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自分の冒険 〜自分ならこう書く〜 冬木野 12/4/26(木) 11:03

ピュアストーリー 第四話 怪人 スマッシュ 13/11/23(土) 0:00

ピュアストーリー 第四話 怪人
 スマッシュ  - 13/11/23(土) 0:00 -
  
 ブレイクはクレイモアの死体に近寄ると、ズボンのポケットの中の財布を抜き取った。肩にかけていたバッグもはぎ取って、財布とカオスエメラルドをその中にしまった。
「そういうのあんまよくないんじゃないか」とレジストが言った。
「幼馴染なんだ」
 ブレイクは衣服も脱がそうとしたが、
「それはちょっと」と言ってスピアが止めた。
「そうか」
「服まで取ったらただの泥棒だもんな」
 レジストは顔だけ出して大通りの様子をうかがった。生きている人間はいなかった。大通りの死体は略奪者と思われて殺された人たちであった。
「誰もいないな」
「早く逃げた方がいい。GUNのやつらが来るかもしれない」
 ブレイクはクレイモアのバッグを肩にかけた。
 GUNはテロなどの大規模な出来事に対応するためにあった。異星人が侵攻してきた時には彼らが戦うことに決まっているという話で有名な組織であった。銃を使う隊員もいるが、魔法使いが主になっていた。今回は公共の場で人が死に過ぎた。その情報が伝われば彼らが出動するかもしれない。戦闘になってもカオスエメラルドの力があれば大丈夫だと思われるが、人殺しとして世間に顔を知られるのは避けたいとブレイクは思った。人を殺しているのは事実だが、自分たちの行いはあくまで賢者ブレイクの世界革命のような善行であると思っていた。それに今回に限ってはブレイクもスピアも人を殺していない。
 三人は裏通りから狭い路地を通って隣町まで歩いた。そしてバスに乗って駅まで移動し、電車で拠点のある三七五町まで戻った。GUNとは遭遇しなかった。もしかしたら出動しなかったのかもしれない、とブレイクは思った。

