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自分の冒険 〜自分ならこう書く〜 冬木野 12/4/26(木) 11:03

MACA〜Magic Capture〜 第五話 流星群 スマッシュ 16/5/16(月) 22:46

MACA〜Magic Capture〜 第五話 流星群
 スマッシュ  - 16/5/16(月) 22:46 -
  
 流星群だった。
 元ケーダから悪性のマナを蓄えさせた魔獣や岩石が降り注いだ。
 そのために俺たちが泊まったホテルのすぐ南までが、たったの一時間で魔獣たちの住処と化してしまったようだった。
 魔獣たちがここまで侵略してくるのは時間の問題。
 避難指示が出され、人々は逃げる。
 緊急避難用に電車がダイヤを無視して盛んに出される。
 放棄されたエリアから着いた電車が、南に戻ることなくさらに人を乗せて北へと向かっていく。
 俺たちは駅で、人々が電車になだれ込む様を見ていた。
 やがて南へ行くための、魔法使いを運ぶための電車が来る予定になっていた。
 そういう連絡が届いているだけで、いつ来るかなどは未定で、俺たちは他の魔法使いと電車を待っているのだった。
 待機している魔法使いの中に、ホテルで会った魔法使いたちもいて、俺たちは彼らと一緒にいる。
 さっきチャオの機械を両腕に装備していた魔法使いが、リーダー風を吹かしている。
「これからは、さっきの猪よりもずっと強い魔獣と戦うことになるに違いない。それぞれが自分勝手に戦ってもやられるだけだ。手と手を取り合って戦うために、俺たちは互いのことをよく知らなくちゃならない」
 彼のチャオは彼の頭上を飛んでいるが、その様がどこか偉そうな感じで、チャオもまたリーダーとして振る舞うつもりでいるようだった。
 そのチャオはニュートラルオヨギチャオで、両腕両足が機械になっていた。
「俺はキリザ。そしてこいつはウォード。こいつは剣に形を変える。その時その時によって刀身を変化させる、変幻自在の二刀流というわけだ」
 両腕に機械をまとう魔法使いはそう言うと、彼の横にいる女の魔法使いの方を見て、自己紹介をするように促した。
 その女は黒い帽子を目深に被り、黒いパーカーを着て、灰色のジーンズを履いていた。
 チャオはダークハシリチャオだ。
「私はミズマ。この子はライズ。私たちは素早さが売りなんで、よろしく」
 その二人の自己紹介で、反時計回りに進めていくことが決まったみたいだった。
 ホテルで魔獣のマナを察知していたチャオと、その飼い主の男の番になる。
「私はライ。そしてこいつはダルア。魔獣の察知と、狙撃が得意だ」
 次に俺たちが自己紹介をして、最後にヒーローハシリチャオとその飼い主の男の番となる。
「俺はシノキ。こいつはルコサ。俺も狙撃が得意だ」
「ならわかりやすいな」
 指を鳴らして、キリザは言った。
「俺とミズマちゃんとマキハルが前衛。ライとシノキさんが後衛だな。イナナさんは上手く隠れてくれよ。命の保証はできない」
「わかりましたあ」とイナナは笑みを浮かべて言った。

 四時間待って、ようやく南行きの電車に乗ることができた。
 魔法使いと一緒に載せる、食糧などの物資を集めるのにそれだけの時間がかかったようだった。
 魔法使いを運ぶのはこの一度にするつもりのようで、そのためにも出発を遅らせたのだろう、とキリザは言った。
 レールが破壊されない限りは、定期的に貨物列車で物資が運ばれるはずである。
 元ケーダやその周辺で戦っている魔法使いの生活も、そのようにして支えられてきたのだ。
 魔法使いのために用意された三両は、しかし空席が目立った。
 チャオを隣に座らせる魔法使いが多く見られ、キリザなんかは横になって眠っていた。
「なんか、準備する間もなく本番って感じだね」とイナナは俺に言った。
「そうだな。だけどおかげで食べ物には困らなそうだ」
 後部の車両に積まれた荷物のことを思いながら俺は言う。
 そうだね、とイナナは頷く。
「あんたたち、変だな」
 イナナの隣に座っていたミズマがそう話しかけてきた。
「そうかなあ」
 イナナが言うと、そうに決まってる、とミズマは返す。
「魔法使いでもないのに、危険な場所まで来ないだろ、普通」
「でも私、戦い以外なら結構役に立つと思うよ。そういう手伝いしてきたし」
「それにそのチャオ。そんな自分勝手なチャオでよく戦えるよね」
「またそんな話かよ」
 クリックはつまらなそうに言う。
「俺は優秀だから大丈夫なんだよ」
「面白いなあ」
 ミズマは笑う。
 クリックのことが気に入ったみたいだ。
「あんたたちみたいのが生き残るんだよね。あんたたちは、その変な感じで安定してるんだ」
「それは、ありがとう」
 本気で褒めている様子なのだが、いまいち褒められている気がしなくて、俺は苦笑する。
「もしかしたら、あんたたちと一緒に動いた方がいいのかもね」
「かもねも何も、そういうことするんじゃないのか?」
 俺は寝ているキリザの方を見て、言った。
「そんな話、いつなかったことになるかわからないよ。死んじゃうかもしんないし」
「まあ、お互い生き残ろうぜ」とクリックは飛んでミズマに近付いた。
 チャオにそんなことを言われて、ミズマは声を上げて笑った。
「そのつもり」
 ミズマはクリックを抱き締め、撫でた。

