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執筆お疲れ様でした。
毎度チャピルさんの本気には驚かされます。
とりあえず第一印象からですが「大人っぽい」ですかね。
僕はチャオラーの小説って一点突破的な小説が多いと思っています。
テーマを描くのにあたって、テーマから手を伸ばして辺りにあるものを回収しながら枠組みを掴む。そういうイメージです。
でもライカ記念日はその逆で、枠組みの方から一直線に手を伸ばしてテーマを掴む、そんな感じがしました。
これを生み出してるのって、構成や描写がとにかく丁寧、というところに起因しているように思います。このレベルの丁寧さを持っているのはチャピルさんだけではないでしょうか。天晴れです。
多分、この丁寧さが大人っぽさを生み出しているんですね。
テーマや登場したものの役割だとかについては、もしかしたらチャピルさんの中では明確に○○は××と決まっているのかもしれませんが、読む側はそんなに気にしなくても良いのかな、とも思いました。
あんまり僕も、どれがどれのこと言ってるんだろう、と解釈しきれていないので見える範囲の話にはなってしまうのですが、抽象的な捉え方をしてしまえば、この作品に登場するものはこれまで我々チャオラーに働いてきた内的な意思、外的な意思に集約されるように思います。
ろっどさんの言葉を借りれば我々は意識の上での自他境界線が薄いのだと思います。ですが、それでも確かにその境界線は存在していて、各事象への捉え方が微妙に違います。だから、寧ろカオスというか。(だから寧ろカオス、って何かのタイトルみたい)
だからこそ、読む側が作品に対して、これはこう!と解釈しきる必要もないんじゃないかなと思いました。チャピルさんがテキトーでいい、そういうもの、と言ってるのってこの辺りに起因してるのかな。
登場人物の心情描写が誰に偏るわけでもなく、その交錯を描ききったのは本当にすごいです。バランス感覚が絶妙。
ライカ記念日を拾ってタイトルにしたのもすごく良かった。
最強のチャオ小説を名乗っていいと思います。
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