし、消えた人間は戻ってこずに、無人のまま。

【神凪】「くそっ、一体どこに・・・・!?」
・・・その次の瞬間、神凪は体中に激痛を感じ、その場にへたり込んだ。
日常生活ではまずあり得ない超高速戦闘を(操られたとはいえ)行ったのだ。体が悲鳴をあげるのも、当然である。

<続く>
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【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.4 反動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:07 -
  
学校での激突の翌日。激しい筋肉痛は止まらず、神凪は学校を休んだ。
・・・そして部屋では、アリサが『あの日』と同様に座り込んでいる。


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act4.反動


【神凪】「くっ・・・起き上がるのもキツイってどーなってんだ・・・」
そしてアリサはそれに味を占めたのか、テレビのスイッチを入れた。

【レポーター】『昨日夕方、県立第二高校の生徒及び教職員計24名が失踪した事件につきましては、・・・』

24名。これが平日であれば、さらに倍以上に増えていただろう。日曜日だったからこそ、この人数で済んだともいえる。

【アリサ】「ま、こればっかりは慣れしかないんじゃないの?」
と言いつつ、部屋にあったお菓子をつまむ。
【神凪】「あっ、俺の…ってこの際どうでもいい。
     あの女の子・・・なんなんだ?というか、どこまで知ってるんだ?この事件のことを・・・」
結局、まだ神凪は何も知らされちゃいないのだ。

【アリサ】「そうねぇ、まず、あの女の子だけど・・・コードネーム『カレン』、らしいわ。
      といっても、あたしが知ってるのはそれぐらいで、どこの世界の住人なのか、そもそも人間かどうかすらわかんない。」
【神凪】「カレン・・・」
【アリサ】「分かってるのは、彼女が『侵食する側』、だということと、めちゃめちゃ強いってこと。
      これはあたしの推測だけど、昨日の学校みたいに闇の侵食がうまくいくかどうか確認して、あたしらみたいな邪魔者を排除する役割だと思う。」
【神凪】「そういや、復讐とか言ってたな。夢を忘れた人間に、だっけか?」
【アリサ】「そうねぇ。でもそれだけじゃ何も推測しようがないじゃん。」

そもそも、『夢を忘れた』のは特定の人間なのか、それとも人類全体に対するものなのか。
前者にしては無差別すぎるし、後者にしては小規模すぎる。最も、この方法しかできない、という可能性もあるが。
いずれにせよ、今のままでは不明点が多すぎるのだ。


しばらくテレビの音声だけが部屋を占める。

少しして、神凪が「もう1つ」の疑問に触れた。
【神凪】「そういえば・・・お前が神様をやってる『チャオ世界』って、どんな世界なんだ?」
するとアリサは少し考え込んだあと、
【アリサ】「そうね・・・行ってみる?」
と、逆に聞き返した。
【神凪】「行ってみるって・・・」
【アリサ】「チャオ世界に。それも、今。」
【神凪】「はぁ!?」


神凪が聞き返したその時、突然どこからもなく光が溢れ出し、思わず目を伏せた。
・・・数秒後、目を開けると、そこには草原が広がっていた。

【神凪】「なっ・・・!?」
【アリサ】「ここが『チャオ世界』よ。最も、今は闇の侵食でこういう場所はほとんど無くなってきてるけど・・・」

戸惑いつつ、辺りを見渡す。
すると、前方から、見慣れない生き物が現れた。こちらに向かってくる。
【神凪】「!?」
【アリサ】「あれが、チャオ・・・この世界に住む生き物の名前。だからここは、チャオ世界。」
すると彼女は一歩進み出て、やってみたチャオを抱え上げる。

【神凪】「なるほど・・・」
それを横で見ていた神凪。だが、妙な感覚に襲われていた。

【神凪】(知らないはず・・・初めて見たはずなのに・・・どこかで見た事あるような・・・
     知っている・・・?俺は『チャオ』を知っている・・・?)

どこかで見たことがあるような気がするが、全く記憶に無い。
彼は、これがいわゆる「デジャヴ」なのかと、無理矢理納得した。そうでないと、収まらないからだ。

【アリサ】「ん?どうかした?」
彼女も神凪の『異変』に気付くが、
【神凪】「んや、何でもない。」
と軽く流した。


と、その時。
【アリサ】「・・・!!!」
アリサの表情が変わった。
【アリサ】「・・・来る!?まさかここまで!?」
【神凪】「まさか、あいつが!?」
【アリサ】「ええ・・・この子を頼める?」
と、彼女は抱えていたチャオを神凪に見せる。
【神凪】「つったって、どうすれば!?」
【アリサ】「とりあえず、あの方向ならまだ安全なはず!」
と、右後方を指差す。
【神凪】「おし、とにかく走って逃げるから、追い払ったら追っかけてくれ!」
【アリサ】「分かったわ!」
そして、チャオを神凪に渡す。