 電車が目的の駅に着く。
 まず魔法使いが降り、そして魔法使いたちが魔法を使って荷物を下していく。
 魔獣を警戒する魔法使いと、荷物を下す魔法使いに分かれて、作業は行われていく。
 この作業の経験があるらしき魔法使いの集団が指揮をしたために、混乱もなくのろのろと作業は進められていく。
 俺たちはチャオと同調し、五人固まって荷物を運ぶ。
「ああ、来る」とライが言った。
 俺たちは荷物を放り出して、ライが指さした方を注視する。
 たくさんの魔獣がミサイルのように飛んでくるのが見えた。
「危ねえ!」とキリザが叫ぶ。
 そんなこと言われなくてもわかる、と俺は思った。
 同じような言葉を、ミズマが声に出した。
 飛んできた魔獣はミサイルのように爆発しなかったが、その勢いで大きな衝撃を生み、大きな音を立てて地面を揺らして砂埃を舞わせた。
 俺たちの近くには二匹、落ちてきた。
 しかし落ちてきた魔獣はそれだけではない。
「まずはこの二匹からかな」
 ミズマが尋ねるように言った。
 誰も答えなかったが、彼女の言った通りの方針で戦おうと俺たちの中で定まったのをなんとなく感じる。
 二匹の魔獣はどちらも同じ形をしていて、狼のような姿をしている。
 犬の兄弟などが魔獣化したのだろう。
 ミズマが俺たちから見て右側にいる魔獣に向かって走った。
 その走りは、魔法で強化されているにしたって、速い。
 そしてミズマの狙っていない、左側の魔獣は、俺たちに向かって駆け出す。
 ミズマと魔獣がすれ違う。
 こちらに来た魔獣の突進、そして前肢によるストレートパンチを、キリザが両手の剣で受け流す。
 攻撃後の隙を狙ってキリザはそのまま体をひねって剣を振った。
 しかし魔獣はまるで今の攻撃がフェイントでしかなかったかのように、速度を落とさず走っていて、キリザの剣は空振りする。
 魔獣が狙っていたのは、後衛の二人だ。
「俺たちを狙え!」というクリックの苛立ちが俺の頭に伝わる。
 キリザの剣がもう届かなくなっているように、俺たちの得意の魔法ももう届かない。
 矢の魔法を撃とうと思ったが、フレンドリーファイアの可能性を意識してしまい、躊躇う。
 撃たなかったらそれはそれで二人が危ない。
 そう考え直した瞬間、魔獣の体を矢の魔法が貫いて、俺とキリザの間を抜けた。
 それは狙撃が得意と言っていたシノキの魔法だった。
 その矢が、魔獣の体に開いた穴が、俺とキリザを攻勢に転じさせる。
 俺は矢の魔法を撃とうとする。
 キリザは魔獣を両断するべく近付こうとする。
 しかし魔獣は自分のダメージをなんとも思っていないような動きで、後衛の二人に飛びかかった。
 魔獣が止まっていたのは、矢を受けた一瞬だけだった。
 魔獣の牙がシノキの体を裂いた。
 そして魔獣は首を回して勢いをつけ、二つに分かれた体を放り投げ、彼の死を俺たちに見せつけた。
 俺の矢の魔法が魔獣に刺さるが、シノキのものと比べれば威力が低いのは明らかで、それで魔獣が倒れるはずがない。
 魔獣はすぐライに襲いかかる。
 ライは逃げようとするが、諦めた足取りだった。
 大して走らずに魔獣に噛まれる。
 そしてライは自分を噛む魔獣とは全く関係のない方向へ矢の魔法を放った。
 魔法はミズマがいた方へ飛ぶ。
 そちらを見ると、ミズマは別の魔獣と向かい合っていた。
 落ちてきた魔獣よりも三倍ほどの大きさがあって、人に似た形をしている。
 よく見ると、その魔獣の腕は狼のような魔獣だった。
 それが片腕しかない。
 ミズマが戦っていた魔獣がその腕になっていて、今二人の魔法使いを食い殺した魔獣がもう片方の腕になるのだろうか。
 大きな魔獣は腕を地面に叩き付けてミズマを潰そうとするが、彼女は素早く動き回って掴まりそうにはない。
