●週刊チャオ サークル掲示板
  新規投稿 ┃ツリー表示 ┃一覧表示 ┃トピック表示 ┃検索 ┃設定 ┃チャットへ ┃編集部HPへ  
49 / 265 ツリー ←次へ | 前へ→

エルドラゴン スマッシュ 17/9/12(火) 22:49
EPISODE01 WEAK CHAO スマッシュ 17/9/12(火) 22:51
チャオゼリー スマッシュ 17/9/13(水) 23:54

エルドラゴン
 スマッシュ  - 17/9/12(火) 22:49 -
  
全てのチャオラーに告ぐ。
これが最新鋭のチャオ小説だ!!!
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Geck...@p185.net059084225.tokai.or.jp>

EPISODE01 WEAK CHAO
 スマッシュ  - 17/9/12(火) 22:51 -
  
 廃墟だらけの町の中を、トラックが走っている。
 トラックには三人が乗っていた。
 そのうち二人が男で、女は一人だった。
 運転手の男以外の二人は、銃を持っていた。
 男の方はアサルトライフルで、女はショットガンだ。
「あの上が真っ黒に塗られたビルだ。ビル全体がアジトになってる」
 トラックを運転するダークチカラチャオ、デビットが二人に言った。
 彼の言うビルはとても高く、このまま運転を続けてもあと五分はかかるだろうという距離にあったが、その黒く塗られた部分を見ることはできた。
「どんくらいいるん?」
 ショットガンのヒーローヒコウチャオ、フィンが聞く。
「百体以上らしい」
「はっ」
 アサルトライフルのニュートラルハシリチャオ、ゲオルグが呆れたように髪をかいた。
「百体相手に僕らだけでやるっていうのか。無茶もいいところだろ」
「だが成功すればかなりの報酬になる。それに無理そうだったら回収できるだけして撤退すればいい。それに最高でもBランクのやつしかいないて話だ」
「それが本当なら楽勝だね」
 フィンは窓の外に視線をやり、首をさすりながら言った。
「だろう? 百体ならかなりの額になる。わざわざ遠征してきただけの価値はある」
「でもつまんない。ボーナスも期待できないんだろうな」
「そう言ってくれるなよ。そういう仕事は血の気の多いやつらとの競争になる。遠征してまでやることじゃない」
 ゲオルグはにこにことしている。
「僕は安全な仕事の方がありがたい。数以外にクレイジーなところのない仕事は歓迎だね。できれば帰りにどこか観光したいね」
「うまくいったら考えてやるよ」
 トラックはカーブを曲がった。

 トラックが壊されないように、デビットは残る。
 フィンとゲオルグがビルに突入する。
 百体もいるというのだから、どこから現れてもおかしくない。
 二人は互いの死角を補うように左右を見張りながら進もうとしたが、結局前方に視線は釘付けになる。
 ゴロゴロと奇妙な音を立てて、何かがゆっくり近付いてくる。
 一体なんなのか、銃を前に向けて、そして左右からの奇襲がないか少しばかりの警戒心を周囲に配り、近付いてくるそれを待った。
 現れたのは、機械仕掛けの鎧をまとったチャオ、つまりオモチャオだった。
 そして機械の心臓を大量に入れた網を引きずっていた。
 ゴロゴロという音はその網の中の心臓が立てている音だった。
「まだ残っていたのか?」
 オモチャオはそう言い、ゆっくりと拳銃を構えた。
 フィンとゲオルグは一瞬アイコンタクトを交わし、左右に分かれた。