【神凪】「っしゃああっ!」
神凪は草原を回れ右して、チャオを抱えて走り出した。
それを確認するとアリサは、

【アリサ】「さてと・・・神様を怒らせると、恐いわよ・・・」
スッと一瞬目を閉じた後、正面の彼方を見つめた。

・・・その彼方から猛スピードでアリサに迫ってくる『影』は、昨日戦ったカレンに間違いなかった。


【神凪】「け、結構重いのな、お前・・・!」
チャオを抱えて走りながら神凪はそうつぶやいた。さっきまで動けなかったはずの筋肉痛は、全くしなかった。

<続く>
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【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.5 煽動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:08 -
  
アリサにとって、昨日の戦いは人間世界だった上に、神凪に憑依して戦うという制限付きの戦いであった。
だが今は、自分の支配する世界であるチャオ世界。それに、神凪もいない。
本気を出さない理由は、無かった。


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act5.煽動


次の瞬間、アリサは背中から巨大な翼を広げ、カレンを包み込もうとする。
【カレン】「・・・!!」
それを見て動きを止めるカレン。やがて、巨大な『包囲網』が完成した。
【アリサ】「いくらなんでもこれなら!!」
そして、その全周囲から、無数の光線をカレンに浴びせた。中央で、巨大な爆発が起こる。


【神凪】「!?」
その爆音に驚き振り向く神凪。だが、もう何が起こってるのかよく分からないような場所まで来ていた。
すぐに再び走ろうと、正面を向きなおしたが―――


【アリサ】「フェイク!?」
爆発が起きた場所に残されたのは、真っ黒に焦げた人形。その形跡から、カレンと同じ服を着ていたことがやっと分かるぐらいだ。
つまり、見事に騙された訳である。
【アリサ】「本物はどこに―――まさかっ!?」


神凪の正面に、人の姿があった。
【神凪】「なっ・・・!
     か、カレン・・・っ!!」
アリサと戦ってるはずのカレンが、目の前にいる。状況は、圧倒的不利。武器もない上に、チャオを抱えてる。
【カレン】「あちらは・・・フェイク・・・」
彼女は神凪の心の中を読み尽くしているが如く、そう答える。
【神凪】「な、なんで俺を・・・っ!」
【カレン】「『寄り代』を消せば・・・彼女は人間世界で再び無力になる・・・」

前日、アリサは最初の戦いの際、「神凪を戦えるようにするために」と言い憑依したが、実はもう1つ理由がある。
人間世界では、彼女の力は弱まってしまい、一人ではマトモに戦えないのだ。だからこそ、『寄り代』となる人間が必要。

両者がチャオ世界にいる今は、『神様』として暴れ放題のアリサより、神凪を叩く方がどう考えても楽である。

そして、カレンが剣を抜く。
【カレン】「これで・・・!」
【神凪】「ぐっ・・・!」
神凪は覚悟した。チャオは泣き出すが、それどころではない。そもそもこのままでは、どちらも―――

その瞬間、神凪の後方から一条の光が延び、カレンの胸を貫いた。

【神凪】「!?」
【カレン】「・・・!!」

振り向くと、アリサの姿が。ギリギリ間に合った。
【アリサ】「ふーっ・・・このあたしが不覚をとるなんてね・・・」

カレンはというと、胸部にポッカリと穴が空いた状態でしばらく動かずに止まっていたが、その後、両足の先から『崩れ出した』。
彼女の体が、足先から小さくて青い立方体になり、バラバラと崩れていき、それが消えていく。
【アリサ】「・・・!!」
【神凪】「こ、これは・・・まさか、こいつ・・・」
【アリサ】「デジタルデータ・・・ゼロとイチの化身・・・」

彼女は、『プログラム』だったのだ。
ここから導かれることは、つまり、このプログラムを組んだ『人間』が、どこかにいるはず、ということ。

呆然として見ているうちに、カレンの姿は徐々に消えていき、やがて頭も完全に消えた。
しばらくの沈黙の後、神凪が喋り出す。

【神凪】「つまり・・・チャオ世界を通じて人間世界を滅亡させようとした『犯人』が、俺達の世界にいるってことか・・・!?」
【アリサ】「ええ・・・でもどうしてそんな面倒なことを・・・?」
その謎が残る。これだけのプログラムを組むことができる人間ならば、直接世界に手を下すことだってできるはずなのだから。

【アリサ】「・・・とりあえず、当面の脅威は去ったわ。今日は戻って寝ましょう。」
闇の侵食自体は消えておらず、その広がるペースも変わらない。いなくなったのは監視者だけなのだから。
だが、とりあえず今日は休んでおいたほうがいい。その思いは、神凪も同じだった。
【神凪】「ああ、そうだな。・・・ところでコイツは・・・って寝てるな。」