 もう一匹の魔獣に視線を戻す。
 同じく大きな魔獣を見ていたキリザも、仲間を殺した魔獣の方に向き直った。
「まずはあいつをやるぞ!」と俺に言い、キリザは魔獣へと向かって走る。
 しかし魔獣は大きく跳んだ。
 キリザの剣が届かないくらい高く跳んでキリザを越えて、大きな魔獣の方へ戻っていく。
 そして大きな魔獣のもう一本の腕となった。
「人型の魔獣だっていうのか!」
「しかも巨人だな」とクリックが言う。
「まとまってくれた方がやりやすい!」
 キリザはそう言って、大きな魔獣へと駆けていく。
 しかし魔獣までの距離はかなりある。
 走りながら俺は魔獣の胴体目がけて矢の魔法を撃ってみる。
 当然ながらそれは勲章のように刺さるだけで、魔獣は気にしない。
 そして無力を恥じるように魔法の矢は消失する。
 キリザが近付くまで、魔獣は両腕を交互に叩き付けて、ミズマを潰そうとする。
 そしてキリザがあと数秒で魔獣に切りかかれるというところまで近付いた途端に、魔獣は右腕をキリザに向けて飛ばした。
 飛んだ右腕は狼の魔獣であるから、大きく口を開いてキリザを嚙み砕こうとしている。
「危ねえ!」
 キリザは両腕の剣を盾にすることで、どうにか受け流すことに成功する。
 軌道を逸らされた魔獣は、俺の近くに着地する。
 着弾といった方が正しいかもしれない。
 魔獣は着地する地点を決められるわけではなく、ただ飛ばされたままにここまで来た。
 そのことを、踏ん張って着地する様子から感じた俺は、魔獣に飛びかかっていた。
 すぐに次の行動へ移れていなかった魔獣の頭部に、魔法で作った氷の塊をぶつける。
「貫け!」
 クリックを俺の体から切り離し、爆発によって転がった魔獣に投げつける。
 クリックは放物線を描きながら剣に形を変えて、魔獣に真上から突き刺さった。
 剣になったクリックはそのまま地面に刺さり、魔獣をそこに固定する。
「これで動きは封じたはずだ」
 呟き、俺は大きな魔獣の方を見る。
 丁度魔獣の攻撃をかいくぐったミズマが、魔獣から逃げるように背を向けて走りながらライズを切り離したところだった。
 ミズマの脚と一体化していたライズは走るミズマの踵に蹴り飛ばされるようにして、魔獣へ飛ぶ。
 そして魔獣の腕に取りつくと、電撃の魔法で攻撃を始めた。
 大きな魔獣は腕を切り離して攻撃から逃れる。
 腕になっていた狼の魔獣は、ライズの魔法をくらって叫び声を上げる。
 相当のダメージがあるみたいだ。
 キリザが両腕をなくした大きな魔獣の懐に入る。
 そしてジャンプして魔獣の胴体に向かって両腕の剣を振う。
「切り裂く!」
 魔法の力で剣はその刀身が通らなかった場所さえも切り刻む。
 しかし大きな魔獣は、ひるみはしたものの、倒れなかった。
 そして頭部から爆発の魔法を放つ。
 高所から撃たれたその魔法は直撃しなかった。
 しかしキリザは吹っ飛ばされる。
 立ち上がってもう一度切りかかろうとキリザはした。
 黒い鎧をまとった男がそのキリザの横を走り抜けた。
「ショット」
 男の両腕から何かの魔法が放たれる。
 その魔法は魔獣の腹に無数の穴を開ける。
 まるで散弾だ。
「ソード」
 そしてその黒い鎧の男は、右腕を横に振う。
 斬撃の魔法が、穴を通って魔獣を裂いた。
 そしてその男は腕となっていた二匹の狼の魔獣を矢の魔法で倒してしまう。
 礼を言う間もなく、その魔法使いはその場を去ってしまう。
 後になって、その黒い鎧の魔法使いが駅を襲った魔獣のほとんどを倒したことが明らかになった。
引用なし
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