 ドクターフラッシュの研究室にブレイクがカオスエメラルドを届けに行くと、
「ブレイクか。一体何が起きたんだ」とフラッシュはブレイクたちが入ってくるなり言った。動揺している様子であった。「襲われたのか。それともお前たちがやったのか。カオスエメラルドはどうなった」
「カオスエメラルドは回収しました」
 ブレイクはクレイモアのバッグからカオスエメラルドを取り出し、フラッシュに渡した。
「俺たちからカオスエメラルドを奪おうとする二人組にやられたようです」
「そうか。そんな連中が出てきたか」
 フラッシュは鼻で笑う。エンジェルリングを作っている彼からすれば魔法使いであろうと脅威ではない。彼の関心はすぐにカオスエメラルドの方に向いた。受け取った青いカオスエメラルドを人差し指で撫でる。
「これで三つ目か。まさか三つも集めてきてくれるとは思わなかった」
「七つ、全て集めるつもりです」
「それは心強いな。よろしく頼むよ」
 フラッシュは壁にカオスエメラルドをはめた。カオスエメラルドを固定するホルダーが作ってあった。正六角形の頂点とその中心にカオスエメラルドをはめるようになっている。カチリ、と音がした。
「ところで博士、カオスエメラルドの力でやりたいことがあります」
「何かな」
「死者を蘇らせたいのです。可能でしょうか」
「さあどうだろうね。やってみなきゃわからんね」
 準備が必要だとフラッシュは言った。蘇ったはいいものの映画に出てくるゾンビのように誰彼構わず襲ってくるといったことが起こらないとも限らない。フラッシュはホルダーからカオスエメラルドを一つ外した。強く押し込むと外れる仕組みになっていた。そしてそれをブレイクに渡す。
「ゾンビだったらすぐ殺すんだ」
「わかりました」
 ブレイクはホルダーにはめられた二つのカオスエメラルドの前に立った。カオスエメラルドとの接続を念じる。するとカオスエメラルドは光り出し、ブレイクはカオスエメラルドと繋がったことを体内で感じた。体の中に活力が流れてくるのだった。そしてクレイモアが生き返る鮮明な光景を想像して、その体内の力を走らせた。カオスエメラルドの強い光が部屋を覆った。室内に一人の男が加わっていた。全裸で倒れていた。
「クレイモアだ」とスピアが言った。
 フラッシュが慌てて羽織っていた白衣を裸の男にかけた。それから咳払いして、
「どうやら成功らしいな」と言う。
 クレイモアを目を開けて、ゆっくりと体を起こした。フラッシュと目が合い、数十秒間フラッシュのことを見つめていた。そして次はブレイクを見た。やはり数十秒ブレイクのことをじっと見ていた。同じようにスピアやレジストも見た。
「なるほど」とクレイモアは呟いた。「大きくなったな、アックス」
 ブレイクを見てクレイモアは言った。スピアは目を見開いた。ブレイクもスピアほどではなかったが驚いた様子を見せた。
「どうしてわかったの」
「記憶だ。記憶が見えたみたいだ」
 探るようにゆっくりとクレイモアは喋った。
「魔法なんだろうか。探ろうと思えば思うほど記憶が手に入る。アックス、お前は先生と旅をしている途中で先生から人に化ける魔法を教わった。そうなんだろ?」
「ああ」
「やっぱりこれは記憶なのか」
 そう言ってクレイモアはフラッシュの方を見た。
「ソニックとかテイルスとかいう、人間とは違う生き物がカオスエメラルドを使って世界を救った。そんな歴史があったっていうのは本当なのか」と聞いた。
「五十年前までは皆そう教わったよ。今ではもうそんな事実があったのかわからないがね。それより君は本当に人の記憶が読めるのかな」
「たぶん。でも俺、これまでそんな魔法を使ったことなかった」
「そもそも本当に魔法なのだろうか」とフラッシュは難しい顔をして言う。「そんな魔法聞いたことないのだが、君たちは?」
「そんな魔法はないはずだ。習ったことも使われたこともない」
 即座にレジストが言った。
「新しい魔法ということだろう。他の誰も使ったことのない魔法を使うやつが一人、うちにいる」
「治癒の魔法か」とクレイモアが言った。アックスの記憶を読んだのだった。
「勝手に記憶を読まれるのは、ちょっと抵抗があるな」
「すまん。しかし新しい魔法か。死んだのにカオスエメラルドで蘇って、これはそのおまけなのか?」
 フラッシュがその意見に同意した。
「確か魔法で瞬間移動はできなかったな。しかし五十年前には、カオスエメラルドを作って行う瞬間移動が知られていた。さっき出てきたソニックが使った技らしいのだが」
 そう説明してからフラッシュは、記憶を読むやつがいると話し辛いな、と言って頭を掻いた。
「まあとにかく、カオスエメラルドの影響で今までできなかったことができるようになった、と思えば納得できそうじゃないか。それに魔法にはまだ発展の余地があるだろう」
「カオスコントロールか」
 クレイモアは瞬間移動に興味を持ったようだった。そして口には出さなかったがアックスも同様であった。瞬間移動ができればカオスエメラルドの回収が楽になる。特に逃げる際に追われる心配がないのは大きな利点だった。突然どこからともなく現れてカオスエメラルドを奪って姿を消し、どこに逃げたか知ることもできない。そのような者を相手にするのは大変なはずだ。世界中をしらみつぶしに探すわけにもいかないだろう。カオスエメラルドは、今は研究のために使われているが、これからはカオスエメラルドの回収のために使われるべきなのかもしれないとアックスは思った。