いつのまにか、泣いていたチャオは、すやすやと寝ていた。
神凪はそれをそっとアリサに渡すと、次の瞬間にはもう、自分の部屋に戻っていた。


【神凪】「ふーっ・・・・いでででっ!!」
ベッドに転がって安心すると、収まっていた筋肉痛が再発した。あまりの苦痛にベッドから転げ落ちる。
その勢いでテレビの横のラックにぶつかり、しまっていた漫画やゲームソフトが一斉に部屋に散乱した。・・・元々お世辞にも片付いてるとは言えない部屋ではあるが。
【神凪】「あ゛ーっ!!」
体の上にも容赦なく落ちてきた漫画やゲームソフトに、思わず叫び声をあげる。今は家は留守で、反応する者はいない。アリサも今日はチャオ世界に戻っている。

これを片付けるのは明日だろうなぁ、と思いつつ、ふっと床を見る。
【神凪】「な・・・っ!!」
そこには、『あるもの』が落ちていた。

<続く>
引用なし
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【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.6 脈動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:09 -
  
翌日、神凪の筋肉痛は完全に引いていた。だが、神凪は学校を休んだ。アリサを待つために。

午前中、部屋でぼーっとテレビを見ていると、アリサがどこからともなく現れた。


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act6.脈動


【アリサ】「ちーっす。ゆっくり寝れた?」
すっかり馴れ馴れしい口調で話し掛ける。
【神凪】「まぁな・・・」
【アリサ】「ってか随分散らかってるねー。何かしたの?」
と、漫画やゲームが散乱してる部屋を見ていう。無論、昨日神凪が散らかしたものである。
【神凪】「昨日帰ってからちょっとな・・・」
     それより、話があるんだ。」
【アリサ】「うん?」

と言うと、神凪はゲームや漫画の山から、1つのゲームソフトを取り出した。


・・・ソニックアドベンチャー2バトル。


それは7年前、小学生の時に、親に買ってもらったゲームソフトだった。
本編を半年ぐらいかけてクリアし、チャオもエンブレム集め程度にやったところでしまいこんでそのまま。売らずに残ってるのが奇跡的なぐらいである。

それを手に神凪が言う。
【神凪】「昨日チャオを見たときに妙な既視感に襲われたんだが・・・偶然こんなもんを見つけちまったよ。」
するとアリサも一気に表情を崩す。
【アリサ】「あーそれそれ!つまりあたしらはゲームの世界の中の住人なのよ!」
【神凪】「あっさり言うのか・・・」

そして、アリサはチャオ世界と自分についての『種明かし』をした。


チャオ世界が危機に陥っていると言っても、いきなり何も知らない人間に助けてもらえるとは思えない。
だが、チャオを知っている人間ならば話が早い。そこでどうするか。

神様の『能力』を使ってソニアドシリーズの所持者の家を探し、片っ端から当たっていたのである。
但し、所詮はゲームキャラ。忘れてる人もいるだろう。だからこそ、部屋の「ガサ入れ」が必要だったのだ。

【神凪】「そうか・・・それじゃ、あの夜の夢も・・・」
【アリサ】「夢?」
【神凪】「アリサと似たような声が、思い出せって連呼してたんだよ。」
【アリサ】「あー、あたしの能力で持ってる人の家見つけた時に脳に干渉入っちゃったかな・・・」
神凪は納得し、話を続ける。

【神凪】「でもよ、かなり前のゲームだぞ?今やってる奴なんて・・・」
【アリサ】「いるのよ。」
神凪の言葉を遮るように、アリサが強い口調で言い切った。

するとアリサは、部屋にあったパソコンの電源を入れ、IEを開き、アドレスを打ち込んだ。
http://karakuri-clock.com/WCC/c-board38/c-board.cgi

【神凪】「まだ『生きてる』・・・」
【アリサ】「これだけなら、狂信者、の一言で済ませればいい。だけどね・・・」

しばらく黙った後、アリサが語ったのは、チャオ世界で、最も重要な事実。

【アリサ】「チャオ世界は、どうやら人間がチャオ関連行動で費やした電気がエネルギー源みたいなのよ。」

つまり例えば、誰かがGCなりDCを起動してチャオを育てる。誰かが週チャオやチャオ関連の掲示板で発言する。そこで使った電気が、チャオ世界の太陽となる。

【神凪】「そんなバカな話が・・・あるんだろうなぁ。」
半分諦めたように、神凪もつぶやいた。今まで自分が目にしてきたことを考えれば、そんなこともあっておかしくない。

【アリサ】「もちろん、かなり前のゲームだから、もうあんまりチャオを育ててる人もいない・・・
      そのためのエネルギーの弱まりが、闇の侵食を許す原因になった・・・」

