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ソニクサとアイちゃんは港町に着いた。
本来なら船が到着するはずだった場所だ。
ソニクサ「う〜ん、さすが港町は賑やかだな」
アイちゃん「だけどいつもより騒がしい気がする。なにか浮足立っているような……」
コドモチャオ「お前ら知らないの!?今日は聖誕祭なんだぜ!!」
アイちゃん「ああ、聖誕祭だったの」
ソニクサ「なんだ聖誕祭って?」
アイちゃん「神話によると今日この日にチャオが誕生したとされているんだよ。神話に明確な日付が書かれているわけじゃないんだけどね、学者の中ではそういった説が出ているの」
ソニクサ「あいしー、なるほどね。そういう神話の記念日ってこっちの世界にもあるんだな」
コドモチャオ「今日は聖タンサイ様が来てくださっているんだ!聖タンサイ様は聖誕祭にプレゼントをくれる人なんだぜ!!」
ソニクサ「こいつ勝手に会話に割り込んでくるね」
アイちゃん「まあまあ……。聖タンサイ様はとっても高名な聖者様で、毎年どこかの国に訪問してはコドモチャオたちにプレゼントを配ってくださっているすごい人なんだよ」
ソニクサ「ふ〜ん、コドモチャオが相手なら俺たちはプレゼントもらえないんだろ?」
アイちゃん「でも聖タンサイ様がいらっしゃっているのなら、一目見るだけでもごりやくがあると思うなあ」
作者「でも聖誕祭だから聖タンサイなんて安直な名前だと思うなあ」
アイちゃん「今、変な人いなかった?」
ソニクサ「さあ……?」
ソニクサたちは聖タンサイのところに行った。
しかしなんだか様子がおかしかった。
コドモチャオたちは泣いている。
聖タンサイ「ぐははははは!!プレゼントが欲しければもっと金をよこすデスヨー!!」
コドモチャオ「あ、あの……これでプレゼントをください……」
コドモチャオはなけなしのお小遣いを聖タンサイに差し出す……。
聖タンサイ「ああ〜〜ん??全然足りないデスネー!!そんな悪い子には清く正しい聖人のキックを食らわせてアゲマスヨォ!!」
ゲシッ!!!
コドモチャオ「ぎゃーん!」
アイちゃん「なんて酷いことを!!」
ソニクサ「へい、正体を現しな!こういうことをするやつは偽物野郎って相場が決まっているぜ?」
聖タンサイ(?)「オゥ、バレては仕方ないデス。そのとおり!私は聖タンサイではない!俺は異端サイセ!!」
ソニクサ「へっ!聖誕祭のアナグラムみたいな名前だな!」
異端サイセ「聖タンサイの名を貶めてやろうと思ったのに邪魔をしやがって!邪教パワーで貴様を葬ってくれる!!」
ソニクサ「お前にそれができるかな!?」
アイちゃん「待って、ソニクサ!」
ソニクサ「ん?どうしたアイちゃん」
アイちゃん「こいつは私が倒す!みんなの大切な聖誕祭を台無しにして、許さないんだから!」
異端サイセ「ふん、誰がかかってこようと同じことだ!くらえ、火と氷の魔法エビルスネーク!」
異端サイセは火の魔法を放つが、魔法で作られた火は根本から凍り付く。
そうして蛇の形の氷が作られる。
しかし氷の中では火の魔法が蠢いている。
氷の溶けた部分から体をよじらせ、また全身が氷に覆われる。
氷と火の蛇は複雑な動きをしながらアイちゃんに襲いかかろうとする。
アイちゃん「そんな魔法のエネルギーの無駄遣いみたいな技、私には効かない!氷の魔法ピュアホワイトフリーズ!」
アイちゃんはなんかすごい魔法で異端サイセをやっつける。
異端サイセ「ぐわああ!!やられてしまったあああ!!」
異端サイセは真上に吹っ飛び、そして爆発した。
ソニクサ「氷魔法なのに上に吹っ飛んで爆発するのか……?」
しかし異端サイセは実際に吹っ飛んで爆発したのである。
上空からは異端サイセが巻き上げた金が降ってきた。
それはまるで黄金の雪のようであった。
ソニクサ「へえ〜、これは綺麗な光景じゃないか」
アイちゃん「聖誕祭のプレゼント、だねっ!」
ソニクサ「ああ。これは極上のプレゼントだぜ」
アイちゃん「でも残念。本物の聖タンサイ様にはお会いできなかったんだもの」
ソニクサ「なに言ってるんだよ。こんなプレゼントを送ってくれたんだ。港町のみんなにとっては、アイちゃんが今年の聖タンサイ様さ」
アイちゃん「私が!?えへへ〜、照れるぅ〜〜」
つづく!!!
聖誕祭特別編どうでしたか?
感想待ってます!!
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