 四つ目のカオスエメラルドの情報が入らないまま一週間が過ぎた。スピアは暇を持て余していた。アックスはドクターフラッシュと瞬間移動の実験をしていた。カオスエメラルドを使って行う瞬間移動はカオスコントロールと呼ばれるらしい。クレイモアは拠点として使われているマンションに住むことになったが、ほとんど外に出ていないようだった。何度か様子を見るために部屋の中に入れてもらったが、ずっとパソコンで文書を作っていた。真実を記録にする、とクレイモアは言っていた。スピアにはすることがなかった。
 スピアは自分の部屋で剣を握っていた。前に踏み込み突き刺す動作を何度も繰り返す。なるべく遠くまで踏み込む練習をしたり、寸止めする練習をしたりしていた。ハルバードとサイスの姿を剣の先に見ていた。二人と戦うことになるとは思っていなかった。殺したくなかった。実際に殺さず退けた。ハルバードには殺意があったのだろうか。そのことをスピアは気にしていた。彼は自分のことを敵と見て、戦う意志を見せた。その中に殺したくないという気持ちはあったのだろうか。
 気になることはたくさんあった。二人もまたカオスエメラルドを狙っていた。彼らは何のためにカオスエメラルドを手に入れようとしたのだろう。もしも世界を平和にするために集めているのであったなら、二人を仲間にしてもいいのかもしれない。クレイモアも仲間になった。昔のように集まれたらいいと思う。一方でそれでは台無しだとも思った。彼らのために世界を平和にするのである。サイスは家族から虐待を受けていたようだった。ハルバードとクレイモアは家族が殺されてしまった。不幸なことが身近にいくらでもある世の中だ。自分や友人がこれ以上不幸に巻き込まれないために世界を変えなくてはならない。そしてその戦いに身を投じるのは不幸を体験したことのない自分が相応しい。そのようにスピアは考えていた。既に不幸を経験した友人を過酷な戦いに参加させたくないのである。
 ふとアックスのことを思い出した。アックスもまた不幸を経験したチャオであったのだ。スピアはアックスの飼い主というわけではなかった。アックスは元々スピアの従弟が飼っていたチャオだった。スピアはよくアックスと遊ぶために従弟の家に行った。ある日その従弟が通り魔に殺されたのである。スピアは従弟が死んだことに悲しみを感じなかった。飼い主を亡くしたアックスのことを可哀想だと思っていた。それでスピアはアックスを引き取った。そういった経緯で幼馴染のようでもあり家族のようでもある関係となったのである。アックスはカオスチャオだから随分頑丈なようである。人なら死んでしまう怪我にも耐えられる。その上アックスは積極的に動いてくれる。そのためについアックスに頼ってしまったが、もっと自分が頑張るべきだったのではないかとスピアは思った。チャオにだって感情はある。人を殺すのは辛いだろう。少しでも負担を軽くしてあげたいと思った。
 決意をしようとスピアは思った。次の戦いの時に人を殺す決意をすることにした。ハルバードやサイスは殺さない。カオスエメラルドの力で蘇らせることはできるようだったが、それはしてはいけないことのように感じられた。
 呼吸が乱れ、額から汗が流れる。しかしスピアが繰り返す突きの動作には疲れが全く表れていなかった。ずっと同じリズムで黙々と練習していた。自分が感じている疲労を手足は感じていないのではないかとスピアは思った。そう思った矢先、前に踏み込んだ瞬間バランスを崩してよろめいた。足に力が入らなかったのだ。スピアはソファに腰を下ろした。ふう、と一息ついた途端に大粒の汗が流れて顎から落ちた。立ち上がって洗面所へタオルを取りに行く。一度座ってしまったためか足を動かすとだるさがあった。タオルで汗を拭いながら戻り、ソファに倒れ込んだ。そしてぐしゃぐしゃと顔面を拭いた。スピアは横になったまま雑に上半身の汗を拭いて、汗が治まると眠りに落ちた。