そのセリフは、神凪にある疑問を抱かせた。そこで、わざと悪意を持って聞き返す。
【神凪】「・・・つまりあれか?チャオを育てなくなった俺達のせいってか?」

だが、アリサの返答は途中で途切れた。
【アリサ】「いや、そうじゃなくて、・・・!!これは・・・!」
【神凪】「どうした?」
と聞くが、アリサの答えは大体予想できた。
【アリサ】「闇の侵食が・・・加速してる・・・!」

【神凪】「・・・どうするんだ?」
神凪が改めて訊く。
【アリサ】「カレンがプログラムと分かった以上、これも犯人がコンピュータを使って操作してる可能性が高いわ。となると・・・電脳世界か・・・」
アリサの口から何の躊躇も無く、『3つ目の世界』が飛び出した。
【神凪】「で、電脳世界?」
【アリサ】「ええ。漫画やアニメだけの御伽噺[おとぎばなし]じゃないわ。ただその中に普通の人間が入れないってだけでね。」

すると彼女は、チャオBが表示されたままのパソコンに、右手を突っ込んだ。画面の中に吸い込まれるように、右手の手首から先が消える。
【アリサ】「あたしにつかまって!いくわよ!」
【神凪】「あ、ああ!」
神凪は言われるがまま、自らの右手でアリサの左手を掴む。
するとアリサは一気にモニターの中に飛び込んだ。続いて、神凪もモニターの中に消えた。

<続く>
引用なし
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【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.7 躍動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:10 -
  
電脳世界。そこは、光と闇の世界。
基本的には闇で構成されているが、そこを無数の光が飛び交う。
そこをアリサは、光の矢をかいくぐるように突き進む。


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act7.躍動


そのアリサに、必死でつかまってるだけの神凪。
【神凪】「だ、大丈夫なのかよこれ!?」
【アリサ】「まぁ任せといてって!」

すると、アリサはさらにスピードを上げる。
【神凪】「うひいっ!」

そのスピードにだいぶ慣れてきた頃、神凪がふと思ったことをアリサにぶつける。
【神凪】「・・・って、そもそも光に当たるとどうなるんだ?」
【アリサ】「この世界を飛び交う光はつまり、信号、というか通信。
      ぶつかってもあたしらに害はないけど、届くはずのメールが届かないとか、重要な情報が通信できないとか、そういう事になるわね。」
【神凪】「へぇ・・・で、犯人をどうやって探すんだ?」
【アリサ】「あれだけの事をやるんだから、当然たくさんの通信が必要。となると・・・」
【神凪】「この世界で光をたくさん出しているはずって話か。でも、他の通信をたくさん出すような場所って、普通にあるだろ?」

大企業や官庁クラスであれば、当然たくさんの通信をしてるはずである。が、彼女には判別できる根拠があった。
【アリサ】「確かにそうだけど、そういう場所って、受信もたくさんしてるでしょ?
      いずれにせよ、あれだけの事をやるんだから絶対的に送信量のほうが多いはず・・・」
【神凪】「なるほど・・・」
そんな場所を見つけ出す。大量の光を避けながら。神様ならではの芸当だ。


【アリサ】「・・・候補は絞れたわ・・・あと3ヶ所・・・」
【神凪】「こっからは勘、か?」
【アリサ】「そうねぇ、でも・・・」

と、アリサはそのうちの1ヶ所の目の前に移動した。
すると、右手をスッと前に出す。
【神凪】「・・・?」
【アリサ】「恐らくハズレの2ヶ所は凄腕のハッカーか何かね・・・となると・・・」
その右手から一発、光の矢をその『場所』に向けて撃った。

すると、規則正しく放たれていた光の矢が、乱れた。
【アリサ】「当たりね・・・この程度のパケット送信で動揺してるなんて・・・」
【神凪】「普通攻撃してるところに攻撃受けたら動揺しないか?」
【アリサ】「ああいう事をやってる奴はこの程度は想定内、らしいわ。
      ・・・さて、いくわよ。」
【神凪】「あ、ああ・・・」

神凪は息をのんだ。アリサが言うには、ここに犯人がいる。
チャオ世界を通じ『闇』を侵食させ、無関係の人すら巻き込もうとした人間が。

そして、アリサに続いて、その無数の光が飛び出している『点』へ、飛び込んだ。


そこにいたのは、一人の女性だった。
【女性】「な、なんで・・・こんな、ことが・・・っ!!」
さすがに驚いている。というより、驚かない人間はいないだろう。パソコンのモニターから人間が2人出てきたのだから。

