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カオシング現象発生中! 予告 スマッシュ 16/11/17(木) 18:12

第2章 3話 小動物 スマッシュ 17/1/22(日) 0:36

第2章 3話 小動物
 スマッシュ  - 17/1/22(日) 0:36 -
  
「かっこわるいとか言ってないで、とっととキャプチャしなさい」
 レッシが小動物のゴリラを避けるので、ジンカはゴリラを抱いて押し付けようとする。
「お断りだ」
 レッシは好みではないゴリラを絶対にキャプチャしないつもりだ。
 ゴリラは、ラジカルにもキャプチャさせていなかった。
「アビリティなんて関係ないだろ。ラジカルはスピードで敵を翻弄した!」
 ラジカルにキャプチャさせていたチーターを思い浮かべ、脚に力を込める。
 本能だろうか、レッシの脳や体は既にCヒューマンの能力の使い方を覚えていた。
 そしてレッシは走り出した。
 すぐにジンカに追いつかれた。
「なんでだっ!」
「今あんた、チーターかなにかの能力を使おうとしただろ」
 ジンカはレッシを羽交い締めにして言った。
「ああ、そうだ」
「目覚めたばかりでそれができるのは、けっこうすごい。褒めてあげる。でもね、あんたはまだチーターの力を使うことはできないよ」
「はあ?」
「それをキャプチャしたのはラジカルであって、君ではない。君はまだ小動物をキャプチャしていない」
「でもラジカルは俺と一つになったんだろ?」
 ジンカはレッシを解放し、背中に跳び蹴りをくらわせた。
「屁理屈言っても無理なものは無理なの」
「くそ、わかったよ。理解した」
「わかったなら、ゴリラをキャプチャする」
 ジンカは、レッシを追う時に置き去りにしたゴリラを指した。
 しかしレッシは鼻で笑った。
「そのゴリラはキャプチャしない。俺は自分の金で小動物を買って、それをキャプチャする」
 ジンカはまた跳び蹴りをくらわせようとした。
 しかし今度は避けられる。
「あのね、ふざけないでほしいんですけど」
「それはこっちのセリフだ。俺がラジカルにさせた戦い方は間違ってなんかいなかった。それを俺がこの身で証明してやる」
 ラジカルは走るのが得意で、あれ以上の戦い方はなかった。
 そうレッシは思いたかった。
 ジンカはため息をついた。
「勝手にすれば」
「そうさせてもらう」
 ガーデンを出る。
 レッシたちが依頼を受けて来た町だった。
 ホテルに戻れれば小動物を売っている店の場所を教えてもらえると考え、現在地を調べようと辺りを見回す。
「こっち」
 ジンカがそう言って、レッシの先を歩いた。
「お前?」
「小動物買うんでしょ」
「ああ。お前、ここの町の人間だったのか」
「違うよ。あんたにキャプチャさせるゴリラはどこで手に入れたんだって話だよ」
「あ、なるほど」
 ゴリラ代は払ってもらう、とジンカは言った。
 そのゴリラを彼女は抱いていた。
 まだキャプチャさせるつもりのようだった。
 ジンカが案内したのはチャオを専門に扱っているペットショップだった。
 小動物を探すと、チャオガーデンが使われていない町であるのに、種類も数も豊富だった。
 目当てのチーターもいた。
「これください」
 すぐ店員にそう言って、代金を支払う。
「この町はチャオが少ないけど、小動物は売れるんですか?」
「ええ。お客さんみたいに、町の外から来た人が買っていくんです」
 この町の近くにはチャオと小動物が多く生息する、チャオの森と俗に言われるスポットがあり、そこから小動物を捕まえることができる。
 そのため品揃えには自信があるのだと店員は言った。
「お二方は、チャオを連れていないようですけれど、どうされたんです?」
「別行動中」
 さらりとジンカは答えた。
 なるほどチャオを連れていないことにはそう答えるのか、とレッシは感心した。
「私たちのチャオは優秀なんで」
「へえ。長いことやられているので?」
「まあね。カオシング現象を止めたことも一度や二度じゃない」
「それはすごい」
 すると店員は声をひそめて、
「でしたらお二人に依頼したいことがあるのですが」
 と言った。
「なに?」
「最近、チャオの森のチャオたちが凶暴になってきていて、小動物の入荷が難しくなるかもしれないんです。なんとか大人しくさせることってできませんかね?」
 どうする、とレッシは目でジンカに尋ねた。
 ジンカは店員に微笑んだ。
「わかりました。チャオの森に行ってみましょう」
「ああ、ありがとうございます!」
 店員は深く頭を下げた。
 店から出るとジンカはレッシに、
「練習相手は決まった。ただのチャオだからって気は抜かないでよね」
 とささやいた。
「わかっている」
 そう答えながらも、ラジカルが今まで倒してきた相手だと考えるレッシには緊張感がない。
「そんなので戦う以上、死なないように気を付けてよ」
「死なないよ」
「危なくなったらゴリラをキャプチャ。わかった?」
「ああ。危なくなったらゴリラをキャプチャな」
 その後ゴリラをキャプチャすることになるとは、レッシは全く思っていなかった。
 ジンカはそうなる気がしていた。
引用なし
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