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設定が面白いですね。
他人に情報を送りつけることの出来る「魔法」というアイテムを持ち出すことで、一人称による描写が真実なのか、それとも誰かに植え付けられた嘘なのか分からないままに話が進んでいく。
最後の一見投げ出したかのようなオチも、認識の不確実さをイメージさせるようで不気味です。
もしかすると、異世界への扉を開けたときから主人公は自分で自分に幻影を見せ始めたのかもしれないし、あるいはデノシカクファウロッセの空白のページが、そのトリガーだったのかもしれないし、もしくはずっと前からそういう幻想に取り憑かれていたのかもしれませんし。
私たちも、誰かと情報をやりとりしながら生活しているわけですけど、もしかしたら、どこかに嘘の情報が紛れ込んでいるのかもしれない。
利奈がそれとわかるように魔法を使ってくれていたときは、まだ主観と客観の境目が明確だったのに、一人の世界に行ってしまったとたん、それを裏付けるものが何一つなくなってしまう。そこでチャオが出てくることにも、何らかの意味がありそうなものですが……うーん。
作品自体にどれが解釈として正しいのか分からなくするようなトリックが紛れ込ませてあるために、自分のこの感想も、こんなあてずっぽうなことを書いてていいのかなあと不安になってきましたです。
こういう作品は、感想を書きづらいです><
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