するとアリサは、今自分たちが『出てきた』パソコンを少しいじる。
【アリサ】「やはりビンゴだったみたいね・・・
      闇を侵食させてこの世界をも滅ぼそうとした犯人・・・」
【女性】「・・・っ!」
彼女は唇を噛む。バレてしまった、という表情だ。

【神凪】「この人、ひょっとして・・・」
神凪には、その顔に見覚えがあった。
【アリサ】「知ってるの?こっちの世界の有名人とか詳しくないけど・・・」
【神凪】「ああ、前にテレビで見たことがある・・・
     弱冠22歳にして数々の大企業のシステム構築を請け負う天才プログラマー、黒川紀子・・・!!」

その女性、つまり黒川は、椅子にカタンと座った。
【黒川】「・・・で、私を捕まえに来たの?」
【アリサ】「残念だけどあたしらは警察でもなんでもないわ。ただあたしは、自分の世界が侵食されて消えてしまうのが嫌なだけ・・・」
【黒川】「自分の・・・世界?」

そこでアリサは、自分のことについて話す。
すると黒川は、何かを思いついたようにパソコンをカタカタといじると、大きくため息をついた。
【黒川】「まさか・・・自分で自分の首を絞めるとはね・・・」
【神凪】「自分の首?」
【黒川】「チャオ世界・・・正式名、『IDOLA』[イドラ]を創造したのは、他でもない私よ・・・アリサ、あなたもね・・・」
【アリサ】「・・・え・・・!?」

そこで、アリサの動きが止まった。明らかに動揺している。
黒川はこう説明した。

アリサは、チャオ世界(=IDOLA)が昔から存在しているように思っているが、実は違う。黒川が数年前に自らプログラムして創りあげたものだ。
だが、既に天才と騒がれ、業界で注目されていた彼女にとって、創りあげたものを管理する暇はなかった。そこで、『管理者』を創造した。

後に、黒川がIDOLAを利用した侵食を企てた時に、『管理者』をその『監視者』として作り変えた。
【アリサ】「監視者・・・カレンっ!!?」
【黒川】「ええ、そうよ・・・」

だがその後、黒川がチェックしていない所である予期せぬ事態が生じる。
元々管理者にあった『良心』が、カレンから分裂して、別の人格になった。
【黒川】「それが貴方・・・アリサ・・・」
【アリサ】「嘘・・・そんな・・・っ!!」
その場に崩れ落ちるアリサ。

<続く>
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【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.8 衝動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:10 -
  
崩れ落ちるアリサ。その一方で、神凪は黒川の部屋を見回していた。
【神凪】「これは・・・ソニックのゲームにグッズ・・・こっちはナイツ、ぷよぷよ、ファンタシースター、この前発売されたばかりのワールドアドベンチャーもある・・・ソニックチームのゲームばかり・・・」
前日の夜、家にソニアド2バトルを見つけてから、色々とソニックチーム関連について調べていた。見れば大体わかる。
・・・そして、1つの疑問が生まれた。
【神凪】「なぁ、何でだ・・・?
     自分でチャオの世界を創っちまうぐらい、チャオが好きなんだろ?じゃあ何で、IDOLAを利用して世界を滅ぼそうとするんだよ!!」


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act8.衝動


すると黒川は、神凪の方を振り向くや否や、こう叫んだ。

【黒川】「これ以上・・・絶望したくないのよ!!!

     創世記の旧チャオBを見て、チャオは絶対有名になるって信じたのに!!
     旧チャオBの大物たちが、チャオを永遠に支え続けるって信じたのに!!
     ソニアド2発売を聞いて、チャオの無限の可能性を信じたのに!!
     ゲームキューブに移植して、今度こそチャオが広まるって信じたのに!!
     新チャオBにたくさんやってきた子供達が、チャオの未来を支えるって信じたのに!!
     署名運動が始まるって聞いて、絶対にチャオを救ってくれるって信じたのに!!

     ・・・私はその度に絶望した・・・」

その語気の強さに、神凪の動きは止まった。彼女の言っていることの細かい意味は、神凪には分からない。
ただ、言いたいことはおおよそ察することができた。この人は、昔からチャオを見ている。そして、チャオが育成できる新作ゲームは、ここ数年出ていない。それが把握できれば十分だ。

【神凪】「それで・・・チャオ10周年で週チャオも終わってしまう今、自棄[やけ]になって全部壊そうって・・・」
【黒川】「でも、もう私の負けよ・・・このままチャオも私も消えていく・・・何事も無かったかのように・・・」

彼女がプログラマーになったのも、全てはチャオのため、IDOLAを創るためだったのだ。
でも、いくら自分が有名になって天才になったところで、チャオが有名になる訳ではない。
何より、IDOLAを創ったところで、結局はそれは偽物でしかないのだ。決して本物にはなり得ない。

