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〇週刊チャオにはこんな小説がよく投稿されていた
手始めに、週刊チャオでよく投稿されていた小説がどんなものか、紹介します。
とは言っても、具体例を見るのが手っ取り早いでしょう。
なので、ご覧ください、黒歴史。
※実在の作品から引用するのはさすがに可哀想なので、当時っぽい文章を書き下ろしました
――引用はじめ――
チャオーブ「くらえ魔法剣!ライトスラッシュ!」
ガオチャ「そんな攻撃くらうか!!メタル・コア・ゲート!!!」
ガキィィィン!!
チャオーブ「な・なに・・!?」
ガオチャ「上級黒魔法!ドラゴン・メテオ・ボンバーー!!!!!」
ドゴォォォォォン!!!
チャオーブ「うわあああああ!!!」
――引用おわり――
解説しますと、剣を持ったチャオと悪役のチャオが戦っている場面ですね。
どうやら悪役のチャオの方が優勢のようです。
上のような、セリフだけの脚本っぽい形式が、週刊チャオの小説ではよく使われていました。
たまに効果音っぽい擬音語が入りますが、地の文はほぼありません。
この形式は、一部の利用者から「絵無し漫画小説」と揶揄されました。
「漫画から絵を無くしたみたいな作品」という意味です。
もしかしたらこれを読んでいるあなたも、「これを小説と呼んでいいのか?」と思われたかもしれませんね。
だけど当時はこういった作品が小説として、数多く投稿されていたのです。
☆補足1☆
厳密には、上の文章は2004年頃の週刊チャオをイメージして書いています。
週刊チャオは1999年に生まれ、2008年に終了しました。
その過程で参加者は入れ替わり、定番の作風もいくらか変化します。
週刊チャオの小説には、文章以外にも問題がありました。
それは、原作を無視した設定です。
原作ゲームのチャオは剣を持たないのです。
魔法も使いません。
競うことがあっても、せいぜい駆けっこをするか、ぷにぷにの手足で空手みたいなことをするのが精一杯です。
そして人間の言葉を喋る時には「楽しいチャオ〜!」という具合に可愛い語尾がつきます。
ゲームによっては、そもそも人間の言葉を話さない設定のこともありました。
それなのに剣を持たせて、魔法を使わせて、
「ドラゴン・メテオ・ボンバーー!!!」とか言わせていたんですね。
残念なことに、原作の設定は無視されがちだったのです。
もし自分がこんな作品を書いてネットに投稿していたとしたら、どうですか?
恐ろしくありませんか?
不特定多数の人が見るネットの世界に、笑いものにされかねない小説を投稿していたなんて。
思い出したくない、消したい過去だと感じませんか?
週刊チャオに参加した多くの人が、こんな黒歴史を抱える羽目になってしまいました。
私もまた永久(とわ)に許されぬスティグマを胸に抱える身です。
(意訳:私もあんな感じの小説を投稿していたのでとても恥ずかしいです)
どうして、こんな作品がたくさん投稿される事態になってしまったのでしょうか?
その理由は大きく分けて3つ挙げられます。
1.それまで小説に興味のなかった素人が書いたから
2.ゲームが好きな小学生・中学生が多かったから
3.周りの人もこんな感じの小説を書いていたから
これから3つの理由について掘り下げていくわけですが、その前にやっておきたいことがあります。
この記事を読んでいるうちに黒歴史を思い出し、苦しみ悶えている方がいるかもしれないじゃないですか。
せっかくなので、このタイミングで追撃を入れさせていただくっ!!
――引用はじめ――
ガオチャ「とどめだ!上級黒魔法!ダーク・ライジング・メテオ・フォール!!」
チャオーブ「そうは、い・く・かああああ!!!」
ガオチャ「なにい!?ぐっ・・ぐああっ!!」
実はガオチャはさっきのライトスラッシュのダメージを受けていた。
ガオチャ「バカな・・・そんなこと・・・が・・・」
チャオーブ「こっちがとどめだ!!ライトスラッシュ・クロス!!」
ズバババババッ!!!!
ガオチャ「うわあああああ!!!」
チャオーブ「やった・・勝った・・・・・ぜ・・・」
バタッ
チャオーブもすごくダメージを受けていたので立っているのがやっとだった・・・。
――引用おわり――
※実在の作品から引用するのはマジで可哀想なので、当時っぽい文章を書き下ろしています
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