「ああ、つまんない仕事だったな」
 フィンはヘアゴムを外し、自由になった長い髪を振る。
 トラックは帰路についていた。
「仕事が五分で終わって、おまけのオモチャオもついてきた。最高の仕事じゃないか」
 デビットは上機嫌だ。
 鼻歌を歌いながら運転している。
「戦った感じだと、Aランクってところかな。擬態機能付きだからパーツの売値は期待大だ」
 ゲオルグはアサルトライフルで、捕らえたオモチャオの膝頭をつついている。
 手首と足首を縛られ、オモチャオは身動きが取れない。
 オモチャオの外見は、チャオにそっくりに変わっていた。
 変形機構により、右腕の肘から下を除いて、鎧は体内にしまわれている。
 このような機能を持つオモチャオは珍しい。
 チャオに擬態したオモチャオは、顎髭を短く生やした青年という見た目をしている。
「あんたら、チャオのくせにオモチャオを平気で狩るなんて、どういうことだ?」
「お前、ここらへんの出身か? なら知らんかもしれないなあ」
「私たちは、エルドラゴンから来た」
 その地名にオモチャオは目を見開いた。
「エルドラゴンって、オモチャオの理想郷だろ!? チャオならざる者として迫害を受けるオモチャオが唯一その身分を保証される」
「そう。だけどそこにいるのはオモチャオだけじゃない。僕たちのようなオモチャオ狩りのスペシャリストもエルドラゴンにはいるのさ」
 オモチャオは理解ができない様子で、難しい顔をした。
「どういうことだ? エルドラゴンでは、おおっぴらにオモチャオ狩りなんてできないはずだろ?」
「そのとおりだ。下手なことをすりゃチャオの方が迫害を受ける。それがエルドラゴンだ」
 説明をデビットが引き継いだ。
「だがおおっぴらじゃない狩りはしばしば起きてるし、たまにおおっぴらな狩りが許されることもある。暴走したクソを殺すって場合だ。そして、エルドラゴンのオモチャオたちにとっては、外のオモチャオの命なんてどうでもいいんだ」
「命に興味はなくても、パーツには用がある。特に心臓のパーツにはね。だから僕たちがそれを取ってきて、売るっていうわけだ」
「あんたも永遠の命を得ようって腹だったんだろ?」
 フィンはオモチャオに聞いた。
 百体分の心臓パーツがあれば、当面命の心配はないだろう。
 しかしオモチャオは首を振った。
「金のためだ。俺は悪事を働くオモチャオを潰して、賞金稼ぎをしている」
「心臓集めてたのは?」
「大体の場合、心臓パーツがオモチャオを倒した証拠として扱われるんだ」
「それ、騙されてるんじゃないの?」
 臭いな、とデビットもうなずいた。
 オモチャオは首を傾げた。
「エルドラゴンの連中に心臓パーツを売りたいやつらが、ご立派な名目を立ててお前みたいな無知な腕利きに依頼を出してるんだろ」
「本当に悪事を働いていたのかどうか。わかんないよ」
 フィンはにやにやして言った。
 彼女の期待どおり、オモチャオの顔が青ざめる。
「じゃあ俺は、騙されて利用されて、罪のないオモチャオを殺していたっていうのか?」
「オモチャオであること自体が罪ではあるけど、まあ、そうね」
「なんてことだ」
 オモチャオはショックを受けて、うつむいた。
 そして控えめにフィンたちを見ると、
「今からこの心臓を持ち主たちに返すわけにはいかないか?」
 と言った。
 フィンが笑う。
「するわけないっしょ。馬鹿かよ」
「残念ながらお前が集めた心臓パーツは、俺たちがエルドラゴンのオモチャオたちに売りさばく」
「ついでに言うと君も売りさばかれる」
「悪事を働いた報いだな」
 オモチャオは運命を受け入れた様子で言った。
「ん? おい、お前ら、後ろに気をつけろ。なんか来てるぞ」
 デビットが二人に言う。
 後方からバイクが接近してくるのが見えた。
 ただし、トラックに劣らない大きさの巨大バイクだ。
「なんだあれ!?」
「振り切れないぞ。覚悟してくれ」
「死ぬ覚悟か?」
 オモチャオが聞いた。
 デビットが笑い飛ばす。
「あいつをぶっ潰す覚悟だ!」
 デビットはシートベルトを外す。
 フィンがナイフでオモチャオの拘束を解く。
 四人はトラックから飛び降りた。
「ありがとう、助かった」
 オモチャオはフィンに礼を言う。
「逃げないでよ。あんたは大事なボーナスなんだから」
「逃げられる気がしないよ」
 巨大バイクが迫る。
 ゲオルグが試しにアサルトライフルで射撃する。
 装甲は弾を受け止める。
 何発かがタイヤに当たり、弾ける音がする。
 バイクは変形し、巨大なオモチャオに姿を変えた。
「心臓とその馬鹿は俺の物だ。返してもらおう」
「なるほど、こいつがお前さんを雇ったやつか」
「売りじゃなくて、自分で使うためだったか」
 三人は巨体を目の前にしても動じた様子はなかった。
「ああいうのは図体の割に強くないから、ビビらなくていいよ」
「そういうことだ。さっさとやるぞ」
「そういえばあんた、名前なんてーの?」
 聞かれたオモチャオは答える。
「サイクロンだ」
 サイクロンの後頭部が割れ、フェイスガードが展開される。
 さらに右腕が、中に仕込まれていた銃器に変わる。
 その右腕から放たれた一発が巨大オモチャオの左肘を正確に貫き、落とした。
 デビットが口笛を吹く。
「やるじゃねえか」
「連射はできないが、アンチマテリアルだ」
「負けてらんないね」
 ショットガンのマガジンを取り替えると、フィンは走った。
 巨大オモチャオの残った右腕による緩慢な攻撃を避け、懐に潜って射撃する。
 放たれた弾は巨体に埋め込まれると、警棒のように伸びた。
 そうして作った足場を駆けて、フィンは巨体を登る。
 新しいマガジンに替え、右肩を打ち抜く。
 弾は爆ぜて、右肩を破壊した。
「スタイリッシュ、私!」
 飛び降りながらフィンは叫ぶ。
「この野郎!!」
 巨大オモチャオの胸部の装甲が開く。
 そこに無数のガトリング砲が取り付けてあった。
 しかしその瞬間、横合いからロケット弾が飛んできて、巨大オモチャオの胸部を爆破した。
 ゲオルグがロケット砲を持って巨大オモチャオの横に移動していたのだった。
「ナイスだ、ゲオルグ」
「本当にナイスなのはデビットだ。運転してたのに、咄嗟にこんな物持って飛び出せるなんて」
「ビジネスは咄嗟になにができるかが大事なんだよ」
 得意そうにデビットは胸を張る。
「とどめっ!」
 フィンがショットガンで巨大オモチャオの頭部を壊す。
 それで巨大オモチャオは動かなくなった。
「さあて、ボーナス回収だ」
 デビットが大声で呼びかけ、全員でパーツ漁りを始めた。