【黒川】「IDOLAを創ったのはただの自己満足だって気づいてから・・・破滅願望が出てきた・・・
     なんでみんなこんなにかわいいチャオを分かってくれないのって・・・なんでみんな忘れていくのって・・・!」
【神凪】「だから、世界をIDOLAから滅ぼそうとするって・・・!」

その時、神凪にある台詞が頭をよぎった。
『復讐に来たの・・・夢を忘れた人間に・・・』
カレンのこの言葉である。そしてつまり、黒川の憎悪対象は、チャオという存在を忘れていた自分のような人間だと悟った。

と、同時に、こんな言葉が口をついて出た。
【神凪】「やってられるかよ・・・たかがゲームキャラ1つ忘れただけで復讐されて滅ぼされるなんて・・・やってられるかよ!!!
     ・・・なぁ、どこだよ!?てめぇの勝手な逆恨みで消えた森下と富永はどこだよ!!行方不明になった何十人って人間はどこにいるんだよ!!!」
気がつくと、それは怒りに任せた叫びに変わっていた。

黒川は力なくうつむきながら、カタン、と自分の椅子に座り込む。
【黒川】「闇を消せば、行方不明者は戻ってくる・・・だけど、プログラムは不可逆・・・もう戻れない・・・戻れないのよ・・・!!」

神凪はそれを聞くと、
【神凪】「ちくしょおおおっ!!!」
やり場の無い怒りを、ベッドに向かって蹴りこんだ。ここで黒川にあたっても無意味だ。


ところが。
【アリサ】「いや・・・いけるわ・・・1つだけ方法がある・・・!」
突然、アリサがそうつぶやいた。
【神凪】「!?」
そちらを振り向く神凪。
【アリサ】「闇の侵食がこれ以上加速することはない・・・ならば、それ以上の速さで、逆に『光』で闇を侵食してしまえばいい・・・!」
【黒川】「闇以上の、光・・・?」
さらにアリサは続ける。
【アリサ】「言ったでしょ?チャオ世界…IDOLAのエネルギー源は、この世界でみんながチャオ関連に費やす電気だって・・・」

・・・そこで神凪は気がついた。
【神凪】「・・・まさか!!!」
【アリサ】「ええ。この世界でたくさんの人間が一斉にチャオ育てを始めれば・・・!」

【黒川】「無理よ・・・無理よそんなの・・・無理に決まってるじゃないの!!」
それを聞いた黒川が絶叫する。半分目が笑い、狂ったような表情で。
【黒川】「もう何十人ってレベルの人間しかチャオを育ててないのよ!?どうやってそれだけの人間にチャオを思い出させるのよ!!
     こんな話をして信じてくれる人間が一人でもいると思ってるの!?奇跡でも起こらない限り無理よ!!」
だが、神凪はこう言い放った。
【神凪】「アンタ、チャオが好きなんだろ!?だったら、チャオを、チャオラーを信じろよ!!
     チャオラーが起こす奇跡を信じろよ!!それが本来とるべき行動じゃねぇのかよ!?」
【黒川】「・・・・・」
黒川は何も言い返せず、黙り込んでしまった。


<続く>
引用なし
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【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act.9 激動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:11 -
  
神凪はアリサに問う。
【神凪】「アリサ、どうすりゃいい?」
【アリサ】「やっぱり、一番はチャオBだけど…今は書き込めないから…週チャオの掲示板!」
黒川のパソコンを借りて、掲示板を開くアリサ。


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】Act9.激動


【アリサ】「ハンドルネームは・・・とりあえず『K』にしときましょう。」
そして、文章を考える。
【アリサ】「実は、今起きている行方不明事件は・・・」
バカ正直に行方不明事件のことを書こうとするアリサだったが、
【黒川】「・・・それじゃダメよ・・・」
【神凪】「黒川さん!?」
黒川が止めた。
【黒川】「本当の事を書いたら、大騒ぎになるに決まってるでしょ・・・!」
     私に任せて。」
そう彼女は言い、隣の2台目のパソコンでカタカタと文章を打ち込み始めた。職業が職業なだけあり、パソコンは部屋に5台ほどある。

【神凪】「黒川・・・さん・・・」
さっきまで無理だと笑い飛ばしていた黒川が、必死になって文章を打ち込んでいる。そのスピードはまさに天才。
さらに、打ち込みながらこうつぶやいた。
【黒川】「こんなもので、私の罪が拭えるとは思ってないけど・・・奇跡が起こせるなんて思ってないけど・・・
     私はやっぱり、チャオが大好きだから・・・!!」
気がつくと、彼女の頬には涙が伝わっていた。


▼週チャオを見ている皆さんへ K 08/12/23(火) 12:23

 突然ですが、はじめまして。

 私はソニアド1の発売日からずっとチャオを育て続けています。
 今までこういう場所は見るだけで書き込むことはありませんでしたが、ここを見ている皆さんに、ある提案をしたいと書き込みをすることにしました。

 今日はチャオ10周年というとてもめでたい日ですね。
 折角ですから、最近チャオと会ってない皆さんも、久しぶりにチャオと会ってみるのはどうでしょう?