 目覚めたのは、ドアポストに何か入れられた音がしたからだった。新聞は取っていない。スピアは玄関に行って、入れられた物を確認した。大きな封筒であった。中には紙が数十枚入っている。一枚を出してみると、世界革命によって失われた歴史の記憶について、というタイトルが書いてある。封筒をテーブルの上に置き、ソファにもたれて内容を読むと、書いたのがクレイモアであることがわかってきた。他人の記憶から仕入れた情報をパソコンでまとめ、印刷して形にしたようである。
 スピアは歴史の授業に興味がなくてよく居眠りをしていたが、このクレイモアが作った資料に書かれている歴史には引き込まれた。何百年も前にソニックという青いハリネズミがいたこと。ソニックはその名の通り音速で走ったこと。カオスエメラルドの力を借りて世界を救ったこと。おおよそ現実の出来事とは思えないことだが、世界革命の前には歴史の授業で習うことであったらしい。こんな授業なら聞いたのにな、とスピアは思った。
 ソニックとカオスの戦いについては詳しく書かれていた。おそらくドクターフラッシュはそのことについて詳しかったのだろう。カオスというのはチャオの守護神であり、ある時暴走して大災害を起こしたようだ。その時カオスはカオスエメラルドの力を利用して自らの姿を変化させたようだ。カオスエメラルドが増えるごとに大きくなり、最終的には町一つを水没させたようだ。そのカオスはチャオの突然変異体と考えられていたらしい。カオスの姿を描いた鉛筆画が挿入されていた。チャオを人型の化け物にアレンジした姿だ。ライトカオスチャオに似ている。そう思った瞬間カオスチャオという名称の由来がこの化け物であることに気が付いた。誰もがどうしてカオスなのかわからないままカオスチャオと呼んでいた。スピアは、へええ、と感嘆の声を上げていた。
 カオスの資料の次はドクターフラッシュの研究についての資料であった。カオスエメラルドの研究について書かれてあった。フラッシュはカオスチャオをカオスに変化させることができれば、よりカオスエメラルドに近い宝石が手に入ると考えているらしい。あるいは人間の心臓がカオスエメラルドになることを期待していると書いてある。魔法を使ううちに人間の心臓は少しずつ宝石になっていく。魔法使いの死体から心臓を取り出すと、一部が直径約五ミリの宝石に変化している。その宝石もエンジェルエメラルドと同じように使うことができるが、小さ過ぎるために力が弱い。心臓が丸ごと宝石化すれば、カオスエメラルドと同等の力を持った石になるのではないかとフラッシュは考えているようだ。
 そして最後の一枚は印刷物ではなく、賢者ブレイクに会って真実を手に入れる、とマジックで書かれてあった。

 スピアはドクターフラッシュの研究室に駆け込んだ。研究室にはフラッシュとレジストがいた。そして数秒経ってアックスが突然現れた。瞬間移動の実験中のようだった。
「クレイモア知らない?」
 マンションの部屋にはいないようであった。フラッシュが、
「どっか行ってしまったよ」と言った。「カオスエメラルドを一個無理矢理取って、カオスコントロールをした」
 ホルダーを見ると、カオスエメラルドが一個しかなかった。アックスが一個持っていて、この研究室にあるのはそれで全てのようだった。
「そう」
「どうやらあいつの魔法はカオスエメラルドのサポートがないと上手くいかないらしい」
「へえ」
 スピアは壁にもたれて座り、息を整えながらクレイモアのことを考えた。彼が何をしようとしているのかなんとなく予想できる気がした。世界革命によって人々から失われた記憶を賢者ブレイクは持っていると思ったのだろう。それで賢者ブレイクに会ってその記憶を手に入れるつもりなのではないか。もし手に入れたらまたパソコンに向かうのだろう。クレイモアがタイピングしている姿を鮮明に想像できて、スピアはほっとした。きっとまた会えると感じたのだった。
「それで、アックスは何してたの?」
「カオスコントロールの実験」
「どんな感じ?」
「カオスエメラルド一個だと限界があるようだ。二人以上が遠くに飛ぶのは難しい。しばらくは今まで通り電車で移動だな」
「ふうん。世の中甘くないんだ」
 それだけ交通費を節約するのは難しいってことなのだろう、とスピアは思った。アックスはフラッシュを見た。険しい顔をして、
「ところで博士。カオスコントロールの最中に何か変なものを見たような気がするのですが」と言った。
「変なもの?なんだそりゃ」
「景色です。移動先とは全く違う景色でした。広い、とても広いチャオガーデンのような場所でした。一面緑で、遠くに砂漠が見える。そんな場所、ありますか。そういえば木の数が少なかった気がします」
「どうだろうな。私はあまり地理に詳しくない。どこに何があるのかもよくわからん。それで、その景色がカオスコントロールすると見えるのか?」
「一度だけ見えました」
「一度だけ。毎回見えるわけじゃないということか?」
「はい」
 フラッシュは目を瞑り額に手を当て考え込む。しばらくするとそのままの状態で首を振って、
「わからんな。何かのエラーなのだろうか」と小さな声で言った。
「カオスエメラルドの力の代償ということはないですか」とアックスが言った。
「代償とは?」
「世界革命で記憶が失われたのは、世界を救う代償であったと噂されています。それで俺もイメージした場所とは違う場所に飛びそうになったのでは」
「ああ。そういうことか。しかし代償があるなんて五十年前には言われていなかった。迷信じゃないのか」
「しかしそれでは説明がつかない」
「代償じゃないと私も思うよ」
 スピアが口を挟んだ。クレイモアもあの紙では代償について触れていなかった。本当に五十年前には知られていなかったのだろうとスピアは言った。
「代償があるなら、ソニックってやつが代償で酷いことになってたんじゃないかな。代償なしに世界を変えられちゃうってなると、ちょっと都合よすぎって思わなくもないけどさ」
「とにかく現状ではわからないということだ。また変なものを見ることがあったら報告してくれ」
 フラッシュがそう言って、話が終わったような雰囲気になった。アックスは納得のいかない様子であったが何も言わなかった。