「心臓が十個見つかった他、収穫はなし、か」
 トラックに乗り込みながらゲオルグが溜め息をついた。
「仕方ないでしょ。ああいうやつは大体、体積稼ぐために粗悪品ばっか使ってるんだから」
「なるほど。あの巨体でいいパーツを使おうとしたら、かなりの額になるもんな。だから弱いのか」
 仲間面をしてトラックに乗ったサイクロンの両腕を、フィンは縄で縛った。
「またこれか」
「あんた、一応売り物だから」とフィンは呆れる。
「それにしても右腕にあんな物を隠していたとはね。意外だったよ」
 ゲオルグは興味の目をサイクロンに向ける。
「オモチャオ狩りには破壊力が大事だろ?」
 それは真理だ、とデビットはうなずいた。
「なあ、俺はあいつから百万リングをもらう予定だったんだけど、その百万リング、もらえないかな?」
 なに言ってんだお前、という顔をデビットたち三人はした。
 そして実際にフィンが、
「なに言ってんのお前」と言った。
「それから、この近くの海沿いにハルピーっていう町があるから、そこに寄ってほしい」
「するわけないでしょ。逃げるチャンスを与えるようなもんだ」
 ゲオルグは顔をしかめた。
 しかしデビットは楽しそうに、
「いいだろう」と答えた。
「デビット!?」
「百万は駄目だ。だがハルピーに寄ってはやるよ。冥土の土産ってやつだ」
「そうか、百万は駄目か」
 サイクロンは寂しそうに笑った。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Geck...@p185.net059084225.tokai.or.jp>