 中には、ゲームキューブやドリームキャストが今は手元にないって人もいるかもいるかもしれません。
 そういう人も、ちょっとだけでもいいので、チャオのことを考えてみるのはどうでしょう?
 考えた内容を、このチャオBに書いてみるのも、面白いかもしれませんね。

 また、皆さん、最近チャオを育てなくなったお友達は周りにいませんか?
 今日はチャオの誕生日だよ、と周りに教えて、みんなで久しぶりにチャオを育てたりしてみませんか?

 チャオが育てられる新作のゲームが出なくなってから随分経ちますが、みんなが少しづつそうやってチャオのことを考えていれば、奇跡だって起こっちゃうのでは、なんて考えています。

 私も今は仕事が随分忙しくなってしまったので、多分お返事をもらってもお礼をすることはできないと思います。でも、なるべく時間を作って、全部読みたいと思います。
 それでは、失礼します。チャオガーデンで会いましょう!



【神凪】「すげぇ・・・」
数分後には、この内容のメッセージが書き込まれていた。
【神凪】「でもこれ、完全に黒川さん視点だよね・・・」
【黒川】「こうでもしないと説得力がないでしょ・・・」

すると、隣でアリサが驚きの声をあげる。
【アリサ】「ウソ!?もうレスが!?」
【神凪】「マジかよ!!」
確かにレスがついていた。
『いいですね!ぼくも友達に言ってみんなでチャオを育てます!』

その後も、続々とレスがつく。その様子をリアルタイムで見ていき、驚く3人。
【アリサ】「もうこんなに・・・!?」
もちろん、そのレスの全てが、賛同の声である。・・・そして。

【黒川】「これは・・・そんな・・・!?」
【神凪】「どうしたんですか?」
【黒川】「闇の侵食のスピードが・・・止まった・・・っ!!」
そう、みんなが掲示板に書き込み、チャオを育て始めたのだ。

やがて、モニターに表示される侵食率を示すグラフは、逆方向へと動き始める。
【神凪】「闇の侵食が消えていく・・・」
【アリサ】「いける!これならいけるわ!!」

【黒川】「自分が作ったプログラムが敗れるところを見るのは・・・あまりいい気分はしないものね・・・」
そんな中、黒川は再び下を向いた。それを見た神凪は、彼女の肩をポンと叩いた。

【神凪】「俺はとっくにチャオなんか忘れてた人間だから大きい事は言えねぇけどさ・・・
     天才プログラマーなんだろ?だったら、もっと頑張って、世間を驚かせてやれよ。
     それが、チャオラーさんにとっての希望になるんじゃねぇのかな・・・チャオ好きが世界を動かしてる!ってな具合にな。」

黒川はなおも下を向いたまま言う。
【黒川】「私にそんな大層なことができるかどうか・・・」
【神凪】「できるさ。現にこんなデカイ騒ぎやらかせるぐらいなんだしな。」
そこで、ようやく黒川は顔をあげた。
【黒川】「そうね・・・最も、私がチャオ好きだなんて、誰も知らないでしょうけど・・・」


【アリサ】「2・・・1・・・0!!闇の侵食、完全に消滅・・・!!!」


<続く>
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【REMEMBER!![リメンバー!!]】Final.Act 不動
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:12 -
  
12月24日、水曜日。
何事も無かったかのように学校に通う神凪。2日連続で休んだのではあるが、病欠という言い訳はできている。
【神凪】「おーっす、大丈夫か?」
【森下】「なーんかよく分かんねぇけど戻ってきたぜ。」
【富永】「俺らからしたら2日分タイムスリップしただけように感じるだけだからなぁ。」


               【REMEMBER!![リメンバー!!]】FinalAct.不動


闇の侵食が完全に消えた途端、行方不明者が消えた場所で次々と発見された。
全員ともに行方不明になっている間の記憶は無く、年の瀬の怪奇現象としてマスコミを騒がせた。
富永と森下もマスコミからの取材を受けており、何もしていないのに有名人である。

行方不明になる直前に2人と一緒にいた神凪も1回インタビューを受けたが、無論『真実』は伏せた。
2人と別れて、なんかフッと音がしたので振り向いたら姿がなかった、寄り道したのかと思い不審には思わなかった―――それが彼の『証言』である。


