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自分の冒険 〜自分ならこう書く〜 冬木野 12/4/26(木) 11:03

最終話 純白 スマッシュ 13/8/19(月) 22:45

最終話 純白
 スマッシュ  - 13/8/19(月) 22:45 -
  
 昔々、あるところに男の子とチャオがいました。
 チャオは男の子の気持ちがわかりました。
 チャオは自分の気持ちもわかりました。
 だからチャオは旅に出ました。
 そうする他にできることがなかったのです。
 それは、混沌の石の物語の、その一つの場面。


 セレナが純白の剣を与えられたことで、混沌の石を盗んだ者の拠点が近くにあることがわかった。
 それとは別に、セレナは町である噂を聞いていた。
 混沌の石を盗んだ集団の中に黒いチャオがいた、という噂。そのチャオはクロウという名前で、そのチャオがリーダー的存在であったという噂。
 それは笑い話のようであったが、ウォンドに話すと顔色を変えた。
「そのチャオ、幼い頃、よく遊んだチャオと一緒だ。黒くて、名前はクロウ」とウォンドは言った。
「え、でも、どうして」
「わからない。でも、そうか。それならこれは運命だったのかもな。クリスが選ばれたのも、あいつと遊んだことがあったからなのかもしれない」
「そっか、幼馴染だもんね」
「ああ。だとすると、あいつもいるのかな」
「あいつ?」
「そのクロウが一番懐いてたやつ。いつも一緒に遊んでた」
 ウォンドは、噂のことをクリスには話さないでおこうと思った。知っているチャオが犯行にかかわっているというのは、大きなものではないにしても、ショックなことに変わりはなかった。それなら本当に幼い頃遊んだチャオだと確定するまでは話さなくていいだろうと思った。
「そういえば、あのチャオ、いつの間にか姿を消してたんだよな」

 ウォンドたちの泊まっている宿に、町の地図が届いた。そしてある建物のところに印が書かれていて、混沌の剣を持つ者を待つ、とその傍に書いてあった。
「ここが拠点ってことでいいんだろうか」
 地図を見ながらウォンドは言った。
「罠って可能性もあるかも。拠点として使ってはいたけど、私たちの罠にはめるために使って、本人はもう逃げている、とか」
「でもこれ以外に手がかりがないからな。俺としては、行ってみたい」
「ウォンドがそう言うなら、付いていくよ」
 クリスとクラウンも頷いた。

 印の書かれた建物には、誰もいなかった。
「やっぱり罠か。もう逃げられたかな」
「どうにかして足取り追えないかな」とセレナが言う。
「そうでもないさ」
 そうクラウンが言った。三人はクラウンを見る。
「何かあったのか?」
「純白の剣をいくつ用意しても無駄のようだ。だから君たちの旅は私が終わらせる」
 クラウンは純白の剣を抜く。そして右手で持った剣をウォンドに向けた。
「お前、正気を失ったのか」
「違うよ」
 クラウンは左の手で混沌の石を持ち、三人に見せた。
「私がこれを盗んだんだ」
「クロウ」とクリスが言った。
 三人はその名前を聞いて、驚いた。クラウンだけは、目を見開いて、感心している驚きであった。
「いつ、気付いた。私がクロウだって」
「お前がクロウだって?」
 ウォンドを無視してクリスは答える。
「君がこんな姿をしているとは思わなかったけど、クロウが犯人だって気付いたのは、僕がこんなことになった時だ。混沌の石の力で、僕を変えたんだろう。そんなことをするのは、クロウしかいない」
「そうか。私のことを、わかっていてくれてたんだね」
「でも僕はこんなこと望んじゃいない」
 クリスは混沌の剣でクラウンを突き刺そうとした。しかしクラウンは純白の剣でそれを弾く。クリスの剣が宙を舞った。
「君の剣はそれじゃない」
 クラウンはまだ抜いていなかった純白の剣を持った。
「この純白の剣が君の剣だ」
 そう言って、純白の剣をクリスの前に投げる。
「君の叶うはずのなかった恋を叶えるために生まれた剣が、その純白の剣だ。そして私の純白の剣もまた、私の叶うはずのなかった恋を叶えるための物なんだ」
「そう。君は僕のことを。だけど今の僕の願いは」
 純白の剣をクリスは握る。そして純白の剣はクリスに応え、力を与える。突進し、剣を突き立てる。クラウンは避けることができなかった。剣は混沌の石に突き立てられ、石はクラウンの手から離れた。
「全てを元に戻してほしいんだ」
「でも、それだとクリス、君の想いは」
「いいんだよ、これで」
「そんなの悲しいじゃないか」
「知ってるよ、そんなことは。でも、これが自然なんだ」
 クラウンは徐々に黒いチャオに戻っていく。そしてクリスの骨格も徐々に変わっていった。
 低くなった声でクリスはウォンドに言う。
「こんな恋心、君は知らなくてよかったんだ」
引用なし
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