チャオゼリー
 スマッシュ  - 17/9/13(水) 23:54 -
  
 誕生日なに食べたいって聞いたら、マオはチャオゼリーが食べたいと答えた。
 愛しの彼氏の誕生日、たまには腕を振るってやるかと思ったのに、そんな簡単なものでいいのかと拍子抜けした。
 せめて大きいチャオゼリーを作って驚かせてやりたくて、私はスーパーでチャオゼラチンをたくさん買い、浴槽でチャオゼリーを作った。
 浴槽いっぱいに張った水は圧縮されて、50cmほどの大きさのチャオゼリーになった。
「チャオ〜、チャオ〜」
 ミーアキャットを二頭身にしたみたいな姿の、つるつるでぷにぷにのチャオゼリーはまるで生き物のように動く。
 チャオゼリーの体は水色なのだが、眼球だけは白と黒だ。
 なんでそうなるかはわからないけれど、目がちゃんとあるので生き物みたく見える。
 そして声のようなものを出す。
「はいこんにちは〜」
 浴槽から這い上がろうとして、何度も失敗して滑っているチャオゼリーを私はしばらく見ていた。
 ピンポンとチャイムが鳴って、私はチャオゼリーをそのままに玄関に向かう。
「イロちゃん来たよ〜」
 マオの声だ。
 玄関ドアを開ける。
「お誕生日おめでとう」
「ありがとう」
 鍵を閉めるのはマオに任せて、私は浴室に戻る。
「チャオゼリー作ったよ」
「え、本当? 嬉しい」
 どっこいしょ、と言って私はチャオゼリーを持ち上げる。
 とても重かったので、抱いて運ぶ。
「うわあ、でかい」
 浴室から出てきた私とチャオゼリーを見て、マオは目を輝かせた。
 マオは両腕を広げた。
 私はその腕にチャオゼリーごと飛び込もうとする。
 チャオゼリーがあまりにも重いので、体を重みごと押し付けるような感じになる。
「ちょっと、イロちゃん」
「私を抱き締めて」
「チャオだけ、チャオだけ」
 私はいらないって言われたみたいで一瞬寂しくなる。
 けどそんな深読み、マオにしたって意味ないから私はその寂しさをすぐ放って、一度体を離す。
 そしてチャオゼリーをマオに抱かせてやる。
「チャオチャオ〜」とチャオゼリーが鳴く。
「チャア〜、チャオ〜」
 マオはおどけて返事をする。
 なんて言っているつもりなんだろう。
「けっこう重いね」
「水たくさん使ったからね」
 私はキッチンからスプーンを二つ取る。
「赤ちゃん生まれたら、毎日こんなふうに抱っこするんだろうね」
 その言葉にも深い意味はない。
 結婚の気配はなかった。
 五年前から私たちは付き合っていて、なんだか五年後もこのまま同じように恋人同士でいる感じがする。
 マオはマイペースだ。
 そして私は彼のペースを大事にしていて、だから結婚は当分しないし、別れることもないんだろうなと思っているのだった。
「でも私、赤ちゃん生まれたら自分でずっと抱っこして、マオには抱っこさせないかも」
「え、ひどい」
「冗談だよ。でもそんな気分になるとは思う」
 私はスプーンを差し出した。
 マオはチャオゼリーを机に乗せてからスプーンを受け取った。
「食べていい?」
「いいよ」
「わあい」
 マオはチャオゼリーをパクパク食べる。
 チャオゼリーはスプーンを一度差し込まれた瞬間に、ただのゼリーに変わったみたく動かなくなった。
「目も片方もらうね」
 眼球をくり抜き、マオは口を大きく開いた。
「よく食べられるね」
「んん?」
 もぐもぐと噛みつつマオは首を傾げる。
「なんかさっきまで動いてて喋ってたのに、躊躇ないなあって思って」
 たとえば豚肉とかも、生きている豚を見ていて、自分が見たその豚の肉を食えと言われたらちょっときつい。
 私は、生きている豚と豚肉を別の存在として見ていると思う。
 焼かれて残ったおばあちゃんの遺骨だって、おばあちゃんを少しも感じなかった。
 そんなことを私はマオに話してみた。
「豚は僕もきついけど、チャオゼリーは大丈夫だなあ」
 とマオは言った。
「豚を豚肉にしたり、亡くなった人を骨だけにしたり。そういう加工する手順があるとその変貌っぷりにグロテスクなものを感じてしまうけれど、チャオゼリーはそのまま食べるから。だから自然の摂理というか、生命の怖さや現実っていうのを考えなくてよくて、楽なんだと思う」
「なるほど」
 こいつはさっきまで動いていたけれど生き物ではなくて、最初から食べ物として存在している。
 そう解釈すれば、食べられそうだ。
 あるいはマオがあんまりばくばく食べるものだから、先ほどまでの可愛さが崩れてしまって、それで食べ物にしか見えなくなってきたのかもしれない。
 私もチャオゼリーを食べてみる。
 プリンみたいな甘い味がした。
「うまい」
 そして眼球も食べてみる。
 色が違うから味も違うのかと思ったけれど、少しも変わらなかった。
「なんだ、目ん玉も味同じなんだ」
「ね」
 マオは頭ばっかり食べていた。
 もっとバランスよく食べたら、と私は思ったけれどマオに合わせて私も頭からすくっていく。
 頭がなくなると、チャオゼリーはただのプリンっぽい味のゼリーにしか見えなくなる。
 プリンっぽいゼリーにしては大きすぎて、まだこんなに食べなきゃいけないのかと私は浴槽で作ったことを後悔する。
 なのにマオは、チャオゼリー最高においしい、と言って、とてもとても嬉しそうな顔をしながらどんどんチャオゼリーを食べていくのだった。
引用なし
パスワード
<Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Geck...@p229.net059084225.tokai.or.jp>

  新規投稿 ┃ツリー表示 ┃一覧表示 ┃トピック表示 ┃検索 ┃設定 ┃チャットへ ┃編集部HPへ  
49 / 265 ツリー ←次へ | 前へ→
ページ:  ┃  記事番号:   
53818
(SS)C-BOARD v3.8 is Free