 次の日の朝にカオスエメラルドの情報が入った。一六五町に住む富豪が持っているらしい。アックスたちはフラッシュに一六五町に向かうように言われ、駅に向かった。スピアは、仲間が一人増えていることが気になっていた。まだ成人していないように見える男がアックスと一緒にいるのだった。
「あのさ、その子誰なの」
「ああ。こいつはブロウ。元々俺たちのチャオガーデンでチャオの飼育をしていたんだ」
 ブロウは、よろしく、と言った。チャオガーデンには将来エンジェルエメラルドとなるチャオがたくさん飼われていた。その全てのチャオをブロウは育てていた。
「よろしく。で、どうしてチャオの飼育をしている子が一緒に来るの」
「こいつの魔法も特殊なんだ。負傷した体を治すことができる。回復魔法だ」
「そうなの?」
「まあ」
 ブロウはおどおどしながら頷いた。そして彼はアックスに、
「あの、これから殺し合いに行くんですよね。負傷した人全員助けなきゃいけないんですよね」と聞いた。
「全員助ける必要はない。俺たちだけでいい」
「あ、そうなんですか」
 ブロウは俯いた。アックスは、自分たちだけでは不満なのかもしれない、とブロウの心の内を考え、
「負傷したチャオがいたらそいつらも助けていい。こっちのガーデンで面倒を見よう」と言った。
「はい」
 それでも俯いたままであった。戦いそのものが嫌なのかもしれない。しかしそうであってもアックスは連れて行くのをやめるつもりはなかった。これからの戦いでスピアやハルバードやサイスが死んでしまわないよう彼の能力が欲しかった。死んでも生き返らせることはできるのだが、スピアが感じたようにアックスもまたクレイモアの様子に違和感を持っていた。生き返ると同時に得た能力のために彼の人生が大きく変化してしまったように感じられた。

 一六五町には確かにカオスエメラルドがあるようだった。アックスはアンテナのような直感を頼りにカオスエメラルドのある方へスピアたちを導いた。しかしその途中の路地で数十人の人間に挟まれた。その集団の半分が銃を持っていて、アックスたちに向けていた。もう半分はおそらく魔法使いで、そちらの方が手ごわい相手だろうと想像できたが、威圧する力は銃の方が上であった。凶器を向けられているのが明らかにわかるためだった。
「大人しくしろ」と銃を持った男の一人が大声で言った。「我々はGUNだ」
「行くよ」
 スピアはそう言うなり、GUNの兵士たちに向かって駆け出した。左右に大きく動き、高く飛び上がり、銃弾を避ける。そして右手の剣で一人の喉を貫き、左手から銃弾の魔法を放って別の一人の頭を吹き飛ばした。躊躇いを捨てて、スピアは相手を殺すように動いた。
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