【神凪】(チャオ、か・・・)
チャオ。昨日から、その単語が頭を離れない。あれだけのことがあって、ある意味当然なのかもしれないが。


あの後、電脳世界を通じ神凪の部屋に戻った後、アリサはIDOLAへと帰っていった。
もちろん黒川に世間の疑いの目が向けられることはなく、何事も無かったかのように仕事を続けている。
『いま話題の天才プログラマー・黒川紀子に直撃インタビュー!!』
そんな記事の載る雑誌が相変わらず本屋に積んである。

神凪は下校途中に本屋でその雑誌をパラパラと立ち読みしたが、インタビュー内容に興味は持てなかった。
雑誌がパソコンの専門誌のためインタビュー内容も専門的、というところが大きいが、何より、もう彼女は他人なのだから。


【森下】「おーい、何やってんだよ。」
森下が声をかける。
【神凪】「おう、ちょっとな。」
【富永】「しっかし相変わらずボーっとしてるなぁ。本当にどうしたんだ?」
【神凪】「何でもねぇってば・・・」
【森下】「ん、これって有名なオタク系パソコン雑誌じゃん。お前、実は隠れオタクだったのか!?」
【神凪】「違ぇーよ!!ちょっと気になっただけだよ!」
【富永】「何がだよ?・・・あ、この人だな!最近話題になってる美人プログラマー!!」
と、富永が指したのは、雑誌の表紙にあった黒川の写真。
【富永】「お前、ひょっとしてこいつのファンなのか!?」
【神凪】「いや、違うってば・・・」

無意味な押し問答を続けつつ、神凪は思った。これが日常なんだな、と。
やっと帰ってこれたんだな、という感情が沸き起こり、不意に笑い声がでた。

【森下】「つ、遂に神凪が狂ったぞ・・・」
【富永】「今ならまだ間に合う!神凪!引き返せーっ!!」


何とか2人の詰問をかわし、神凪は自宅へ。
階段を駆け上がり、自分の部屋へと向かう。
【神凪】(ここ数日色々ありすぎたし・・・今日はゆっくり寝るかな)


が、部屋の入り口で、神凪は再び呆然と立ち尽くした。

そこで、数日前とほぼ同じ光景が繰り返されていたからだ。


・・・そこにいたのは、テレビのお笑い番組を見てお菓子を食べつつたまに爆笑するアリサ。

【芸人】『これで楽におそうじが・・・ってなんでやねん!!』
【アリサ】「ぎゃははははは!!」

次の瞬間、何の気なしにふと入り口の方を振り向いたアリサと、神凪の目が合った。

【アリサ】「・・・あ゛。」
【神凪】「・・・をい。」
とっても気まずそうに目を合わせる2人。


【アリサ】「い、いやー、こっちの世界のテレビっておもしろいなーって・・・てへ♪」
【神凪】「てへ♪じゃねーっ!!」
神凪が一発アリサにブチ込む。その力は、テレビの中のお笑い芸人のそれよりはるかに強かった。


<おわり>
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オマケ:戯言
 ホップスター WEB  - 08/12/23(火) 0:20 -
  
気がつけば私は、日本で3番目ぐらい(?)に長く週チャオと関わった人間になりかけています。
作中に登場した黒川さんではありませんが、チャオとそれを取り巻く歴史を、この目で見てきました。
そして、たくさんの希望と絶望を味わいました。

作中、彼女はチャオに対する絶望が故に世界を破滅へと導こうとしてしまいます。
ですが、作中で神凪くんに喋らせたように、彼女のような存在こそが、逆に希望の象徴なのではないのでしょうか。
小さい頃チャオを育てて遊んだ世代が、10年を経て、いよいよ社会に出て第一線で活躍する。それこそが、私たちにとっての「希望」だと思うのです。
(最も、彼らの頭の片隅にチャオという単語が残っているかどうかは分かりませんが・・・)

初代ソニアド1当時の、いわゆる旧チャオBは大人ばかりの場所、というイメージがありますが、もちろん子供だってたくさんいました。
(その中の一人が私だったりするのですが、それはまぁおいといて)
そんな子供たちは、今どこで何をやっているんだろう。
きっと、社会に出てちゃんと働いているのでしょう。チャオのことなんか忘れて。

ソニアド2バトル発売以降、たくさんの子供たちが、チャオBにやってきました。
例えば2002年春に中学校に入学した子供であれば、今は高校3年生。
きっと、必死になって受験勉強しているのでしょう。チャオのことなんか忘れて。

なんだかんだいっても、所詮はゲームのキャラです。大半の人は忘れていくだろうし、それが当たり前です。何も悪いことじゃありません。
そんな彼らの未来を、ほんの少しでもいい方向に向かわせることができたのなら、私にとって、それが本望です。


最後に、小さなお願いをして、締めたいと思います。

チャオにとって、そしてチャオに関わった全ての人にとって、これからの10年が、ますます輝かしいものでありますように。

                                      2008/12/23 ホップスター
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