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休刊したからと言って、急に作風が変化するわけではありません。
これまでどおりに、冒険ものを始めとする連載作品の投稿が多く見られました。
そういう意味では、週刊チャオのチャオ小説はまだ終わってはいませんでした。
しかしこの年の聖誕祭。
休刊から一年が経って、ようやくこれまでのチャオ小説の流れに一区切りをつける作品が投稿されます。
チャオガーデン
作・チャピル
この作品では身寄りのないチャオたちが転生や幸福のために、自分を愛してくれる飼い主を求めています。
愛情を注いでくれる飼い主に巡り会えないまま五歳になってしまった主人公。
転生ができるチャオでありながら、その望みがなくなってしまった。
という設定です。
チャオブームが去ったこと。
週刊チャオも休刊してしまったこと。
チャオラーを取り巻く環境に悲劇的な変化があったことをこの作品は意識させます。
そして作者のチャピルさんは、週刊チャオを休刊する決断を下すという大役を押し付けられ、当時大いに苦しんだ人です。
そんな彼だからこそ書けた、力強いチャオ小説です。
チャオ小説という狭い世界の中で、なにかが終わり、なにかが始まった、そのきっかけの作品であると私は感じています。
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